メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

フィギュアスケート GPシリーズ カナダ2017 男子フリー

2017-10-31 12:24:47 | フィギュアスケート
GPシリーズ3度目優勝に向けて挑戦する宇野昌磨
チャンについては「いつかあんなスケーティングがしたい」と話した



解説者:織田信成


●無良祟人(26 8位)
♪映画『オペラ座の怪人』より

2014カナダ大会で劇的な逆転優勝を飾ったFSの曲について

無良:
ソチのシーズンが終わって、4年続けると決めたところから
最後に本当に自分がやりたいものをもう1回やると決めていた
絶対に今やったらもっと良いファントムが演じられるんじゃないかと思っていた




トリプルアクセル完璧 4回転は2トゥーループに抜けた 2ループ
まだ力みがあるか? 滑らかなスケーティングからシットスピン
後半の4回転も2ルッツに トリプルアクセル コンビネーションならず
3ルッツは手をついた ジャンプが噛み合わない 2フリップ
3ルッツ リカバリーならず コンビネーションスピン 首をしきりに振る
3ルッツがダブって111.84 186.66 何が起きたのかなあ?

インタビュー:


今までやってきた中でたぶん一番悪い試合だったと思うので
んーーーーなんと言ったら分からないぐらい今ちょっと混乱してるんですけど
あと1ヶ月アメリカまでの間に、一から作り直して、鍛え直すつもりで
もう1回準備して戻ってこようと思います



<後半グループ>

ありゃ、エッジがひっかかって転んで足を高ーく上げてる宇野くんw
コーチを見て恥ずかしそうに笑ってる
ジャンプの前に周りの選手の位置を確認したりしなきゃいけないしね

 


●アレクサンドル・サマリン(ロシア 4位)
 

♪La Naissance de Yaha ほか
4ルッツ成功 4トゥーループも成功 着氷の音が響いた トリプルアクセル難しい入り方
円を描くようなフライングキャメルスピン アシンメトリーなフシギな衣装
ステップシークエンス 男性のシャウトヴォーカル 後半、3×3
ギターロックに乗って3×2 3ルッツ 読めない文字だけど、これは♪朝日のあたる家 だ!
3ループ ダブルアクセルでバランス崩れた なぜ英語表記にしないんだろう
コンビネーションスピン 長いギターのうねりとともに、顔を真っ赤に紅潮させて
拳を突き上げてのフィニッシュ ハアハアの息で大丈夫?
4回転争いにどんどん新しい選手が食い込んでくるなあ 166.04PB更新 250.06PB更新


●宇野昌磨
♪トゥーランドット 2015GPファイナルで銅メダルに輝いた曲
3ヶ月後の世界選手権ではFSで崩れて7位という挫折も味わった曲でもある

 

先月ロンバルディア杯ではFSで自己ベスト214.97で優勝



宇野:
世界選手権で良くない演技をしたという強い思いがあったんですけれども、だからこそもう一度やりたい
もし世界選手権で良い演技をしていたら、今の自分はなかったですね
あれだけの悔しさがあったからこそ、今こうしていろんなジャンプを跳べるようになりましたし


 

(一度、悔し涙が溢れるほどの挫折を早くに味わっておいたほうが、経験値としては良いということかも



鮮やかな青にキラキラがたくさんついた華やかな衣装 4回転を4つ組み込んだプログラム
ドキドキする 4回転ループ決めた! 3ループはこらえて笑みがこぼれた
トリプルアクセル フライングキャメルスピン 全体がつながる流れがある

キレキレのステップシークエンス 後半、有名な旋律に乗せて4回転フリップ着氷はどうか
4回転トゥーループのコンビネーションならず 追われる立場のプレッシャーか
4トゥーループ×2 トリプルアクセル×1×3 3×3 笑顔が見られた
クリムキンイーグル コンビネーションスピン 演技後は苦笑?
まだ動きすぎてる現象が続いているのかな

