このところ、ヒマな時とか、ついつい見てしまうのが、昭和の名物番組だった「ザ.ガードマン」の動画です。
あの金曜の夜もついつい観てしまったものです。プロレス中継との流れなどで...
ジャズタッチの音楽、都会の夜の静寂を、"プッ、プー"と切り裂く、車の警笛音、欲望渦巻く街...今夜もどっかで悪が忍び寄る...
それにしても、この人たちは一体何をしている人たちなのか? 「キャップi ここは警察に知らせた方がいいんじゃないでしょうか?」「いいや、何とか我々の力で犯人を捕まえるんだi」と、自分たちの使命に燃えるあまり、社会の決まりには全く無頓着そうな高倉キャップ(宇津井健)
警察の下請け会社か? いいや、ただの警備員なのに、越権行為を繰り返しているだけです。
この傾向は、いつも"おい、高倉i"などとエラそうに、旧友のよしみで呼び捨てにしてるが、見習いとして警察から榊隊員(神山繁)がトラバーユ(死語。ネタが古いだけに悪しからず)し、何をやってもソツがなく、フツーの社員か技師のようにしか見えず、潜入調査にはうってつけの小森隊員(中条静夫)が眼鏡をかけ始めたあたりから、いよいよ後戻りが効かず、エスカレートして行く一方になりました。
最年長の"七人の侍"の生き残りのような、昔はスゴそうだった感のある吉田隊員(稲葉義男)と、最年少で、切り込み役みたいに、いち早く敵方に潜入しては、いつも背後から"ポカリ"と不覚を取ってしまう杉井隊員(倉石功)とは親子ほど年の差が感じられます。
よく分からないのが、怪しげなナイトクラブ(悪しからず)とかに、歌手として潜入するが、明らかに出すぎた真似でつい歌ってもしまう、大概主役のキャップを食うほどの活躍をする清水隊員(藤巻潤)と、逆に普段は出向しているのか、派遣社員なのか滅多に顔を見せることのない、ヘビースモーカー(いつもくわえている)の荒木隊員(川津祐介)です。
この人たちの仕事は普段要所でずっと立っているか、見回りをしているだけのはずなのです。面白くも何ともありません。
このドラマを面白く、引き立てているのは...そしてホントの主人公と言ってもいいのは、実は悪役の存在なのですi
悪が働かなければストーリーは生まれないのです。これはプロレスと同じです。
今でも時折テレビドラマを観てますが、何かどうも...悪役らしい、悪役は見かけなくなったですねえ。
このドラマはその点、昭和悪役総まくりと言っても過言ではありませんi
例えば...安部徹、今井健二、加藤嘉、金子信雄、神田隆、小池朝雄、小松方正、戸浦六宏、成田三樹夫、南原宏治、西沢利明、沼田曜一、穂積隆信、山形勲...(あいうえお順)
もう、大ボス、小ボス、殺し屋、チンピラ...キツネにタヌキにハイエナと、どいつもこいつも眼光鋭く、言葉巧みな、クセのありそうな顔ばかり...昭和のワルのことは、大体このドラマでお馴染みになりました。
しかし、この人たち一寸目付きを緩めて素に戻ると、何とも知的で会社の重役か大学教授、テレビのゲストコメンテーターとして出てきてもおかしくない、ホントの文化人って人も珍しくないのです。料理(金子さん)、将棋(成田さん)、絵画(沼田さん)の腕前はプロ級だったり...声優(刑事コロンボー小池さん)、ナレーターとしてもシブイ声を聞かせてくれました。
特に私がファンだった、成田さんなど東大に受かって、山形大に転学したという恐ろしいキャリアの持ち主で、俳優になった動機は、"自由が利いて、好きな読書が出来るから"と、インタビューで答えてました。
まるで当たり役の一つ「柳生一族の陰謀」(映画、テレビ共)に出てきた、公家のくせに武芸の達人、策士という「烏丸少将」を地で行っているような貴族生活をしていたのです。羨ましい...
とにかく、このようにステレオタイプの悪役とのギャップが、二重人格めいていて実に面白いです。全く悪役が悪役していた時代のプロレスラーと同じです。
悪役らしい人がブラウン菅から姿を見せなくなるにつれ、何が善で何が悪だか、見えにくくなってきたように感じるのは私だけだろうか?
