メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『精神分析が面白いほどわかる本』(その1)

2013-02-28 17:02:14 | 
『精神分析が面白いほどわかる本 人間のアブナイ本能が見えてくる 絵解き入門書』(河出書房新社)
心の謎を探る会/編

昔から心理学が好きで、短大時代にも心理学のゼミを受講したり、一時期は関連本を読み漁ってたりしていた
最近また、カウンセリングつながりで改めて、ヒトの深層心理、無意識の言動について興味が湧いてきて、
図書館で目に付いたこんな本を借りてみた。
イラストも多くて、ともすれば難しい、敷居が高そうなこの分野も、身近な例を挙げて面白く書いてある。
あくまでフロイト、ユングを中心に話が進められているけれども、後半にはちょこっと最新の「機能不全家族」などの単語も出てきて、
最近読んだ『わたしの家族はどこかへん?機能不全家族で育つ・暮らす』などにもつながってきて興味深い。
偉大なフロイト、ユングが根底にありつつも、こころの研究も日進月歩であり、また、時代によって大きく変化し続けている現状もある。
いったん原点の基本にかえりつつ、現代と照らし合わせてみるのもおもしろいと思った。

【内容メモ】
恒例になってきたこの長さ/謝
本来ならこれまではノートに記録魔していたことを、ここに書いているのでどうしても長くなってしまう。
なにせ、ペンで書くより、データ入力のほうが速いし、まとめやすいんだよね。
興味ある方はどうぞお付き合いくださいませ/礼

第1章 無意識って何だろう?

「無意識」の発見
無意識は、意識が無いことではなく「無意識という意識」。
発見したのは、「精神分析の父」と言われるフロイトで催眠術の研究中
ベルネームという催眠研究者の研究がきっかけ。
フロイトのアプローチ法は長椅子を使う「自由連想法」
近年は「退行催眠」がメジャー。患者は催眠で心の原点に退行することによって原因不明の悩みや不安の原点に行き着く。
うつ病や分裂症患者は、その原因があまりに恥ずかしかったり、他愛ないことだと、本人が認めず埋めてしまう。
催眠療法は無意識に埋められた理由を本人が認識することで、原因不明という最大の不安を取り除くことにある。
無意識には不安の原因が隠されていることが多い。
「無意識の世界」にこそ神経症の原因があると言った。


「無意識」→「前意識」→「意識」
「意識」自分で意識している部分
「前意識」忘れているが意識すれば意識の世界に上がってくる部分
「無意識」自分では意識できない、自分の知らない部分

例:女性が口を隠しながら話す(指摘されて気づく行動)←小さい頃に父から前歯が大きいことを笑われた(無意識)

「無意識」は、意識の連続で脳がつかれきってしまわないための采配とも言われる。真の「無意識」は、決して意識できない。
“自分では気づかない”“自力では自由にできない”無意識が、ヒトの行動を規定することも多々ある。


嫌な感情は心の奥にしまう「抑圧」
例:中国の怪談集『聊斎志異』では、官僚の夫人が夫の浮気を知りつつ、知らぬふりをしている。
  夫は浮気中に黒蛇が現れることに悩む。そのあとを尾けると妻の口の中へと入っていったという。

妻は自分の嫉妬を「低級でみっともない感情」として無意識の世界に追いやってしまった=「抑圧」
「抑圧」は、怒り、嫉妬、悲しみ、恐怖などの激しい感情を無意識に閉じ込めること。
社会人として体裁を整えたい、大人としてまともでありたいという願望から起こる。
どんな形であらわれるかは、抑える側と、押さえられる側の力関係で変わる。
抑圧された感情は姿を変えて表面にあらわれる。


無意識がヒトを失敗させる「錯誤行為」
言い間違い、聞き違い、失念、おき忘れ、寝過ごし、紛失など、日常の失敗を疲労や不注意のせいと思っているが、
本人の意志に反して、無意識がオモテにあらわれた結果であり、ヒトの失敗には“無意識の意志”が働いている=「錯誤行為」
(フロイト『日常生活の精神病理』より)

錯誤行為の1段階:なぜ失敗したか本人にも思い当たる(浮気女の結婚式で「お悔やみ申し上げます」とスピーチする
錯誤行為の2段階:なぜ失敗したか思い当たらない(胸の大きな宗方という女性の名前を「胸方」と書き間違える
錯誤行為の3段階:指摘されても本人は認めない(妻と別れたいと思ってる男がクラブの名刺をキッチンに置き忘れる など


「超自我」→「自我」→「原我」
「超自我」高次元の理想を自分に課す「エライ人」「やさしい人」
「自我」超自我と原我で板ばさみ状態
「原我」欲しいものは欲しいという原始的欲望(原我は抑えられるほどパワーアップ

援助交際などノンルール(ルール無視)の原始的欲望は、「原我(エス)」という心理層から発している。
超自我が強いヒトほど、そのストレスの反動でエスを揺り起こす。
例:SF映画『禁断の惑星』のイトというモンスターと厳格な科学者


自我とは?
日本には幼児は一人の人間ではなく、七つを迎えるまでに通過儀式を経て一人の人間に仕立て上げるという考えがあった。
自我=自己であるという強い認識「これが私だ」。自己を一個のヒトとして確立するため、言動をコントロールするシステムのこと。

1.現実機能:ありのままの自分を把握する
2.適応機能:自分の行動を、能力・目標などと照らし合わせて選択する
(例:理不尽な上司に反発するか否か。これが壊れると暴力をふるったり、引きこもったり、極端へと走りがちになる
3.防衛機能:理想主義を適度に押さえ、心の安定を保つ。
4.統合機能:1つのまとまりある人格をつくる。矛盾した部分も含まれる。

「自我」は、現実社会の営みに大きく関わり、「超自我」と「原我」に挟まれて揺れ続けている。


良心とは
ヒトは「原我」「自我」「超自我」の順で育っていく。
親に叱られた子どもは、親に見捨てられてしまうのでは?という不安・恐怖を抱く→自分で行動を監視・規制する→良心の芽生え
子どもは親の言動の背後にある「超自我」を見つめて育つ。
例:お受験ママは、世間に対する見栄を子どもに見抜かれている。また、厳しいしつけが家庭内暴力となって跳ね返る。


集合的無意識
ネコが教えられないのに手で顔を洗うのと同様、ヒトも個体群の一部だと唱えたのがユング
自我に対する「個我」という概念を生んだ。
例:女神や菩薩は母性を象徴する。トランス状態から生まれるマンダラなど
人間共通の無意識を「集合的無意識」と呼んだ。遺伝的に生まれながらに持っている。
個人→家族→部族→民族→人類という心理層があり、もっとも深い「深層心理」には人類の歴史が関わっている。

デカルトが「我思う、ゆえに我あり」と言った個人崇拝が17世紀ヨーロッパでは主流だった。
東洋では、自我は幻想で、自己を捨て去ったところに真の存在があるという哲学。


第2章 人が悩む本当の理由は?

コンプレックス
一般的に使われる「劣等感」の意味とは違う。抑圧されて意識されないまま強い感情を担っている表象の複合体←「広辞苑」
ユングは「言語連想法」により、100ある単語の中で口ごもってしまう現象に気づく不快・反感を抱いている=ウソ発見器にも応用/驚

わたしもやってみたら、すぐ連想を思い浮かばなかったのは以下の言葉。
踊る、同情、軽蔑する、家族、牝牛、偽りの、選ぶ


ペルソナ
素顔を隠す「よそいきの顔の仮面」。自分の役割を明確にすることで、社会生活における対人関係を適度な距離に保つための処世術。
その一線の引き方には、他人を侵害しないことによって自分を守る目的も含まれる。自我を守る鎧。
問題は『鉄仮面』のように、仮面が取れなくなってしまうこと。
体裁や自己防衛のための仮面が、自分そのものになり、かえって自己喪失を招くケース。


自分の影におびえる「シャドウ」
例:「あいつはオレの足を引っ張ろうとしている
これは、出世ばかり考えている自分の「影の人格」を他人に投影し、自身の影に怯えている状態。
コンプレックスに近い。
「コンプレックス」は他から受けた傷の隠蔽だが、「シャドウ」は自身の中にある悪や歪みの隠蔽から生まれる


「グレートマザー」「マザコン」
「マザコン」の2つのイメージ
1.いつまでも母親を慕うヒト
2.いつまでも母親を怖がるヒト
例:シンデレラを虐待する継母、白雪姫を呪う女王など

ユングは、優しく豊かな姿であるが、怖ろしい怪物の姿でもある「グレートマザー」を唱えた。
「元型(アーキタイプ)」は、「集合的無意識」から生まれるシンボルで、「グレートマザー」もその1つ。
マザコンは男性が陥ると思われているが、極度のマザコンは、むしろ女性に多い。
娘にとって母親は同性であるがゆえに「同化」が起こる。
“子どもを自分だけのものにする”という負の一面がある。
“母から逃れられない””母を恐怖する”という影を落とし、成長した子どもに歪んだ行動をとらせることもある。


「オールド・ワイズ・マン」
知・力・神秘を備えた大いなる隠者の姿をとる。
ユングの父は理想とは程遠く、絶えず父と反発し、論争を挑みながら成長した
父を超えたいという願望は、権力・成功への激しい執着を意味する。
それを乗り越え、自分の中の「オールド・ワイズ・マン」を意識できた時こそ自己の完成がある。

女性の場合は、まず“理想の父親像”が浮かぶ。それにふさわしい伴侶を導き出す形で、実母を超えた「グレートマザー」の像が浮かぶ。
「あなたのパパはダメなヒト」と言って子どもを味方につけようとする母親は、
「ダメな男を選んだダメな女」という自分の悪いイメージを子ども植えつけていることに気づかない


なぜ失敗を繰り返すのか「トリックスター」
「トリックスター」=日本で言えば化け狸、河童、天狗などの妖怪のこと。イタズラの名人。
「トリックスター」は社会の秩序をぶち壊す迷惑な侵入者。逆に、退屈な沈滞状態に混乱を巻き起こして、社会を活性化させる存在
失敗があってこそガス抜きができ、活気があり、笑いもある。ヒトをショック療法で癒しているとも言える。
失敗の連続で平和と明るさを提供する『サザエさん』一家は「トリックスター」の集団といえるw


自分とは何か?「アイデンティティ」
精神分析上では、カードや証明書ではなく、あくまでも自分の内的な実感による証明。心理学者E.エリクソンによって確立。
幼児期(2~3歳)でアイデンティティの基礎を築き上げる。
「自分が誰か」→「どうゆう者か」を定義した時に確立。
その作業は青年期に課せられる。なぜなら、「どう生き延びていくか」を意味するから。
サッカーやバイクが好きでも、それでは食えない作り上げたと思い込んでいた「自己」を処分することを強いられる。
アイデンティティ確立の失敗で「同一性の危機」が起こる。非行の原因
未来に対する自身のイメージを失い、「何者でもない」よりは「害があるヒト」のほうがマシと考える。


夢の世界「エロスとタナトス」
フロイトによると、睡眠の無意識状態で、深層心理の怖ろしい記憶やイメージが表出するのに修正を加え、
安眠を妨害しない程度に危険度をやわらげる、というのが夢の前期の理論だった。
その後「心理には快感の一方で不快を求める傾向もある」と考え『快感原則の彼岸』を書いた。
「エロス」愛の神。あらゆるものを結合させ、混沌の中に秩序をもたらす。
「タナトス」死の神。あらゆる秩序を破壊し混沌に戻す。
エロスとタナトスは表裏一体の関係で心理に備わると定義し直した。
むしろ健全なヒトほど、死と破壊の願望を秘めていることがある。
フランスの作家アナトール・フランスは「自殺は一種の生への情熱である」と言った。
うつ患者も極度に悪化している時は自殺欲求は起こらない。


「内向的」って暗いこと?
もとはユングの性格類型。暗い・明るいというのとは違う心理学用語。→参考

1.内向思考型
2.内向感情型
3.内向感覚型
4.内向直感型
5.外交思考型
6.外交感情型
7.外交感覚型
8.外交直感型

暗い・明るいはオモテ(意識)に表れた行動様式で、本質(無意識)とは違う。
例:太宰治は表向きは外交的だが、じつは危険なほど感受性豊かで繊細な人間だった。
オモテの型は、内面の傾向に引きずられないための調整・抵抗の場合が多い。ヒトは外面だけで判断できない。


「甘え」の構造
土居健郎『「甘え」の構造』は欧米でも大ベストセラーとなった
欧米人の「自立」と日本人の「甘え」との相対論。
欧米では30歳過ぎても親元にいる“パラサイト・シングル”は一種の病人とみなされる。
動物学的には、モンゴロイド(黄色人種)の脳は、「甘え」によって育まれる構造。
「ネオテニー」(幼児化戦略、幼形成熟)=脳を柔軟に保つことで、より多くの情報を取り入れる進化戦略/驚
日本人は親と1つの部屋で川の字で寝るのも、親の教育・監視・庇護を必要とするモンゴロイドの道理にかなっていた。
現代は個室を与え、厳しいしつけを「放任」に変えている。「擬似自立」をうながす一方、何でも買い与える「甘え」を残す。
庇護して教育する「甘え」が、ただの「甘え」になってしまっている。今では“amae”という心理学用語にもなっている。


第3章 欲求不満を開放!