(後でスローで見たら、クリムキンイーグルが以前は片足を持つ形から、氷に手を滑らせてる


 

織田:これだけ難易度の高い構成をよく滑りきったと思います

197.48 301.10 300点超えに黄色い声が飛んだ


●パトリック・チャン(カナダ 2位)


♪ハレルヤ
宇野とは9点差 冒頭に「ハア!」と吐息が入る 4回転トゥーループは転倒 3ルッツは手をついた
ダブルアクセル1×2 いつも穏やかな男性ヴォーカルのいい曲選んでくるな
3トゥーループ ダブルアクセルに抜けた 2ループ チャンも意識してるか?
キャメルスピン 3ルッツ手をついた 3フリップ 真骨頂のステップシークエンス
コンビネーションスピンで穏やかに終わった イマイチという顔
151.27 245.70

織田:肩が上がって、本来よりコントロールできていない


●ジェイソン・ブラウン(アメリカ 3位)
♪Inner Love
これまた海のように青い衣装 4回転トゥーループに挑戦して転倒 彼には必要ないと思うなあ
トリプルアクセル キャメルスピン美しい弓のよう
3フリップ 体の柔らかさを十二分に生かしたステップシークエンス、コレオシークエンス
ショートでもレヴェル4 氷に愛を振りまいている



後半、3×3 3×1×3 直線に開脚状態になるスパイラル
どんなバランスにも耐えうる筋肉があるんだな ループはシングルに
3×2 バレエジャンプ ダブルアクセル ダイナミックなコンビネーションスピンでフィニッシュ
このスピンは思わずリピートした 曲の盛り上がりとともに感動の余韻が残る



織田:全員が+3をつけるようなスピン

170.43 261.14




男子の結果は、優勝宇野昌磨おめでとううううう!
2位ジェイソン、3位サマリン 無良祟人は12位 次回に期待大

優勝が決まっても赤ちゃん顔の宇野くんw



優勝インタビュー:


Q:2位と大差をつけての優勝ですが、率直な気持ちをお聞かせください

今はとても眠いです ほんとに疲れましたw
SPがほんとに動いていて、テンションも、気持ちも上がっていて、すごい体力をそがれてしまい、
そのそがれた状態でも出来なければいけないと思うんですけれども
まだその状態に仕上げていなかったっていうのが反省点
その疲れている状態の中で出来る演技の中では、とても満足のいく演技ができたんじゃないかなとは思います

次もこの演技以上を目指して、まずは練習に取り組んで
また次のロシア・・・でしたっけ? フランスでしたっけ? あ、ロシア終わったかw
フランス頑張りたいなと思います


(面白すぎるよ/爆×5000 疲れすぎて、眠すぎて、もう頭回らなくなっちゃった?
 どこでもいいから頑張れ~



(連れて行かれる宇宙人みたいになっちゃってるし


宇野昌磨、納得のV「ここで死ぬつもりでと思って」
“「点数は自分がやってきたことが見やすいもの。フリーは去年とあまり変わらない構成でも(結果が)出た。去年からの成長と思います」
 と5大会連続の合計300点超えを喜んだ。

「みなさんから見たら『満足しない演技じゃないか』と思われるけれど、僕の中では割と満足しています」

「今日は体が疲れた状態。とりあえず全力でいこうと思った。昨日のショート(SP)は『(力を)セーブしたら失敗する』と思ったけれど、
 今日は『明日は試合がない。ここで死ぬつもりで』と思ってやった」

 冒頭の4回転ループは2・14点の加点を導く好ジャンプ。バランスを崩した3回転ループなどミスもあったが、
 体力的に厳しかった最終盤も自らに「動け」と暗示をかけて乗り切った。”

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フィギュアスケート GPシリーズ カナダ2017 女子フリー

2017-10-31 11:57:00 | フィギュアスケート
レジャイナ ブラントセンター
FSも男女ともに深夜に2時間弱にまとめて放送されたのでトップ選手だけ
とにかく予録を最後まで観ないことには、私の情報解禁はなりません



