メランコリア

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絵本『電信柱と妙な男』 小川未明/作 架空社

2022-02-02 13:32:57 | 
「小川未明まとめ」カテゴリー参照



2004年初版
小川未明さんの絵本は練馬区にある架空社さんでたくさん出しているようだ


小川未明:
美しくも哀しい情感豊かな物語は
現在も読み継がれ多くの人に愛されている

石井聖岳:
1976年 浜北市生まれ
今注目の若手絵本作家
雑誌等でも活躍


絵本を読んで久々大笑いした
未明さんの物語は、まずタイトルからしてキャッチーで
期待させるものが多く、その期待を裏切らない

この絵本ではだいぶ読みやすく書かれていたけれども
原書はもっと旧仮名遣いなどが多いんだろうな

そのほうがさらに味わい深いかもしれない
宮沢賢治の雰囲気とどこかしら似ているから
好きなのかも

最初の不思議な家の絵から笑ってしまう
どうやって入るのか分からない玄関





“妙な男”というのを箱をかぶった姿で描いたのも可笑しい



【内容抜粋メモ】
ある町に一人の妙な男が住んでいた
昼間は全く外に出ず
夜の1時から3時頃の町をぶらぶらと歩くのが好きであった







いつものように歩いていると
向こうから3m以上の大男が歩いてくる

よく見ると電信柱
昼間は人通りが激しいため
いつも夜に散歩していると聞く







おまえさんはなぜ今頃歩くのだ

俺は世の中の人がみんな嫌いだ
でもお前さんは好きだ
これから一緒に散歩しよう







しばらくすると小言を言い出す男
電信柱は背が高すぎるから話しづらくて困るじゃないか

じゃあ、池か河の淵に行きましょう
そしたら背の高さが折り合う

いやだめだ河淵は道が悪くて私は困る







それなら屋根の上を歩いたらどうだね

それは面白そうじゃ
私を屋根の上乗せてくれ







その時月が出て
電信柱に電気が通ると顔色が真っ青になり
傷だらけの顔を見てびっくりする

危険、危険
お前さんにゃ触れない

小男さん、もう夜が明けるよ
私は元のところに帰って立ってないければいけない

かれこれするうち人が通り始めた
電信柱に頼んでももう声も出さなけりゃ身動きもしない
(すっごいシカトしてるww






人々はみんな笑った
あんな町の真ん中に電信柱が一本立っている
屋根にいる男は泣きながら拝んでいる










巡査が来て盗賊と間違えられるが
そうでないと分かり放免される

それから妙な男は夜も外に出なくなった
電信柱も夜の散歩はやめたということであります










「動くな危険」って貼り紙がしてあるけど
電信柱に言ってるのかな/爆

全体的に未明さんが書いた頃というより
現代的に描かれている絵をよくよく見ると
ツッコミどころ満載でいちいち笑ってしまう

こういう説教でもなく、感動を与えるでもない
人を楽しませるだけの物語も大好き


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