自我防衛機制(八つ当たりなど)
「自分の心の防衛」こそが無意識の最大の役割。精神の崩壊を防ぐための転換・隠蔽。
ヒトの精神は無意識の防衛なしには、ガラスのようにモロいものなのだ
極度の恐怖には精神が完全崩壊しないよう回路遮断システムが働く=自我防衛機制

ヒトはみな「欲求不満」を抱いている。
例:社長は業績を上げられない不満、理想の女性と結婚した男性は、妻や母となった彼女に不満を抱くなど
ヒトの欲望には際限がなく、すべて思い通りにいくことはあり得ない。
ヒステリーは「頭がどうかしてしまった」状態ではなく、逆に「頭がどうかしてしまわない」ために八つ当たりをしている。

自我防衛機制には14種類ある。
1.抑圧
イヤなことにはフタをする欲求は潜在意識に残り続ける

2.逃避
とにかく逃げる。例:都合性腹痛炎など

3.退行
幼児にもどる。例:ぬいぐるみに話しかける責任・体裁・重圧で精神を擦り切れさせないため

4.置き換え
弱い者いじめ、動物虐待など、非力な対象に憎しみを向けて、欲求不満の一部を解消する
ヒトには「対象が特定された憎しみ」と、「欲求不満による社会全体への憎しみ」がある。

5.昇華
満たされない「破壊衝動」を、生産的なエネルギーに転換する
例:破壊衝動の強いヒトは、機動隊や消防士など危険で活動的な仕事を選ぶことが多い。

6.反動形成
本音に反して、建前を演じることに似ているが無意識に行われる点が大きく違う。
無意識の憎しみ・劣等感に気づかず、正反対の愛・傲慢を表現し続ける。
例:「私は豊満な自分の体が嫌い」→体を武器にしている自分がいる

7.補償
劣等感を補う強い欲求に衝き動かされること。
精神分析学者アドラーが発見。目にハンデを持つ患者ほど猛烈な読書欲を持つ「器官劣等性」を唱えた。
例:格闘技の一流選手には、元いじめられっ子が多い。背が低いナポレオン、虚弱体質だった三島由紀夫など

8.男性的抗議
バリキャリ女性社員は、男性より“男らしい”ふるまいをする。
男性社会に遅れて入ってきたハンデを克服しようと躍起になっている状態。
例:組織論をぶつ、部下に威張る、ガンガン残業する、根回しに奔走する、上司にとりいるなど
パロディのコツは、特徴を極端に強調すること

9.取り入れ
憧れの人のマネをする満ち足りない自分を埋めようとする自我防衛。強烈な嫉妬・劣等感が働いている。

10.同一化
原動力は「愛」。対象への「愛」と「自己愛」の境が消えてしまうほどの一体化。
例:飼い猫が死んで、「ぼくは猫になった」という子ども
逆に「自己愛」を対象に投影する「同一化」もある=「惚れ込み」
「惚れ込み」=相手が自分と同じ理想を持っていると信じて疑わない。やたら相手を励まし賛美し、自身の理想を実現させる身代わりにする。

11.投射
もともと自分が対象に持っている敵意を、鏡のように相手に「投射」する。
例:「どうして彼女は私を嫌うのかしら?」←自分が彼女に向ける敵意の裏返し
「被害者ヅラ」は女性に多い。「夫は自分をぞんざいに扱う」←自分が夫をぞんざいに扱っているのを棚に上げている

12.合理化
例:リストラされた男性が「これで会社の歯車から解放された」と言う。
“プラス思考”と間違われやすい。怖ろしい現実から目をそむけ、自身をあざむくための思考。
俗に言う「やせ我慢」「負け惜しみ」。心理的ダメージを防ぐ有益な心理メカニズム。

13.打ち消し
例:描きかけの絵を切り裂く芸術家
物事がうまくいかなくなると、あともう一歩の頑張りでなんとかなる段階でもすべてを無に戻し、“リセット”してやり直す。
背景には、欲求不満を解消しようとする防衛機制が働いている。
「ゼロからの再スタート」がヒトを妙に救われた気分にさせる。

14.隔離
「見て見ぬふり」「知って知らぬふり」ではなく、意識の上で「見なかった」「知らなかった」ことに転換されてしまう。
例:夫の浮気現場を見て、その場を離れる。
関係を壊したければ「見た」ことにし、壊したくなければ「見なかった」ことにする。これは女性の恋愛の極意?

コメント

『精神分析が面白いほどわかる本』(その2)

2013-02-28 17:02:13 | 
『精神分析が面白いほどわかる本 人間のアブナイ本能が見えてくる 絵解き入門書』(河出書房新社)
心の謎を探る会/編

とうとうgooブログ最大文字数2000文字を超えたとのお達しがあったので、前半と後半に区切りました

第4章 夢の“暗号”を解く

「夢は無意識に至る王道」
フロイトの『夢判断』は夢を学問的・体系的に研究した最初の書。
「夢は無意識の願望を満たすもの」「夢は抑圧された願望が偽装した形で出る」と定義した。
夢には「パラドックス(逆説)」「メタファー(比喩)」などの表現法が多い。
無意識に閉じ込めた願望や思いは、覚醒中は監視が行き届いているが、睡眠中は監視もゆるみ、変装して抜け出る。


フロイトは夢を性に結びつけた「リビドー」
夢は抑圧された「リビドー(性的衝動を発動させる力)」の表出。
「夢の象徴化」露骨・過激になりすぎないための装い。
象徴化というソフィスティケート(洗練)によって刺激が弱まり睡眠が確保され→夢を見る→願望も充足する。


夢はなぜ支離滅裂か
相手の顔がくるくる変わったり、場面や時間が突然飛躍したりするのは「夢作業」のうちの「圧縮」。
「圧縮」=さまざまなヒトが合体したり、話の重点がすり替わること。
膨大な記憶、願望、抑圧された感情が埋められている無意識のファイルは、コンピュータのように系統立てられていない。
乱雑としか思えない形で、記憶の強弱、連想などの独特の系統で整理されている→支離滅裂になる原因

「二次的加工」=支離滅裂なラッシュをストーリーのある映像に編集しようとする働きもある。
例:サッカー選手になりたいという願望サッカー選手として大会に出場するも、競技場は小学校の校庭。

「翻訳」=潜在思想にある抽象的、感情的な要素を映像に翻訳して映し出す。
例:焦りがある飛行機に乗り遅れる夢(よく見る!


核心を歪ませる「夢の検閲」
無意識に封じ込められた“恐ろしい何か”がクマとして現れるなど
その恐怖・願望に精神が耐えられないため、ストレートに登場させないためのシステム。
クマは“代役”。こうした置き換えによる検閲を「変容」という。
「材料の脱漏」=公権力顔負けのカット作業もある。
「編成替え」=構成を替えることで“本当の感情”からポイントをずらす作業。
例:不倫して会社がクビになるかも?上司と妻が不倫している夢を見て「こんな会社辞めてやる!」と怒る

「瞑想・座禅」
ユングは目覚めたまま夢を見て無意識を得る方法を編み出した。半意識の中で浮かぶイメージや言葉を自動筆記する。


夢分析で分裂したフロイトとユング
『夢判断』に共鳴して夢分析を始めたユングだったが、やがて2人を決別させる最大の要素になってしまう。
フロイトが「ヒトを衝き動かす最大の力はリビドーだ」という主張に対し、
ユングは「夢はヒトと宇宙全体の関わりをあらわす。集合的無意識にこそ夢の原材料がある」と考えた。
例:蛇が夢に出た。フロイトは男性器のシンボルとみなし、ユングはマンダラ、宇宙のシンボルととらえる


第5章 性と愛が歪んでいく謎

赤ちゃんの性欲「口唇期」
フロイト『性欲論三篇』で小児の性欲と、すべての神経症はその発達の歪みから起こると唱えたことで物議となった。
赤ちゃんは、生後6ヶ月を過ぎると、唇や舌が母親の乳首に触れる「性的刺激」を求めるようになる→「口唇期」
フロイトは当時、タブー視されていた


ウンチの話ばかりする3~4歳児「肛門期」
排便時、我慢している時の肛門の刺激に興奮の悦びを感じる。
食欲・排泄欲が未分化の幼児性のたまものである「糞尿愛好」。


お医者さんごっこが好きな5~6歳児「男根期」
口唇からはじまり、肛門に移った性感は、性器に移行する。
自分の体はこうなっているが、異性の体はどうなっているのか?という関心が生まれる


性欲の欲求不満から人格が歪む「リビドー」
物欲・出世欲・名誉欲・成功欲などさまざまな欲は「リビドー」の仮の姿。
年齢に応じて対象を変える。「自身→異性の親→同性の仲間→異性の仲間→特定の異性」。
その時々で満たされるか否かによって人格形成に影響を及ぼす。
満たされなくても、満たされすぎても、人格障害・神経症を引き起こす原因となる。

1.「口唇期」への「固着」:露出症、フェティシスト
2.「肛門期」への「固着」:サディスト、マゾヒスト
などの倒錯をまねく。


赤ちゃん帰り「性的目標の退行」
1.「口唇期」への「固着」:アルコール、喫煙、ガム好き
2.「肛門期」への「固着」:貯金好き、我慢好き、ストイックさ
3.「男根期」への「固着」:権力欲、自慢


「オイディプス・コンプレックス」
男の子の潜在意識には、男として父を超え、男として父から母を奪うという欲望がある。
父を超える成功をして、母から父以上の尊敬を勝ち取れれば、その欲望は満たされる。
満たされないと、父への殺意、母を犯したい野望に変わる。
これは古代ギリシャ劇『オイディプス王』の悲劇に描かれている。


人に愛されたい・尊敬されたい「固着」
母親に早めの離乳を強いられた赤ちゃんは、乳首を吸う欲求を満たしたいという「固着」が深層心理に残る→「口唇性格」があらわれる。
例:「同僚がほかの人を酒に誘って、自分を誘わなかった」→自分は愛されていないという決定的な信号として悲劇的になる
「口唇性格」絶えず人から愛されているか否かで激しく気分が変わる性格。

例:子どもの頃に母に性器を誇示して叱られ傷ついたやたらと男らしさを誇示したがる「男根性格」があらわれる。
「男根性格」常にエネルギッシュ、攻撃的、自信ありげ、女性に対してもストレート、仕事でも突き進む


「アニマ」と「アニムス」
「アニマ」は、“心のマドンナ”ではなく、男性の中に存在する女性人格の象徴。
中世の宮廷男性は化粧し、ホホホと笑った。精神的アンドロギュノス(両性具有)は奇異なことではない。
少年期のアニマは母親型青年期を越すと娼婦型最終的には賢く、品位があり、清楚、神秘的な聖女型に変化する
つまり、アニマが最終段階に達した時には、声の甘さやセクシュアリティに惑わされない、成熟した大人の男となる。

「アニムス」は、女性の中の男性人格。
父親型アウトロー型運動選手型聖職者型(知性と神秘)


「ナルシシズム」
「ナルシシズム」は、一般に言われる「ナルシシスト」(自信過剰・自己満足)という単純なものではない。
「リビドーが外部の対象に向かわず、自我に向かう状態」と定義される。自分以外を一切愛さない自己愛の塊。
過剰な自己愛は、あるきっかけで、うぬぼれとは正反対の激しい自己非難に転化し自信喪失してしまう。

激しい自己愛は、激しい自己非難に転化する。
自己愛の塊のヒトにとって、恋愛とは、相手との関係で作られるものではなく、自分の魅力・自分の愛の力から生まれる。
失恋すると、恋人を失ったことへの非難・攻撃のすべてが自身に向けられてしまい「うつ状態」に陥る。

恋愛はそもそも危険がつきまとう。ヒトはみな自己愛対象愛に移行する。つまり恋している相手に自分を重ねているといえる。
もし相手がいなくなれば、重ねていた自我とリビドーを喪失し、自分の存在が小さく思える


「アグリッピーナ・コンプレックス」
暴君で有名なローマ皇帝・ネロは、実母アグリッピーナが未来の皇帝から権力を奪おうと、強引に母子相姦されたという指摘がある。
もとは善政を行っていたが、暴政になったのは、実母を殺害した時期と重なるという。

「アグリッピーナ・コンプレックス」は南博博士が命名。
乳児が母親の乳首を吸うことに性的快感を覚える一方で、母親もまた性的快感を覚えるのだという。
社会的には離乳による「母子分離」が行われるが、母親が無意識に分離を拒否し、息子にベタベタすると陥りやすい


男性にコレクターが多い「フェティシズム」
性器による性行為、生身の女性を恐れ、女性の下着、靴、髪の毛など周辺のみに性的興奮を覚えること。
女性より男性に多いのは、「去勢不安」からきているとフロイトが説いた。
「男根期」の少年が、自分の性器に優越感を感じると同時に、女子にないことに驚きと不安を覚える。
「自分もなくなってしまうことがあるのか?」という潜在意識が、成長しても女性に無意識のうちに「去勢されてしまう」不安を抱く。


「ロリータ・コンプレックス」と「ペドフェリア」
フロイトは「成長期の少女の媚を、可愛らしい、微笑ましいなどと軽んじていると、大きな危険が生まれる」と警告した。
「ペドフェリア」=幼児性愛者。「ロリータ・コンプレックス」が極度に進行した性犯罪者。性的暴行・強制わいせつ・淫行。

「ペドフェリア」には同性愛に向かう者も多い。
1.純然たる同性愛型
2.少女の代用として少年を選ぶ→「ロリータ・コンプレックス」

「ピーターパン」は心理学的には両性具有だといわれる。
中世ヨーロッパの貴族が幼児性愛にふけり、中世日本の僧侶が稚児への愛にふけったのも、少年少女たちの性的未成熟がもたらす美しさに魅せられたから。
それとは逆に「ペドフェリア」は美意識とはまったく無縁。ひたすら成人女性を恐れるあまり、力の弱い対象として幼児を選ぶ。


同性愛
同性愛になる一般的な見方。
1.異性が怖い
2.自分が異性に変身することへの欲望。同性と交わることで異性を演じることができる。
3.異性より同性に魅力を覚える。

精神分析学的な見方。
上記の1.は、母子相姦など強い罪悪感、母への恐れが女性に向かい、男性にリビドーが向けられる。
上記の2.は、母から満足な愛情が得られなかった場合。自身が望む母を演じようとする。相手は年下の男性が選ばれる。ヒッチコックの『サイコ』と同じ。
上記の3.は、父に対する尊敬と畏怖の反面、優しく愛されたいという願望が潜在意識に強く残る。
ひと昔前のイギリスの上流家庭では、父が厳格に接する伝統があったため、その子息がホモセクシュアルになる傾向が多く見られたという/驚


サディズムとマゾヒズムは表裏一体の関係
厳格な「超自我」がもたらすモラルからくる。
「性行為で快感を覚えることは不道徳だから罰し、罰されることで償いをしなければならない」という心理。
「レイプ・ファンタジー」=「マゾヒズム」の悪い形で思春期の少女にあらわれる。厳格すぎる家庭のお嬢さまに多いと言われる。


第6章 心の闇が悲劇を生む

「トラウマ(心的外傷)」
一般的には「心に傷を負った体験」「辛い体験によって負った心の傷」という意味で使われるが、
「腹がたつ」「悲しい」と意識できる傷ではなく、精神を崩壊させるほどのダメージなため、心の奥深くにしまいこまれた傷のこと。

『精神疾患の診断・統計マニュアル』による6つの特徴
1.予測不能の出来事:交通事故など
2.自分の力ではコントロールできない出来事:自然災害・火事など
3.非常に残虐、グロテスクな出来事:露出症に出逢ったなど
4.自分が愛して、大切にしているものの喪失:親の死、失恋など
5.きわめて暴力的な出来事:ナイフで襲われたなど
6.眼前でもたらされた惨事について、自分に責任があるかのように思える出来事:災害で家族を助けられなかった自責も含む

人間の暴力によって負わされた心の傷は、決して消えることのない社会全体への不信をもたらす。


PTSD(心的外傷後ストレス障害)
戦争・災害・性暴力・虐待・誘拐・監禁など尋常でない体験で生まれるトラウマは、
必ず何らかの形でよみがえり、心身の自由を奪うまでにそのヒトを苦しめる。

PTSDの3つの類型
1.再体験
コンプレックス同様、無意識に封じ込められているが、本人には抵抗できない「侵入」の形でよみがえる。
「まるでフィルムが回りだしたように、頭に映像が流れはじめる」という。