解説者:織田信成

宇野:
ショートでは今の自分の100%が出せた
思いきりいく攻める気持ちが成功につながったんじゃないかと思う

ウォーミングアップでは、まだ音楽を聴かず、子犬顔



無良:調子は悪くないので順位を上げていきたい
この親子はいつも仲がいいのね お父さんはいつも笑顔だし


●本田真凛(16 10位)
♪トゥーランドット

本田:
この曲は荒川静香さんに憧れるきっかけとなった曲で
私がオリンピックで金メダルを獲りたいという夢ができた曲

すごく自分でもノっていけるプログラムで、曲もどんどん盛大になっていくので
迫力のある演技を心がけていきたいなと思います










ショートの悔しさをバネに、持ち前のプライドの高さ、負けん気でどこまで巻き返せるか
濱田美栄コーチの言葉を聞いていつもの笑顔も戻っている
「諦めない!」て言われた? 「はい!」と答えてリンクへ満面の笑顔でリンクを一瞬にして華やかに染める



最初と最後のポーズがカッコいいよね ネイルもキラキラ衣装に合わせた金箔のよう
オリンピックシーズンにシニアデビューを迎えて、有力候補として注目されるのもかなりのプレッシャーだ

3ルッツから 3×3もしっかり決めた コンビネーションスピン ちゃんと修正してきてる
目力も効いてる 女性ヴォーカルが入る ダブルアクセル×3トゥーループ

有名な旋律 3フリップ 3×2×2 スパイラル 3ループ ダブルアクセル ノーミスいけるか
レイバックスピン・ビールマンスピン 素晴らしい 曲の盛り上がりと気持ちの盛り上がりがシンクロして
両手でガッツポーズ 悔しさをぶつけて爆発させた これが本来の実力だ

 

日本女子をこれから確実に引っ張っていく存在
イナバウアも観たくなっちゃったけど、あれはやっぱり難しい技なんだね、改めて



125.64はPBに届かず首を振った 178.24まで挽回
彼女がメドベデワに勝つには、この他に何が必要かなあ?

インタビュー:


今日は自分が今出来ることは出せたんじゃないかなと思います

昨日は本当にフリーでどういう演技をすればいいのかなとか
どういう演技をすれば自分が納得する風に終われるのかなあとかいろいろ考えて

完璧な演技ではなかったかもしれないんですけど、
今、自分が今出来ることは出せたんじゃないかなと思うので
今の自分には満足のいく演技だったと思います

Q:憧れのシニアのGPシリーズはどうだった?

昨日の悪かった経験を、今日どう切り替えればいいのかっていうことが学べたので
そこが一番の収穫だったと思います


●アシュリー・ワグナー(アメリカ 7位)


♪映画『ムーラン・ルージュ』より
この切なげな表情での始まりも観たことがあるぞ GPシリーズは11回目!
ダブルアクセル 3×3力強いジャンプ ダブルアクセル×2片手を上げた 彼女まで取り入れたか
コンビネーションスピン 女性ヴォーカル 3ループ 3フリップ 3ターンから3×2

ステップシークエンス この“show must go on”が流れるとどうしてもフレディを思い出して泣きそうになる
3ルッツ 赤い衣装とともに燃え上がる炎のような演技 オリンピックに映えるな
コンビネーションスピン 悲愴感さえあるラストの表情まで滑りきった感動のプログラム
122.37 183.94


●本郷理華(21 6位)
♪映画『フリーダ』より


昨シーズンは左足首の骨の内部が損傷する「骨挫傷」に悩み、思うような練習が出来なかった

 

本郷:
本当にフリーダさんは強い女性
自分も怪我をした時は、やりたいのに出来ない時期があったので
苦しみの大きさは違うんですけど、でも、ちょっと重ねてみて
自分なりの表現が出来たらいいなと思ってやっています



