メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

1993 WIMBLEDON

2004-01-31 23:00:00 | テニス
今年も一面に青々と伸びた緑のコート、快晴の空の下、ウィンブルドンが開催した。
とくに女子は100回記念(男子は107回)ということで、ウェアの移り変わりの歴史も流されて、
一層お祭り気分が盛り上がっている。

そして、ナブラチロワが100回記念に10度目の優勝を狙って(スコートをショートパンツに履き替えて)、チャレンジしてる。

ここまで(7/1)のあらましを言うと、まず日本選手は相変わらず2、3回戦の厚い壁が敗れずに、
期待の伊達さんは試合直前の故障でリタイア。

女子は、ガヴィ他も勝ち上がってはいるけど、まずはグラフの優勝は目に見えてて、
とくにエキサイティングなゲームはない。

***********

それより今年のウィンブルドン男子シングルスは、好カードの連続。
近年なかなか観られなかったシード選手同士、つまりトップランキング同士の素晴らしいプレーが堪能できそう。

レンドルが、またしても2回戦止まりでランキングではずいぶん格下の選手に敗れ(ああ、これが最後のチャンスなのに!)、
チャンも1回戦で消えたほかは、まず、ベッカー×ルコントのゲームがなかなかよかった。

好調のルコント。彼独特のプレイとパフォーマンスを楽しめたのは嬉しい。
過激なシェイプアップをして(エリック・クラプトン似)今年ここ一番に賭けてるベッカーには惜しくも敵わなかったけど。

噂の婚約者も応援していて、シュティッヒとのクォーターファイナルは、第5セットにまでもつれこみ、
延々4時間のゲームの末、ベスト4に上がったのはボリス。


それから他のシード選手は、おなじみのエドバーグ、クーリエ、そして我らがアガシ×ピートのゲームは中盤のベストだろう。

ディフェンディングチャンピオンで、シード8、これは史上最低という、また新たな記録を作ったアガシは、
大会初日、お定まりのセンターコートで、伸び盛りのドイツ選手をストレートで下した時は、
手首を痛めてロランギャロスも欠場、2ヵ月半ぶりのゲームということもあるし、
正直いって2度の優勝は誰も期待してなかったんじゃないかしら?と思っていたら、
調子が良さそうで、もしかして、もしかしたら!?という希望も持てた。

一方のサンプラスも大会直前に痛めた右肩の筋肉の痛みが想像以上に悪化して、
第1セット、第2セットをとったにも関わらず、3、4セットをアガシが奪い返して、
ファイナルセットにもつれた。


まるで悪魔が突然この日だけとりついていたみたいにアガシのフォームを変えた。
ファーストサーヴがことごとく(冗談みたく)決まらずに、
その影響でか、他のショット、決め球も何もかもガタガタに崩れてたって感じ。

それに比べて、トレーナーを呼んでマッサージを受けていたとは思えないほど、
終盤に近づけば近づくほど、こちらは神がかったようにピートのファーストサーヴが決まって、
もつれにもつれた結果、最後は3つのサーヴィスエース(信じられる???)に、
もう1つのポイントを重ねて、6-2、6-2、3-6、3-6、6-4でピートがベスト4に進んだ。

1日休養をとっての次の試合にのぞめるといっても、これからが正念場になるのに、
ピートの勝利には暗雲がたちこめているようにも思えるけど、後半はなるべく試合を長引かせないために、
飛びついてのショットで転んだり、レストチェアに突っ込んだりと、
まさに苦痛の中での死闘で勝ち取ったサンプラスは見事で、
彼とファイナルセットを戦い切ったアガシも両選手まったく素晴らしい試合だった。

***********

1993年のウィンブルドンが幕を閉じた。

後半を簡単に説明すると、まず女子。

女子決勝 グラフ×ノボトナ
100回記念に10回目の優勝を狙っていたマルティナは、
ノボトナ(すっかり雰囲気が変わった)の好調なサーヴィス&ボレーに敗れ、
女子ファイナルは、グラフ×ノボトナというカードになった。

第1セットは予想通りグラフがとったが、第2セットは6-1でノボトナ。
このセットに一体何が起こったのか結局見れなかった。ただ言えるのは、
'80後半、グラフが絶対的脅威だった時期に比べたら、それほど強くはないということ。
そして第3セットも4-1とノボトナがリードしてからが問題だった。

初優勝、それもウィンブルドンタイトルを目前としたプレッシャーとはどんなものなのか。
彼女のその後のプレーを見ればよく分かる。

それまでの積極さが落ち、3度のダブルフォルトで自滅。
結局、グラフが6-4で5度目の優勝を果たした。

表彰式では、思わずケント夫人の肩でノボトナが顔をうずめて涙を流したというシーンがあったらしいが、それさえ見逃してしまった。


男子決勝 ピート・サンプラス×ジム・クーリエ
しかし、今年のハイライトは、なんといってもMEN'S FINAL。
66年ぶりに男子の1~4シード選手が勝ち残ったという記録も生まれて、
'70以降20年ぶりに大会中、一滴の雨が降らなかったという嬉しいニュースも重なり、
これほどの好カードがウィンブルドンで実現したというだけで、テニスファンには嬉しい年だった。

セミファイナルでベッカーを敗ったピートと、エドベリを敗ったクーリエ。
「天候のせいで固くなったセンターコートのおかげだ」と彼自身も言っているとおり、
グラスコートでの対戦は初めての2人だが、ほとんど影響はなかった。

ウィンブルドン初優勝の年齢が、マック、エドベリ、ほか大勢が22歳だったという記録もこの2人にほとんど当てはまった。
クーリエ22歳、ピートも今年8月で22歳。
選手として心身ともに最も充実する年齢なのかもしれない。
ちなみに、7/4、アメリカの独立記念日に、アメリカン同士の対戦となった。

第1セットも、第2セットもまったく似通ったサーヴィスキープの後のタイブレイク合戦。
1ポイントのちょっとしたミスがそのままセットポイントにつながり、2セットともピートが取った。
その完璧なサーヴィス中心のプレーに隙が出てきた第3セットに、
すかさずクーリエが得意の強烈なショットで、まず1セット取り返す。

