メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

「SPEC~結~」特番!運命の刻 爻ノ篇公開、竜怒る

2013-11-30 13:09:09 | テレビ・動画配信
「SPEC~結~」特番!運命の刻 爻ノ篇公開、竜怒る

スペック最終章の「結~爻ノ篇公開」を記念した特番がまたOAされたv

 
テーマ曲を生演奏したり、主演の2人+ハゲヅラをかぶった堤監督が挨拶したり。


また水着女子をバックに植田博樹×堤幸彦監督の制作秘話があったり。

植田「昔から、伝染病や生物兵器などで人口抑制を図っていた。
   政治的な戦略として常にあったということも背景にある」

堤「古くは魔女狩りでありますとか、大量虐殺の背景にはそういう説がある。
  人類の原罪みたいなところが関わっている」

植田「不景気の時に戦争を起こして、景気のカンフル剤に使うとか。
   そのうちの1つというのがスペックの対策に使われていてもおかしくないだろう」

って、なんだか話が壮大すぎて、結末はどうなっちゃったのか気になってきました


 
SHたちも衣装のままでインタビューを受けてて、冷泉役の田中哲司さんも出た~!嬉

田中「古いSHも、新しいSHもズラッと並んで、分かりやすい全員集合みたいな。
   その中に自分もいるって、なんか嬉しいですね」

自分も混ざってて大丈夫かってことを、なんだかいつも気にしてるのかな?w



今作では「360度クロマキー撮影」って手法が使われたそうな。
大掛かりなセットを360度グリーンバックで撮って、CGを合成するってすげえな!
俳優さんたちはイメージをふくらませて演技しなきゃならない分大変だったとのこと。

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偶像化

2013-11-30 12:44:38 | テレビ・動画配信
前回のクリニックから、SSRIをルボックス→パキシルに変えて、その説明も受けたからメモっておくことにする。

ルボックスとパキシルのちがい
パキシルのほうがmgあたりの力価が強い。
ルボックス:増やした場合のたちあがりがゆっくり
パキシル:増やした場合のたちあがりが速い(3~4錠の場合)

パキシルは2種類ある
最近「CR」が効き目がいいと言われて主流。成分は同じだが作り方が違う。
吸収するスピードが安定(血中濃度)。
ここ2~3年で認可されたばかりだから母は違うかも?

「退薬現象」
セロトニンのバランスを急に止めるとフラつきを起こる場合があるため段階的に減らすことが必要。

同じ1錠でも効き目が違う
ルボックス100~150mg=パキシル40mg

ソラナックス
セロトニンへの作用も多少あるが、主薬はSSRIにして、
あくまで不安が出た時のみの頓服に使用(3~4錠は大丈夫。6錠以上はダメ
依存性があることから海外では出さない方向にある。
メイラックスは飲んでから12時間ほど持続するが、ソラナックスは6時間ほどで切れる。
一時的な不安に対してはソラナックスで十分。全体的に安定させるためにはメイラックスも有効。



その他のトピックス。

●ブラサキラジオ?!
「ブラッデストサキソフォンのスイングサーキット」が12月より始まるとのこと。一体誰が何を喋るんだろう?w
毎週火曜日の21時からの30分番組
FM http://Mot.Com 77.7MHz (インターネットFM) 再放送土曜日17時~
ウチはとにかく電波が入りにくいから、ネットで聴ければいいんだけど。


サケベスト発売/祝
「SAKEROCKの季節 BEST 2000~2013」2014年1月22日発売
初回限定盤:3枚組 / DDCK-9002 / 3,600円 (税抜価格:3,429円)
通常盤:2枚組 / DDCK-1036 / 3,000円(税抜価格:2,857円)

さて。どの曲が収録されるのやら???


国分太一「はなまる」後番組で司会
「はなまるマーケット」が「あさイチ」におされる形で終了して、
その後の同じテイストの番組司会にまたジャニ系をもってくるとは、
先輩後輩同士でやりづらいだろうなあ どっちもがんばれ!


「エレファントカシマシ カヴァーアルバム2~A Tribute to The Elephant Kashimashi」12月18日(水)発売
みやじくんが復活したエレカシのカバーアルバムに、なぜかグル魂が参加!w どの曲演るんだろ?


奇々怪々?ろう人形の館@「探検バクモン」
友だちが教えてくれて、予録して見てみた。

 
ろう人形作家の松崎さんは、これまで1000体以上ものろう人形を作ってきた。
この精巧さには、とにかく息を飲むばかり/驚×∞


工房では後継者の娘さんが制作過程を見せてくれて、粘土で彫像を作ってから、型に蜜蝋を流し込んで、
手術用の道具で細かい皺を削り、義眼を入れたり、1本1本体毛を植えつけていく、気の遠くなるような細かい作業。
1体作りあがるのに半年かかるってゆってた。


ちなみにダリの人形には3万本も植毛した!

気になるお値段は、服を着ている部分がマネキンの場合は1体500万円ほど、
全部がろうの場合は1体1200万円!

どんな人が頼むのかと思ったら、著名人だけじゃなく、亡くなった子どもの人形を作ってほしいとか、
自分の裸像を作っておいて、亡くなってから家族が発見して、どう扱ったらいいか困ったとか。
(あれ?その話、どこかの映画で観たことあるような・・・?

太田「作られた人を限定した形にするのは、不遜なことでもある」

つまり、ヒトというのは本来、様々な面を持ち、外見も内面もつねに変わりゆくものだけれど、
人形にすることで、あるヒトの、ある一面だけを固定して、それを半永久的に偶像化するから、
ある意味、本人とは異なるものになってしまう可能性もあるということ。なるほどねぇ。




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notes and movies(1999.4~ part1)

2013-11-29 10:17:25 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回は水色のノートからご紹介。

  

photo1:江戸川乱歩の少年探偵シリーズの挿絵をコピーw
photo2:今度はダスティン・ホフマンまつりらしい。
photo3:それからクイーンにハマった。40代頃のロジャー・テイラーがかっこいい!

若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ダークシティ』(1998)

監督:アレックス・プロヤス 出演:ルーファス・シーウェル ほか
ノートの最初を飾るにふさわしいめちゃめちゃ面白い作品!
『Brazil』『Until the end of the world』に近いトリップ感と、うすら寒いSF。
米映も捨てたもんじゃない。曲もピッタシ。

私がよく見た夢のように、もし果てしない宇宙に「果て」があったら? 人の心は絶望的にすさんでしまうかも知れない。
ぼやけた幼い日の記憶から昨日食べたものを忘れたり、さっき置いた物の場所が変わっていたり、
ついうとうとと眠った瞬間、私たちの記憶がスリ返られ、どこへも行けず操作されているとしたら?!
永遠に夜が続いて気づきもしないことですら背筋が寒くなる。
ラストの解放的であるはずの空と海も創りものくさいのがまたゾッとさせられる。
キャスティングもばっちり。キーファーの妙な喋り方のドクター役は今まででいちばん良かった。

建物がめまぐるしく変わったり、strangersらの巣窟内のCGも目を見張るが、
ラスト、光を嫌う彼らの世界の闇が回転して一気に太陽を迎えるシーンは素晴らしい。
ジョンはまるで神。これから好きに世界を創れるなんてスゴイ。でもそこは果して地球?
記憶を失っている人々は本当はどこから連れてこられたのか? 考え続けると奥が深くて空恐ろしくなる。


『素晴らしき日曜日』(1947)

監督:黒澤明 出演:沼崎勲、中北千枝子、菅井一郎、有山緑、森敏、小林十九二 ほか
侍ものでも活劇でもない、不思議な魅力を持った作品。
いつの時代も変わらぬ平凡なカップルのデートの1日を描いているが、時は敗戦後。
今と比べれば笑えるほど物価が安いのに、穴のあいた靴を履き、コーヒー1杯も払えない貧しさは理解できない。
でも映画観て、ホテルに入るだけのデートより、ずっと男女の関係が近くて
素直で純粋で妙に子どもじみたり、急に年寄り臭くなったり、希望の光とどん底が入り混じって濃い1日。
土曜も出勤だったのか? 沼崎は森と負けないくらい役者系で魅力がある。

「皆さま、貧乏な恋人たちを応援してください!!」て涙目のアップで訴えられて、当時の映画館の客はどーしたんだろ。
こうして支え合って、希望を取り戻して頑張った恋人らが今の父母の世代、いや祖父母の世代か。
リッチな人はリッチだったんだ。“闇”ってどんな商売だったのか?
物があふれてかえって迷ってる私たちとは全然違う。