2.回避
苦痛の負担が大きすぎるため、事件そのものを忘れ去ってしまう。
ネガティブな感情を抹殺するために、感情全体をマヒさせる。喜ぶことも楽しむこともできない状態。
非現実に逃げ込む「解離」も同じメカニズム。

3.過剰覚醒
極度の緊張状態、警戒心に陥る。ちょっとした物音に跳び上がり、絶えず背中を壁に張り付けていたりする。

PTSDはベトナム戦争体験者の15%、ナチ収容所体験者は100%に兆候がみられたという/驚
アウシュビッツを体験した精神科医ヴィクトール・フランクル著『夜と霧』には、収容所から解放された囚人らが
「よく分からないが、いま、誰かを殺したり傷つけたりしなきゃ、気が済まない」と叫ぶ様子が描かれている。
「PTSD」はヒトの感情、意志ばかりか、生理までも完全に支配してしまうとても恐ろしい状態。


「AC(アダルト・チルドレン)」
ビル・クリントンはACを公言して大統領選に勝利した。そこにはアメリカ国民がACの克服を称賛せざるを得ない実情があった。
もとはACは「ACOA(アダルト・チルドレン・オブ・アルコホリックス)」で、アルコール依存症の親がいる家庭の子どもを意味した。
→その後「ACOD(アダルト・チルドレン・オブ・ディスファンクション・ファミリー」の略語になった。
「ACOD」=機能不全家族。欠陥、トラブルのある家庭で育った人。

幼児は、どんなに酷い親でも、家を飛び出して飢えと寒さに苦しむよりは、虐待に耐えるほうがマシと本能的に考える。
「虐待」ならまだ生きていられる自分の我を殺さなければ、暴力からは逃れられない。
周囲の顔色をうかがう大人になる。“事なかれ主義”でなく、周囲の反応に病的な恐怖を抱きつづける。
逆に暴力的に周囲を支配する。その暴力性も残酷からではなく、他を攻撃しなければ、攻撃されてしまうという恐怖の裏返し。


自信過剰なヒトほど危ない「強迫観念」
「杞憂」空が落ちてくるのでは?などといった途方もない心配をするヒト。
一度不安を覚えたことは、そんなはずはないと思うことができなくなる。
「強迫神経症」動悸・発作・めまいなど身体疾患をともなう病気。その背景にある「全能感」。

「全能感」
1.自分の願望はすべて実現するというプラスの全能
2.自分が悲観したことはすべて実現してしまうというマイナスの全能を信じる感覚
「自分は何でもできる」という誇大妄想家ほど「強迫観念」にとりつかれやすい。


「共依存」
例:ダメ男から離れられない女性
「共依存」は、1970年、アルコール依存症の夫と、支える妻の関係から見出された。
妻は夫の手足となって動く夫は立ち直る意志と義務感を失う。
「この人は、自分なしでは生きられない」と思うことで、自分の価値を実感できる。依存が必要な夫に依存する妻。

「ミュンハウゼン症候群」
子どもに「あなたは自分では何もできない」と言う母親。
エスカレートすると下剤を混ぜて本当に体の弱い子にしたり、砒素などの毒を飲ませ、献身的な看護をするケースもある
自分の犯した罪から「自己陶酔」という“利子”をもらう


自分の中の他人「多重人格」
例:アメリカには64人の人格に分裂した女性がいた!「主人格」は平凡なOL、「副人格」は画家。
「副人格」は「主人格」にはないアレルギーまで持っていた驚驚驚
免疫や体質の違う人間をつくりだすことさえある。

「多重人格」の定義
1.患者の内部に2つ以上の異なる人格が存在する
2.これらの人格の少なくとも2つが、その人の行動を完全にコントロールしている

1994年には「健忘」(別人格になった記憶がない)の要素を加えて「多重人格性障害」から「解離性同一性障害」と名を改めた。
解離は、父親からのレイプ体験など衝撃的な出来事がもたらす「トラウマ」によって起こるとされている。
『ジキルとハイド』とは違って、解離が生み出した人格のほとんどは、人を攻撃するためでなく、自分を守ための人格である。


ストーカー
19世紀の精神医学者E.J.エスキュロールが「狂気的な純愛を抱く者」の類型をまとめたのが最初。
「エロトマニア」と名付けられた。ジョディ・フォスターのファンや、ジョン・レノンを殺害したD.チャップマンが挙げられる。
現代は近付きがたい雲の上の存在ではなく、一般の隣りのおねえさんをターゲットにするのが特徴。

「ストーカー」は神経症と分裂症の境界線上にある「ボーダーライン人格障害」に属する。
1.自己陶酔と自己嫌悪の間で激しく揺れ動く
2.対人関係の不安定、不得手
3.慢性的な空虚感
4.怒りや悲しみなどの衝動をコントロールできない

上記は現代の若者らの特徴とも言える。
警察には毎日のように多数の「ストーカー被害」が舞い込み、
そのほとんどが「私ってモテて困ってるんです」という自己陶酔の裏返しだという。
そのため真のストーカー被害を見分けにくくしている。平成12年より「ストーカー規正法」がスタートした。

現代の若者は、生の対人関係を避けている。みな自分の内部に侵略されることを恐れて生きている。
一方で、「個性の尊重」といって自我意識の拡大がはかられる。
彼らは、自分の思い通りにならない人間に対して、ふいに怒りを覚えたりする


「窃視症」
ヒト(とくに男性)は見えないものを盗み見ることに興奮を覚える→「幼児性欲」からきている
乳児が自分の性器を母親に「露出する快感」が「覗く」快感と結びつき「窃視症」の原点となる。
「窃視症」は何かの秘密を見たい欲望、広い意味の好奇心でもある。
女性の体の中を覗きたい、時計を分解して中を覗きたいは、ほぼ同じレベルの好奇心といっていい。


「露出症」
法的には「公然わいせつ罪」になるものの、真剣に告訴する女性がいない、呆れる女性が多い。
それがますます調子に乗って常習化していく
精神医学者アベールによると、露出症者は、自分の性器を見た女性らは、
性的快感を覚えこそすれ、不快・恐怖を感じたりするはずはないと思いこんでいる。
「窃視症」と同様、身体的接触を恐れる傾向が強いので、常習性は高いものの、性的暴行に及ぶことはほとんどない。
しかし、常に女性に支配されることに欲求不満を抱いているのが原因なので、
勇気を出して非難などするとかえって危険な場合もあるので注意が必要


レイプ犯に共通する性質
レイプが深刻な社会問題でありつづけたアメリカでは、レイプ犯の精神構造についての分析が半世紀以上前から進められていた。
精神分析家ウォルター・ブロンベルグの1948年の報告によると
「レイプ犯は“男性性”の優位が脅かされることに常に情緒をかき乱されている。
 その背景には、自分は社会で劣っているという劣等感がある。だからこそ、優位を保てる“男性性”の優位にしがみつく。
 それが女性への力による性的征服として表れる」

1971年。セイマー・ハレックは
「レイプ犯の多くは、女性を弱い動物と見下す一方で、自分を踏み潰す巨人のように恐れている。
 それも自分の“男性性”への自信のなさからきている。その恐れを克服するためにレイプにいたる」


厳格な親から非行少年が生まれる
宗教家・教育者・法律家などモラリスティックな家庭からは非行少年少女が生み出されることがある。
今村昌平監督『復讐するは我にあり』も同様。
アメリカの精神医学者ジョンソンとスズレクはその心理メカニズムを「黒い羊の仮説」と名付けた。
モラリスティックな親は秩序や作法を重んじる教育をほどこすが、何番目かの子どもには監視の眼がゆるんで、
「ペルソナ」を外したいという欲望にかられる。そこには抑えてきた「シャドウ」がある。
その子は親が「自分たちのできなかった生き方をしてくれ」と要求しているかのように映り、
無意識の授受が行われ、一匹の黒いヒツジが育っていく。


母性本能と幼児虐待
アメリカでは近年、幼い子どもが虐待する親を告訴するケースが増えている/驚
「幼児虐待」の最初の論文は1962年アメリカ医師C.ヘンリー・ケンプによる『被虐待児症候群』。
虐待する母の多くはアルコール依存症、軽犯罪歴があり、自己中心的、未熟、衝動的、
自分でもコントロールできない攻撃性といった内面的歪みがあると判明。
そして、高い確率で自身が幼児虐待を受けていたという。

動物学では、母性は先天的な本能ではなく、教えられたり学んだりして獲得するものだという説がある。
“母性本能”は幻想である


なぜ、ヒトは血を見ると興奮するのか
『羊たちの沈黙』でレクター博士が「最初の殺人に戻れ。すべての答えは、そこにある」と言った。
最初の殺人には何らかの動機があるが、それ以降の殺人はエクスタシーを求めるだけの無差別殺人に変わるという「血の酩酊」の原理を示唆している。
愛憎・復讐・アクシデントによって誰かを殺した時、殺人犯は初めて血を見る。そして異様なエクスタシーを覚え、
以後、その麻薬性に誘われて殺人を繰り返す。

「血の酩酊」
ドイツの精神医学で生まれた言葉。太古の人類は、大きな危険を伴う狩猟における恐怖に打ち勝つため
「狩猟をしなければ生きていけない」という義務感だけでは弱い。
そこで遺伝子に組み込まれたのが「獣から流れる血を見るとエクスタシーを感じる」という遺伝子だった。
エンドルフィンやアドレナリンなどの脳内麻薬といったところか。


【あとがきメモ】
ヒトはhトの支えなしには生きていけない存在。
まずは自分の心の闇を知り、見つめ、分析することで、他者への理解も深まります。
人間の複雑な心理を知ることは、何かと不完全な自分を許し、他人を許すことにつながるのです。



【心の謎を探る会】
他の著作には『図解・相手の性格をひと目で見ぬく技術』などある。

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日本女性の自殺率は世界で3位

2013-02-27 12:32:04 | テレビ・動画配信
自殺を防ぐ 私たちにできること@あさイチ
まず、日本女性の自殺率は世界で3位ってデータにビックリ
実に日本全国で1日に70人が自殺で亡くなっている現状だという。
特徴としては、サラリーマンの場合、異動や倒産などのキッカケとなる変化があって、
自殺に至るまでの期間の平均が3年前後であるのに対して、
主婦は、自殺までの期間が約8年と長い。
悩みの中心が人間関係で、周りに相談できる人もいないということもあって、
じわじわと精神が蝕まれ、相談する気力さえなくなってゆく。

家族や友人がどうサインを見つけるかと考えても、本人には自殺する自覚があるわけじゃなく、
時には無意識にホームに向かい、ちょっとしたきっかけで衝動的に電車に飛び込んでしまい、
助かった人に後から話を聞くと「その時の記憶がない」という場合も多いという/驚

「家族に迷惑がかかるから話せない」と思い、一人で抱え込む人も多い。
身近であるがゆえに話せないという現状に、周囲のさまざまな機関が連携をとってサポートし、自殺者を少なくしていこう、
自殺未遂後の生活、自立を長い目でサポートしていこうという社会的取り組みが重要。
こないだ書いた「会社や学校にメンタルヘルス機関を設ける」のも、1つのアイデアかも。

「こうしたほうがいい」などのアドバイスよりも「分かってあげる」「寄り添う」という姿勢が安心につながる
「傾聴士」って言葉も出てきたけど、こないだの公開講座のおばあちゃんも、たしかそのボランティアをしているってゆってたな。


佐藤二朗さんが!4月期連ドラで主演
「めしばな刑事 タチバナ」(テレビ東京系)4月10日スタート
毎週(水)午後11:58~ ラーメンや牛丼などの“身近めし”(ファストフード)を熱く語りまくる刑事・立花を演じます。
って、見なきゃ!!!


BLACK BOTTOM BRASS BANDからオウジ脱退!驚驚驚
これもビックリしたなあ!ペットのコウさんに次いで2人目かぁ。。
改めて、1つのバンドが存続していく難しさを感じつつ、
それぞれが自分の可能性を信じて、自由に演奏できる場に飛びたてることはステキだと思う。
ワッショイ番長はちと大変だろうけど、がんばれっ!!!



■ゆうゆう散歩ネタ
毎日の放送だから、どんどん予録がたまっていくんだけど、お散歩ネタとしてとっても重宝しているv

KAMISM Lab.(カミズムラボ)
和紙の専門店。1000円から体験もできるv
東京都墨田区業平3-7-11
10:00~18:30(体験工房の受付は16:30まで)
定休日:火・祝日(月曜は職人が不在のため体験工房はお休みです)

国立の街路樹は桜の名所としても有名
「新・日本街路樹100景」などにも選ばれた。

佐竹商店街
新御徒町駅からすぐ。日本で2番目に古い商店街とのこと。
ちなみに最も歴史が古い商店街は、浅草寺門前の仲見世だって。

MOTHERMAN/Super Bell'z
加山さんが“御徒町”で思い出したこの曲、たしかに笑う!

街の氷屋さん@木場
ふわふわで山盛りなかき氷が1杯100円てほんとかなあ!驚
真夏に行列に並ぶのはちょっとキツいかもだけど、並ぶ価値ありそう♪


逍遙歌~そぞろ歩けば~/加山雄三


紅葉の頃は冷たい風に 冬には雪に凍えてないか
こころ壊しちゃ居ないだろうか 意地など張って無理してないか
そぞろ歩けば君のことを 遠くで思ってる
余計なお世話だと 君は笑うだろうか
余計なお世話だと 君は笑うだろうか


特別編でスカイツリーをバックに親友のさださんと一緒に生でフルver.を歌って、感動した。
番組で流れているのを聴いてる時は、前の散歩人だった地井さんのことを勝手に思い浮かべてたけれども、
作詞したのはさださんのほうで、加山さんはこの曲を歌うと、外国で暮らしている娘さんのことなんかを考えてしまうという。
きっと、親が子どもを心配する気持ちってこんな風なんだな。

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「相手は変えられない。自分は変えられる」

2013-02-26 23:55:55 | 日記
今回のカウンセリングでは、参加した公開講座の話と、『子どものこころが傷つくとき 心理療法の現場から』の話を織り交ぜながら
改めて、自分と母親の関係性について考えてみた。

前回、「怒りにもいろんな表現の仕方がある」ってことで、
よくよく考えたら、わたしは元々キレキャラではないから、
そのつど辛抱強く、母と価値観の違いについてはいちいち話し合ってきたけれども、
頭では分かったと言っていても、やはり無意識の部分は変えられない。
それは、親のまたその親から厳しくしつけられたことにも通じている。

これまでそれこそ考え得る限りのあらゆる角度からアプローチしてきたが無駄に終わった。
母親がカウンセリングを受けたほうが早いんじゃないかって気もしてきた
母親が変わらないかぎり、わたしへの影響は永遠に続くんじゃないかとも思える。
でも、「カウンセリングはあくまで自主的に必要性を望む人が受けるものだ」と言う。だよね。

まさに心理学の鉄則「相手は変えられない。自分は変えられる」

「母親はもうこれ以上変えられない。わたしの向き合い方にポイントを置いて考えてみよう」てこと。
それは、“いじめっ子”と“いじめられっ子”の関係にも通じるという。
母親が本当に諦めていたらもう言わない、言えないだろうが、
まだ「こうしなさい」「ああしなさい」と言っているうちは、
言い甲斐がある、まだ変えられるという希望を持っているということでもある。
つまり、私と母の間のやりとりに、ついまだ何か言いたくなってしまうような要素があるとのこと(なんだろう???