第4セット、ピートがクーリエのゲームをブレイクして向かえたサーヴィング・フォー・ザ・マッチ。
そのファーストポイントは、歴史的超スーパーショットの応酬で、クーリエが取った。
あとがないジムの底意地を見せて、食らいついていく姿はさすが。
結果、6-3で初優勝を飾ったサンプラス。

去年のアガシの感激シーンと比べると、両手を真っ直ぐ静かに上げているサンプラスは、
スタイルの違いがハッキリ表れていた。

いったんベンチに戻ってから観衆の声援で思い出したようにもう一度立ち上がり、
両手を上げている姿が印象的だった。


それにしても、なんというカルマ
アガシはクーリエに勝てなくて、なぜかクーリエはサンプラスに勝てない。
でも、この2人のパワーと安定したゲーム運びを観れば、
この混沌とした男子テニス界で、まだ2強として君臨することは間違いない。
肩の故障なんかなんのその、久々に完璧なテニスで優勝シーンを観た気がする。

試合前の本人のコメント。
「今年でなくても、近いうちにウィンブルドンタイトルをものにする自信はある」
「最近は、プレーに円熟味も出てきた気がする」

単にクールでキューリで、いつのまにか世界NO.1になってただけじゃない彼の自信が伝わる。
サーヴィスの威力、コース、鋭さはもちろん、グランドストロークも、クーリエに負けない。
タイプの違ったパワーとキレ、安定感がある。

かつてレンドルにストロークの練習をしてもらったというが、確かにふとしたショットの瞬間、
あの全盛期のコンピュータのように正確で、まったく信じられない速さと威力を持った彼のストロークを観たような気がした。

現在NO.1ランカーのピートに、彼のショットが受け継がれているとすれば、
ウィンブルドンだけ制することができないレンドルにも芝生に対する大きな功績が残せたということができる。

7-6、7-6、3-6、6-3 ピート・サンプラス


彼の背にまた別の猿が登るかしら???

 


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1993 French Open

2004-01-30 23:00:00 | テニス
女子の全仏女王に君臨したのは、やはりグラフだった。
メアリー・ジョー・フェルナンデスとのファイナルは、昨年を思い起こさせるような苦戦だったけど、
レベルが1段階違うという印象が残る。

なんといっても今年のコートにはディフェンディングチャンピオンのセレスがいない。
背中を刺される事件がコート場で起こるなんて、どういうことだろう
とにかく、できる限り早いカムバックを強く祈るしかない。

グラフ「セレスが欠場していることを気にかけている。ファイナルは彼女のためにもいい試合をしたい」

真のライバル同士として、相手を思いやる気持ちが伝わった。

前半(とはいっても、いつもながらクォーターファイナルからの放送だったけど)のゲームでは、
メアリー・ジョー・フェルナンデス×サバティーニの対戦で、またもや3時間を超える長い試合の末、メアリーが勝った。
サバティーニは一体いつになったら世界ランク3位、4位の厚い壁をこえて4大大会の覇者になれるのだろうか?

好調だったサンチェスも、いったん起死回生したメアリーの前には全く敵わなかった。

グラフ×カプリアティ戦も期待された好カードだったが、カプリアティ(髪を短くカットした姿が印象的)の
平坦なプレーがキャリアの違いを象徴していた感じ。

グラフは、試合中いつも厳しい表情をしているだけに、優勝した時の笑顔がとても輝いてステキだ。
トロフィーをエバートやルコントが渡し、頬にそれぞれキスをして、
スピーチにはメアリーにこづかれたり(!)、本当に嬉しそうに笑っている様子が印象に残る。

***********


エドバーグがメルベデフという脅威の新人に敗れると、
第1シードのピート・サンプラスが絶好調のブルゲラに敗れ、
この2人の注目のカードでは、ブルゲラがあっさりと駒を進めた。

それにしても、あーーーーヤラれた。

男子の優勝者は、クレーをもっとも得意とする若干22歳、スペインのブルゲラが、
ディフェンディングチャンピオンのクーリエに6-4、2-6、6-2、3-6、6-3と全く予想外の勝利。

本当に誰もかれもクーリエの3連覇で決まると諦めていたところに、
妙~にスピンの掛かったショット、突然のパッシングショット、エース、ボレーもサーヴも
全然強そうじゃない雰囲気から(失礼/謝)、あれよあれよとファイナルセットへもつれこみ、
最後はクーリエのミスショットで、思わず赤土に大の字になり、頭を抱えて感激する初優勝のシーンは初々しく、
アガシのウィンブルドンのそれを思い起こさせた。

クーリエが手をさしのべて起こし、ブルゲラのコーチでもある父親のアップは歓喜に満ちて信じられないという表情!
2人のたどたどしいフラン語のスピーチに観客も絶頂まで沸きあがり、
大会自体、感動のうちに大成功で幕を閉じた。

***********

今大会の日本でしか味わえなかった1つのパフォーマンスがあった。
坂井さん&平井さんという元ダブルスパートナー同士、息の合った珍妙な実況解説(ああ、コレ面白かったあ! 大好き

サービスのコースを2人で予測しては、ことごとくハズれて「全然違いますね~」w

クーリエ×クライチェク戦では、
坂井さん「絶対的有利なクーリエ側につきますから、平井さんはクライチェク側で解説してください」
平井さん「ズルいですね、強いほうをとって・・・」

坂井さん「いやあ、私もクーリエのように勝ち続けていた時は気持ちよかったですね」
平井さん「全然レベルが違うんじゃないですか?」

後半もち直してきたクライチェク。

平井さん「坂井さんが応援しだした途端によくなってきましたねぇ」
坂井さん「やっぱり何か通じるものがあるんでしょうね」
平井さん「いや、全然ないと思いますけどね」

坂井さん「平井さんはいつもヘナヘナボールだったから・・・」
平井さん「ヘナヘナって、ひどいですね・・・」

この2人の解説、これからもどんどんやってほしいな。

とにかく1993のクレーの覇者はブルゲラで、マックの予想は見事にハズれ。グラフの予想が大当たり。
そして、また新たなヒーローが生まれたというワケ。

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1993 JAPAN OPEN TENNIS

2004-01-29 15:01:03 | テニス
「東京フロンティア JAPAN OPEN TENNIS選手権大会 朝日生命カップ」って長い名前が正式名称なの?