『パラドックス』(1995)

監督:フランシス・F.コッポラ 出演:ニール・マクドノー ほか
今までいろいろ観た中でも特筆すべき不思議な作品。
夢のようでいて近未来、懐かしさともの哀しさと、温かい幸福感の残るSFファンタジー?
世紀を経ても今世紀の遺物~馬車、蓄音機、農家の木の家などを愛し、自然を愛する心、
死と闇と悪と戦う心を忘れないでいたら、どんなにフシギな文化でも人々は幸福に暮らしていけるだろう。そんな希望を与えてくれる。


『恋愛小説家』(1997)

監督:ジェイムズ・L.ブルックス 出演:ジャック・ニコルソン、ヘレン・ハント ほか
♪Always look on the bright side of life がアート・ガーファンクルのクラシック調に
アレンジされて使われてることを知って観た。
エリックの歌声で聴けないのは残念だけど、こうしてイイ作品に採用されているのはファンとして嬉しいかぎり。

美女にはこと欠かないニコルソンがこの歳で恋に戸惑う役なんて笑える。
ちょっと使った石鹸をすぐ捨てちゃうなんて環境保護の敵、信じられないようだけど実際いるんだよね。
それぞれ重い心の悩みを抱えた大人のラブコメ。ハントの親しみやすい笑顔がイイ。

「1番くつろげる、世界で1番素晴らしい女性に気づいているのは自分だけで、それが誇りだ」

なんだかんだいっても小説家。他に余計なごたくを並べずに女を泣かせて落とすセリフにたけてる。
こんな風に言われたら、ニコルソンの恐い顔も素敵に見えてくるもんだ。
道の裂け目もフツーに歩けるようになって、めでたし、めでたし。
この曲の入ったCDないかな? 全部通して何を歌っているのか歌詞も知りたい。
エリックも自分の曲がこんなロマンティックに大物に歌ってもらえてさぞ嬉しいだろうな。


『ロスト・イン・スペース』(1998)

監督:スティーブン・ホプキンス 出演:ウィリアム・ハート、ゲーリー・オールドマン ほか
やっぱ劇場へ観に行きゃ良かった。アルコール依存症から抜け出してマジでキレてる演技してる
ゲーリー・オールドマンとウィリアム・ハートの共演だけでも観る価値あり。
TVシリーズでも深夜に放送してて一度観たけどおマヌケな感じのSFコメディだった。
SF版「奥様は魔女」って感じ。かなりスケールアップしてCG使いまくり、ハイパーになってる。

あっという間に防御服になるシーンや、時計みたいなモバイルで日記をビデオで撮ったり、
リモコンでいろいろ操作できたり、未来といっても50年後、果してそれほど進んでいるかどうか。
『2001年宇宙の旅』もまだ実現してないしね。でも、それだけ急がなきゃならない理由がある。

マンガみたいな声のペニーは可愛い。しっかり者の姉と彼女にアタックしてバカにされるパイロット。
ママも一流科学者&生物学者、息子は天才だし、すごい一家。


『ラ・ブーム』(1980)
監督:クロード・ピノトー 出演:ソフィー・マルソー、クロード・ブラッスール ほか
時代を感じるなあ。副題が“ソフィー!唇よ燃えろ!”だもんね。
これでソフィは一躍アイドルに。来日した時もえらい騒ぎで、今や演技派。仏を代表する看板女優だもんね。
14歳の少女の初恋と両親の熟練の愛を比較して同時進行させたところがツボ。
なにかとアドバイスしてくれる理想的なひいおばあちゃん(翔んでる!)がどこか大物の雰囲気。往年の大女優か?!
仏の男の子、女の子には、こーゆー若者の集まるホームダンスパーティがあるのか? 性教育も進むワケだ。

誕生パーティで踊ってたら、もっとカッコいい男の子が入ってきて、コロっとそっちに乗り換える。
少女の恋ははかない。誰でもいいのか、いい経験になるしね。
汗だくになって踊るのか、けっこう激しい。単にディスコブームだったのかな?
いろいろ仏の一般家庭の事情が見れて勉強になる。
ソフィーはこの頃すでに大人びた表情も見せて、演技も個性もバッチリ素材が輝いてる。
たしか続編があるんじゃなかったっけ?


『JANET JACKSON'S RHYTHM NATION 1814』(1989)
出演:ジョッシュ・ミラー、タイリン・ターナー ほか
ALBUM "JANET JACKSON'S RHYTHM NATION"より
♪BLACK CAT、♪MISS YOU MUCH、♪THE KNOWLEDGE、♪RHYTHM NATION

TV番組用に大急ぎのスケジュールで撮ったスペシャル版。スタッフ総勢数百人という、やることデカイね、この家族。
ジャクソンズママも初見。まだ若い! 息の抜けるようなハイトーンな喋り方は彼女からの遺伝か?
「全力で立ち向かいなさいと私が教えたからよ」と誇らしげ。

今のジャネットに比べると(というかこの映画を観るかぎり)ストリートダンサーを指導に迎えたという個性が
出ているせいかカチカチした鋭い動きが目立つダンス。
イスを用いた数分間のシーンも何十回も撮り直して16時間以上もぶっ通しやってたとか、
本編30分、メイキング30分という作りはマイケルと同じ。

メイキングではダンスリハ風景。メンバーとわきあいあい、でも本番には完璧を求めるってゆー褒め文句が語られる。
実際ダンスからストーリーから作詞作曲、映像のことまでアイデアを出して自分の世界を表現し、
かつワールドピースに貢献してるんだからスゴイよ、この兄妹は。


『卒業』(1967)

監督:マイク・ニコルズ 出演:ダスティン・ホフマン、キャサリン・ロス、アン・バンクロフト ほか
超有名な名作なのになぜかずっと死角だった今作。サイモン&ガーファンクルの名曲がどう使われているのか気になって借りた。
♪SOUND OF SILENCE、♪APLIL COME SHE WILL、♪MRS.ROBINSON(彼女が誰かやっと判明!)の3曲だけで
耳に親しんだ名曲は時に映画を超えてる。

ダスティン若い!! 今や重鎮だけど、こうして観ると童顔は変わらない。学生役なのに当時30歳はビックリ!
アン・バンクロフトと6つしか違わないなんて! やっぱ若いって宝なんだな。
向こうじゃみんな結婚する前に血液検査を受けるのかい?

以前の熱愛も、今冷静に観るともろストーカーだよね。
まだ'70のヒッピーはいないが学生運動のことが出てきて、'60アメリカの若者がどんな生活だったか生き生きと伝わってくる。
ホフマンのどこかホケ~っとしたキャラがコメディもイケることに気づいた。
後にいろんな名作に出演しても彼のインパクトある1作はやっぱこれっきゃないっしょ。
プールにダイブした時のいわれもない若者の孤独、Eに知られ、母が「さよなら」と遠くなるカメラワーク、
細かい演出、ユニークな脚本が要所に生きてる。


『janet. JANET JACSON』(1994)
♪THAT'S THE WAY LOVE GOES、♪IF、♪AGAIN、♪ANY TIME, ANY PLACE、♪YOU WANT THIS

MTV以降シングル以外のアルバム収録曲にもビデオクリップが制作されてスターはほんと大変。
今作はメイキングと本番が一体化してる。モノクロ、カラー別ver.いろいろ楽しめる。
ダンス指導はグループの中の1人の女性。教えて+自分も仲間って難しい部分もあったろうね。
とりたてて新しいステップはなかったけど、今までの踊るハツラツ娘からずっと大人、セクシーに官能的なつくり。
ソフトなラヴバラード、相手を変えて恋愛をしっとり歌う別の顔が見れる。

今回は曲作りには参加しても振り付けや映像はプロにまかせてるみたい。忙しくてそこまで手が回らないか。
前作の時よりだいぶ顔も体もスッキリスマート完璧バディ。
それにしても気になるのは、ジャケットの写真。まっぱの上半身を後ろから胸だけおさえてる謎の手は一体誰のもの!?
きっと本国でもそうとうショッキングな話題になったことだろう。