そこには「母親が自分に対して近づきすぎる関係」も見えているとのこと。ふむ。
「はい、はい、そうですか」って受け流すことができる人も世の中にいる中で、
「なぜ、母親の言うことにいちいち反応してしまうのか?」という質問に考えさせられた。

なぜだろう???

1.命令されるたびに否定された気がして傷つくからこれまでも受け流して、積み重なって病気にもつながっているこれ以上傷つけられたくない
2.母親のまるで泉のように湧き出てくる不安感・心配も、その本意は価値観の押し付け、わたしの個性への攻撃であるやはり傷つく
3.心配をいくら打ち消してもキリがない。また最初から何度も同じことを説明し直さなければならないやっぱり通じなかったという諦め・絶望感のループ
4.「自分はこのままじゃいけないのか?」「いくら頑張っても認められない」という自己否定に結びつく。
5.そもそも、受け流してまで母の否定は長年浴び続けなきゃならないものなのか?

以前も「どうして、そこまで親に認められなきゃ、自己肯定できない自分がいるのか?」という質問をされたが、今回もそれが出てきた。

1.自分で選んだ道だから、そもそも親の評価など必要ないし、放っておいてもらいたいが、それが叶わないから。過干渉。
2.幼少時代からずっと心配・否定され続けた事実があって、相手に合わせる+自己否定につながる背景がある。
3.なにを頑張っても認められないというのは辛い。たとえ楽しかった出来事を話しても、
「夜遅くなる前に帰りなさい」「ライブに行くのは月に1回くらいにしておきなさい」などと喜びまで否定される
その背後には「かくあるべき」という個人の価値観の押しつけがある。
4.母は父とのコミュニケーションが断絶されている孤独を、私に愚痴り、支配下に置くことによって穴埋めしている。
  実際、問題に取り組むべきは母親自身の問題であって、わたしではない。それが理不尽だと思う。

今回は、論点も比較的ハッキリしていたし、段階的に話が進んで、
次回のカウンセリングまでにいろいろ内考させられることも多くて、充実感があったな。


 

家に帰って、図書館等に寄って、近所のタイ料理店でランチ
「日本人の口に合わせてまろやかな味付けにしていますが、本場のシェフが作っているので、
 ご要望があれば本場の味もお楽しみいただけます」といううたい文句。

わたしは辛いのが苦手だから、まろやかな味って書いてある「タイ風チャーハン」を注文したら、
サラダ、スープのほかに、ドリンクがいろいろ揃っていて飲み放題
オレンジジュースなどフルーツジュース、ホットとアイスのコーヒー、あとはハーブティもあったから、
レモングラスティーを持ってきたら、爽やかでちょうど料理にもピッタリv
山盛りご飯でちょっと苦しかったけど、無事に完食v
晴れる日も続いて、外を歩き回ればちゃんとお腹も空くね

春になると、和の生菓子が食べたくなるってことに気がついた
よもぎ餅、イチゴがのっかった道明寺、うぐいす餅
ひと仕事終えた後の甘味はカラダとココロにしみるぅ~!



「lyrics」もアップしました。


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うつと不安の認知行動療法@淑徳大学公開講座

2013-02-26 15:59:27 | アート&イベント
土曜日の話。
自宅まで交番のおまわりさんが回ってきて、防犯のために「巡回連絡カード」てやつを書いて欲しいと言われ、
住所・氏名・世帯主などを記入して、駅近の交番に出した。

それから迷った末に、今回はアパート賃貸契約を更新することにして、
連帯保証人欄を父に記入してもらうためにメール便で送った


黒龍門
 
ランチは「上海焼きそばセット」を注文。スープと、女性限定で杏仁豆腐もついてくるv
ニラ、キャベツ、椎茸、豚肉、その他いろんな具材が入ってて、美味しかった! けっこう量もあったけど完食!
最近、食べものづいてる♪



うつと不安の認知行動療法 @淑徳大学公開講座
期間:2013/02/23(全1回)
時間:13:00~14:45
受講料:3,000円

どこでこの情報を知ったのか思い出せないけど、値段も手ごろだし、ためしに受けてみることにした。
今回の参加者は10人。みな同じ症状を持つ患者さんかと思ったら、いろんな人が受講しているようだった。
最初にアンケートで「今回の講座に期待すること」「その他要望」とあったので、
部屋が7階で、狭かったから、パニ障の旨を伝えて、できれば出入口のドアを開けておいたままにして欲しいと告げたら
配慮してくれて、講義内容にも「うつ」だけでなく、さまざまな「不安障害」についても織り交ぜてくれた/礼
とても人当たりのやわらかなおじさんが講師で、千葉にあるセンターでも相談を受け付けている臨床心理士さんとのこと。

淑徳大学大学院附属心理臨床センター

プリントが配られて、それに沿った内容がテレビ画面に映し出され、手元のスイッチで操作出来るのは、
あの「スーパープレゼンテーション」の「TED」と同じだあ!
2時間の講義内容は、個人の話以外は録音してもいいとのことだったので、そうさせてもらった。
途中、何度も心拍数が上がって、外に出ようかと思ったけど、深呼吸などでなんとか踏ん張った(エライ
講義内容の中には、自分にリンクすることも多くて、何度も涙目になったし

とはいえ、たった2時間内で、ワークもいくつか入っていたから、内容としては初歩のさわり、総体的な説明といった感じ。
受講している方の中には、今まさに混乱中の方もいて、質問もまとまりがなく長くなってしまっていた人もいた。


【内容メモ】
プリントにメモった内容が中心。
講義を聞きながらメモったことなので誤り、理解不足等はご了承ください。あくまでご参考までに

第1の波:「行動療法」'50年代くらいから始まった。
第2の波:認知が加わった「認知行動療法」。
第3の波:「マインドフルネス」


気分障害の種類
「大うつ病」や、幼い頃からなる「気分変調性障害」、双曲型障害(躁うつ病)などさまざまある。
パニック障害は「不安障害」の中でもっとも症状が強い。
注意:認知自体に障害が出る「認知症」には認知行動療法は大きな効果はない。


抑うつ症状のABC分析
A:外部刺激 失敗・非難、疲れやすさ等(例:仕事で大きな失敗をしてしまった。ハラスメントなど
B:理由付け、自己概念化・回避行動・感情反応(そこでどう考えて、どんな行動をしているか
C:イライラ、食欲減退、睡眠障害(その結果どうなったのか

パニ障の例:
電車で発作が起こった恐怖体験電車に乗らなくなる
慢性的緊張感で内部感覚も敏感になってちょっとしたことでも怖くなる
怖いものが増えてくる引きこもるという悪循環

注意:・内科でも似たような症状が現れる場合があるので、あくまで内科的に問題が認められない場合。

自律神経系の症状(便秘・下痢の繰り返し、ドライアイ、肩凝り、動悸、めまい、息苦しさ)はうつの初期症状
眠れない、食べられないという症状が1ヶ月つづいたら受診が必要。


ワーク1「五感を意識する」
1.視覚:パッと見、見える範囲で4つ同時に意識を集中させる。(ホワイトボード、講師など
2.聴覚:(視覚をいったん忘れて)聴こえてくる音4つに意識を集中させる。(音楽、隣りの教室の声など
3.触覚:(視覚・聴覚をいったん忘れて)感じている感覚に意識を集中させる。(座っていること、ペンを持っているなど
4.自分:(ほかの感覚をいったん忘れて)自分自身に意識を集中させる。(呼吸など←これが一番難しかった
5.ラスト:五感+自分すべて同時に意識してみる。(これも難しい

マインドフルネス
悪循環から距離をとる方法。
座禅・瞑想とも通じる。アメリカで効果があったということで逆輸入された。
いろいろあるが、自分に合ったものをやってみる。集中する項目は3つでもよい。
意識している間は、不安などから気持ちが別のところにいく感覚になれる。
「失敗した」など1つのことのみに注意を向けずに済む。
堂々巡りから抜けるためにやるワーク。


うつ・不安を引き起こすストレッサー
1.事故、左遷などのストレス刺激。結婚、出産など一見嬉しいことでも「大きな変化」そのものがストレスとなる。
2.喪失(肉親の死、離婚、失恋
3.日常のストレス(友人・異性・同僚などの人間関係、ノルマ)

日々小さなことでも繰り返されると、ストレスが引き起こされる。例:上司が皮肉を言う、夫がすぐ怒り出す
適応を知ることが必要。どうゆう状況で不安になるかを丁寧にチェックする。


不安階層表の作成
これは以前も何度か書いたけど、不安が強い順に10項目ほど書いて、不安を感じる度合いを記録してゆく。

例:交通事故のトラウマ
友だちのバイクに乗っていて事故に遭った場合。怪我は回復しても、思い出すと外出もできない。
どんな場面だと何点くらいの不安か、表を作成してみる。
継続的にチェックしていくと変化の様子、治療の効果が目で見てわかってくる。

重いことは書かなくても分かっている。
中間が一番動きやすいので、変化がよく見える。
低い点数の「こうゆう場面なら大丈夫」と思えることもとても大事なこと


ABC日誌(うつの状態を分析する)
うつ患者にはこちらが有効。自己分析のツールとして使い、方策がたてやすい。
どんな場面で、どうしたら何点だったということを分析できる。
「カラム法」とも言う。5カラム、3カラムなどある。
認知行動療法の基本的ツール。どんな時にうつがひどくなるのか調べて方策に使う。

例:
状況の欄「今日の予定はないの?」と母に言われた行動「胃がムカムカした」


環境の調整
・ゆとりを作る:
ゆとりがなくなり、立て続けに何か起きるとうつがひどくなる
ゆとりが作れるのはゆとりがある時。普段からゆとりを作る工夫をする。
・仕事の単位をつくる:午前・午後で分けて、区切りを作って小休止を挟む等
・責任の所在を明らかにする:「私はここまでやるから、あなたはここまでやってもらえますか?」となるべく言葉にする。
・風通しのよいコミュニケーション:
なんでもハッキリ言うのも角が立つので、できれば笑いで言う。
批判より、自分をオープンにする。「この辺までならこころを開いても大丈夫かな?」という距離感をはかる。
大事なことについて隠し事をしない。
会社にもメンタルヘルス対策が必要(ほんとだよ


人に相談できる自分は弱くない
「なんでもわかってくれて、相談できる友達がいる」というのが一番効果がある
普段からそういう関係を作っておく。
助けてもらうばかりでは成り立たないから、お互いに助け合う。
注意:アドバイスがかえって重荷になることもある。
注意:うつの人は真面目で、一方的に愚痴を聞く立場だけになりやすい
相手の相談事は半分の気持ちで聞くことも必要な場合がある。
最初に「話を聞くだけだけどいい?」と言っておくのもよい。
「自分が具合悪くなってしまうから30分だけでいい?」と時間を区切るのが重要
または「今は体調が悪いから聞けない」と断ることも必要。

「アドバイスせずに、とにかく聞くだけ」のほうが効果があるし、害もない。


「自分はダメだ」という自己概念
例:人が怖いから避けるどこかで出会う慣れてないから失礼なことを言ってしまう
やっぱりダメなんだどんどん人が苦手になるという悪循環
失敗を自分のせいにする悪い予測をたてがち先延ばしにする完璧にならないうちはやらないうつ症状

理由付け行動:「自分のせいだ」「きっと失敗する」
自己概念化行動:「こうゆう人間でなければダメだ」「私はダメな人間だ」
回避行動:先延ばし、「完璧でなければやる価値もない」などのこだわり
感情反応:イライラ、身体的な不調としてあらわれる


「私は愛されない」と思う人の悪循環
例:誰からも大事にされない。私は変わってる。親はきょうだいばかり可愛がる。
  人が笑わないところで笑う。趣味が人と違う。こだわりが強い=発達障害とも関係
小さい頃から親からも「変だ」と言われると嫌われている。自分がいては迷惑なのでは?と考えやすい。
人間関係のマズいところが全部くっついて肥大化してゆく少数としか付き合わなくなる誰からも好かれないという悪循環
注意:傷ついたパターンで他人も見る。うつにハマるパターンの典型。
注意:いじめを受けやすい

「自分はダメな人間だ」「私は愛されない」が2大うつのパターン。


否定的自己概念のネットワーク化
過去のいろんなネガティブな記憶にムリヤリ結びつける。
例:「上司に馬鹿にされた」「失恋の記憶」「石につまづいた」なにをやってもダメだという「雪だるま式」になる。
回避行動、ビクビクして自信がもてない余計に失敗してしまうという悪循環


うつになりやすい人
几帳面、物事にこだわる、凝り性、真面目、責任感が強い、人に気を遣い、他者に合わせようとする、
背負い込み、任せられない、融通がきかない、職務やルールに忠実、保守的で変化を嫌う、権威や序列を尊重する等


不安症状の悪循環
発作回避行動自分をコントロールできない、自分は弱い人間だ、誰にも助けてもらえない
また発作が起こるのではないか?回避行動という悪循環


不安とアルコールは仲良し
不安障害とも関係が深い。
ダメな自分から一時的に目をそむけることができる。
アルコールを分解する時にうつを引き起こす物質が出る。
うつもアルコール障害もひどくなるという悪循環

アルコール乱用者の4割が大うつ病。自殺率は一般の人の20倍。


ワーク3 お手玉
1.置いて観察してみる(模様、楕円形、色
2.触ってみる(温かさ、冷たさ、中に入っているもの
3.音をたててみる
4.ポンポン片手で投げてみる(感覚、重さ
5.近くの人と1個だけ投げ合ってみる(判断しないこと。ちゃんと集中して投げる
6、感想を述べ合う(身体を動かすことでリラックスした。楽しかった等

うつ傾向の人は、落としてしまったら「また落としてしまった、自分はなんて下手なんだ」
「わざと落としたと思われたかも・・・?」など考えてしまい、判断が入る。
気兼ね、懸念などが次から次へと浮かんで、それらに振り回されてしまう。


物事を判断しないで、お手玉に集中するという訓練
・「今、ここ」に集中する。
・目の前のことを味わう。
・判断が出てきても、そのままにして、流す。
・感じて、表現している自分を味わう。いたわる。


悪循環から離れるマインドフルネス
過去・未来にこだわらない。こだわらない。先を考えすぎない。
・先延ばしをやめる:「どうせなら出かけてしまおう!」
・こだわりをなくす:「何も着ていく服がない」→化粧や準備で遅くなり、出かけるのをやめてしまう→「失礼がない程度なら何を着ていってもいいや」
・「私は○×だ」と考えるのをやめる→「私はダメなところもあるが、今やれていることもある」