あの金曜の夜もついつい観てしまったものです。プロレス中継との流れなどで...
ジャズタッチの音楽、都会の夜の静寂を、"プッ、プー"と切り裂く、車の警笛音、欲望渦巻く街...今夜もどっかで悪が忍び寄る...
それにしても、この人たちは一体何をしている人たちなのか? 「キャップi ここは警察に知らせた方がいいんじゃないでしょうか?」「いいや、何とか我々の力で犯人を捕まえるんだi」と、自分たちの使命に燃えるあまり、社会の決まりには全く無頓着そうな高倉キャップ(宇津井健)
警察の下請け会社か? いいや、ただの警備員なのに、越権行為を繰り返しているだけです。
この傾向は、いつも"おい、高倉i"などとエラそうに、旧友のよしみで呼び捨てにしてるが、見習いとして警察から榊隊員(神山繁)がトラバーユ(死語。ネタが古いだけに悪しからず)し、何をやってもソツがなく、フツーの社員か技師のようにしか見えず、潜入調査にはうってつけの小森隊員(中条静夫)が眼鏡をかけ始めたあたりから、いよいよ後戻りが効かず、エスカレートして行く一方になりました。
最年長の"七人の侍"の生き残りのような、昔はスゴそうだった感のある吉田隊員(稲葉義男)と、最年少で、切り込み役みたいに、いち早く敵方に潜入しては、いつも背後から"ポカリ"と不覚を取ってしまう杉井隊員(倉石功)とは親子ほど年の差が感じられます。
よく分からないのが、怪しげなナイトクラブ(悪しからず)とかに、歌手として潜入するが、明らかに出すぎた真似でつい歌ってもしまう、大概主役のキャップを食うほどの活躍をする清水隊員(藤巻潤)と、逆に普段は出向しているのか、派遣社員なのか滅多に顔を見せることのない、ヘビースモーカー(いつもくわえている)の荒木隊員(川津祐介)です。
この人たちの仕事は普段要所でずっと立っているか、見回りをしているだけのはずなのです。面白くも何ともありません。
このドラマを面白く、引き立てているのは...そしてホントの主人公と言ってもいいのは、実は悪役の存在なのですi
悪が働かなければストーリーは生まれないのです。これはプロレスと同じです。
今でも時折テレビドラマを観てますが、何かどうも...悪役らしい、悪役は見かけなくなったですねえ。
このドラマはその点、昭和悪役総まくりと言っても過言ではありませんi
例えば...安部徹、今井健二、加藤嘉、金子信雄、神田隆、小池朝雄、小松方正、戸浦六宏、成田三樹夫、南原宏治、西沢利明、沼田曜一、穂積隆信、山形勲...(あいうえお順)
もう、大ボス、小ボス、殺し屋、チンピラ...キツネにタヌキにハイエナと、どいつもこいつも眼光鋭く、言葉巧みな、クセのありそうな顔ばかり...昭和のワルのことは、大体このドラマでお馴染みになりました。
しかし、この人たち一寸目付きを緩めて素に戻ると、何とも知的で会社の重役か大学教授、テレビのゲストコメンテーターとして出てきてもおかしくない、ホントの文化人って人も珍しくないのです。料理(金子さん)、将棋(成田さん)、絵画(沼田さん)の腕前はプロ級だったり...声優(刑事コロンボー小池さん)、ナレーターとしてもシブイ声を聞かせてくれました。
特に私がファンだった、成田さんなど東大に受かって、山形大に転学したという恐ろしいキャリアの持ち主で、俳優になった動機は、"自由が利いて、好きな読書が出来るから"と、インタビューで答えてました。
まるで当たり役の一つ「柳生一族の陰謀」(映画、テレビ共)に出てきた、公家のくせに武芸の達人、策士という「烏丸少将」を地で行っているような貴族生活をしていたのです。羨ましい...
とにかく、このようにステレオタイプの悪役とのギャップが、二重人格めいていて実に面白いです。全く悪役が悪役していた時代のプロレスラーと同じです。
悪役らしい人がブラウン菅から姿を見せなくなるにつれ、何が善で何が悪だか、見えにくくなってきたように感じるのは私だけだろうか?