『レインマン』(1988)
監督:バリー・レビンソン 出演:ダスティン・ホフマン、トム・クルーズ ほか
こんないい作品を吹き替えで観なきゃならないなんて、日曜の特別な夜の過ごし方の楽しみが半減。
(私が間違えたか、カセットの中身が間違ってたか!?
とにかく、前頁から急にD.ホフマンシリーズに突入。賞男の彼が出れば、どんな人間にもなれる。
'80にはまだ自閉症は一般的に知られてなかったというのが驚き。知能遅れか痴呆と思われていた。
ま、心の病の研究はまだまだ進行中で、今でさえ誤った診断と治療が行われているのかも知れないけど。

体に触れられるのを嫌い、時間、習慣を繰り返すことに執着、パターンから外れると不安になり、パニくる。
知能は高いが感情と結びつかず表現ができない。これだけデータがあっても、
血のつながり、人との交流の刺激が及ぼす脳と心への影響は計り知れない。
それにしても一瞬に落ちた246本の楊枝を数えずに当てるとはコンピュータ以上。
人の脳内は電気信号と同じだといえども、まさに無限の可能性を持ってると彼らが証明してくれる。
機会があれば、この次は絶対生の声を聞くぞ。アボット&コステロの野球のギャグも知りたいし。

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notes and movies(1999.4~ part2)

2013-11-29 10:17:24 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『GLORIA ESTEFAN AND MIAMI SOUND MACHINE HOME COMING CONCERT』(1989)
セトリ省略。
ラテン!ラテン!ラテン! ラテン系が好きな母のお気に入りのバンドで、つられて好きになった。
事故で再起不能から復活したんだよね。美人て似るのか、マドンナとマライアをプラスしてスパイスふった感じ。
小さな顔に豊かな髪、スレンダーなナイスバディを黒のピチピチパンツに包んで、
軽快に踊りながらミディアムテンポからバラード、世界中に売れまくったヒットメドレーでは興奮の頂点で
観客は皆立ち上がって踊りだすわ、列につらなって通路を回りだすわ、タオルぶんぶん振り回すわ、
あの後アンコールの時、場所違っちゃってどーしたんだろ!?

しっとりとしたラブバラードをシャウトしてエンディング。
途中ルーツの母国語も交えて「いろんな国の人たちが一緒に楽しめていい1年だった。ありがとう」
観客席には、友だちなのかなんとフリオ・イングレシアス!
グロリアは結婚してるらしく、だんなに「いつも忍耐強くサポートしてもらい感謝してる」
彼女みたくセクシーで人気のあるスター歌手をゲットした幸運な男は一体誰なのか!?
今はソロで活躍してるんだよね。なかなか少ない女性スターの中でも、多国籍の1人でがんばってる。
ラテンの熱い血とタフさでもっとヒットを飛ばして熱いステージアクトを見せてほしい。


『THE FREDDIE MERCURY TRIBUTE VOL.1』

セトリ省略。
図書館で見つけた今作。昨年BSでやったのを録画できなくて見逃したんだよね。
フレディの今までのビデオクリップのピックアップが繰り返し流れて、インタビューもはさむ。
「自分という人間を見てほしい。長所も短所もある。強い部分も、弱くて繊細な部分もあるんだ」
と普段の素の時は静だけど、いったんステージに上がり、カメラの前だと一変して動に豹変。

チラッとフィル・コリンズ、ミック・ジャガーらのコメントも入る「滅多にいないキャラ」て言ってたのは納得。
牛模様のタイツみたいなコスチューム着て、イケイケネーチャンに囲まれる役なんて誰も演らないもの、フツー。
急にひどくロマンティストなピアニストになったかと思えば、決めポーズ多発のマッチョ、
急に女っぽい美しさもあったり、突飛な格好したピエロにもなる。フシギな存在。

名曲の数々は、力強く、幅広く、ダイナミックでドラマティックな歌声と、ステージアクトは彼だけの唯一無二。
ハードロック系が多い中、ケルト民謡のボブは異色。
一番の見所はガンズの♪天国の扉 なぜディランの曲をもってきたか不明だけど彼らのアレンジが効いてて、
ハイトーンの声とパフォーマンスは超クール。
実はvol.2のほうがおもしろそう。リズがスピーチ! 「エイズは誰でも感染する可能性がある」


『愛を乞うひと』(1998)

監督:平山秀幸 出演:原田美枝子、野波麻帆、中井貴一 ほか
重い! 深い! 目を背けたくなる虐待シーン、それでも人は生きていける、人を愛せる。
本気で愛すって恐ろしくて、そして素晴らしい。男女も親子も理屈じゃない。人の心は複雑で時に計り知れない。
「虐待された子は、自分の子にも繰り返す」というが、この娘の場合は違った。心理学も完璧じゃないからね。でもなぜ繰り返すんだろう?
原田美枝子さんがさすが! 10代?から30~40代、そして60~70代まで全く対照的な母娘を1人で演じるなんて!

「17歳の時母は死んだ。あんな人なのに好きでたまらなかった。一度でいいから可愛いといわれたくて」

ここまで考えられる行動派な娘がすごい。親が頼りない分、娘は反対に強くなるんだな。
なんかしみじみ今の親で良かったとホッとして感謝の気持ち。この原作者は実話を書いたのか、それが気になる。


『ジャッキー・ブラウン』(1997)
監督:クエンティン・タランティーノ 出演:パム・グリアー ほか
今作の魅力はなんといっても“黒人女性のヒロイン”、それも44歳で美人、頭のキレる、人生を見てきて、
若気のいたりで行動を起こせないリスクがある彼女が大金を賭け、運命を賭けているところ。
誰も信用できない、どこでドンデン返しがあるか分からず、
同時刻の各々の行動を別角度で繰り返し撮られているのがタランティーノ風。
個性をじっくり描き出すのはいいけど、できるなら90分くらいにまとめて欲しかった。途中、食事はさんじゃった

要はこれだけの話で互いの騙し合いの群像劇の部分が、豪華キャストで面白いってワケ。
ブラック系の音楽の使い方にもこだわってる
50万ドルっていえば6000~7000万円くらいか。いまどき数百万円なんかすぐ終わっちゃうからね。
どのくらいなら今までの人生を捨ててトンズラできるかってのもある。


『マラソン・マン』(1976)
監督:ジョン・シュレシンジャー 出演:ダスティン・ホフマン、ローレンス・オリビエ、ロイ・シャイダー ほか
X-FILESの政府陰謀説を拡張した'70代バージョンといったところ。
今じゃ米映に反乱してて麻痺してる(それも恐いが)。よく考えると日本じゃ首相暗殺って聞かないし、
スパイや殺人に政府がからんでるって恐怖感はない。いつからアメリカはこれほど病んでしまったのか!?

息の詰まる逃亡シーンで主人公が日頃のトレーニングを生かして走り続けるシーンが見所。
結局、下水施設の男は警察を呼ばなかったのか? NYの人間は冷たいな。
「助けて!」といくら叫んでもムダ。狂人扱いされるのがオチ。普段友だちもいなきゃ本当に誰も頼りにならない。
FBIでも取り扱わない“なんでも供給する”という部隊もあすこなら存在してるかもと信じてしまう。
オリビエの老練な怪演が恐い。なんか今週末は陰険な暴力ものが多くて心が休まらなかったな・・・


『ライフ・イズ・ビューティフル』(1999)劇場にて

監督・主演:ロベルト・ベニーニ 出演:ニコレッタ・ブラスキ、ジョルジオ・カンタリーニ ほか
ずっと観たくて、昨日友だちに電話してすぐ決めて、19:30~のラストに行った。混んでて左端。
ドトールのサンドをパクついてから、疲れた時ちょうどこんなのが観たい。元気になる!
死や恐怖を描いて伝えるのは楽だけど、笑わせて感動させるのは難しい。
決してお涙頂戴じゃない、イタリアの大らかな人生賛歌。まさにタイトル通りの作品。
シビアな時代をこんな素敵に過ごせるなんて、人にはどんな時にも“笑い”と“想像力”さえあれば、
どんなこともへっちゃらだって思える。

帽子もアイスが食べれる時間もすべて伏線となって恋のマジックとなるシーン、
独語をゲームルールに訳して「ママに会いたい子は減点。おやつも昨日ジャムを食べすぎた。でも美味しかった」
とか劇場中笑いが絶えずに終始した。

「ユダと犬お断り」看板も父の手にかかれば「うちも西ゴール族とクモはお断り。皆嫌いなものを書いとくのさ」
「帰りたい」と言えば「帰ろう。せっかく1等なのに」
こうして少年は戦争の汚さ、悲惨さをまったく知らずに生還した。