五感に集中する時間をとる
呼吸・発声・散歩・お手玉・お茶・ダンスなど
1日のなるべくいつも同じ時間に20~30分間。

例:歩く
五感を使う。風、足の感覚を味わう。気にせず、流していく。次から次に見えてくることに集中する。
こだわらない。思い続けない。イヤなことも受け止めながら、次々とやってくる新しいことを体験する。
歩くことで回復したうつ患者もいる。


今、目の前のことを味わいつづける
回避を止める、先延ばしを止める、こだわりを止めて向き合っていく。
自分はダメかもしれないが、できることはある。たしかに私がやってる。
過去や未来ばかりにこだわらない。今、目の前のことに集中する。
向き合えている自分をいたわる。
目の前に価値のある行動があれば、それをやってみる。


ワーク4「大切な行動」リスト
プリントにピックアップされた80項目の行動を表す言葉の中から、自分にとって大事な言葉を5つくらい選ぶ。
これだけは大事にしたい、これはやりたいなと思うこと。
私の場合「書く」「感謝する」「伝える」「褒める」「笑う」「喜ばせる」

うつの人の場合、マインドフルになった結果、何が出来たらいいか?が分からない。
何も興味がなくなった状況だと、「何かしなきゃならない」は「かくあるべき」
人によって違う、自分で選んだことを少しでもやってみると、喜びを感じ、生き甲斐にもつながる。

いきなり仕事をしなくても、アルバイトをする、そのための勉強をするなどつながって、何年かしたらやりたい仕事ができていた。
ちょっとずつ出来ていくことが結果的に目標やゴールになってくる。

パニ障の場合、発作が出てからでは遅いから、落ち着いている時にマインドフルの練習をしておく。
怖いものから回避していたのではずっと逃れられないまま。
儀式などしないで怖いものに向き合ってみよう。
息が苦しいけど、話はできる。歩けている。

症状は症状として受け止め、けして目をそむけず、大丈夫だってことも受け止める。
「さっきより楽になった」どうしたら楽になるかを探す。例:一休みしながら喋る、姿勢を変える。
どんな風に症状が弱くなるかを観て、しっかり味わうことも大事。


エクスポージャ(症状によってやり方も違う
発作が起きないように回避する=生活の行動を狭める
実際に小さな発作を起こしてみる。怖い状況に身をさらす時間がたてばおさまる
自分なりの対処ができる(姿勢をかえる、呼吸を整えるなど
小さな反応が起きても、「身体にこんな反応が起きている」という感覚に曝しているとなくなってくる。
普通の活動に戻れると分かるようになる=生活の質が上がる

「恐いけれども、自分はやれる」


ワーク5「バスに乗ったモンスター」
1.あなたはバスの運転手。お客さまを安全に目的地まで運転する責任があります。
2.あなたのバスにモンスターが乗ってきました(発作・嫌味な上司など
3.どこに座っていますか? どんな外見ですか? なにか言っていますか?
4.安全に走行するために、お客さんにある程度注文をつけられるとしたら、何と言いますか?
「後ろに移動してください」「窓の外を見ていてください」「もっと小さい声で喋ってください」
5.ちゃんとバスはモンスターを乗せたまま、目的地まで安全に着くことができました。

モンスターにまどわされない。気にせず言わせておけばいい。
パニックが起きるかもしれないという考えを持ったまま、目的地まで行くことができる。
こんな風に五感を感じてるんだ怖いものでも、不安でも私はやれる。例:人と会えた、買い物ができた。


ワーク4で選んだ「大切な行動」とは長期の自分らしい生き方。こんなことを大事にしながら生きたい。
いきなり取り組めないことでも、逆算して考えていく。
将来的にこうゆう生き方をするために、中期の目標として何ができるか?
介護の仕事をやりたい資格をとろう講座を受けてみようかな電話をかけて申し込んでみよう


今日できることは、実は小さいこと
その小さいことの積み重ねが、数日間、数週間やっていくうちに、
うまくつながっていった時には、ハッキリしたゴールにつながっていく。

失敗することもある。そうしたら小さいゴールから選び直して、やり直してみる。
失敗した自分のことを「ダメだな」ってモンスターがゆってても放っておいて、
モンスターを乗っけたまま、次のアクションを見つける。

そのことの積み重ねで、気づいたら、
「たしかに私は人より不安症で、ふさぎこむ傾向は変わらないけど、ちゃんと仕事に行けている」
「うつっぽいけど、これができている自分はちょっとスゴイでしょ」って思える。


途中で失敗は必ずある
「失敗したらもうダメだ」てゆったら、また振り出しに戻ってしまう
底なし沼でも大の字になって、息をして、「よしもう1回やり直そう」って思い、
モンスターの言うことを気にしないでまどわされずに、
自分のことを1つずつ、小さいアクションを1つずつやっていく。
それをエンジョイできればいい



参考文献
『うつと不安のマインドフルネス・セルフヘルプブック』明石書店
『不安・恐れ・心配から自由になる マインドフルネス・ワークブック』明石書店
『いやな気分よさようなら第2版』バーンズ著 星和書店
『「うつ」を治す』大野裕 PHP新書(大野さんは主治医がススメていたな
などなど


【質問コーナー】
最後にもう時間がなくなって、次の講座も控えているから、教室を早々に明け渡さなきゃならない事情もあって、
質問コーナーも手っ取り早くって感じだったけど、講義中は一度も発言できなかったから、
わたしも一度くらいは何か言いたいと思って、日頃から思っている疑問を聞いてみた。

Q「心療内科では15分診療の中で、認知行動療法までやってもらえない。今日は具体例もいくつか挙げていただいたけれども、
  自分で本などでやろうとすると、途中で焦点がボヤけて投げ出してしまいがち
  主治医も“本来は専門家と一緒にやるほうが効果がある”と言っていたが、身近に見つからない。どこで探せばいいのか?」
A「たしかに15分より短い診療のところもあって、実際には1人で進めるのは難しい。
  わたしのところでもやっているので来てもらえたら嬉しいが、
  身近でも調べれば教えてもらえる機関はある。講義も年数回やっているからそれも利用してもらいたい」
といったところ。まあ、教えるにも限界もあるってことかな

日本臨床心理士会のHP
どこにそういった機関があるかなど詳細はホームページや電話で問い合わせる。
医療保険内では時間が足りない。最低30分~1時間とれるシステムのほうがよい。
悩み相談電話などのボランティアをやってる地域もある。


***************************************


今回の収穫は、この講義のみならず、受講生の中に親と同じくらいの年齢のかわいいおばあちゃんがいらっしゃって、
これまで民生員や「いのちの電話」的なボランティアもした経験もあり、
ほかにもたくさんの短期・長期の講座に通ってさらに勉強中だと言う。
とても興味を持ったので、「自分も相談させてもらいたいから連絡先を教えていただくことはできませんか?」
とムリなお願いをしてみたけど、今現在は事情があって断られてしまった。

でも、ビルの外に出てもなお、高校教師を目指す青年とともに3人で、寒い外で小1時間もなんだかんだと話し込んでしまった
青年は、一般企業に勤めているけれども、高校教師を目指しているんだそうな。
いじめの陰湿化や、PTAの権威が教員より強い中、敢えてその道を選ぶのも偉いけど、
「今、どんなことに一番気をつけなきゃいけないと思われますか?」なんておばあちゃんに真摯に質問していてすごいなぁ。

とってもユーモアのセンスもあるおばあちゃんで、笑いながらもいろんな話をしてくれて、とってもためになったし、癒された
いのちの電話にかけてくるような人は“死にたい、死にたい”と言っていても、本当は“生きたい、生きたい”と言っている。
 先生や親に言えば「なにバカなことゆってるの!」と責められる、友だちに言えば「変だ」と思われるのが怖い、
 そうゆう時に一番言ってはいけない言葉は「そんなバカなことは止めなさい!と頭ごなし否定すること
 事情をムリに聞き出そうとせずに、自分から話し始めるのをひたすら待ってあげて、
 話し始めたらとにかく聞き手に回ること。ポイントは、自分からココロをオープンにすることよ」だって。納得。

私「わたしの母親は、出不精で自宅にばかりいて、父の愚痴ばかりゆってるから、見習って欲しいですよ」てゆったら、
「わたしも夫を変えるのに10年かかったわよ! 以前は“何度も出かけて一体どうゆうつもりだ?”って怒ってばかりいたけど、
 今では”いってらっしゃい”て見送ってくれる。そうなるまでに10年 それには、粘り強く話すこと。
 家事など手伝ってくれた時は、やり方が雑だったとしてもオーバーに感謝すること。感謝されたければ、感謝すること

本にも書いてあるけど、自分からまず「与え」なければ、「与えられる」こともないってことだな。
難しいことだけど、そうなんだと思う。

「こんな変なおばあちゃんがいたなあ~て、あとでちょっと思い出してくれるだけでいい。それがやり甲斐に通じる」て深い。。
「わたしもそんな風になりたいけど、自分のことだけで精一杯で、なかなか人を助けるまで出来ない」
「若いうちはそれでいいのよ。今やることを一生懸命やればいい。わたしは、子育ても終わってヒマなんだから」てとっても謙虚なんだよね。
まさに無償の愛。

駅でそれぞれに別れたけど、とっても充実した時間だった。


明治生命がやってる生涯学習サイト
ちなみにこちらもおばあちゃんが通ってる公開講座をしている機関。
それにしても「ネットなんかできないわよ」て笑ってたおばあちゃんが、ここまで広く情報を集めて、
毎日のように夜昼なく講座を受講したり、自宅まで行ってボランティアしてるって素晴らしいなあ!感動した。
わたしも、あんなおばあちゃんになりたいんだ

コメント

『子どものこころが傷つくとき 心理療法の現場から』

2013-02-25 11:42:14 | 
『子どものこころが傷つくとき 心理療法の現場から』(第三文明社)
網谷由香利/著

サイコセラピストである著者のプロフ写真を見ると、まだ若くて美人さんなのに驚いた。
でも、かなり心理を勉強された上、現場でのキャリアも長いようで、
実際セラピーを受けたクライアント(相談者)の実例(仮名による)をあげて説明しているので
とても具体的で分かりやすく、「心理学なんて難しい」と思っている人でも読みやすい文章や構成の工夫がなされている。

「子どものこころがわからなくなったらこの本をお読みください」と裏表紙にコピーが書かれていて、
まえがきで著者が訴えているように、問題のある子どもを抱えていても、今問題がなくても、
まだ出産・結婚していなくても、とにかく大人に積極的に読んで欲しい1冊だと思う。

「今の子どもはまったく・・・」「親殺しなんて、キレる子どもは怖い」などと表面的な善悪で単純に判断せず、
その背景にある家庭環境、誰にとっても身近な親子関係について、
世の中のみんなで考えていきたい、いかなきゃならない切羽詰った状況にあるんだと思う。


【内容抜粋メモ】
またまた長くなってしまったことをお詫び申し上げます(なにせ自分とのリンクが山ほどあったので

子どもの不登校や引きこもりは、こころ(無意識)からの警告であり、
無意識が意識に対して働きかけ、動くことにストップをかけていると捉えることができる。
それに逆らって無理に動かそうとすると、せっかくの回復のチャンスを逃してしまう。

子どものこころはどんな時に傷つくか
守りのないとき、誰も守ってくれる人がいないとき。

事例1:
離婚家庭で不登校になった幹夫。父は死んだと聞かされていたが、生きていて、写真の頭部だけが切り取られていた。
妻が夫を憎むことは自由だが、その憎しみの気持ちと向き合わなかったことが根底にある。
学校でささいな事件があってキレた幹夫。
少年のこころにもう少しゆとりがあれば、学校での対人関係も乗り越えることができ、居場所を失うような事態にはならなかった。

大人はしばしば、自分が解決できない問題を、気づかずに子どもに背負わせ、押し付けてしまう。
家族による支えと守りがあれば、子どもは自分でこころの傷を修繕することができる。


布置
家族は人間関係の原点。私たちは、それぞれが課題を背負って生きている。
家族もまた一つの人格を持ち、その家族特有の課題を担っていることをユングは「布置」といった。
布置はこころが意識しないところで生じる。
事例1の場合、母の「憎しみ」「怒り」を、家族のほかのメンバーが身代わりになって背負わされている。


親に話せるかどうか
とくに傷つきの出来事について親に話せるかは、とても大切な問題。
語ることは癒す反面、「新たに傷つき直す」という面もある。傷が大きいほど打ち明けるのは難しい。
無理に語らせようとするのは、支えや守りにならない。
語ることで改めて傷を再体験するという辛さを乗り越えるには、対人関係による守りをもってする以外にない。


成長モデルとしての親
子どもはたいてい同性の親をモデルとして大人になる。父母は一番身近にいる大人で、子どもの将来の目標にもなる。
親子関係で傷ついているほど「あんな大人になりたいくない」と思い、
子どもを持つことや結婚することさえ受け入れないこともある
比較的傷つきの浅い子どもの場合は、親を反面教師として自立する例も多い。


「内なる父親」の傷つき
人の中の父親のイメージ。実際の父親そのものではなく、異なる特徴を持っている。
私たちのこころの世界を特徴づけたり、支配するのは、現実の父より、むしろ「内なる父親」の影響力。


「良い子」の傷つき
「良い子」と言われる子どもほど傷つきやすい。
良い子とは「大人にとって都合のいい子」、つまり攻撃性を発揮できず、
自分より強いと思われるものに立ち向かう勇気を持たない、自分を守れない子ども。
常に親や教師の期待に応えようと無理して頑張り、自分を傷つけてしまう。人からも容易に傷つけられてしまう。

子どもの世界も決して美しいだけではない。
人のこころの中にある「怒り」や「憎しみ」を忘れてしまえば、人権や平和の理想からはかえって遠くなるだろう。


事例2:
正義感が強く、汚いものを毛嫌いする母のもとで育った順子は、学校でのいじめを止めさせ、自分がいじめられて不登校になった。
母が代わりに心理療法を受けることによって、順子の摂食障害を伴う不登校は克服された。

母の偏った価値観を娘に押しつけることの誤りに気づいたことが、娘のこころの回復になった。


こころの全体性
「悪」もまた存在するという現実を知り、その現実に正面から向き合うことで傷つきから回復するのが本来の癒しである。
このような癒しを、クライエントとの人間関係を通して援助するのが心理療法。


明るい家族は健康か?
メディアの価値観に支配され、それが「絶対的である」ようになってしまう。
「明るい子どもはすばらしい」→「明るくなければならない」という一面的な考えに苦しむ子どもはたくさんいる。
「暗さ」も含む自然な自分から切り離され、こころがバラバラになる。