黒の網と赤の凝った衣装 女性ヴォーカル 初めて映画をテーマにしたプログラム
3×3 ミスが少ないのは強味 3サルコウ片手を上げて 3ルッツ片手を上げて
メドベデワの演技を参考にしている フラメンコギター フライングキャメルスピン

これも鈴木明子ちゃんの振付なのかな? ダブルアクセル×3×2 3ループ 3×2片手を上げて
フライングコンビネーションスピン スピードに乗ったっステップシークエンス

ダブルアクセル片手を上げて コンビネーションスピン レイバックスピン
うなづいて笑顔での挨拶 かなり片手を上げてたね



これからまだまだ洗練されていくのが楽しみ
114.74 回転不足がいくつかとられた 176.34

インタビュー:

(笑顔から一変して涙のインタビュー どうした?

演技終わった後、危ないジャンプはいくつかあったんですけど
久しぶりに大きなミスはなく試合で演技することが出来たので
すごく嬉しかったし、ホッとしたんですけど
課題がたくさんあったので悔しいなっていう風に思います

Q:次の演技はどうしたい?

今回、ショート、フリーで大きなミスなく終えることができたのを自信にして
もっともっといいものが出来るように頑張りたいと思います

(これもオリンピック2枠を争ってるからの涙だな


アナ:ミスがあってもリカバリー出来ないようなプログラムを組んだ宇野

腰にボールみたいのを当ててストレッチ?




●マリア・ソツコワ(ロシア 3位)


♪月の光 これも大人気の曲だね
3×3どちらも片手を上げて 3フリップ片手を上げて ステップシークエンス
3ループ 3×1×3片手を上げて 3ルッツ片手を上げて
ダブルアクセル・2片手を上げて ダブルアクセル片手を上げて フライングキャメルスピン
コンビネーションスピンでフィニッシュ 126.42 192.52でうなづいた

手を上げたジャンプは、メドベデワが作り出した流行りだけど、みんながやりだすともう飽きてきた感もあるなあ
こんなに全部のジャンプに片手を上げて、美しいだろうか?
これを入れずにメドベデワを超えられたらいいけど、
これで加点がもらえる限りこのまましばらく定着してしまいそう


●ケイトリン・オズモンド(カナダ 1位)


♪ブラックスワン
3×3セカンドジャンプで珍しく転倒 ダブルアクセル×3トゥーループ
3ルッツ 鬼気迫るこの曲も人気で大舞台に映える レイバックスピン
3ターンから3ループ 有名な旋律 2フリップに抜けた 3×2×2両手をあげて
さらにスピードをあげてステップシークエンス 5年ぶりのGPファイナルを狙う
ダブルアクセルで転倒 1位で追われるプレッシャーか 座ったまましばらく苦笑



136.85 212.91 得点を見てホッとした笑顔がこぼれた


●アンナ・パゴリラヤ(ロシア 2位)


♪ブラックスワン
衣装を見てまさかとは思ったけど曲かぶった
選手同士、今年は何の曲を選ぶかギリまで明かさないとこうなるね
順番までつながるってやりづらいだろうな
プリマの座を争うバレリーナのオーディションのよう

3ルッツ×3 ダブルアクセル コンビネーションスピン
3×1×3ちょい崩れた 2ルッツに抜けて単独に フリップはシングルに
2×2 どこか痛い? ステップシークエンス ここまで崩れるシーンは久々観た
また転倒して腰を打った 応援の拍手 コンビネーションスピン
すでに黒手袋をとって挨拶もそこそこにキス&クライへ