『わらの犬』(1971)
監督:サム・ペキンパー 出演:ダスティン・ホフマン、スーザン・ジョージ ほか
なんともいえない後味。「バイオレンス派」として'60-'70に活躍したペキンパー。
今の「アクションもの」とは全然質が違う暴力の世界。
イギリス郊外の古い家を壊すのは自由だったろうけど、まるでザ・フーの楽器壊しを観てるよう。
酔って勢いづいてるとはいえ、この片田舎に警察や法律、少なくともまともな知性を持った人はいないのか!?っていう恐怖感。
正義を守ってるはずの主人公の男も得たい知れずで意外にも最後まで生き残ったのにブキミ。

「帰る家が分からなくなった」「俺もさ」

『イナゴの日』を思い出させるが同じ監督じゃなかった?
MPが"Flying Circus"でやたらめった血を吹き出して叫ぶパロをやってたが、
米映のバイオレンス描写って“そこまでやるか”ってことを風刺したかったんだろうね。
結局、暴力を否定したのか、助長してるのか分からん。


『The making of ESTRANGED GUNS'N' ROSES Part Ⅳ of the Trilogy!!!』(1994)
この間チラッとビデオで観たガンズのステージが面白くて見た今作。
なにやら曲の三部作♪Don't Cry、♪November Rain、そして今回の♪Estranged へと続く、
ボーカルのアクスルの私的な要素を含んだ作品がやけに皆に注目されてるって状況で
いきなりこっから観たのはかなりムリがあったかもしれない。
話し方も静かで意外だったけど、言葉の端々に"fxxckin'"がついてるのはやっぱロッカー。
言葉は人となりを表すってもんだ。改めてバンド名“銃とバラ”ってのも結構ロマンティックだな。


『ブギーナイツ』(1997)
監督:ポール・トーマス・アンダーソン 出演:マーク・ウォルバーグ ほか
どうでもいいけど皆90分にまとめてくれないかな。バートとムーアと脚本でアカデミー賞にノミネートされたそうな。
『ロスト・イン・スペース』のグラハムが正統派と思いきや、あっさり脱いで汚れ役なのにビックリ。
意外とヒット作のスタッフが集結してる。ポルノ業界もいろいろあるんだ。終わり良ければ全てよし、と。
それにしても衝撃のラストシーン。特殊メイクってのも悲しいし・・・
とにかくハチャメチャだった'70-'80モロ出しなのがイイ。

群像劇で、それぞれのたどった道も湿っぽくならずに、'70ファッション、音楽、ダンス、
ドラッグ、酒と女と車であくまでアメリカンなノリで描く。
アンバーは離婚した夫と親権を争い、精神不安定からドラッグ漬け。
それでも'70-'80を生き抜いたんだから丈夫な人たちだよ、まったく。
ポルノも映画からビデオの時代の流れに変動したってことも分かった。


『地球は女で回ってる』(1997)
監督・出演:ウディ・アレン 出演:カースティ・アレイ ほか
deconstruct:非建設的 ウディの作品の主人公は皆これに当てはまるな。
でも実際の彼はオドオドすることもない知的な人っだという噂。
ハリーだって結構いい女に恵まれて楽しんでいいハズなのに「自分は不幸だ」といいつつ悪魔そのもの、周りに不幸を運ぶ天才。
コロコロ変わる小説がどれもショートコントになってて面白い。

「悪魔みたいな奴だ。硫黄のニオイがしないか?」w

地獄のエレベータで「5FはTVに出る弁護士、評論家、7Fはメディア関係で一杯です」っていうのも
ローアン・アトキンソンのギャグみたいで笑えた。彼のほうが後輩だろうけど。

「神も天国も信じないけど、地獄は快適だ」って本音かしら?
愚痴り放題で薬漬けでノイローゼなのに全然たくましい主人公。極上のジャズを使うのもウディ風

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notes and movies(1999.4~ part3)

2013-11-29 10:17:23 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『彼女が彼に決めた理由』(1997)
監督:グレン・ゴードン・キャロン 出演:ジェニファー・アニス、ケビン・ベーコン ほか
彼女が噂のブラピの彼女らしい。アメリカは次から次とピチピチの実力もある俳優が出るね。
ケビンが久々ラブロマンスに戻って甘いプレイボーイ役で出てるのが嬉しい。女の子の好きな軽いラブコメ。
ニック役も誠実そうな隣りの兄ちゃんって感じでイイ。

アメリカも20代後半~30代のいい女までシングルなのが珍しくないってカンジかな。
アニスみたくキレイな脚、髪、豊かな胸があればきっとよりどりみどりだろうに。
ほとんど裸みたいなドレスを着なきゃいい男がハントできないなんて女って損な生き物。


『真夜中のカウボーイ』(1969)
監督:ジョン・シュレシンジャー 出演:ジョン・ボイド、ダスティン・ホフマン、ウルトラ・ヴァイオレット ほか
ダスティン出演作は問題作、社会的なものばかり。役も様々だけど一筋縄じゃいかない。
いつも時代を切り、注目されてきたのが分かる。今作はイタリア系のフーテン。
都会の下町生まれ、妙なアクセントがある。テーマ曲は今作でヒットしたニルソン♪Everybody talking at me。
あまりに無知で真面目な男がNYに排他される様は悲しい。
写真撮った妖しい2人組見てすぐ分かった。こんなところでファクトリー仲間が映ってるなんて驚き!
都会の病理を語るなら絶好だもの、彼らは(ウルトラ・ヴァイオレットのこと

あまり幸せとはいえない過去がフシギなモノクロのフラッシュバックで流れる。
テキサスのおかげかJは全然ひがみ根性はなく、恐ろしいほど単純。
パーティではフィルムが流れ、得たいの知れない連中が集まっていつもカメラは回ってる。
ここに張本人のアンディが映っていないのが残念。


『フェアリーテイル』(1997)劇場にて
監督:チャールズ・スターリッジ 出演:フロレンス・ハース、エリザベス・アール、ピーター・オトゥール ほか
有名な「妖精写真事件」は「ネッシー」とともに今でも確実な真相は分からず私たちに一時安らぎと夢を与えてくれる。
今作のメインは、やはりイングランドに今も現存するこの美しい緑、また緑。
天国にも思えるこんな場所が残ってるなんて奇跡のように思える。
奇跡と言えば一緒に観に行った友だちが、いとこの撮った写真に写った妖精を見たってこと
羽のある、ズボンを履いた男の子だったそうな。信ずれば通ず?! 心の洗われるヒーリング系。

今この写真を作ればもっとリアルに作れるだろう。でも、これは娘から母への心からの贈り物だったのだ。
「大事なのは写真に残ったということよ。忘れかけた時いつでも見れば思い出せる」そういうことなのだ。


『小さな巨人』(1970)

監督:アーサー・ペン 出演:ダスティン・ホフマン、フェイ・ダナウェイ、マーティン・バルサム ほか
「西部開拓」の名のもとに連日行われたインディアン虐殺のアメリカの歴史を、
インディアンにもなりきれず、白人でもない男の波乱万丈の人生を通して社会に問う、素晴らしい作品。
シャイアン族の酋長はじめ、個性的な面々が、ユーモアも情もある真の戦士、人間として描かれているのがイイ。
それぞれの風習、宗教に縛られても、人間は同じ感情を持つ。
我々と同様、水も石も生きていて、自然を共有する同等な立場を忘れてはならない。
この真理を忘れかけた私たちに平和な未来はあり得るだろうか?

「白人は皆死んでいると思い、生きてるものをことごとく殺してゆく。
 我々は水、石、風も生きていると思う。そこが違いだ」

その後どうなって病院施設に来たのかまでは語られない。これは小説をもとにしていると思われる。
人生は繰り返しているのか、それともアメリカといえど世間は狭いのか、出会っては去り、去っては再会し・・・

「いいインディアンは、死んだインディアンだけ」
「にんげんが絶えてしまえば、地球は中心を失ってしまう」
「白人は狂ってる。黒い白人はちょっと変わっているが、やはり同じだ」
「心が鷹のように高く空へ飛んだ」

ダスティンの浅黒く焼けたインディアン姿はとてもハンサムで力強く、
パジャマやワイシャツを着た姿は顔の長いひ弱な男に見えたのがフシギ。
あと数本で彼の若き頃の出演作は全て観たことになるのは残念。
こうして見ると彼の確かな作品を選ぶ鋭い視点が見えてくる。
最近はこういう鋭く社会を切り出す作品を見かけなくなったのが惜しいが。
だんだんアメリカの背負ってる過去が見えてきて、ゆっくりと理解できていけるような気がする。


『GUNS N' ROSES Ⅰ Use Your Illusion World Tour 1992 IN TOKYO』
スタジオセッティング、メンバーは車で乗りつけ、楽屋、インタビューをちょこっと混ぜて、
シンプルなセット、ライティングでの東京ドームライヴビデオはスタンダードな作り。
ガンズのイメージのハードでアップテンポな曲で客をつかんでから、自信作をとりまぜたバラッド系に移る。

スラッシュのギターに酔いしれる。全然顔が見えない、いつも髪オバケって感じだけど。
何度も言うけどアクセルは美人だ。よくいるアメリカン・キッドだけど、端整な顔、真直ぐなブロンド、
非のない体の線に、脚がなぜこんな美しいか。ワイルドを気取ってもふっと気を抜くと美女に見えてしまう!