事例3:
理想的な中学生だった健太が「自律神経失調症」と診断され2年近く引きこもる。
小さい頃から喘息を抱えていたことが家族だけの秘密で、手術を繰り返して回復した途端になぜか体調不良、引きこもり、不登校となった。
彼に「明るさ」のみを求める家族。
「弱さ」「暗さ」など一般的にマイナスの評価しか受けない特性をどれだけ大切にできるかが問われている。
マイナスの側面も、子どもの一部として尊重する必要がある。


子どもとのコミュニケーションにマニュアルはない
人にこころを開くのは、相手が自分を分かってくれていると感じる時。
子どもに対して言葉をかけるよりも、子どもの話を聴くことが何よりも重要。
言葉は目的ではなく、こころを運ぶ手段だということを忘れてはならない。


子どもの頃の自分を思い出す
親子関係の問題は、親が自分を振り返ること抜きには解決しない。
セラピストは心理療法の中で、父母の「思い出し作業」の手伝いをする。
子どもは親に「大切なもの」と思われることで初めて、自身を大切にできる。
現代ほど親が子どもを「守る」力が弱くなった時代はいまだかつてない。


事例4:
小学1年生の真吾は、ADHD(注意欠陥・多動性障害)で、学校でも家庭でも困り果て心理療法を受けた。
親の離婚により、仲の良かった父との別離、継父の厳しいしつけがあった。


守られない子ども
どんな子どもも多動で衝動的な傾向はある。
彼は「大人の指示に従わなければならない時に、自分をコントロールできない」という特徴を拡大して見せてくれているだけ。


遊び治療(プレイセラピー・遊戯療法)例:「箱庭療法」など
子どもは遊びの世界の中で傷ついた自分のこころを表現する力を持っている。
大人も子ども、緊張、疲れ、傷つきから解放されるためには遊びが必要。
子どものこころは死の世界にとても近い。


理想化される父親
3歳~5歳頃の男の子にとって、お父さんは極端に理想化され「自分を守ってくれる強い男性」と思い込む。
家族を守るための父親の働きは大きい。
「新しい父は嫌いだが、それを言うとママが悲しむ」という真吾。
子どもはしばしば立場を逆転させて「親を守る役割」をとらされていることがある。


情動の中でも特に大切なのは「怒りの感情」
自分を守るため、自分を傷つける敵を攻撃することは欠かせない


夢の記録
セラピストは傷つきを自身の体験として受け止めることが重要。「傷つく力」の能力が欠かせない。
こころを開き、自分のこころを使って、こころの作業をする必要がある=夢を見て、記録すること
セラピストもまた、スーパーヴァイザー(指導者)や職場の上司による守りや支えが不可欠。


母親の傷つき
子どものことで相談する時には、母親自身も傷ついている。
私たちは皆、子ども時代に傷つきを経験する。個人差があるとすれば、程度の違いがあるだけ。
私たちは自分の苦しみや痛みを通してしか、人の苦しみを知ることができない。
親が子ども時代の苦しみに向き合うことで初めて、自分の子どもが守れる。

真吾の母は、厳しい、古い考えで支配する祖母(実母)と真っ向から闘った。
「息子を体罰で教育しても、こころは育たない」と訴えるも、祖母は、
「孫の面倒をみている自分に感謝こそすれ、親に説教するなんて許せない」と激怒し、セラピストにまで「何を吹き込んだんだ!」と責めた。
母親は「年寄りは頑固ですから。自分が責められているように感じているんだと思います」(そうなんだよね


内と外の守り
学校は子どもを「管理する」という立場をとる。
親による日常での外の守り+セラピストによる心理的な守り(こころの領域)が必要。
こころの傷つきの援助は相互的なもので、人を癒すことは、また相手から癒されることでもある。


両親の関係
子どもは親を選択できないばかりか、「両親の関係」は、子どもが対処できる領域ではないにも関わらず、
「両親の関係」によって翻弄され、大きな影響を受けてしまう。
「子はかすがい」と言うが、「子どものために離婚できない」といって、
自分たちの問題を「子どものせい」に置き換える夫婦がいることも事実。
こうした夫婦は、子どものせいで自分は我慢を強いられていると「被害者意識」をもちやすい。

順子の例で母親は、結婚当初から夫を信頼していなかったと語った。
順子は、母から一身に期待をかけられ、理想を背負わされていた。
表面的には理想的な家族に見えても、仮面の下には、両親の間に「不信と怒り」が渦巻いている。
こうした「両親の関係」からは、子どもは支えと守りは得られない。


事例5:
明るく、元気なアリサは、近所のごみ収集所の生ごみを食べる癖があった。
両親が離婚し、母はアリサを施設に入れようとしたので、父が引き取った。
父は再婚しており、新しい継母には妹、弟が産まれた
箱庭に表現された世界には枠がなく混沌としていて、境界例(境界性人格障害)の特徴があった。

本来は同一セラピストが母子並行面接を行うことはないが、職場の都合で同じ担当者となり、
アリサが週1面接なのに、継母は隔週なのに不満を抱き、「送り迎えをやめたい」と交換条件のようなことを言われた。
アリサを愛せなかった継母の背景には、「忙しい」「疲れている」と子育てを妻任せにしている夫への不満があった。


事例6:
中学3年生の真理子は「選択性緘黙(かんもく)症」。家で話せても、外では話せない。
両親は性格の違いからケンカが絶えなかった
真理子の姉は不登校、弟は喘息、父は無関心、母にとっては元気な真理子だけが唯一の救いだった。

本来生まれ持った資質がどんなに優れていても、家族の支えと守りが薄ければ、現実の困難にぶつかった時、乗り越えることができない。
世間では緘黙や不登校は悲観的に取り上げるが、これは「こころが傷ついている」ことを自覚する契機となり、
回復させようとする無意識の働きでもある。
切り離していた傷つきを引き戻して、痛みを感じることで、傷を癒すという作業を行っている。


家族の窓口
誰が「家族の窓口」となるかは重要なテーマ。
だが苦しむ子どもを持つ当事者である家族が支えるという役割を担わなければならないのは難しい。
こころに支えのない人は、自身に降りかかった困難を乗り越えるだけでもとても大変。
傷ついた子どもがいる家族は、家族全体が傷ついている。窓口である親もセラピストに支えられることが必要。
「家族の窓口」となるのはどうしても母親が多い。
母親が家族の問題から逃げずに正面から向き合い、必死に取り組むことができるかどうかにかかっている。

事例にある幹夫は「こころの世界を言語化する才能」にも恵まれていた。
家族に窓口になれる親がいない子どもには、いる子どもより高い能力や才能が与えられているのではないかと思うことがある

本来は自身のこころと取り組むことによって、内的に母親と対決していくことが心理療法の基本。
大人は、良かれと思って子どもに無理強いをさせてしまうことが多い。


事例7:
裕司はLD(学習障害)。特別支援学級に通っても一向に回復せず、引きこもりになる。
経験の浅いカウンセラーから「治る見込みがない」と言われた母は「この子が死んでくれたら・・・」と思ったという。
当時のセラピストの職場では、義務教育の期間しか面接ができないという事情があった。
初めての面接で裕司はセラピストに「四番目の弟子にしてあげる」とゆってくれた。
無意識的なこころの動きは目には見えないが、子どもは大人よりもそれをキャッチする能力が高く、
裕司のような子どもはとくにその能力が高いといえる。


子どもの「こころの病」は、大人の「こころの病理」の表れ
人には、容姿・態度・印象といった外側と、内面がまったく対極的であることがある。
そのギャップが子どもを混乱の世界に陥れる。
言葉では「わたしの育て方が悪かったのかもしれません」と言っても、本心ではそう思っておらず、
「子どもの問題行動は子ども自身の問題」として捉えていて、言葉上のポーズとして言ったに過ぎないことも多い。


無意識の「心的感染」
両親が“いい人”を演じるほど、子どものこころの中の「悪」が強化され、家庭内暴力を起こさざるを得ない状況に追い込まれる。

自分が世間から“いい人”と言われていたいために、ほかの誰かに「悪」を押しつける深層心理を「投影」という。
子どもが起こす問題には、親の未解決な問題が、親から子へと世代間で引き継がれることが多い。
現代の子どもたちのこころの病理のほとんどは、大人たちによって「心的感染」させられたものといえるのではないか。
大人が自らのうちに存在する切り捨てられた「傷」を自覚し、回復しようとすることが求められる。


ミュンヒハウゼン症候群(虚偽性障害)
症状を意図的に捏造し、病者を演じる。“ほらふき男爵”の名からきてる/驚
近年日本でも増え、京都府内の病院にアンケート調査した結果、
15のうち9つの病院でミュンヒハウゼン症候群が疑われる母親が来院したことがあるとの回答があった。


虐待という心的感染
虐待する大人のこころの中には「傷ついた子ども」がいる。
頭(意識)ではいけないと分かっているが、無意識から突き上げる衝動が強く理性で抑えられない。
自分を傷つけた親に対して「怒り」を感じられるということは、「傷つき」を回復する最も重要なファクター。


「しつけ」という大人の押しつけ
「子どもは未熟だから、しつけや教育をしてあげなければならない」という従来の論法は正しいか?
子どもは、表面的に大人に服従しても、こころの中で信頼していないことが珍しくない。
「殺人は悪い」というような一方的な正論や理屈を押しつけることは逆効果でしかない。
なぜなら子どもたちは「善悪」はいやというほど理屈では分かっているが、強い衝動は意識的にはどうしようもないから。


いじめの背後にある大人の影
いじめで面接に訪れる子どもの背景には必ず「大人たちの犠牲」になった子どもの姿が見えてくる。
いじめっ子も、いじめられっこも、実は“大人たちの犠牲者”。
いじめっ子は、もともと性格が悪いからではない。

現代の子どもたちは、さまざまな形で大人から抑圧されている。
「子どもは何も分からない」という思い込みや、「教育」「しつけ」という言葉で正当化された「命令」により
「大人の言う通りにしなさい」という圧力を受けている。
大人たちから押しつけられた「良い子」という幻想や干渉に耐え切れなくなり、いじめる行為で「はけ口」を求めている。
いじめっ子も、実は大人から暴力的・心理的「いじめ」を受けている。
大人が子どもいじめる時も、子どもが子どもをいじめる時も構図は同じ。まさに「いじめの連鎖」
まず、大人自身が子どもへの有形無形の「いじめ」を止めなければならない。


いじめられっ子の背景は大人の不安
親から常に不平不満を聞かされていたり、親が心理的に子どもに依存していると、子どもの内界は不安定になる。
大人の吐き出すネガティブな「毒素」を飲まされた子どもには、それを解毒する機能が働かないため、こころ全体が機能不全になる。
「いじめっ子」は、こころに不安のある子どもを敏感にキャッチし、生贄を捉える能力がある/驚
裏返すと、大人にこころを守られ、不安を抱えていない子どもをいじめることは難しい。
我が子を「いじめの対象」にさせたくないなら、大人が自分の不安を子どもに押し付けないこと。


不登校は無意識からの信号
こころの問題を回復させるために、無意識から「動くことにストップがかかった状態」
何もないかのように無理して現実の世界で動いているほうが、回復から遠のいてしまう。
大人自身が「頭で考えることの限界」を自覚して、「自身のこころを通して、子どもの傷を体験すること」が前提となる。
「子どもの問題行動や症状」は、子どもたちが自分の身を犠牲にして、
未解決のまま放置されている大人の問題を表してくれているのだと捉える。本来子どもたちには何の罪もない。


心理療法家(サイコセラピスト)&精神科医(サイキアトリスト)の違い
精神科医:患者の症状に対して薬を処方する。
サイコセラピスト:来る人を患者ではなく「クライエント(相談者)」と呼び、クライエント自身がこころの問題を解決する作業を援助する。
時には本人に会わずに窓口との面接だけで治癒することもある。
家族(とくに母子)は“こころの深層”で繋がっていて、大人は子どもに強い影響を与えているから。


サイコセラピー
無意識という“こころの深層”からの働きかけを捉えようとする作業。
悲痛なメッセージを自分のこととして受け止め、苦しみを共有する。
セラピストが苦しみ・痛みを自覚し、回復に向けて内的なプロセスを展開できた時
クライエントのこころが治癒するプロセスが始まり、変化する。
サイコセラピーは、クライエントが回復するために、セラピストとともに苦しい過程を歩まなければならない。


「世間一般常識」という弊害
「薬を飲んでも治らない」「マニュアル本を実行したが悪化した」ということも多い。
一見正しい方法は、皮肉にも子どもを追い詰め、回復を遅らせることになる。
人の意識的なエネルギーは無限ではないので、下手に動き出すと、エネルギーが外的な方向(意識的)に流れ、
治癒のために使わなければならない内的な方向(無意識)に使われなくなる。

動物が怪我した時、暗い場所で治癒するまでじっとうずくまっているように、
人も引きこもってじっとしているほうが回復する可能性がある。むやみに外に出るよう誘わない。

現代は、可能性があるにも関わらず、能力を発揮できない子どもが多い。
大人たちの勝手な思い込みや、誤ったアドバイスによって、子どもの回復を阻害している。
「悪」の大人に対しては、子どもは怒りを向けやすいので、子どもが助かる見込みがあるが、
皮肉なことには、それが悪意でなく、「良かれ」と思って一生懸命にやるためにとどまるところを知らない。


精神が破綻するまで我慢する子どもたち
多くの子どもは精神が破綻するまで限界を超えて無理をして我慢してしまう。
その結果、無気力や集中困難などのうつ症状、さまざまな神経症状、精神疾患という形で表出する
これは、無理に意識的な努力で頑張って動いたため、状態を悪化させたため。
子どもは、内側に何も起きていないのに怠けるということはない。
不安神経症状のある子どもは、集団に入ると想像しただけで体が動かなくなったり、パニック発作になることもある。
こころと体は密接に繋がっている。

怒りは、ときに治療促進的に作用する。
子どもが大人の攻撃に対して怒りを行動化すると「大人を苦しめる加害者」扱いされてしまい、ますます傷つく。
意識に刷り込まれた“一般常識”に捉われないことが、本当の回復への第一歩。
だが、固定観念に縛られやすい大人には最も苦手なこと。


「治療空間」としての「昼夜逆転」
「昼夜逆転」は回復のための守り。大人はそれを罪悪視し、なんとか健康的な生活リズムに戻そうと躍起になる。
は慌しさの中で動けない自分を強く自覚させられ、ますます不安に襲われる。→眠っていれば不安から守られる。
こころを根底から回復させるため、無意識が朝は眠らせようとしている。
治癒を促進し、精神を守るために無意識が機能している。
「基本的生活習慣」はこころが回復してから。それまでは、できるだけ外部をシャットアウトしたほうが安全。


テレビゲームや漫画はファンタジーの世界
ファンタジーの世界に入ることは「治療空間」に守られることでもあるのだと理解する。
「治療空間」にこもる子どもを、親がどう「見守る」かが重要なファクターとなる。
子どもを放置することではない。親がどれだけ自分の痛みとして感じ、共有できるかが「見守る」ということ。