織田:
怪我の情報もありましたので、練習もなかなか出来ない中で試合を迎えてしまった感じ
冒頭の3×3は頑張った



観ているほうも辛い時間だった 87.84 156.89 得点からも目をそらす
ショート2位だっただけに、これは痛い敗戦 逆に怪我の中、SPは頑張ったんだね


優勝はオズモンド、2位ソツコワ、3位ワグナー
本田真凛は5位、本郷理華は6位 日本女子の行方は最後まで観ないと分からない

なんだか悲しい終わり方でしょんぼり・・・
ロシアは、日本以上にオリンピック枠に入ろうと必死の天才少女たちの戦いの中で
ムリをして怪我が多くなるのも必然





GPシリーズ初参戦の真凜、フリーで巻き返しも5位 本郷6位

本田真凜、「君はすでにスターだ」 圧巻の逆襲に海外賛辞「鳥肌をもたらした」

本田真凜、衝撃Vデビューに全米女王も感銘「本当にエレガント」「すべてが華麗」

本田真凜が挽回5位もコーチ辛口「練習してほしい」
“前日はホテルに戻ってからも、頭の中で失敗を引きずった。
「午前中に試合が終わったので、悔しい時間もすごく長くて。
 ちょっと寝ようと思って、起きても起きても、まだ夜で…。どういう演技をすればいいのか、どう切り替えればいいのかを悩みました」。

 この日の午前6時からの練習でも、スイッチの入らない状態だった。フリーへと切り替えられたタイミングは「いつか分からない」。
 それでも「自分で逃げずにしっかりできた」とカナダに爪痕を残した。

 指導する浜田美栄コーチは
「(昨日も)むちゃくちゃ怒りました。いつも言っていることですが、なかなか懲りないので。
 私は近所のおばちゃんじゃなくて、コーチなので。
 アスリートとしては粘着質なところがなさ過ぎて、落ち込んでいるように見えても、次の日になったら忘れるタイプなので」
と穏やかな笑み。

 5人抜きにも手放しで褒めることはせず
「練習が合格点を付けられないので、まずはちゃんと練習してやることを覚えてほしい。
 人間は絶対に失敗をするのに、その後のリカバーをする練習をしないので。
 だから今日はたまたま頭(冒頭の3回転ルッツ)が跳べたから(うまく)いったけれど、
 本当に自分が選手としてやっていこうと思うなら、
 失敗したときのリカバー力とか、対処は練習でしか学べない」と教え子に訴えた。”


あの穏やかそうなコーチがここまで言うって、天性爛漫な性格?
宮原知子ちゃんと比べたら、みんなそうなっちゃうよ
それぞれ個性があって面白い


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フィギュアスケート GPシリーズ カナダ2017 女子シングルス

2017-10-31 11:26:39 | フィギュアスケート
土曜日、昼の12時~、男女シングルスまとめて放送された

カナダ・レジャイナ
注目はシニアデビューの本田真凛(16)、男子は先月ロンバルディア杯で優勝した宇野昌磨

宇野:
やはり試合は、自分の気持ちが成功につながると思うので気合い入れて頑張りたいと思います

本田:
いつもテレビで観ていたGPシリーズに自分も出られると思うとワクワクする
シニアの試合でも自分らしく楽しんで戦いたい
よりレヴェルの高いものに挑戦して、ドキドキ、ハラハラ感を楽しみたい

(2人とも、失うもののない新鮮な発言

日本女子はオリンピック2枠を狙う


【直前公式練習】

時々、笑顔を見せて、しきりにうなづいている本田真凛



織田:
シニアデビュー戦がオリンピックシーズンということなので、1つの演技に賭ける思いもひとしおだと思います


【本田真凛】

今年の春、高校生になった(笑顔はいつも完璧 かつ自然
本田:(制服を)大きいの買っちゃったw 背が伸びるかなと思って

 


きょうだいともにスケーターで幼い頃から注目され、14歳の時ジュニアGPファイナル銅メダル

 

2016年、日本女子6年ぶりの世界ジュニア金メダル(真央ちゃんを後継してくれるかもしれないねえ



<SPの曲について>

当初予定していたプログラムをシーズン前に急遽変更した

本田:
衝撃的なくらいステキな曲に出会って
先生(濱田美栄コーチ)のクルマに乗っていた時にたまたま聴いたんですけど
私にとってこの曲は神さまからのなにかメッセージがもらえるような曲だと感じた