はじめは黒のジャケット+短パン→真っ赤なジャケット+短パン、面白かったのは珍しく反戦の歌“CIVILWAR”で
いつのまにか星条旗のジャケットから迷彩色+帽子→ビデオでも確か着てた誰かの顔アップのTシャツと
くるくる衣装をかえ、ラストはキリストのTシャツ、ピアノの弾き語りで締める。

ピアノを弾くソングライターはロマンティストが多い気がするが、彼の場合ハードとソフトを併せ持ってるところが面白い。
途中曲紹介やひと言、ふた言全部英語で話すんだけど、日本の客はやっぱマナーがよろしい。
聴くときゃ聴いて、リアクションも忘れない。ビデオもCDも買って、ライブも観る有り難い市場だ。
新しいギタリストも迎えて"Wild hoses"では美しいスラッシュとのギター競演もきかせる。
「曲はその場で決める」とか。後半のスローテンポな曲にはイイ曲ばかりそろってた。


『JOHN BON JOVI Destination Anywhere』(1997)
出演:ウーピー・ゴールドバーグ、デミ・ムーア、ケビン・ベーコン ほか
なんかしばらく見ないうちにジャラジャラ鎖付けてたロックのアイドルが、
妻子持ちになったせいか、年齢か、落ち着いて骨格まで違って見える。
最初はスタッフと家族との食事風景で「演技を3年も勉強した。途中で止めたらカッコ悪いし、
空き時間はトレーラーで独りになれた。バンドや家族に囲まれて一人になる時間なんてなかったからね」
って妻の前で言っちゃってていいのか?

そしてアルバムを映像化したと思われる短編ドラマ。
豪華キャストで、子を交通事故で亡くした結婚10年目の夫婦の破局と復縁のきざしというあまりに重いテーマで
実際子を亡くした夫婦の離婚率は高いっていう統計があるだけにリアル。
でも少女のいろんなショットなどを取り混ぜて少しソフトタッチにしてある。

詩人でもあるのかジェーンの読む詩はいい。
写真や心の叫びを書きなぐった"book of dreams”も迫力あるポップアートのよう。
自らも子を持つ母であり、だんなとあまりうまくいってないデミは適役か?
『ゴースト』みたいな短い黒髪がボーイッシュで、Tシャツで目立つ巨乳とアンバランス。

♪Midnight in Chelcie ではNYかどこかの夜の街の喧騒にいろんな顔、顔、顔。
窓際でギターを弾き語り、屋上で迎える晴れた青空の夜明けがすがすがしくて美しい。

ボン・ジョヴィの歌詞はとてもドラマがあって、男女を描かせると素が浮かんでくるのがスゴイ表現力。
バンドを離れて静かに心の内を歌いはじめた彼の第2の顔もなかなかイイかも。


『セールスマンの死』(1985)

原作:アーサー・ミラー 監督:フォルカー・シュレンドルフ 出演:ダスティン・ホフマン、ジョン・マルコビッチ、チャールズ・ダーニング ほか
泣いた 声を上げて子どものように泣きたかったけど、それはできなかった
テーマが親子の断絶、凡人をリアルに描き、誰でも共鳴するからだ。
「欧米人の暮らしは豊かで、休暇をたっぷりとって楽しんでいる」っていうイメージは偏見で、
一般市民は「年に2週間の休みをとるためにあくせく働いて借金を返している」
だがアメリカン・ドリームは健在。自分の息子は世界一って、過度の期待をかけるのも世界共通なんだな。

「夢を売るのがセールスマンだ。笑顔を絶やさず、もし笑顔が返ってこなかったら失敗する。根無し草さ」
老人メイクしたホフマンと、若かったマルコビッチの親子演技に拍手!

「もうここを出て会わない。手紙も書かない。仕事が成功したら小切手送るよ。
 父さんを恨んじゃいない。俺たちは凡人で変な夢を見て、僕に期待するのはやめて、自由にしてほしいんだ!」

「今日ローンが終わったのに住む人がいない。分からないのよ」


『THE FREDDIE MERCURY TRIBUTE CONCERT FOR AIDS AWARENESS VOL.2』

VOL.1を返しに行ったら2も続けて借りられたのは本当にラッキー。
夜も更けて様々な色にライトアップされて、より劇的になった後半のほうが豪華。
大物同士の意外な顔合わせで大盛り上がり。

フーのロジャーがぐるぐる相変わらずマイクぶん回してシャウトすれば、
ツェッペリンのロバートが身をくねらせて熱唱。
1曲ずつなんて惜しいほど'70代ロックファンにはたまらない競演で同窓会のよう。

ポール・ヤングは若いし、デビューが早かったとはいえ
♪ダイアナ がヒットしてから30年はたってるのにハンサムな中年ロッカーってかんじ。

D.ボウイはライトグリーンのスーツでいつもながらオシャレにキメてて、
連れの妖しいアニーとフシギなショーの後、ひざまづいて祈りを捧げた。

無精ひげがトレードマークのJ.マイケルの♪Somebody to love はフレディの歌い方そのまま。
考えてみれば今回は豪華版カラオケ大会のようなもの。
他人のヒット曲をその人のファンとバンドの前で歌うのはゴージャスでもあり、緊張もひとしおだろう。

E.ジョンの熱唱とファンの熱唱がからんでオペラ風の♪ボヘミアン・ラプソディ の中盤はクイーン当時のビデオクリップ。

そしてラストはフレディが大ファンだったライザがこれまた大胆なカットのドレスで
さすがブロードウェイの申し子、堂々たるロックをシャウト。

そいやリサはカーラー巻いて、掃除機転がして登場。
本人らも女装してたビデオクリップからしてもこの曲は女性解放の歌なのか!?

今作で個人的に注目してたのはドラマーのロジャー・テイラー。おじさんなのに超美しいこと!!
ホワイトブロンドにミステリアスな瞳、スローからハードまで力強いドラムは全然衰えてない。
♪God save the QUEEN が流れて深紅のローブと王冠をかぶった生前のフレディの映像。
バンバンいう音は花火だろうか? いつでもウェンブリースタジアム一杯の星の数ほどもいる
ファンを熱狂させることのできるバンド、クイーンは永遠なり。


『アメリカン・バッファロー』(1997)
監督:マイケル・コレント 出演:ダスティン・ホフマン ほか
登場人物は3人だけ。どこか小さな舞台劇を映画にしたってかんじ。
ジャケットには“息もつかせぬ~”とか書いてあったからてっきり1個のコインで
政治陰謀がらみに巻き込まれる話かと思いきや、“取らぬ狸の皮算用”てやつ。
このほうがリアルだけど。低所得、無職の下層階級者の絶望は見えた。
犯罪で一山当てないと実現しないアメリカンドリームが大げさに語られるのも無理はない。

「毎日街に出るが、何もありゃしない」

真面目に働きたくても働き口がない、働かない人間が自信を失い、犯罪を生んでゆくという悪循環は現代社会にとりついた病理だ。


『ヒーロー 靴をなくした天使』(1992)

監督:スティーブン・フリアーズ 出演:ダスティン・ホフマン、アンディ・ガルシア、ジーナ・デイビス ほか
前頁とうって変わってアメリカンドリーム実現のお話。
たまたま目の前に落ちた飛行機(!?)を仕方なく助けたのが、
せちがらい世の中不運続きで夢より金を信じてるコソ泥だったって設定が面白い。
シンデレラみたいな捜索が始まり、ふくれ上がる報道シーンはまさにアメリカ的で
きっとTV畑の人を使って演出したんじゃないかな。

