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年休をとって「小さいおうち」を観ました。こういうお話にわたくしは弱い。この映画の主人公の「女中」に限らず、我慢ばっかりさせられた魂はいまでも誰一人救われていない。無論、死んだら絶対に救われないことを我々の国はもっと真剣に考える必要がある。祈って何になる。
そういえば、おばあちゃんになった倍賞千恵子の発音を聞いていて思うのは、鼻濁音である。先日、現在でも五人に一人しか鼻濁音を使っていないことがニュースになっていたが、非常にショックである。わたくし自身は、最近の学生に、『「が」でなく「な」と言っているように聞こえた』と言われるほどの、また、退職間際の教員に「あなたの教授会報告での鼻濁音は完璧だな」と褒められるほどの、鼻濁音の使い手であるが、知らないうちにそんな少数派になっていたとはびっくりである。そういえば、合唱部でも鼻濁音はうるさく指導されたような気がする。だいたい、語頭以外の濁音を鼻濁音にしないでどうやって発音するのか、そっちの方がわたくしにとっては難しいのである。
倍賞千恵子が小さくなって泣いている姿を見て、わたくしはドラマの内容と関係なく悲しくなった。