1週間きっかりの長い冬が明けた。
日本で最初にテニスシーズンの幕が上がるビッグトーナメント。

今年はサンプラスが初出場する他は、クーリエ、チャン、ウッドブリッジ、
女子は第1シードに去年の優勝者、伊達、第2シードに沢松。

毎年出場して好成績をおさめているエドベリも、他のベッカーやレンドルらがいなかったせいか、
テレビに映る客席もなんだかパッとしない入りだった。

伊達がディフェンディングチャンピオンの意地を見せて2度目の連覇。
世界ランクも19位と、またトップ10にグッと近づいた。日本にとっては嬉しい結果になった。


男子は、クーリエが新鋭の選手に負けて、私はあの帽子をいつもなでる仕草を見ないで済んだだけホッとした(失礼/謝

チャンは初戦、暴風の中、ウッドブリッジに負けて、
今年すでに2勝しているサンプラスは、そのウッドブリッジ戦と、
クウォーターファイナルのウィートンを敗った時点で、なんと21歳の若さで世界No.1の座を射止めた

本人のコメントがまたイイ。
「本当のNO.1は、1年のラスト、4大大会をやり遂げた後に出るランキングなんだ」

「今のところ次のゲームのことだけ考えようと思っているが、
 香港の試合後の1週間のオフにリラックスした時、実感が湧いてくるかもしれない」


MEN'S FINAL ピート・サンプラス×B.ギルバート
10歳も年齢が上で、今大会、最年長のギルバートは、奥さんと可愛い女の子を連れてきてたけど、
6-2、6-2、6-2の完敗。手も足も出なかった感じ。

表彰式では笑って気さくに話していた2人の姿が印象に残る。

摩訶不思議なキュウリ青年(当時のあだ名)は、パワー、ゲーム展開ともに安定した、最強のプレイヤーとなって、
今年の他の大会にも大いに期待したい。

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1993 東レパンパシフィックオープンテニス

2004-01-28 14:54:02 | テニス
日本では調子のいいサバティーニが風邪で休み、他はシード通り進んだらしい。

6日放送のナブラチロワ×グラフのセミファイナルは見応えがあった。
日本では最初で、もしかしたら最後かも?!というこの2人の対戦記録は、
今までで16試合中8勝8敗のまったくのタイ。

第1セットはグラフ、第2セットはマルティナ、
そしてサーヴィスの好調さと、信じられないボレーの応酬で、
なんとマルティナが勝ちをおさめた。


マルティナといえば、今年36歳。
名と、その絶賛に値する記録の数々と同じだけ、頻繁に取り沙汰されるのが彼女の年齢。

例えば、これが別の職種なら女性の36歳は、まだまだ若く、未熟とさえ言われるのに、
テニス界で、トッププレイヤーならとくに、10代後半~20代中盤、

男子ならレンドルが世界に君臨していたのは29、30歳あたりだけれども、
36歳となれば、確かに、勝利の女神に挑戦する年齢かもしれない。


男子テニス界では、コナーズやマックがその華やかなステージから去ろうとしている。
マックいわく「もう誰もボクがプレイするのを観なくなるなるだろう」

でも、コナーズ、マック、レンドル、そしてマルティナが、これから燃えようとしている。
それぞれが体中のエネルギーを使って、必死で燃えようとしている。

そして、必ず、いつか、今光輝いている最高のプレイヤー、エドベリたちにもまた、
そんな炎を出す時期がやってくるのだろう。



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1992 第3回スーパーグランドスラムカップテニス

2004-01-27 23:00:00 | テニス
アガシはチャンに、エドベリはシュティッヒに1回戦で敗れちゃって、
クーリエも、サンプラスも、イワニセビッチも次々消え、、、

といっても、放送したのはゴラン×チャンのセミファイナルと、チャン×シュティのファイナルのみ。

まーまーだけど、チャンは、昨年に続いて2度も準優勝
でも賞金はやっぱり「億」だもんね!


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1992 パリ・インドアテニス

2004-01-26 23:00:00 | テニス
トップ選手がほぼ出場したけど、レンドル×イワニセビッチ戦がちょっと面白かったのと、
SEIKOじゃ全く元気がなかったベッカーが、やたら復活して、クーリエを敗っての決勝進出。

そして対するは、エドベリをフルセットの逆転勝ちで、地元フランスの応援を背負って這い上がってきた
ディフェンディングチャンピオンのギ・フォルジェとのファイナル。

やっぱベッカーの復活した完璧のパワーには手も足も出ずに、いい勝負だった。
セットカウント3-1かなんかで、ベッカーが久々の優勝。


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1992 SEIKO SUPER TENNIS

2004-01-25 14:25:12 | テニス
  

10/12から始まって第4日目の10/15、朝7:50。
目をこすりこすり、フラフラしながらもなんとか起床

8:30問い合わせ先に電話したら、録音で、開始時間10:30~、
当日の主な試合スケジュール、当日券まだありますとのこと。


第1試合にいい組み合わせがなかったから、9:50頃に家を出て、
途中、四谷で快速に乗っちゃって、新宿まで行った失敗はあったけど、
なんとか待ち合わせの11時ちょっと前に、千駄ヶ谷の東京体育館に着くと、
入り口付近が長蛇の列! 当日券の行列だった!