「人は見かけによらない。凡人にまぎれてるのが一番。人生は複雑なのさ」

「皆ヒーローの要素を持ってる。right timing さえあれば」

ババーも軽い気持ちで名乗り出たイカサマ師にしてはすごい演説家で、悪になりきれないイイ奴なのが映画らしい。

コメント

notes and movies(1999.4~ part4)

2013-11-29 10:17:22 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『"Do they know it's Christmas?" The story of the official BAND AID video』
出演:スティング、ポール・アンカ、デュラン・デュラン、カルチャー・クラブ、U2、フィル・コリンズ ほか
TVのちょっとしたコーナーのような短さとスタジオ録音風景だけの内容で
これがビデオとして並んでいるのは、豪華な顔ぶれのせい。
皆若いし、最近見なくなった人も多いし、誰か分からないのも多い。

“エチオピア救済”に協力し合った"We are the world"のアイドル版。
前作ほど記憶に残ってないのは軽めのポップだからか。レコーディングを簡単に済ませたからか。
にしては皆それぞれのパートをすぐにベストの状態で歌うのを見られるのは貴重。
F.コリンズがドラマーだってことも初めて知ったし。

♪Merry Christmas Feed the world が曲のタイトル。食糧飢饉の寄付集めのためのレコード作り。
先日フレディの追悼で驚いたポールがここにも参加してる。本当に♪ダイアナ を歌ってた人と同一人物か今でも疑ってる。
若い連中に「こうしたほうがいいんじゃない?」とか軽く言われてて、
おいおい先輩だよ、とこっちが恐縮してしまう。
アメリカミュージック界には先輩後輩ってのはないのか? それにしても見た目が若いのがとってもフシギ。

ボーイ・ジョージは赤い髪、白い化粧でメイン・ボーカル?
誰より目立ってて、スタイルだけじゃなく、一発で彼だと分かるのびのある声がイイ。

なぜこのビデオを借りたかって、ロジャー・テイラーシリーズなんだけど、
デュラン・デュランのメンバーの1人が単に同姓同名だったらしい。残念・・・
クイーンが出演して一躍名を上げたバンドエイドじゃなかったんだ。
そのビデオもあるはずだよね、どっかに。そっちが見たいな。


『THE PRINCE'S TRUST 1988 ROCK CONCERT EXTENDED VERSION』
出演:フィル・コリンズ、ブライアン・メイ、ジョー・コッカー、ビージーズ、エリック・クラプトン、エルトン・ジョン ほか
R.テイラーももしや出てるかもバンドエイドシリーズは今回も外れ。今作にはB.メイが単独で出てる。
「クイーンも素晴らしいバンドだけど、他のバンドと触れ合う機会があまりなかった。
 なにせジョー・コッカーと演れるんだぜ」と嬉しそうだけど、ポップスとブルース基調のナンバーに
彼の出る幕はあまりなかった上、世界のギタリスト、E.クラプトンのうねるプレイにすっかり影が薄い。

こうして見るとバンドエイドって参加メンバーの顔ぶれが似てる。
いつも集まる人が同じ同窓会みたい。中でも大トリはJ.コッカー御大。
中盤のシャウトの効いた曲はよかったんだけど、フィナーレの♪Little Help~は
1/2のテンポに落として妙に間延びした出来で、せっかくのベテランと若手のからみだけど、
すっかりジャマして台無しにしてる。

途中も当時は旬だったろうけど、今見ると誰だかサッパリ分からない人がいるのがバンドエイド。
本人は“これから行くぜー!”ってノリノリなほど悲しい。
それに比べてF.コリンズ、E.クラプトン、E.ジョンらは'90終わろうとしてなお
輝く名曲を生み出して尊敬される大御所。その力量、存在の大きさを改めて感じる。

なんとダイアナ妃も黄色のスーツのままスタンディングオベーションで盛り上がる。
日本じゃ政治家や天皇一家がロックコンサートを主催したり、一緒に盛り上がるなんて絶対あり得ない。
E.ジョンもまさか彼女の追悼の歌を歌うことになろうとは、この時夢にも思わなかったんだ。
この会場はアルバート・ホール? 出演者みな英国人ってわけじゃないんだよね。
この日の収益は困っている人たちへの救済にあてられるとのこと。


『天才悪魔フー・マンチュー』(1980)
監督:ピアース・ハガード 出演:ピーター・セラーズ ほか
これが噂のセラーズ遺作。55歳で亡くなるなんて早すぎるよ。
でも今作観るかぎり本人はヤル気満々で168歳の中国系発明家?と、ちょっと若返ったヴァージョン、
そして唯一のライバル元FBIスミス氏(本人に近い)に変化。なぜか中国系にこだわる。
冒頭でケイトーが出てきて「お前には見覚えがある」とか細かいギャグの気配りがイイ。
いやー見れて感激。セラーズ新作が届いたような嬉しさ。

「あとは始末するだけ(wipe off)」なにかと思えばフーがシャウトするロックパーティ!
エルビス風中国系若返ったフーでロックを歌うセラーズw
なんともイギリスってシーンが多くてロンドン観光用に使えそう。


『空飛ぶモンティ・パイソンVOL.11』(1992)

これが幻の9巻以降シリーズ第1弾 '92にポニー・キャニオンから発売となってるから新しいのか?!
先日手に入れたベスト版+前観たベスト版"and now something completely different"で紹介されたスケッチがほとんどだが、
今回初見もあって貴重! 今になって新しいスケッチが見れるなんて、人生分からないね。
It's man にも注目。3話分はお得。

<ネタは割愛>
スペイン陽気グループによるラマの説明、ペットショップ「猫がほしい」「テリアじゃダメ?」と改造したがる店員ペイリン、
司書の面接に来たゴリラ「彼ゴリラ? 履歴書に書いてないけど」w

(レンタル屋にあるMPは8巻まで。そのつづきを見つけてテンション上がった


『スフィア』(1998)
監督:バリー・レヴィンソン 出演:ダスティン・ホフマン、サミュエル・ジャクソン、シャロン・ストーン ほか
オープニングも文字や「海底2万海里」の挿絵等が球体の中にとりこまれてゆく美しく凝った映像。
CGを巧みに利用しながらも使いすぎないあたりがリアル。
でも私の大好きな本のせいで人が死ぬなんて残念。
想像力は使いようなのに、ふくらませていったのは恐怖心、疑心暗鬼ばかり。
たしかに今のわたしたちにスフィアは使いこなせないのかもしれない。
深海の圧迫感と、美しさを見事に映像化。ホフマンがパニックアクションも見事こなしているのが見物。
このゲームに私みたいなペシミストは禁物だね。


『THE PRINCE'S TRUST 1989 ROCK CONCERT EXTENDED VERSION』
出演:レヴェル42、スイング・アウト・シスター、アンディ・ベル、ヴァン・モリソン、ジョーン・バエズ ほか
どういう主旨で催しているのかまだ分からないけど、紅白みたいなもんかな。
選ばれ、参加するだけで意義あり、みたいな。イギリスロック界歴代メンバーの顔ぶれを考えるとすごいからね。
今回知ってる人は少ないけど、盛り上がりのパワーはすごい。

<内容メモ割愛>
アンディ・ベル:きっつーいキャラ。誰か彼を止めてあげて、笑える!
ヴァン・モリソン:声の張りはちっとも変わらない。ギター弾いてる! もっと観ていたいな。


『フラッシュ・ゴードン』(1980)

監督:マイク・ホッジス 出演:サム・ジョーンズ、マックス・フォン・シドー ほか
音楽:クイーン
クイーンのメンバーが気に入って音楽を手がけたのも分かる。
他のヒーローもの同様B級って思ったら、マンガの荒唐無稽さを残しつつ、脚本が断然面白い!
『スターウォーズ』より予算は少ないかも知れないけど、斬新なコスチュームとセットがアイデアにあふれてる。
フラッシュが怪力やビームを出したりする英雄じゃなく、どうやら人気アメフト選手だって設定がイイ。
宇宙人が東洋系のミンで英語喋ってるのもSF映画の矛盾だけど、ひっくるめてアメリカンなノリが気持ちいい。