回復のプロセスは神話と共通している
神話は人の無意識を映し出しているといわれている。

【神話】
日本の国土が荒れて途方に暮れたオオナムチ(大国主)。常世の神(医療神)スクナビコナが助けて国を救った。
ふたたびオオナムチが己の限界を自覚して困っていると、こんどはオオモノヌシ(常世の神)が現れて、国土を平定した。
祟神天皇の時代に疫病が蔓延し、夢にオオモノヌシが現れ、「常世の神を祀れ」と言われ、そうした結果、疫病は治まった。

現代においては、危機的状況は「こころの問題」として表れている。


元型
無意識に由来する「元型」の力を忘れ、意識的努力だけに頼ろうとしたことで「祟り」が起こったというのが神話の意味。
戦後の日本はあまりのスピードで“目に見えるもの=物や金”の発展を急ぎすぎたために、
意識が外側ばかりに向いて、内側の無意識は置き去りにされてきた。


神性な場所
傷を自覚し、分断された意識と無意識の通路が繋がって“回路”が開く。
次は痛みと並行して、傷つけた相手に怒りがおきる。痛みと怒りの強さは比例する。
夢体験、イメージ体験の中で傷つけた対象を切断、殺害することができる。
このようなこころの作業なしに放置すると、日常で突然「アクティングアウト(行動化)」をして悲劇的な事件が起こる。


児童文学『小公女』の世界
読書やゲームは、ファンタジーの世界で疲れたこころを回復させる機能があり、現実社会に適応するためのある種の防衛。
その本質を知らずに、大人が頭ごなしに否定すべきではない

『小公女』で子どもに学ばせるべき点
1.他人の人格を尊重する
2.他人を理解し、信頼し、寛容の態度を持つ
3.平等と公平な態度で他人に接する
4.他人に対して尊敬と感謝の念を持つ

しかし、こうした能力は教育やしつけから得るものでなく、子ども本来のこころにすでに備わっている。


「ごっこ遊び」は心理学的にいう「投影」
子どもは空想の世界で生き生きと生きることができ、こころのエネルギーを蓄え、新たな創造をし、
傷ついたこころを回復させていく。


子どもの遊びに嫉妬し、批判する大人たち
現実の世界を生きることで精一杯な大人は、勉強(労働)をせずに遊んでいる子どもを、“怠けている存在”とみなしてしまう。
大人のこころの深層にいる“傷ついた子ども”が「嫉妬」し「攻撃」する心理が隠れている。

『小公女』のセーラが持っていた「財産」はお金や物ではなく、「ごっこ遊び」で培われた「空想できる能力」と、
父から惜しみなく与えられた愛情。これは意地悪なミンチン先生にも決して奪うことはできなかった。
自分も空腹なのにホームレスの少女にパンを分け与える思いやりも失わなかった。
それは、セーラの中に、他人に分け与えても余りある“こころの財産”があったから。


真の幸福とは何か
セーラの「屋根裏部屋」は「治療空間」としての機能を果たしている。
あまりに日常が過酷な場合、日常に引きずられ、なかなか「非日常空間」であるファンタジーの世界で遊べなくなる。
その場合、日常世界(現実)が非日常空間に侵入してこないよう区切る必要がある。
「心理面接室」もある種の「非日常空間」。こころの傷と向き合い、自覚し、回復していく。

人は、現実で行き詰まり、意識ではどうにもならない限界に置かれた時、「非日常空間」に引きこもり、
ファンタジーの世界で遊ぶことができれば、無意識の力が動きだし、「偶然」という形で「幸福へ通じる扉」開かれる。
「幸福へ通じる扉」を開く無意識の力は誰もが持っているもの。


内側(こころ)の目
自身の「内側(こころ)の目」を持つこと。「外側(現実)の眼」では、誰にも奪えない“真の幸福”への扉は見つからない。
他者のこころは、自分のこころを通してしか理解することはできない。


昔話『舌切り雀』
昔話は、人の無意識を映し出す。
人は“こころの傷”を放置したまま年老いると、不平不満が多くなり、世の中を恨むようになる。
そして、子どもに「私のことを心配して。大切にして」と主張する。
これは“得をしたい、注目されたい”という欲望の表れ。

『舌切り雀』の欲張りお婆さんが大きなツヅラを選んだのは、「外側(意識)」の世界で得をしたいという欲望の表れ。
「外側(意識)」の欲求が満たされないと、「あなたも歳をとったら、私のようになるわよ」と“呪い”をかける人がいる。
大きなツヅラの中に化け物が詰まっていたように、「内側(無意識)」の世界が荒んでいることの表れ。

そんな大人から呪いをかけられた子どもは、歳を重ねるのが怖くなり、意識と無意識を切り離してしまう。
不満だらけの年老いた親を“守る”ようになる。
本来親が子ども守らなければならないのに、子どもが親を守るという“逆転現象”が起こる。
世間の“親を大切にする子ども”の美談も拍車をかけている。

子どもたちは、自らが「こころの病」に苦しむ姿を通して、大人たちに“こころの傷”の存在に気づかせ、
自覚し、回復させなければならないことを教えてくれている。


子どもへの「嫉妬羨望」を持つ大人
大人から「心理的な我慢」をさせられて育った子どもは、成長すると、わがままな大人になる。
世間では「子どもを甘やかすとロクな大人にならない」「子どもに我慢をさせると立派な大人になる」という極端に偏った論調がある。
その根底には、子どもに対する大人の「嫉妬羨望」の心理が隠れている。
ある程度子どもとしての権利の範囲でわがまま(自由)ができた子どもは、
大人になった時、自己中心的なわがままをするという悪質な欲求を満たす必要がない。


我慢にはさまざまある
1.物質などに対する欲求への我慢
2.物心がついた時から、母親の不平不満ばかりを聞かされ、拒絶できずにいた「我慢」

2の子どもは、外側のちょっとした刺激に対しても強い不安反応が起きる。
“世の中は悪意に満ちている”という妄想に支配され、「摂食障害」として表れる場合もある。
「拒食症」も「過食症」も口に入れる食べ物(母の愚痴)を排除する行為と捉えられる。


母親の苦労を見て育つ子どもは幸せか?
「孝行話」も「我慢」の一例で美談とされている。孝行話を極端に言い換えると
「子どもを不幸せにした母親は大切にされるべきで、
 子どもを幸せにした母親は大切にされるべきではない」となる。
「苦労を見せる=子どもに大切にされる」というおかしな構造が、子どもに心理的被害に遭わせている。
母親の心理的荷物を持たされた子どもは、不安定になり、人間関係が依存的になるなど、さまざまな症状がおきやすい。

貧困、戦中であれば、子どもにも問題は起きない。現実が混乱に満ちた危機的状態だから
現代は、自分のこころの荷物だけで十分であり、母親の苦労を背負う必要はない。

子どもを幸せにした親は、将来自分が子どもに大切にされることを望んでいるわけではない。
子どもに苦労を見せてしまうのは、困難な状況に対する自身の捉え方に問題があるから。
「苦労」と捉えるか、そうでないかで、子どもに与える影響が大きく変わる。

「お母さんは、あなたのためにこんなに頑張っているのよ」
子「わたしのために、苦労をかけてごめんなさい」という罪悪感を持つ。

母「思い切り仕事をさせてもらって有難い」
母親本人も苦労しているとは思っていない。

専業主婦でも同様。
「家事が忙しい、大変だ」
子「わたしのために、苦労をかけてごめんなさい」という罪悪感を持つ。
母親のこころの中の子どもが自由に生きていれば、目の前の子どもの気持ちを自然にキャッチすることができる。


なぜ虐待をするのか
母親から暴力、無視、放置などに遭うたび、子どもは怒りを感じるどころか、
逆に「自分がいけない子だからお母さんが怒るんだと自分を責めるようになる。
虐待はまさに大人のわがままで身勝手な行為。
母親のこころの治療をしない限り、どんなに子どもを一時保護しても虐待の悲劇はなくならない。


赤ちゃんはみな世界の中心で、特別な存在
「甘やかす」ことも悪いと思われているが、それは大人の視点。
子どもが甘えるのは、自然で当たり前。
すべての子どもは特別な存在として、世界の中心として生まれてくる。
もし、大人が子どもに甘えているなら、そのほうが不自然で異常。だがその現象は珍しくない。
甘えを許されず、逆に大人の甘えを受け止めなければならない子どものこころは、他者の顔色をうかがうようになり、自立が難しい。


内なる赤ちゃん
大人の中の“内なる赤ちゃん”は存在し続け、こころの中心にいる母親に依存しなければ生きていけなくなる。
こころの中心に自分がいないために、現実世界で、自分が中心にいなければ不安に襲われ、
周囲に向けて「わたしを見て!」とアピールするようになる。


乳児期の母子一体化
3~4ヶ月の赤ちゃんはまだ自我が確立されておらず、自分と他者が分離されていない。
母親を部分対象として捉えているといわれている。=乳児期の母子一体化
十分に甘えた赤ちゃんのほうが、不安も少なく、困難を乗り越えられるような精神力が強い大人になる。
メディアは「働くお母さんのために保育園を増やせ」と叫ぶが、当事者の赤ちゃんの視点がないのはおかしい。


老いとイラ立ち
赤ちゃんを傷つける母親は、“老い”という形でイライラが多くなり、世の中を恨む症状が出る。
これは老いとともに表れるのが当たり前と思われているがそうではない。
加齢とともに、意識のエネルギーは減少するが、無意識からエネルギーを上げることができれば、
何歳になっても生き生きと生きていくことができる。
こころは老いることはない。内的に機能している人は、歳を重ねるほど、さまざまなことを吸収し、感性も理解力も伸びる。


赤ちゃんとのコミット
赤ちゃんとのコミットは、母親の内なる赤ちゃんも活性化される。
0歳~3歳まではとくに、国家予算よりも価値のある時間(財産)である。


かつて日本ほど子どもを大切にした国はなかった
「今の子どもは甘やかされている。昔は厳しくしつけられた。親孝行もした」
この「昔」とはいつをさすのか?戦前・戦中・戦後の異常事態
男は全員兵隊にとられ、女子どもだけで国を支えなければならないから、
「我慢しなさい。お母さんを助けるように」と刷り込むことが必要だった。

明治初期。訪日した動物学者エドワード・シルベスター・モースは、
「日本ほど子どもを大事にする国を私は初めて見た」と記した。(『日本その日その日』平凡社東洋文庫)
「日本人が子どもを叱ったり、罰したりしないというのは、少なくとも16世紀以来のことだったらしい」(『逝きし世の面影』平凡社)
それ以前は鎖国をしていたため、それよりはるか昔から、日本は子どもを大切にする文化を継承していた。

江戸時代初期。訪日した貿易商人ベルナルディーノ・デ・アビラ・ヒロンは、
「日本人は刀で首をはねるのは何とも思わないのに、子どもを罰することは残酷だと言う」
「日本の子どもは非常に美しくて、6、7歳で道理をわきまえた優れた理解をもっている。
 しかし、その良い子どもでも、父母に感謝する必要はない。なぜなら父母は子どもを罰したり、教育したりしないからである」(『大航海叢書』『日本王国記』岩波書店)


戦国時代。織田信長に謁見したことがあるイエズス会宣教師ルイス・フロイスは、
「われわれは普通、鞭でうって息子を懲罰する。日本では滅多に行われない。ただ言葉によって譴責するだけである」
「ヨーロッパの子どもは青年になっても口上ひとつ伝えられないが、日本の子どもは10歳でも、それを伝える判断と思慮において50歳にも見られる」(『ヨーロッパ文化と日本文化』岩波書店)


子どもを甘やかせるなという風潮の背景
戦争前後の混乱と貧困の社会では、子どもに自由を与えるわけにはいかなかった。
現在、平和で豊かな先進国に180度変わったにもかかわらず、当時の親子関係がズルズルと継承されている。
戦争前後を生きた人たちは、自分が幼少期に負った不自由さを次の世代に投影し、「子どもを苦しめよう」とする心理が働いている。
世界が変わり、親は子どもを守らなくなったのに、子どもは親を助け、支えるという片側の面だけは当然のように引き継がれている。
その上「今の子どもは昔に比べて贅沢をしている」という嫉妬からくる「攻撃」まで加わっている。
「この心理感染をどの世代で断ち切るのか」が問題。今、解決しなければ、次世代に回すことになる。


頭は教育できても、「こころの教育」はできない
心理学的には、“こころ”は、意識(頭)+無意識も含む。
意識は教育によって変えられるが、無意識は教育できるものではない。
「無意識」は「意識」を動かせても、「意識」によって動かされることはないから。


現実とバーチャルが混在して殺人鬼になるか?
かつて仁侠映画が流行っていた時代、高倉健の「死んでもらいます」というセリフが人気を集めた
それを観た観客が実際に人殺しをしたという事件はない。
人のこころはそれほどカンタンに操作されるようなメカニズムにはなっていない。


「悪」体験の必要性
現代の子どもは、ちょっとした悪戯もできないため、テレビゲームの世界で「悪」体験をするしかない。
かつてないほど、どこからでも見通しよく大人たちから監視される社会になっているから。
「悪」体験は、「善」体験と同じくらい必要。(昔なら秘密基地、近所の柿を盗むなど

秋葉原無差別殺人事件の犯人の予備軍のような患者は
「嫌というほど、正しいことばかり教育されてきたが、人殺しの衝動は下のほうから勝手に沸きあがってくる」という。
共通点は、幼少の頃から正しいことばかりを強要されてきたということ。

暴力的な漫画やゲームを取り上げられ、テレビを絶対的に禁止されて観たこともないという人もいた。
教育では衝動を抑えることは不可能。こころは教育するものではなく、支え守るもの。
その子のこころがいかに傷ついているかを理解するところから始めなければならない。


【あとがきメモ】
本書は10年前に書いた原稿と、雑誌『灯台』に連載した記事を基に加筆修正した。この10年間で状況はほとんど変わっていない。
筆者の指導者は、ユング派分析家・織田尚生(たかお)さん(故人)。
織田さんの教えは「だれにも可能性があるのではないでしょうか」。これが筆者を支え続けてきている。

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ブラサキpresents "Snuck宇宙"@下北沢440

2013-02-23 23:55:55 | 音楽&ライブ
ブラサキpresents "Snuck宇宙"@下北沢440
【出演】Bloodest Saxophone、ハッチハッチェルバンド

甲田さんの麻婆豆腐料理に熱が入って、440内の煙たさと料理のかほりの充満具合がハンパない


【ハッチハッチェルバンド】
とにかく“旧正月”にハッチさんを見ないことには、本年が始まらないわけです
ハッチさんで初笑い、寄席みたいな感じなんだ(ちなみに今年46歳だって!