でも、なぜか指定券Aの4100円の列は短くてすぐに買えた。
でも、友だちが大幅に遅れて、結局会場入りは11:20頃。


コーヒー買って、Jブロックの13列目1、2番。
真ん中だけど、上から数えたほうが早いほど、コートよりはるか上。
しかも、互いに視力の下がった2人にとっては、ほとんど選手の頭なんかないように見える

トスをあげたボールもブレブレのテレビ画像のように見える始末。
来年は前売りのもっといい席とるぞ。


で、第2試合、第2コートがなかなかのいいカード。
エドベリ×パトリック・マッケンロー。これはエドベリの気持ちいいストレート勝ち。

隣りのおばちゃんは望遠レンズカメラでフラッシュはたかずにバシバシ撮ってて、
斜め下にたむろしてた外国人の一行も、なぜかテレビゲームはやってるは、ビデオに録画してるは、やりたい放題。


第2試合、第3コートではイワニセビッチ、

第3試合、第2コートのレンドルは気合が入ってて、応援にも熱が入ってる。
第1セットをタイブレイクで落として、第2セットを軽く取り返し、
第3セットはまたタイブレイク、それを取っての辛勝は気分が良かった。


第2試合、第1コートのチャン戦もなかなかの接戦で、いい試合。
第1セットはチャンが簡単に取って、第2セットは落として、第3セットがタイブレイクだったかな?
ちょっと記憶が他と混同していて定かじゃない
とにかく、あの粘り強さでベスト8へ。


第3試合、第1コートのベッカーは、逆に立ち上がりから、急にコートを抜け出すし、
手首にサポーターしていて、好プレーもあったけど、あっけなくストレート負け。変だな。
みんな期待してたけど、不調の噂は本当なのね。


第4試合、第2コートの試合が今日の最後で、ファイナルを飾るにふさわしく、
エミリオ・サンチェスを敗って勝ち上がってきた松岡修造×ボルコフ(ロシア)の一戦。

だけど5:30。
JAPAN OPENに比べれば3セットマッチで、3面コートのおかげで、短時間にいいゲームがたくさん観れたけど、
これはいいや。友だちも眠たがってることだしと、観ずに帰った(そーなんだ/謝

さっきニュースでやってたけど、負けちゃったみたいよ。
今年最後のトーナメントと決めているだけあって、気合いが入ってたけど。


どーーーーしても残念だったのは、念願のアガシがこの目で観れなかったこと。

デビスカップも近いことだし、クーリエもいなくて、2人して練習でもしてるのかしらっていう痛い棄権―というか欠場。
せっかく15周年でビッグプレイヤーが揃うって謳っておいて、これはひどいよって感じ。
わさわざサンドイッチとソフトクリームを食べに出かけたワケじゃないんだから

15周年だけあってカタログもハードカバーでイイ感じ。1500円で購入。

朝は荒れ狂うような雨だったけど、室内はあったかくて眠気が襲うのもムリはない。
帰りは雨もすっかりあがって、曇り空の下、見知らぬおじいさんにツーショットを撮ってもらったことだし、
本当に楽しみにしていた時期が長かった割に、楽しい時間なんてあっ
という間なのねえ。

チャン、レンドル、エドベリが残ってるだけでも、準々以降ちょっと楽しみ。


男子決勝 レンドル×ホルム(スウェーデン)
10/18に行われたファイナル。

ベッカーを敗って、エドベリを敗って、金星をあげ、絶好調だったボルコフを敗り、
100位台のランキングも一気に30位まで食い込ませてのし上がってきた、
エドベリに続くスウェーデンの新鋭ホルムが、無名、ノーシードから決勝までくるとは誰一人予想していなかった。

一方のレンドルも、10シードというセイコーでの輝かしい記録と全く対照的なシードをつけられたスタートから、
まさに全盛期のプレーを復活させて、クール&シャープ、コンピュータのような正確さ、スピーディなショットで、
今年は無優勝という、これまた信じられない結果もあってか、他のどの選手より、
このトーナメント優勝への執念をみなぎらせたプレーぶり。

レンドル、レンドル、まだ32歳!! チャンスはあるよ!
チャンすら追いつけないイワニセビッチのサンダーサーヴも封じ込めるほどのキレの良いショットの数々で、
見事、ホルムを敗って、今季、最後の最後に初勝利をあげたワケです/祝


若手がドシドシのしあがって勝利を狙っている中、一体誰が、一番優勝を渇望していたか、見せつけてくれた気がする。
プライベートでは、ステキな奥さんに双子の赤ちゃんが産まれて、すっかりマイホームパパぶりを発揮しているみたいだけど、
あのトップを長いこと維持し、誰も手の届かない、真の「鉄の王者」の力は一体どこへ消えてしまったの?
と寂しかったファンを一時ホッとさせてくれた。


引退をほのめかしているコナーズとマック。復活すると宣言したきり音沙汰なしのボルグ。
「最近テニスに退屈している」とつぶやくボリス。

次々と頭角を表わしてくる若手無名の選手たち。
エドベリ、ゴランを敗った、日本期待の星、松岡修造。

ああ、1993年もシーズンオフ。1994年の男子テニス界は、一体どこへ行こうとしているのかしら???

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1992 ニチレイレディース@有明コロシアム

2004-01-24 14:08:37 | テニス
 

結果から言っちゃうと、われらがモニカ・セレシュが3年連続、3連覇達成

それも、かなりのクロスゲームを期待していたガヴィを6-3、6-0?、
いとも簡単に取っちゃって、サバティーニは何もいいとこなしに終わっちゃった感じ。

4大大会ではもちろんのこと、こういうツアーでも同じように完全に集中したゲームを見せてくれるのは
ファンとして嬉しいし、それだけ完璧にこなしていなければNo.1の地位をキープしていけないわけだものね。

今回、ベスト8に伊達、沢松、もう1人の日本人3人が残ったらしくて、
やっと日本女子も母国でそこまでくることができるようになってきたかなってところ。


一番印象に残っているのは、決勝戦でのガヴィのダブルフォルトの多さ、
モニカのファーストサーヴの確率の低さ、それをカバーするストロークのパワー、
よりも、
モニカ・セレシュがソニーハンディカムのCMに出演しているのを観たこと/驚

キュートな笑顔で、セリフが何もないのがちょっと残念だけど、
エドベリの「効っくぅ~」よりずいぶんイイw

今まではアガシのダンロップ・シューズ、レンドルや、そうそう、チャンのカップラーメンのCM等々、
テニスプレイヤーの日本CM進出は、ハリウッド俳優とともに目に入るようになった。
あ、マッケンローのハブラシのCMもあったっけ。

女子選手は少ないのね。
セレスならイメージガールにピッタリv
今や、テニスファンじゃない人でも彼女の魅力に参っちゃう日本ファンが増えるかも?!