ラストがお茶目。2も作られていないみたいで本人らが思ったようには興行はのびなかったのかも。
クイーンの洗練された迫力あるサウンドは映画サントラにピッタリ! 巻末にはアニメ版も入ってる。
ちょっと切り貼りみたいでカクカクした動きに古さを感じるが、冒険的な面白さがある。
ボールを渡されて球にタックルで活躍する(しかもいつも稲妻の入った自分の名入りTシャツを着てる)ヒーローってなんだろな。
どんなにビームが飛んできてもヒーローには絶対当たらないのが原則なんだよね。


『アガサ 愛の失踪事件』(1978)
監督:マイケル・アプテッド 出演:ダスティン・ホフマン、バネッサ・レッドグレーブ、ティモシー・ダルトン ほか
しっとり大人のミステリー・ラブロマンス。実話に基づいているらしい。
パリッとダンディなホフマンを見るのは実は初めてかも。
邦題の副題がなんともハーレクインのようだが、ミステリーの女王は尽くすタイプだったようだ。

「キスしていいですか?」「いいえ」「ではタバコは?」「もらうわ」てボガードみたいなセリフ。

ミステリー作家は裏をかくのがうまい。でも自分が相手を愛せるなら、相手が偽りの関係でも構わないのか?
そこまでは理解できない。でもあくまでこれは推測の話で、
きっといまだに書かれた記事は明かされずじまいで失踪の真実は謎のままだろう。
'20代だから有名人でも顔を知られず普通に出歩けたのはいいことだったろう。


『これがピーター・セラーズだ 艶笑・パリ武装娼館』(1973)
監督:ロイ・ボールティング 出演:ピーター・セラーズ、リラ・ケドロワ ほか
セラーズが5役も出てる! '40ヒットラー専制政治時代の暗い歴史がすべてパリの娼館を舞台に
行われたという設定自体かなりアナーキーなんじゃないか?

一番妖しかったのはキョート皇太子?!「ハイ」「ゲーシャ」「アレ」とか一応簡単な言葉は使ってるけど。
顔出ないシーンでは明らかに別人で吹き替えてじゃんけんとかしてる声が聞こえる。
でもそれぞれの国の特徴とらえる才能はすごい。

数いる美女の中でセラーズのお気に入りはあくまでロリータ系。ロリコン趣味を敢えて隠そうともしないから可笑しい。
ヒットラーはソックリで気味悪いほど。自分で自分をやっつけに行ったり、
これじゃ本当にどれが自分だか分からなくなるのもムリはない。


『MONTY PYTHON'S FLYING CIRCUS VOL.14』(1974)

シリーズ最終巻。すでにグレアム・チャップマンがいないのが残念。

<ネタ詳細は割愛>
チュチュを着た軍人エリックと法王のペイリンはいい関係「でも僕たち大したことは出来ないな」「TVの前ではね」w
文章完成屋のエリックと奥さんテリーw こーゆーのってエリック好み。

なんだか皆スッキリやせてるから前みたくオバチャンの格好しても紳士っぽく見えちゃう。
ここいらで見切ったからこそいまだに語り継がれてるんだろう。永遠に続けられるもんじゃないし。
こうして見てみると、私の買ったベストが結構おいしいところの抜粋でかなり貴重なことが判明。
なんてったってS.マーティンのセレクション、ホスト版だからね(今はない鎌倉シネマワールドよ、ありがとう!
またまた再結成してひと悶着起こすってニュースもなきにしもあらず。シリーズあとは9~13か、楽しみ。

コメント

notes and movies(1999.4~ part5)

2013-11-29 10:17:21 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part4からのつづきで水色のノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『サクリファイス』(1986)
監督:アンドレイ・タルコフスキー 出演:エルランド・ヨセフソン ほか
「息子に捧げる。希望と信念を以って」久々タルコフスキー作品に巡り会った。
詩のごときセリフと、一切ムダのない色を抑えた映像美で圧倒させる。
彼の今作は世界の終焉を思わせ、今観るのは何かの因縁か?

「人がもし同じことを、同じ時間に繰り返し、同じ目的を達成できるなら、世界は平和にならざるをえない」

「真実は重要じゃない。皿の上を回ってるゴキブリだって、自分は真直ぐ進んでると思ってるかもしれない」w

「今度のは全てを無にしてしまう。井戸に水はなく、空に鳥は飛ばない。
 全ての生命を捧げてもいい。明日を昨日と同じ1日にして下さい。
 神よ、この動物的恐怖から救いたまえ!」

「男を愛したが別の男と結婚した。愛し合っていても愛し方が違う。
 どちらか強く、どちらかは弱い。弱いほうがいつも苦しむのよ」(この意味は分かりかねる

息子を名前ではなくずっと“子ども”と呼んでるのがフシギ。妻は医師を愛していたのか?
マリアは何か奇跡を起こしたのか? Aはチャンスを使って何かいい方向へ変えられたのか? 何もかも不明。
洗面器に水を汲んで四角くデカい素っ気ない石鹸で真っ黒な手を洗うシーンにはゾッとした。
周りは何もない荒野が続くばかり。
笛か尺八か、日本に傾倒してるAという息子という設定でガウンも紋の入った絣っぽくて日本風。


『パピヨン』(1973)

監督:フランクリン・J・シャフナー 出演:スティーブ・マックイーン、ダスティン・ホフマン ほか
今はヴァケーションを楽しむ南の島も、ちょっと前まではとんでもない歴史を持つ
流刑場だったかも知れないと思うとゾッとする。
投獄、脱獄を繰り返すうち、それ自体人生で、どこにいても人生そのものが囚われの身で
何かしら希望にしがみついて、よりよい夢を見て抜け出そうとしてるんじゃないかと思えてくる。
しかし不屈の男パピヨンは強靭な肉体と精神で、常に現実の自由を目指して諦めなかった。
老齢に至るまでマックイーンが見事な演技を見せる。
ヘリコプター事故死だと思っていたが'80肺がんで亡くなってたと知って驚いた。

"I'm still here!"(俺はまだ生きてるぞ)

これは実話を基にして、彼は余生を自由人として過ごしたそうな。
その後ギアナ刑務所は閉鎖され、荒れ果てるまま。ラストの映像は本物だろうか?
これに比べればNY刑務所なんてまだまだ快適?
人の考える罰はなんとも陰湿。食事を半分に減らす、明かりのない狭い部屋に閉じ込める、
ギロチン、虫まで食べて生きなきゃならないなんて、そこまでして生きる理由は何だろう。


『トラフィック』(1971)

監督・主演:ジャック・タチ 出演:マリア・キンバリー ほか
BSで見逃してから数年後にやっと観ることができた今作。
心地よい音楽とテンポのせいか、それとも単調というべきか(いや今日の疲れのせいだろう)何度も眠りに襲われた
ユロ氏の職業がここでついに判明!というより持ち前の奇抜なアイデアとキャラで
いろんなところを転々としてるといったほうが当たってるだろう。
タチが言いたかったのは、せわしない車なんか止めて汽車や自転車で行こーよってこと。
車にまつわるあらゆる要素を盛り込んでタイトル通り

シャワー、ベッド、テレビ、キッチン、髭剃りにバーベキュー、
今の動く家とまでは整備されてないにせよ、アイデアの結集が楽しい。
向こうの習慣?に渋滞したら鼻を掻くといいっておまじないがあるらしい(最近知った

今作は初めてタチの話す声も耳にできる。他はパントマイム的サイレントに近く、
ユロ氏はほとんど喋るシーンはないが、意外に高い声。
フランスの一般庶民の車は結構小さめなのにも驚く。
ビーンズの乗ってる体サイズのと同じくらい。彼ら自身が大きいのか? なんだかアンバランス。
もしかすると演出か? ラストの傘のシーンもすべて黒、車は白に統一されてるし。


『ツイン・ピークス パイロット版』

友だちの“シリーズものシリーズ”のおかげで数年前深夜TVで観て、記憶も薄れてた今シリーズを改めて見直す機会が持てた。
前回ロクにメモもとらなかったからここに。静かな音楽、深紅のカーテン、あーこの感じ
この妙な巻き戻しみたいな動きと、ジャズィな音楽に合わせて踊る小人がリンチワールド

●1、2巻
保安官はクーパーに結婚してるかと聞き、答えはNO。「以前、悲恋の辛さを味わった」そうな。
少しずつ明かされるクーパーの秘密も面白い。


『惑星ソラリス』(1972)

原作:スダニスラフ・レム 監督脚本:アンドレイ・タルコフスキー 出演:ドナータス・バニオニス、ナタリヤ・ボンダルチェク ほか
ゆったりした時間と自然の美の中に大きな悲しみを感じる。