●本田真凛(16)
もう最初からなんだ/驚
アナ:緊張感も楽しめるのが才能の1つですね

 

♪The Giving
キラキラと透ける感な衣装は今の流行りかな 濱田美栄コーチはどの選手とも額を合わせるのね
氷に立つだけで華やか 座ったポーズから



3×3ではセカンドジャンプで転倒 ここがチャレンジなのか
ステップシークエンス 大きな動きで難しそうなエッジワーク
やわらかなフライングキャメルスピン 希望、愛、絆がテーマ
後半、ステップから3ループ ダブルアクセルはシングルに レイバックスピン・ビールマンスピン 満面の笑顔は出なかった



織田:
彼女らしい美しいスケーティングは出ていた
ジャンプが決まらずステップに感情を込められなかったかもしれない

フリップをルッツにあげて、セカンドジャンプはダブルにも出来たけれども、トリプルで攻めた
ステップシークエンスも本来ならもっと出来たと思う

シングルジャンプは得点が入らない(厳しいルールが盛りだくさんだな

キス&クライでもいつになく厳しい表情 コーチと手をつなぐ 52.60
本当に悔しそうな表情で唇を結んでいるけれども、どんな顔もマンガのヒロインのよう



インタビュー:


全然ダメだったなと思ったので・・・また頑張ります(声も小さい 初めての挫折か

Q:難度をあげて臨んだ手応えは?

ジャンプはその時々の調子で、試合でどう出るか分からないことはあると思うんですけど
その他の部分で、んー・・・演技自体がすごく焦っていたような気がしたので
ほんとに今日の演技はダメだったなと思います(素人目にはステキに映ったけど

Q:明日のトゥーランドットはどんな演技をしようと決意しましたか?

今日みたいな演技は今後ないようにしなきゃいけないなという風に思うので
ほんとに今年は大切なシーズンで、情けないというか、本当に申し訳ないなと思うので
見つめ直していかないといけないなと思います

(デビュー戦でオリンピックを狙っているのがスゴイ
 今にも泣きそうな涙声だったけれども、涙を見せない勝気さは
 いつも穏やかで完璧な笑顔に隠されたストイックさなんだな


●本郷理華(21)
今年1月、名古屋で成人式を迎えた もともとは仙台出身



1歳の時から氷に乗っていた イスから落ちてる姿可愛い!

 

5歳から本格的にフィギュアスケートを始めた



その後、通っていたリンクが閉鎖(ゆづくんと同じリンクか?
9歳で家族と離れて名古屋へ移り住んだ



 

本郷:
あの時に名古屋に自分だけ行かせてもらえたのは、家族のほうがすごい決断をしたと思います

とくに心配したのは祖母
すごい! 美容院の壁に所狭しと本郷の写真がいっぱい!

 


「“オリンピックを目指す”というので行かせたけど、もう生きた心地がしなかった
 毎日“どうしているんだろう”って」

時には試合に足を運び励ましてくれた祖母からの手紙

 

“理華が一歩一歩成長していく姿を見て、私も仙台で頑張ることができました
 いつも心身共に、同じ空の下で見守っております”

本郷:
やっぱり目標はオリンピックに出ることだし、たぶんおばあちゃんも
そうなったらいいなと思ってくれていると思うので
オリンピックで滑っている自分を見せられるように頑張りたい

GPシリーズ4年目

♪カルミナ・ブラーナ
最初からオーケストラと大合唱で始まる昨シーズンナンバーでオリンピックを狙う
3フリップ×3 3トゥーループから上げてきた レイバックスピン
フライングキャメルスピン これまでの数々の大舞台の経験値を生かしてほしい

ステップから片手を上げて3ルッツ 片手を上げてダブルアクセル 笑顔も見られるステップシークエンス
昨シーズンは怪我に苦しんだが、去年とは変わった自分を見せたいと意気込む
コンビネーションスピンもダイナミックなままフィニッシュ これは見応えあり
本番でも安定した演技を見せられるのも強味 やりきった満足の表情