白いハットに、ミッキーみたいな赤いコート、白い靴下、白い靴って衣装も初見。
サーカスの怪しい興行主か、ボードビルのショーマンなのか
しばらく見てないうちに生み出された新曲もたくさん! 毎月B.Y.G.で「新曲ナイト」をやってるもんね/凄

「休日人生」

あ、そっか新譜まだ聴いてなかったんだ!うっかり

♪恋のよろこび
内藤さんのペットは、どこをどうもって上達と呼ぶか?も、毎回F氏と議論するのも楽しい

♪イッツマイビール
それは俺のビール~って、痛風まだ治ってないんだ
歌の中に必ず「スナック宇宙~♪」て入れてて、どうしても入れたいんだねw

♪夜空のゴッドファーザー
五木ひろしの真似による、まだ生きていらっしゃるハッチさんパパに捧げる1曲。
間奏部分はなぜかゴッドファーザーのテーマで、
♪ラララ~ のコーラスに「ファーザー」て渋い合いの手がいちいち入る/爆
七変化な顔芸が可笑しすぎて、久々腹から笑った。もうカンベンしてくださいっ

メンバー紹介では、なぜだかハッチさんのラップが止まらない/爆
「紅一点~!!!」がやたら叫ばれてたまゆみさんによる
とり憑かれたようなアコーディオンの弾きっぷりがいつも惚れる
ハッチさんは、もっぱら網タイツに異常に喜んでたが
怪しいと言えば、ペロさんの帽子もそうとうなもので、八馬「先祖代々海賊だったんでしょう」てw

♪逃げ隠れのテーマ~姿をくらませ
ハッチェルバンドを結成して初めてのライブが440だったんだって/祝

♪つなわたりの唄
♪花束とメロディ(この歌詞いつ聴いてもじぃ~んとする
♪調子っぱずれに祝福あれ

2014年の2月も、もちろんハッチェルバンドで決まりですv


【ブラサキ】
♪ソレントへ帰れ
♪hot special
♪Macallan

ブラサキも新曲がいくつかあった気がする。
ユキさんが律儀なマラカスを振っていた曲では、乾燥のため、
甲田さんのサックスが時々「ピー!」てなってたけど、南国風でいい曲だった

♪ポッコポコ

♪The Lady Is a Tramp
修二さん+タケオさん+キミノリさんのユニットのあとは、
Cohさんが加わって素敵なアレンジに生まれ変わったこの曲。
いつもはエラで聴いてるけど男性ボーカルにも合う!

ユキさんコーナー
ドンキや焼き芋屋で流れているらしい曲らしいけど初聴き。「呼び込みくん」てゆうらしい。
途中、激安な野菜などの商品名とお得価格を連呼して「ご利用~~~」て叫びすぎたあまり、その後声がかすれてたw
♪さかな~さかな~さかな~とか、ずぅっとスーパーに流しっぱな曲は音のテロだよね。もし店員だったら耐えられません

♪Lost in Loveliness
一転して濃い~ムーディバラッド。アメリカの古い流行歌だそうな。
甲田さんのサックスが部屋全体にこだまして、身体の中まで染みこんでいく。

Cohさんのスキャットが効いてる曲もイイ。
ブラサキもツアーの時は、ハイエースを運転しているんだって!
バンバンしかり、ハッチェルバンドしかり、バンドマンには欠かせないアイテムなのか!?

♪バロン
大きなウドベをどこにでも運ぶ苦労をしてるタケオさんが自ら書いた曲。
ベースとスナップのカッコいい始まり方から、ブラサキらしいホーンのメロディ。
毎回どの曲も熱く盛り上がるけど、今回のライブ後半に向けたヒートアップっぷりは物凄かった

♪(なんだっけ???)
途中、絶妙なタイミングで黒電話みたいな音がしてたけど、曲の一部だったのかな?w

♪Barrell House Stomp
ビッグ・ジェイの時の曲もすっかり持ち曲みたいに演ってくれる。
これで盛り上がらないステージはないもんね!吹きっぱな甲田さんもハンパない!!!

♪PORK CHOP CHIC


【encore】
ラストにハッチさんが加わって、もちろん演るのは♪スナック宇宙のテーマ曲
これを演るのも、いまとなっては1年に1回な気もするし

次回のゲストはなんと!カンザスシティバンド!驚


追。
今回、注目してたのは、お客さんの中にライブペインティングしていた男性がいたこと。
Cohさんから描き始めて、一見描きづらそうなマッキーの太い黒ペンみたいなので、
特徴を捉えた絵がどんどん描かれてゆく様子を、ライブを見ながら、同時に楽しめた。趣味ですか???
動きが激しいバンドマンの一瞬を絵にするって難しいと思うけど、もっとじっくり完成図を見てみたかったな。

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ガリガリ絵はんこ帖(新星出版社)

2013-02-22 14:12:11 | 
ガリガリ絵はんこ帖(新星出版社)
カキノ ジン/著

可愛い雑貨は女子だけのものじゃないだなあ!
この作家さんは、はんこ作りのみならず、
それを愛するあまりに創作した物語りが立派な文学にもなっているから素晴らしい!
この1冊の本に溢れんばかりの想いが詰まっている。

 

小学生の時は演劇にハマり、中学生の時の富士登山では岩山にハマった!?
はんこで人生を振り返るプロフィールもどこまで本当かネタなのか分からなくて笑う

「鳥かごビルヂング」って可愛いビルにインスパイアされて、いきなりそこで店を開いてしまうって運命なのかっ!?
郵便局員や雑貨屋で働いた経験、アンティーク家具やらを集めていたりしてたのもお店のオープンに役立ち、
なにより、周りにいろいろ手伝ってくれたり、アイデアを出してくれたりする幅広い人間関係があってこそ。
それもひとえにカキノさんの人柄、日々いろんな場所で教室を開く行動力のたまものなんだな。

 

カキノさんのお店「iN」では、店内のはんこが押し放題
「ノートを持参してきてペタペタ楽しんでほしい」てステキすぎ

ここでのはんこは石を彫るもの。
「印材」と呼ばれる石たちには、いろんな個性や色があって、それを見ているだけでも夢があふれる

 

そういえば、学校でこうゆう石を削る印鑑づくりもやったし、
自分の手をモデルにして石膏を彫ったり、木工でつたない本立てを作ったり、
それなりに“初めの一歩”をやらせてもらってたんだってことを思い出した。
それ以降、全然つくろうって思わずに、つながってないのが残念


カキノジンアトリエSHOP“iN”

  

nico@湯島
ロシアとブラジルの輸入雑貨

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映画『テルマエ・ロマエ』

2013-02-21 12:31:36 | 映画
映画『テルマエ・ロマエ』
原作:ヤマザキマリ 監督:武内英樹
出演:阿部寛、上戸彩、市村正親、宍戸開、笹野高史 ほか

アニメのほうはチラっと見たけど、まだ原作を読んでいないため、映画との違いは分からないけど、
想像通り、軽く楽しめるコメディ映画。これなら外国でもウケるのでは?
ついでに、日本人が愛してやまない風呂文化も広まってくれたらいいねえ!

trailer

story
古代ローマの浴場設計技師ルシウスは、人一倍テルマエ(大衆浴場)への情熱を持っているが、
それが空回り気味で、レスリングや、脱毛サービス?などでわさわさした浴場が流行る中、クビになってしまった。
「ローマ帝国にふさわしい浴場とは・・・」と真剣に考えていたら、排水溝に飲み込まれ、
着いたのは現代ニッポンのよくある銭湯。

そのなにもかもに異常に驚き、感心すると同時に、“平たい顔の奴隷たち”(と勘違いしている)らが
自分らよりずっと高度な文明を持っていることに嫉妬を隠せず落涙する。
古代ローマに戻り、早速そのアイデアを形にすると、次々とヒットして、一躍時の人となり、
ついには皇帝ハドリアヌスからも「わたしのために、これまでにないテルマエを設計してほしい」と声がかかる。

冴えない漫画家志望の真実は、ルシウスにちょくちょく出会い、
特異なキャラをモデルに話を描くがどうも編集者ウケしない。
そうこうするうち、実家の温泉宿も赤字続きで閉めることになり・・・


「イタリア・チネチッタでのオープンセットで1000人のエキストラによる2週間に及ぶ撮影が行われた」ってスゴイな驚(ウィキ参照
古代ローマでのシーンは外国語を喋っているって設定で日本語、
日本でのシーンでは、ルシウスが外国人だからラテン語?を喋っているって設定。

誰も寝てはならぬ ほか、シーンに合わせてオペラの名曲が壮大に歌われる。
唐突で荒唐無稽なタイムトリップが何度も繰り返されるのを、
広大な自然の中で小太りな歌手が歌って場面転換するって工夫も面白い。

CD「テルマエ・ロマエ ムジカ・コレクティオン」

マンガが原作の映画化は珍しくなくなったけど、これほどマンガ的な表現を臆することなく映画にしちゃったら
かえって気持ちがいいくらいの開き直りっぷりw
それもこれも、すべて阿部ちゃんの濃い顔立ちと、いちいちオーバーなリアクションが笑える、独特なキャラがあってこそv
日本のトイレのシステムは、今ですら外国人から驚かれるこまやかな気遣いあふれる技術があるもんね

それから忘れてならないのは、平たい顔族の代表格とも言える笹野高史さんが出演されていること祝×5000
そのほかも、地元の素人さん?を起用しているのか、素朴な演技がなんとも言えない。

個人の名誉など問題外で、困った人あれば、協力し合って、自分の持っている技術やアイデアを出し合う
日本人の職人気質が、時代を超えて人と人を結びつけ、世の中を円満にしてゆくってのが今作のテーマではないかな。

「2013年1月には、続編の制作発表がなされている」んだって/嬉
今作を観たら広~~~い露天風呂にでも入りたくなってきました

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羽二重団子×榮太樓總本鋪

2013-02-21 11:22:10 | 
とってもキレイに晴れているので出かけることにした。食糧も尽きたことだし

ぶくろで所用を足してから、ずっと気になっていたあの店へ。


羽二重団子@日暮里

 

日暮里駅って最近来た記憶があるなと思っていたら、「猫町カフェ@谷中」の時か。
駅前にも販売店があったけど、駅から歩いて10分ほどのところにあるお店ではゆっくりと食べる喫茶店もある。
わたしが着いた時は貸切状態。その後、甘味好き?なおじさんが入ってきて、やっぱり店内の写真を撮りまくってた

 

煎茶か抹茶か選ぶ500円のセットがあって、煎茶をチョイス
外が寒かったので、あったかいお茶がお団子にもよく合うし、あたたまるし、急須1杯分はけっこうたくさん!
お団子は、香ばしい醤油味の焼き団子と、なめらかな漉し餡の2本。1本から追加も可能。お茶はおかわり自由v
ガラス張りの窓からの眺めは、ミニチュアの日本庭園。外にも出られたのかも?
和風な音楽が流れていて、ほんと落ち着く空間。美味しかったあ!満足、満足


日暮里図書館



最近、図書館で借りる本のネタにも困ってきたから、図書館巡りを再開しようかと思って調べたら、
駅から徒歩15分ほどのところにあって行ってみた。なかなか立派な建物。
2Fはこの地域と関わりのある作家さんらしい吉村昭さんの直筆原稿などの資料が飾られているコーナーと、広い閲覧室、
1Fは、一般蔵書、CDなど、B1Fは児童書と事務室。
児童書の蔵書が充実していて、気になったタイトルをメモ、メモ

【吉村昭】
『うなぎ』『休暇』など映画化もされている。


荒川区のプラネタリウム館
プラネもあるんだ。こうゆう昔ながらのもいいよね
2月23日(土)「オーロラの不思議」
3月9日(土)「春の星空散歩」


榮太樓總本鋪@日本橋

 

たぶん「ゆうゆう散歩」つながりだと思うけど、ここの「きんつば」や飴が美味しそうで行ってみた。
日本橋のすぐそば/驚 全然気づかなかった!
お腹も空いていたから、「みつまめ」とかもかなり気になったけど、なぜか「けんちんうどん+小甘味セット」(寒かったから
これがまた美味しいいいいいいいい!!! 食べものに感動するのってなかなかないんだけど。完食v

喫茶スペースの横がお土産店になっていて、サラリーマンがなにかのおつかいで買っていく風な姿もある。
どれも美味しそうで、いろいろ買ってしまったv
きんつばも勿論美味しかったんだけど、「あんぱん」にまたまた感動~~~~
漉し餡の美味しさもしかり、このコシのある小麦粉生地の歯ごたえはなんだろう?!
この日は、家に帰ってもやたらとお腹が減ったから、夕食のほかにも、このあんぱんを半分ほど食べてしまい、感動の嵐!


無印良品@有楽町店



どこかで、有楽町店が日本最大て知って、気になったから行ってみたら、たしかに広い品数豊富驚×5000
3Fはインテリアやキッチン雑貨。ショールームみたいな展示が夢を見せてくれるんだよねぇ・・・

2Fは服や化粧品類、食品も広いスペース!喫茶もあって、焼きたてパンとか食べられるらしい
無印の食品てついつい買っちゃうからフシギ。
なぜか、テレビ取材中のつるの剛士さんを発見。うーーーーーん、平日ってこうゆうのがあるんだな。カメラテロ

1Fは「LOFT」が入っていて、またまた文房具類とか、可愛い雑貨に夢中になってしまった
消しゴムはんこ関連グッズもいろいろあったしv
せっかく出かけたついでに、もっといろいろ見て回りたかったけど、体力限界なり。

帰りの電車は、通勤客とかぶりつつ、それほど混んでいなかったからへーきだった。
やっぱり、晴れた日のお出掛けにはいろいろ楽しいことがあるから、もっと外に出ないとね


************************************

アパートの更新日が4月18日で、とうとう「賃貸借契約書」が届いた。
で、退去通知は1ヶ月前に出すのに、更新料の支払い期限は3月8日になっていたから、
入力ミスでは?とフシギに思って、電話で聞いてみたら、最初からイヤイヤな対応でイライラする

ここに決めた時は、最寄り駅の支店で、とってもいいスタッフばかりだったのに、
おととしあたりだったか、隣り駅の支店に統合してから、どうもスタッフの対応がぞんざいでショック大。
隣り駅に行ったついでに、場所を確認して、「こちらで更新手続きすればいいんですよね?」て聞きに行った最初の時も
ものすごい威圧的な女性が仁王のような様子で怖かった・・・
「引越しも考えてるんですが・・・」「だからなんですか!?」ぐらいな雰囲気。

長々と電話でやりとりした挙句、結果としては、
1.大家さんが早めに更新意志を知りたい
2.管理会社が本社との郵便やりとりに時間がかかる
3.更新期限やルールを守らずに、勝手に退去してしまう客や、更新料を滞納したりする客が絶えないから幅をもたせているって話。

そのうち「なにか更新に問題でもあるんですか?」と言われたから、騒音問題とか最初から話さなきゃならなかったけど、
どのみち、退去通知は1ヶ月前だが、更新料はそれより前に振り込まなきゃならないってわけ。

この予感は、以前モメにモメた管理会社の感じに似ていてイヤだなあ・・・

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