★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

秋の太陽

2024-10-31 08:17:21 | 文学


「だが私は、あなたにお別れするのが悲しくてなりません。」と、草はいいました。
「そんなに悲しまなくてもいい。俺は南に帰るときに、もう一度おまえを見るだろう。」と、太陽は答えました。
 その後、草ははたして、りっぱな花を咲きました。脊も、もっと高くのびて、青木よりも高くなりました。そして、葉もたくさんにしげりました。草は、内心大いに安堵していたのであります。もう、このくらい大きくなれば、太陽にすがらなくともいい、青木が冬の間我慢をしていたように、私も我慢のできないことはないと思いました。


――小川未明「小さな草と太陽」


現在の宇宙を舞台にしたSFは、マーラーよりもホルストのおかげが大きいと思うが、つまりゲーテ的誇大妄想よりも、占星術がSF的だったということになり、――いまだに宇宙は星占い的な存在であることは確かである。「世界」ではないのだ。というわけかわからないが、いまだにマーラーの音楽をもちいたSFは見る気がしない。


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