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1992 US OPEN

2004-01-23 15:33:21 | テニス
 

1992年を締めくくるUS OPENが8/31から開幕し、相変わらずその経過模様のニュースすらないまま、
クウォーターファイナルまで空白状態で、やっと金、土、日、月の早朝5:30~8:30という時間帯。
衛星生中継でウィンブルドン以来ごぶさたしていたプレイヤーらの元気に頑張っている姿が観れることになった。
日本勢の活躍は以前に戻って、また問題外だった。

さて。準々決勝に残った顔ぶれを知って驚いたのは女子。
グラフ、ナブラチロワは、それぞれ好調なサンチェス、マヌエラ・マレーバに敗れるし、
サバティーニも早々に、苦手とするメアリー・ジョー・フェルナンデスの積極的かつ攻撃的なゲーム運びに敗れた。

そこで残ったのはサンチェス×マレーバ
これは一方的なサンチェスのゲームに終わり、せっかく妹に勝ってまでベスト4まで初進出したマレーバは、
いいところもないままストレート負け。

一方、我がテニス界のアイドル、モニカ・セレシュ×メアリー・ジョー・フェルナンデスのゲームも、
いつもながらファンの期待に見事に応えて、いつもの1時間かかるかかからないかのイージーな運びでなかったにも関わらず、
セレスの強さで押し切った感じ。

というわけで、女子決勝のカードは、モニカ・セレシュ×サンチェス。
セレスを敗っての優勝経験があるだけに、た易い相手じゃないけど、ビッグトーナメントは慣れてるセレス。
信じているから2連覇がんばって


***************

男子で、ただ1つ残念なのは、早くも準々であたってしまったアガシ×クーリエ
あーまたあの妙なプレースタイルでとんでもないスーパーショットを打ってくるクーリエが
またまたアガシの前途の開きかけた目前に立ちはだかった!

途中、珍しくプッツン切れて、イスに向かって投げつけたラケットが客席のほうへ飛んだのを警告されて
すっかり血がのぼっちゃったアガシだけど、それから粘って(テレビでは思い切りカットされてたけど)、
タイブレイクまでもちこんで、第2セットは見事に挽回したのに、とってもミステリアスなことに(ここも全カット)、
第3セット6-1で落として、第4セットも・・・。

ああ、せっかくランキングも10位まできたのに、現在のトップにはそんなに厚い壁があるのかしら?


他のメンバーは、なかなかいい顔合わせ。
チャンが、なんとランキングを一気に15位から4位まで急上昇させる躍進ぶりで、
もう一人の急成長プレイヤーのフェレーラっていう南アフリカ?出身者とセミファイナルを争った。

けど、時間切れで、一体どっちが勝ったのやら・・・。
結果は月曜のファイナルで知るしか方法はない


もう一方の試合がすごかったらしい(あー頭にくる)。エドバーグ×レンドル
顔を合わせれば、いつもすごいゲームを魅せてくれるこの2人。

今回は2人とも、それぞれの奥さまを観戦に連れて来て、1、2セットはエドバーグ、
2、3セットはレンドルが死闘を見せて奪い取り、ファイナルセットは、タイブレイクだったそうな。

(エドバーグの結婚式の写真を見ると、今でもほろ苦い思いがよぎるなぁ・・・
 エドバーグの写真、記事は別にまとめてアップする予定ですv

タイブレイクでは、どちらかといえばレンドルに分がありそう気がするけど、
昨年の優勝者の名誉をかけて、エドバーグがもぎとったらしい。


ああ、レンドル、レンドル。
かつて、鉄人か、コンピュータのようなそのシャープで、信じられないほど正確で、
クールな試合の数々でNo.1をずっとキープしていたのに。
時代の波にのまれるには、まだ早すぎるよ。

30歳過ぎてテニスを続けるのは、トッププレイヤーならなおさら死ぬほどの苦しみだろうけれども、
ベッカーさえ追いつかなくなってきている今の混沌とした男子テニス界で
消えていてほしくないプレイヤーなんだよなあ。


で、かつての苦手意識も見事克服したエドバーグ、そしてクーリエ、あとはチャン×フェレイラの勝者、
そして、最近ちょっと影を潜めていたピート・サンプラス。

トップ10内の選手が顔をそろえて、久々に見応えある面白いゲームが期待できそうな男子シングルス。
なんといっても、騒がしいN.Y.フラッシングメドウでのUS OPEN。
アメリカ勢がこんなに残っているっていうのも久しぶりみたい。

***************

WOMEN'S FINAL モニカ・セレシュ×アランチャ・サンチェス・ビカリオ

最近、ブラウンに染めて真っ赤なヘアゴムでアップにした髪をまとめているセレス。
外見も対照的だが、シャープ&パワフルなセレスのプレースタイルが都会的と言えるなら、
動きの速さ+ド根性が持ち味のサンチェスのプレーには、
どこかアンツーカーコートの赤く情熱的な土臭さが感じられて、
同じくベースラインプレーヤーながら、まったく似てない雰囲気のこの2人の対戦となった。

前大会のカナディアンオープンでは、ファイナルセットの末、セレスの連勝記録を華々しくストップさせて、
US OPENは今回初めてファイナルまで勝ちあがり、スペイン選手として初制覇を賭けて闘っているサンチェス。
だが、結果は、やはりファンの期待にいつでも100%か、それ以上に応えてくれる、わが可憐な戦士モニカの一方的な勝利、
2連覇達成に終わった。

6-3、6-3のストレートながら、第2セットは4-1までリードしたセレスに
開き直ってかブレイク、キープと5-3まで盛り返したサンチェスのあがきには
たくさんの見どころと、ゲーム展開の面白味があった。

