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『ムーミンパパ海へいく』(講談社 ムーミン童話全集7)
原題:Pappan och havet by Tove Jansson
トーベ・ヤンソン/著 小野寺百合子/訳
初版1990年(1997年 11刷) 1456円
※2000.6~ part4のノートよりメモを抜粋しました。
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「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。
以前、一度ブログに載せてあることに気づいたけど、ノートと見比べたら、メモが足りないから、
ミクシ用に短く書いたものをコピペしたんだろうか???
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あらすじ(ネタバレ注意
家族みんなやる事いっぱいなのに、パパは自分がのけ者で、役立たず、父親失格みたいな気がして、
それを察したママは、一家で地図上のフンみたいな島へ新しい生活を始めるために出発する。
家族が乗った「冒険号」
「暮らしがうまくいきすぎるからって悲しんだり、腹を立てたりするなんておかしい…」
と思いながらも、傷ついたパパの自尊心を立て直そうとするママの愛情。
ママに誰よりも認められたくて、奮闘するパパの愛情。
そしてちょっぴり反抗心まで見せるムーミンのゆったりとした成長ぶり。
そして変わらずニヒルでクールなミイの言動にはいつも参ってしまう。
「秘密をなんでも知ってるけど、人にしゃべることに興味なんかない。
どうせ自分からしゃべっちゃうのよ。遅かれ少なかれネ」
今回、登場するのは、すっかり人との交流も、自分の存在すらも忘れかけた漁師。
彼はムーミン一家の誕生パーティで、自分こそが灯台守だと思い出す。
船など来ないのに、鳥ばかり突っ込んできて、命を落とし、
墓を作る、本当は優しい人間だったに違いない。
モランは近づくもの全て凍らせてしまい、恐れられるがゆえに、
温かいもの、温かい心に飢えてさまよっているおばさん。
ムーミンの灯すカンテラを追って、海を越え、毎晩会ううちに
嬉しくて歌い踊り満たされた彼女の体からはもう冷気はなくなっていたという
フシギな友情の話もある。
(モランのこの話好きだなあ
そして、ただただ美しくて気まぐれなソックリの2頭のウミウマたち。
月夜に海から出てきて、落とした銀のくつわをムーミンがママにプレゼントするが、
返してもらって、ウミウマに戻すと、ちょっとだけ話ができた。
ムーミンには全然関心がないと知って傷つくが、ママに
「美しい景色みたく見つめるだけで満足でしょ」と言われて納得する。
また、いつまでも子ども扱いするパパから海の神秘、人に理解されたいという
苦しみを打ち明けられたムーミンが有頂天になるシーンもあって、
だんだん成長してゆく息子と父との関係の変化も興味深い。
ミイ「あの漁師はバカなおいぼれで、頭の中には海草しか詰まってないんだ」w
パパの失敗1:灯台のカギがない→岬の先で見つける
パパの失敗2:灯台のあかりがつかない
パパの失敗3:防波堤を作ったら、嵐で流された
パパの失敗4:しかけた網には海草ばかり
ムーミンは、森の中にピッタリの空き地を見つけたのに、アカアリの大群がいて、
ミイがやっつける条件をのんだばかりに油で全滅させてしまう。
「死んだアリは砂糖なんて食べませんよ」
ムーミン
「生きてるって素晴らしいことだなあ。
どんなものでも何の理由もなしにいっぺんに変わることがあるんだねえ!」
パパの失敗5:食糧が尽きて魚釣りに没頭し、釣りすぎた
パパの失敗6:黒池の宝さがし
いつもはとってもママらしいママが、今作では環境の変化からか
ちょっと鬱っぽくなって、壁に庭の絵を描いてホームシックにかかる。
ママ
「さあ、明日もまた長い、いい日でしょうよ。しかも、始めから
終わりまでおまえのものなのよ。とても楽しいことじゃない!」
(このセリフ、今でも大好き
ムーミン「ちぇっ、おやじがなんだってんだ、カレンダーに×印を付けるんだって! それからどーする気だね」w
ママが、パパと息子が並んでいるのを
「上から見ると洋梨ソックリだ」と思ったのは爆笑!
ムーミンもウミウマの美しさにつられて、自分も美しくなったと感じ、
彼らが去ると、もとのデブっちょで、小さいムーミンに戻った気がしたと言ってるし、
ちょっとコンプレックスがあるのかな?