「海が磁気を帯びて、人が眠ってる間の想像を形にする」

「どこまでプライドを捨てられるか、良心の問題さ」

「眠りは馬鹿にも天才にも、王にも乞食にも同様に訪れる。
 事実を前に科学者は無力さ。宇宙を夢見ることがなくなって人はダメになった。
 人間が望むものは、人間なんだ!」

以前観た『スフィア』同様、夢の実現に人はまだ早すぎてコントロールできないのかも知れない。
傷もすぐ治り、窒素で自殺を図っても蘇生する。感覚も感情もある“お客”は、人以上に人に思える。
死者の復活は亡くした者にとって時に幸と不幸をもたらす。

「哲学など幸せな人には無縁だ」
「妻が戻る可能性は薄い。が、新しい奇跡が起こるのを待ち続けよう」

亡くした妻を取り戻してなお迷う男がとても切ない。


『毒蛇島奇談 女王蜂』(1952)
原作:横溝正史 監督:田中重雄 出演:森雅之、久慈あさみ、菅原謙一、船越英二 ほか
さすが横溝正史の金田一耕助シリーズ。ドラマの作りが古くてもしっかりした脚本で犯人当てのミステリーは極上。
昔のドロドロ愛憎劇に基づき、意外な真犯人というプロットパターンは一貫していて、
いつも“もっとも意外な人物”ということで今回の犯人も分かっちゃったけど、森が本当においしい役。
いかに彼が変装の達人でも、学生役には少々無理が。
新宿TSUTAYAでもっと出演作を掘り出せそうで期待大。多種多様な役で堪能。
上品で妖しい魅力、モダンでオシャレな風格はやっぱロマンスで観たいな。

「女王蜂が去ればこの島も再び平和が戻るだろう」

今回は金田一は明智探偵のように七変化して謎を解いている。
変装ぶりはなかなかで、とくに個性のない俳優だけに好演。
今作を市川昆監督ならもっとオドロオドロしく撮るだろうな、とちょっと気になる。
皆昔は芝居がかっててオーバーアクション気味。




【読書感想メモ】
「少年探偵 江戸川乱歩全集24 鉄塔王国の恐怖」江戸川乱歩著
「インガルス家の物語1、2 大きな森の小さな家」ローラ・インガルス・ワイルダー著
「少年探偵 江戸川乱歩全集36 影男」江戸川乱歩著



【歌詞をメモした曲】
♪SATURDAY IN THE PARK/CICAGO
♪THESE ARE THE DAYS OF OUR LIVES/QUEEN
♪BOHEMIAN RHAPSODY/QUEEN


【イベントメモ】
「グッドウェザーライヴ」@CAVE
「フリマ」@原宿
「ユーミンスペクタクル シャングリラ」@国立代々木競技場第一体育館
「ネオジオワールド」@お台場パレットタウン
「ジャンボリー骨董市」@国際展示場

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『ニューハーフダンク』(2005)

2013-11-28 22:17:27 | 映画
『ニューハーフダンク』(2005)
監督:小沼雄一
出演:田中哲司、Jewel Joyce Fortalejo、霧島れいか、藤井太一Boy Soqucrata ほか

田中さん主演作。低予算ながら全編フィリピンロケ/驚
ジャケット見たかんじスポ根ものと思ったら全然違った。映画の中でも映画を作ってるフシギな構成
ほとんど英語のセリフで頑張ってる。

▼story
ゲイの映画を作るため、日本からやって来た小野課長と通訳の吉田。
乗り合いバスの乗客からもらったアイスティーに睡眠薬が入っていて、
小野は1000万円の小切手が入ったアタッシュケースを盗まれてしまう。
道に捨てられた小野を、ニューハーフのミシェルが助ける。

彼女(彼?)は教会で働いていて、裏で麻薬の密売をしているジョージ氏に「俺の女になれ」と脅されている。
小野はなんとか小切手を取り戻そうと1人でジョージ氏宅に入って捕われる。
ミシェルは、ジョージ氏主催のバスケット大会で勝ったら小野を渡してもらい、
負けたらジョージ氏のものになるという条件を飲む。




眠り姫みたいにキレイな寝顔


"Let me join you guys!"
て、最後は顔にボールを当てられてるしw


DVD特典にはメイキングも入ってて、ジュエルさんが運転するバイクが横転してたり
貴重なNGシーンもあり。えーーと、実際、ジュエルさんは女性なのでしょうか???


追。
レンタル屋のスタッフに今作を探してもらった際、「ああ、田中要次が出てる・・・」てゆってた。惜しい!

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『魁!!男塾』(2008)

2013-11-27 19:49:59 | 映画
『魁!!男塾』(2008)
原作:宮下あきら 監督・脚本・主演:坂口拓
出演:照英、尾上寛之、山田親太朗、榊英雄、綾野剛、麿赤兒、田中哲司 ほか
主題歌:♪刀/ザ・バックホーン

田中さんの出演作シリーズじゃなきゃ、けして手を出さないタイトルばかり観てるな、最近
人気マンガの実写化らしい。みんな血噴出しすぎ。延々の殴り合いを見てるのは辛い
以前観た『CUT』を思い出す。要は“友だちを大切に”ってことか。

trailer

元ネタはこちら。

▼story
ひ弱な秀麻呂を鍛えるため、母親は「男塾」に向かわせる。
あまりのキツイ特訓?のため、一度は逃げ出す秀麻呂だが、
同じ1号生の仲間の助けで、なんとかなじんでゆく。

以前、破門された伊達臣人ら一味が道場破りにやって来て、
現世とあの世の境で3対3で勝負をし、勝ったら男塾をのっとると宣言する。



江戸時代の拷問の油風呂だとか、500kgの重しの下に仲間を置く戦国時代の鍛錬術なんて、実際にあったのかな
昔の軍事教育そのまんまなのが怖い。


「男は誰でも心の中に1本の刀を持っておる。それを磨くか、磨かぬか、それだけだ」
塾長役の麿赤兒さんは、どんな映像に出てもただならぬ存在感だな。

チラッとつじあやのちゃんまで登場してた/驚


 
「この世で俺に切れぬものはない」


「その優しさが命取りにならねえようにな」

田中さんは2号生の剣術使い・赤石剛次役。ほんとの刀を使ってるって、一体どんな塾だ!?
当時42歳でアクションものに挑戦してるところに男気あり
しかもガクランぽい衣装を着てると、学生に見えなくもないのがビックリ/驚


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『スイッチを押すとき』(2011)

2013-11-26 21:12:57 | 映画
『スイッチを押すとき』(2011)
監督:中島良 出演:小出恵介、水沢エレナ、西村雅彦、田中哲司、鈴木砂羽 ほか
主題歌:♪Endless roll/NICO Touches the Walls

「人は希望を失った時になにかをあきらめるんだ」

2006年に一度ドラマ化されてるんだね。
ジャケットを見たかぎりでは、陰惨なスプラッタものかと思ってたけど、もっと心理ドラマだった。
DVD特典にはメイキングなども収録されてたみたいだけど、レンタルには予告編のみで残念。

trailer

▼story
若者の自殺者が激増し、政府は研究施設にランダムに子どもたちを集めてある実験を開始した。
心臓に装置を埋め込み、各自にスイッチを持たせて、それを押せば痛みもなく死ねるというシステムで
自殺に至る心理状態を研究するというもの。
2026年。最初40人ほどいたあるセンターでは、7年経って、生き残ったのはたった6名。
施設が閉じられるという噂がたち、新しい看守・南洋平がやって来る。
「こんな施設間違ってる」と被験者たちに親切に対応する南だったが、彼にはある任務があった。。


「希望があるから、絶望するんだ」

「あと少し生きてみない?」

人のスイッチも押して殺せるんじゃ、システムとして欠陥なんじゃないか?
それに分からないのは、せっかく数年ぶりに家に帰った息子と母親が一緒に死んでしまったこと。なぜ???

“ロケセットは鎌倉にある廃墟施設を使用した”てウィキにあるけど、元は一体何の施設だったんだろ?怖
俯瞰から撮影した感じだけでもただならない雰囲気を醸し出してた。


 
「良かったな。彼女が死ねば君は自由だ」
田中さんは自殺対策推進室長・丸山孝治役。「俺は責任を果たしただけだ」って所長より怖いな

いろんな死の形を描くことで、逆に生きる理由もそれぞれなんだってことが見えてくる映画だった。

「また、明日」


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