しかし、セレスは今、18歳!
プロ転向当時のポニーテールの少女から、ヘアスタイルも変わったけれども
大きな大会に出場するごとに、なにかしら戦闘に必要な武器を身につけて、
ますます確固たる自信をみなぎらせる彼女の急成長ぶりには、
ファンでさえ追いつくのがやっとという感じ。


でも、彼女が人を惹きつける理由は、単に10代の世界No.1プレイヤーとしての強さだけではなく、
本当にサービス精神旺盛で、窮地に追い込まれた時に観客やファンをいかに味方につけるかによって、
心強く、有利にゲーム運びができるかを直感的に知っているからではないだろうか。

優勝スピーチは、残念ながらなかったが、
1時間30分の試合の後でも、ファンサービスはいつも通り怠らず、
自分のラケットまであげてしまうほど。

山のように差し出されるサイン帳にも、1つでも多く書こうとしているし、
しつこいほどのカメラフラッシュの応酬にも気前のいいキュートな笑顔で何度も応えようとしていた

出場した11大会のうち、6つは優勝、今大会も、サーヴィスの確率は88%、ブレイク率66%と驚異的強さと安定力で
一体、この少女がどこまではるかに高く、遠くへ跳躍していくのか全く想像もつかない。

ヤングクイーンとしての魅力も十分備えているモニカ・セレシュ。
これからもファンとしてもっともっと熱い眼で追っていきたい。

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一方、男子は、すごい歴史的試合が行われたようだ。
ちょうど女子シングルス決勝の前に、なんと11:00amから開始して、5時間20分という、
US OPEN、そして4大大会通じても最長記録のロングマッチが行われたのだ。

カードはエドベリ×チャン

この2人を見れば、チャンが最年少で初めて全仏を制した時の顔合わせを思い出さずにはいられないが、
もつれればもつれるほど、その粘り強さで食らいついてくるチャンを相手に、
エドベリは絶不調の中、前試合のレンドルとのこれまたすごいゲームが凄くて、
7-6、5-7、6-7、7-5、4-6

これまた信じられないことに、この試合でダブルフォルトの数が18本という失態を絡めながらも、
ディフェンディングチャンピオンの意地と、もう全米にも、チャンに対してもほとんど苦手意識を克服した自信が
エドベリを決勝戦へと引きずり上げた。

すり鉢状のフラッシングメドウ・ナショナル・テニスコートでの熱射の下、もっとタフになるであるファイナルを
どう切り込んでいくのか、その辺も大きな見どころとなりそう。


そのエドベリの相手に選ばれるのは、現在のアメリカンテニスを担っている一角、クーリエ×サンプラスの勝者。
過去の成績は5勝1敗と、なんとサンプラスのほうが断然分がイイ。
中継によって、最初の立ち上がりしか観れなかったけど、それだけでもクーリエがなんとなく相性の悪い選手として
サンプラスに苦手意識を持っていることが伝わってくる。

ほんとにフシギだよね。
力の差はほとんどないのに、アガシはなぜかクーリエに勝てないし、そのクーリエはなぜだかサンプラスが苦手。
ああ、本当にミステリアスで面白いスポーツだなあ、テニスって。

解説者に言わせると、この2人の対戦は、サンプラスの気まぐれ的テニスにかかっているという。本当にそうかもしれない。
のっけから195km/hの超超高速サーヴを打ち込むかと思えば、なんでもないショットをミスってゲームを落としたりして、
その割にあっけらかんとしている、全くきゅうり(当時のあだ名)プレイヤー。

でも、彼みたいなプレイヤーが、トップを維持しているのが、世界のテニス界の面白いところでもある。
その大切なMEN'S FINALは、なんと日本時間では、明日、月曜の早朝。
ああ、なんの因果か、上のクーリエ×サンプラス戦だって、今ごろにはもうナイトセッションで結果が出ているだろうに。

こんなに多くの歴史的ゲームをつまんだ程度にしか観れないなんて!
このスーパーサタデーの観客は、なんて最高にラッキーなのかしら!?
最初に5時間に渡るエドベリ×チャンのゲームから、女子シングルス決勝を観戦後、
まだクーリエ×サンプラスの準決勝の模様が生で観戦できるなんて

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MEN'S FINAL ステファン・エドバーグ×ピート・サンプラス

クーリエ×サンプラスの試合は予想に反して6-2、6-2のスコアで、圧倒的、アレレ?って感じでピートが勝ったという。
ああ、やはり苦手意識は存在する!

そして、今年はディフェンディングチャンピオンと一昨年のチャンピオンとの対戦となり、
これは過去のデータにも3回しかないという珍しいものとなった。

対戦記録は2:2のタイ。でも最も最近ではシンシナティでのサンプラスの1勝があり、
ホームグラウンドでアメリカンテニスを復活させる威信も賭けて、
かつてデビスカップでの痛い負け試合より安定した力をつけて、
また、豊かな才能にひとまわり柔軟なゲーム運びを身につけたサンプラス。


最初は互いに1セットずつ取り合い、問題は第3セットだった。
互いのサーヴィスキープからタイブレイクへ。

昨日のエドベリの18本ダブルフォルトが、ピートに感染したのか、
第1セット66%、第2セット50%弱というファーストサーヴの入りの悪さがネックとなり、
結局7-5で大事なセットを落とし、それがズルズル尾を引いた感じ。

これまでも、この2人はファイナルセットまでもつれこんだ事はないという記録に忠実に従って、
第4セットは、一方的なエドベリの試合で、見事、それまで繰り返したチャン、レンドル、クライチェクらとの
死闘に死闘を重ねて、あがきにあがいた末、やっと手にした重いトロフィー。

US OPEN2連覇

そして、なんといってもこの決勝で、どちらが勝っても世界ATPランキングにて、
クーリエをしのいでNo.1になるというワケで、サンプラスはUSカップと同時に
初めて世界の頂点を極めるチャンスをいったんお預けとなり、
エドベリは、今年の4月以来、この4大大会を飾るUS OPENでNo.1の座に再び返り咲くこととなった。