織田:
彼女の力強さが出た体を大きく使ったいいプログラム
3×3のセカンドジャンプの回転が少し足りなかったかもしれない
片手を上げて難しい空中姿勢でよかった 心に響く演技でした

アナ:今シーズン、7人の日本女子がエントリーして、本郷理華が最年長になります 経験も大きな武器です
(21で最年長って/驚

61.60 もう少し伸ばせるんじゃないかという表情

インタビュー:
(インタビューブースまでは普通の廊下みたいなのね

 

最初はすごく緊張したんですけど、6分間練習の時からいい感覚で滑れたので
自信をもって滑ろうと思って滑って、ジャンプが決まるたびに
どんどんどんどん思い切り滑れたかなと思います

Q:去年と同じプログラムで進化した姿を見せられたのでは?

去年と比べればだいぶいいと思うので、これがスタートだと思って
もっともっとよくなるよう頑張りたいと思います

Q:明日のFSは?

情熱的に、フリーダカーロさんのような強い女性を演じられるように
しっかり自分の気持ちを強く持って、自信を持って頑張りたいです


宇野くんは、廊下みたいな所でウォーミングアップしている
ヘッドセットからは♪前前前世 が流れてるのかな?w

 


●カレン・チェン(アメリカ 18 2017全米選手権優勝)

 

♪映画『ムーラン・ルージュ』より ロクサーヌのタンゴ
この人のやったるで!な目力も好き 3ルッツはコンビネーションならず
フライングキャメルスピン だみ声の男声が入る しなやかな動きのステップシークエンス
後半、ステップから片手を上げて3×2でコンビネーション入れた スパイラルも美しい
難しい入り方からダブルアクセル 盛り上がる曲 コンビネーションスピン
レイバックスピン・ビールマンスピンも素晴らしい 最後は苦笑を見せた

アナ:GPシリーズは最高5位

61.77にうなづいた


●アシュリー・ワグナー(アメリカ 26)


♪Hip Hip Chin Chin
これも印象的なプログラムの1つ みんなオリンピック狙って自分のベスト曲にさらに磨きをかけて用意してきてる
3×3回転はどうか? スピンしながら手拍子を要求するなんてスリリング
ダブルアクセル ステップからの3ループ ステップシークエンス 盛り上がる曲で踊りだしたくなる
歌詞を口ずさみながら レイバックスピン いつもながらの安定感
61.57 回転不足を取られるのが残念


●マリア・ソツコワ(ロシア 17)


♪白鳥の湖
淡いピンクの衣装が可憐なイメージに似合っている 片手を上げて3×3
コンビネーションスピン ステップから3フリップ片手を上げて ダブルアクセルも片手を上げて
フライングキャメルスピン ステップシークエンス 丁寧にエッジを踏んでいる
レイバックスピン・ビールマンスピン ノーミスで決めた 66.10
女子はメドベデワのお蔭でジャンプに手をあげなきゃいけない雰囲気になってるな


●アンナ・パゴリラヤ(ロシア 19)
 

♪エスペランサ
ロシア美少女軍団がつづく 今度は10代とは思えない色気で勝負 GPシリーズ5年目
3ルッツ×3幅があってフェンスギリだった コンビネーションスピン
フラメンコのキビキビした動きが映えるステップシークエンス

後半に2つのジャンプ 3ループ ダブルアクセルも決まった
フライングキャメルスピン レイバックスピン 演技が終わると息が荒れる
ロシア国内大会では4位の厳しい戦い 69.05 点数を見てようやく笑顔でホッとした顔


●ケイトリン・オズモンド(カナダ)
長らく怪我に悩んでいたが昨シーズン復活 2017世界選手権で悲願の銀メダル
先月のカナダ・オータムクラシックでも優勝

 