エドベリは26歳。
レンドルの全盛期もやはり、同じくらいの歳から29、30歳ぐらいまで。
年齢的にも、テニスプレイヤーとして分岐的に立った今、この一瞬一瞬が彼の生涯を通じて
一番美しく、激しい炎をあげて燃えさかっているといえる

できることなら、この瞬間で時間を止めてしまうことができたなら、とファンならずとも願わずにはいられない。

というのも、今回の優勝は、あまりにも多くのビッグプレイヤーらのもがきにもがいた涙の上に成り立っているから。
他の大会でも同じことは言えるけれども、今回はとくに、ほとんどが3~4時間超えのハードな試合で
ベッカー、チャンほか力の差が僅差という若手の熾烈な闘いもある一方で、
コナーズ、マック、レンドルらが引退すらにおわせながら、最後の炎を燃え尽くそうとしている選手たちの長い影が見えた気がした。

とにかく、またもう一度もぎとったNo.1の座を、前のように1~2週間で手放すことなく、
ポイント数もかなり接近しているからこそ、どこまでキープする力を持てるかに注目して、
技術力、精神力、肉体すべて充実期を迎えた、わが貴公子になお一層期待したい。

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ああ、神さま。
私たちは、ほんの些細なことでも、ハードな1日を過ごすことが可能なのに、
それすら奪ってしまおうとなさるのでしょうか!?

今大会のフィナーレを飾るMEN'S FINALがどうして月曜の朝なんかに放送したりしたんだろう!?
どうして新聞は、まだみんながゲームを観てもいないうちに、いち早く勝敗結果を一面にデカデカと載せたりするのか

テレビでさえ、まだ試合そのもののOA前に、ニュースの中の短いスポーツコーナー、
それも野球と相撲の後で、スコアだけを放言してしまうようなことを、
日本中のテニスファンに対して、どうして、そんな真似ができるのやら/涙


あと1駅で見ずに済んだものを、どうして私の前の乗客は、スポーツ新聞を暇つぶしに読んでいて、
よりによって私の目に入る位置で、優勝者名だけ見せなくたっていいものを

勝敗の分かっているスポーツを観るほどつまらないことはないのに。
面白い試合を1セット丸々カットして放送されるほうがまだマシだ。
この因果な情報社会の中で、あらゆる情報網を避けて、1日、1時間、いや1分でも過ごすことはできないものか。

おかげで、このMEN'S FINAL、宿敵クーリエ×アガシとの対戦よりは、2人ともそれほどファンでゃないから、
とくにどちらかを精力的に応援していたワケじゃなかったからっていうのはあったけど、
とにかくショービジネスを見ているようだった。

結果を知っている上での興奮であって、どちらに軍配が上がるか分からないっていう、
あの心臓も凍りそうな緊張感のカケラも感じることなく、4大大会の最後のお祭りUS OPENが幕を閉じた。

テニス雑誌社以外の朝刊新聞社、時間を争うだけのメディアに災いあれ。


コメント

1992 WIMBLEDON

2004-01-22 14:08:59 | テニス
もう男子はベスト4、女子はファイナルの2人が出揃っているんだけれども、簡単にこれまでの経過を説明すると・・・。

やっぱり、今年は、松岡修造伊達公子を先頭に、日本勢がやんやと盛り上がっている感じ。
松岡は、な・な・なんと、この前のグラスコートの大会「クイーンズ」で、
イワニセビッチとエドベリを敗ってファイナル進出。

フェレーラっていう選手になぜか力尽きて負けたものの、ツアーでも2度も優勝している好調ぶり!
いやあ、日本人プレイヤーでやっと出てきてくれたなあと実感。
今回は2回戦止まりだったけど、これからもっと期待できそう。

伊達は、そう調子が良くなかった分、沢松奈生子と、平木理化がずんずん3回戦まで上がってベスト16!?
って思ったけど、やっぱり残ったのはおなじみの顔ぶればかり。

例によって例のごとくテレビではセミファイナルからで、途中全くいやな雨が中断させたり、翌日までのサスペンデッド。


グラスコートの王者であるはずのエドベリが、なにがどうなったか、今年は1つの優勝しかないらしく、
今回もイワニセビッチに敗れてベスト16止まり。

途中、腰を痛めて、イワニセビッチは思い切りカッコ悪いコルセットをつけてのプレーだったにも関わらず、
あのファンキーだったヘアスタイルも普通に戻って、とにかくここまでのサーヴィスエースの数が100本超えちゃう
とんでもない選手で、ポンポンポーンって感じで終わってた。

レンドルも、このイワニセビッチに負けて、というか腰を痛めてリタイア!
ウィンブルドンを狙えるチャンスは、もう少ししか時間が残ってないのに・・・仕方ないけど

一方、あの白い帽子のNo.1 player、クーリエは、やっぱり芝のコートは向いてなかったのか、いつの間にやらいなかった。
だから・・・というワケでもないけど、われらがアガシは順調に勝ちあがってベスト4入り。

で、セミファイナルの相手は誰だと思う?

なんと今年35歳、バリバリ頑張るマッケンロー
すっかり美人に成長して3児のママになってるテイタムが見守る中、
あの本当に奇妙キテレツなフォームと、フェザータッチの数々でここまで来たってワケ。

もう片方のセミファイナルは、これもフシギ、サンプラス×イワニセビッチ
サンプラスは、これまたノータッチエースの数が多くて、昨年の劇的な優勝者シュティッヒを難なく敗ってのベスト4入り。

この4人が4人揃って、ウィンブルドンベスト4は初めてでは?
まあ、今年はこんな奇妙なマッチが観れてハッピー。

ただ、雨、また、雨・・・準決に来て、これはないでしょう


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女子は、ナブラチロワ×カプリアティは、最も年齢差のある17歳違いのゲームになって、
ベテランの勝利という結果になったんだけど、これまた差のあるセレスとセミファイナルで顔合わせ。

「Nothing to loose」と言って、信じられない女子のプレーで競ったんだけど、
今のセレスの存在はまさしく神がかり的な集中力と、自信の固まりなんだよね。
でも、なぜかセレスとプレーしてるナブラチロワって、すっかり少女みたいに見えた。

ゲームは、これぞトップ同士の素晴らしい掛け合いで、言葉も出ない。
今は解説者のエバートをリタイアに追い込んだ、このスーパーガールは、
次はナブラチロワを追い込む気かしら?

もう片方は、サバティーニ×グラフで、グラフが上がったから信じられる!?
全仏決勝のあの物凄いカードが、このウィンブルドンでもう一度楽しめるなんて

これも今晩10時pm。
噂によれば、今回、グラフはものすごい調子のいい状態でファイナルに上がってるらしいから、
さてさて、グラスコートのカップは一体、どちらの女王に輝くのか!?



女子決勝戦 セレス×グラフ

雨、雨、雨・・・

昨年も散々最初から雨続きのウィンブルドンだったけど、
今年は後半、それも準決勝、決勝で長雨にたたられるなんて
この伝統あるテニス最大の大会の会場なら、せめてセンターコートとNo.1コートくらいはドーム式にすべきじゃない?

とくに悲惨だった女子ファイナル。
恨みでもあるのか1セット目はグラフが取り、2セット1ゲーム目で雨の中断。

40分ちょっと待って、5ポイント再開しただけで2度もの中断。
その間、つまらないアナウンサーの雨の話や、すでに終わった準決勝のVTRなんか延々と流して、
また40分ちょいの中断

結局、グラフが2連覇を果たしたワケだけど、2人のコメントによれば
「雨は全然気にならなかった」とか。

あれだけの悲惨な中断と再開の繰り返しが全然関係なかったってのは信じられない話。


だけど、後半は、あのゴールデングランドスラムをとった当時の“憎らしいほど強いグラフ”が完全復活して、
回り込みの速さといい、1本1本のショットがコーン、コーン!と物凄い音を鳴らして弾丸のように降り、
ゲーム中、一度も隙も乱れもあったものじゃなかった。

なんと「昨年の9月にちょっと、今回は全仏から全英まで10日間、芝で練習しただけ」で
決勝まで危なげなくトントン上がってきたセレスも、グラフの強打を前に得意のバックのダウン・ザ・ライン等のミスや、
ファーストサーヴも入らず、いいとこなしだったから、雨がなくても結果は同じだったかな、という気もする。

レヴェルの高い、この2人のゲームが5時間にも渡って、実質は1時間ちょいだったにも関わらず、
これからもいろんな場所でもっと観たいなと感じた。

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男子決勝戦 アンドレ・アガシ×ゴラン・イワニセビッチ

こちらはうって変わって、涙、涙の新星誕生のウィンブルドンだった

過去4度もファイナルに進出しながらも、クーリエらによって準優勝に終わっていたアガシが、
1992年のウィンブルドンで初の4大大会タイトルをもぎとった
これって、運命的な響きじゃない?!

ちなみにアメリカ人プレーヤーでウィンブルドンを制したのは、マッケンロー以来8年ぶりだそうで、
当人が見守る中、アガシはジョンを尊敬しているそうだし、「サンダーサーヴァー」と呼ばれて手のつけられない
イワニセビッチのサーヴィスを「リターン出来るのはアガシしかいない」と予言したジョンは、やっぱ鋭い

信じられる? 昨年、ゴランのノータッチエースの総数は500、フォルジェに続いて第2位で、
今大会だけでも200を超えたんだから 一体全体どうなってるんだ、あいつの体は!?
このファイナルでも、1試合、最高の36本を超えた。サーヴィスの化け物みたい。

でも、試合前にゴランは「サーヴィスがこの調子なら軽い」と言っていた一方、
アガシは「彼はサーヴィスがスゴイ。それだけの選手だ」とインタビューに答えていた。
この答えは名文句。


ファイナルで一番フシギで驚いたのが、あの誰一人として、ただ見過ごすだけだったゴランのサーヴィスを
アガシがとってもイイ感じに(負けないくらい速く)リターンできてたってこと。

実際、120km/hでフォルジェに続いて2番目の超高速球サーヴィスなのに(アレ?今って200km/h超えだよね???
初ウィンブルドン決勝進出で緊張して、なかなかコースや角度が甘かったのもあったかも知れないけど、
でも、30~40本のノータッチエースがあったにも関わらず、最初は7-6のタイブレイクで落として、
2、3セットは6-4で取り戻し!、4セット目はなぜか6-1。
まあ、3セットも続けて集中するのはデカい舞台ではなおさら仕方ない。

ファイナルセットは、キープ、キープで、またタイブレイクになったらどうしよう!?と思ったのに、
信じられない 突然アガシのマッチゲームで自分のサーヴィスゲームなのに気づいて、
とんでもないプレッシャーが襲ったのか、2回のダブルフォルト、2つのノータッチエース、
それからアガシのすっごいパッシングショットが決まって、30-40のマッチポイント!

とうとう、とうとう、そのプレッシャーゆえか、自らのミスショットで、
かの幻の金色カップは、やっとアガシの手に


こんな劇的な優勝シーンは久々。
コーチも、兄さんも、GFも、皆総泣き!
観客は総立ち、ラインパーソンの目にまで感動の涙が浮かぶほど

本人が言ったとおり「これまでの1~2年の不調がウソのよう」

すっかり晴れ渡ったウィンブルドンに似て、1992年、今年22歳のヤングアメリカンが
自らのスランプを脱して、晴れ晴れと優勝を手中におさめた、感動の記念すべき決勝戦だった。



アガシがかぶっていたキャップ



(この試合は、ベストに入る。あの腕白で破天荒なアガシが、まさか伝統のウィンブルドンで
 初のグランドスラムを手にするなんて、こんなドラマチックな展開があるだろうか。
 アガシの目から大粒の涙が何滴もこぼれ落ちたのが、カメラ越しでもハッキリ見えたのを、今でも覚えている。


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