♪パリの空の下 ほか
大歓声が起きる この独特なポーズも見たことある昨シーズンのプログラム



3×3を力強く跳ぶ ステップから3ルッツ フライングキャメルスピン
1つ1つの動きが堂々としてキレイ イナバウアからダブルアクセル
カナダに他に彼女に勝る強豪はいなさそうだからまたオリンピックに出るな

レイバックスピン ステップシークエンスで手拍子が起きる 笑顔もイイ
コンビネーションスピン なんといってもエディット・ピアフの歌がイイ
スタンディングオベーションの会場と大歓声 76.06はPB更新



織田:
トップスピードでジャンプに入るので、見ている側は大丈夫かなってくらい
コントロールされていて、ジャンプ後もすぐに演技に入っていて演技構成点が取れる
跳んですぐに高さが出せるのも素晴らしい


女子ショート結果は、1位オズモンド、2位パゴリラヤ、3位ソツコワ
本郷理華は6位、本田真凛は10位からと厳しいなあ・・・


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フィギュアスケート GPシリーズ カナダ2017 男子シングルス

2017-10-30 12:25:31 | フィギュアスケート
ゆづくんのいないGPシリーズ初戦で宇野くんが優勝を飾れるかに注目



パトリック・チャンインタビュー:
シーズン序盤としては、かなり調子が整っていると思う


<無良祟人 父との二人三脚>

元フィギュアスケーターで今はコーチの父/無良くんの子ども時代もかあいい~!

 

無良:
うちの父はオリンピックに出れていない
自分も行きたいし、親父を連れていってあげたいという思いもあります(泣かせるねえ



しかしソチオリンピックでは代表落選
日本選手最年長となった今、再び夢を追う

無良:
オリンピックに限って言えば、今回がたぶん最後のチャンスだと思っているので
もうここまで来たら、本当に自分が出来ることを120%出すしかない



(進化のスピードが加速度的に速くなって、世代交代も早いもんね 厳しい世界だ


●無良祟人(26)

 

♪ファルーカ
アナ:今シーズンの目標は“自分に勝つこと” 自分の滑りが出来るでしょうか
ステップから4トゥーループ ちょい詰まった トリプルアクセルは変わらぬ高さ
昨シーズンの曲に戻した 靴音とフラメンコギターが響く 後半、3×3
音に合わせるのが難しい靴音だけのステップシークエンスに拍手が沸く
コンビネーションスピン 舌を出したのはどこが不満?

織田:4トゥーループは1/4足りなかった

アナ:
“前回のオリンピックシーズンは、オリンピックというものに自分が振り回されてしまった
 今回は自分がやるべき事は意識出来ている”と話していました

74.82を見て「まあまあ」と言ってた
スローで見たら、トリプルアクセルは、ほぼ真上に跳んでる感じ/驚

インタビュー:


Q:演技を終えて舌をペロっと出していましたが何を思っていた?

6分間練習の時に肩に力が入っているのをすごく感じていて、
リラックスしてやれるようにしたんですけど、

トゥーループに勢いがなかった上に、トゥが一瞬抜けかけたので、それを無理やり締めた感じで
だいぶもったいないジャンプがけっこう多かった

でも、動きとしてはバッチリ動いているので、それをしっかり明日に生かせればいいと思いますし
実際、悔しいという感じです

Q:フリーに向けては?
最後の最後まで、自分が上に食らいついていく気持ちを忘れずにしっかりやりたいと思います



<後半グループ>

6分間練習に入る前もリンクに入っても笑顔を見せる宇野くん
練習ではなぜかジャンプに不満なんだけど、本番に強いんだよね

シルバーで羽のような衣装は華やか あまりヒラヒラは好きじゃないってゆってたけどちょいヒラ?w
毎回、満面の笑顔でコーチのもとに来るところが可愛い



宇野:
今回も攻める気持ちを忘れずにやりたい
オリンピックがどんな舞台か正直分かりません
ただ、どれだけのプレッシャーの中でやることになるのか非常に楽しみです


●アレクサンドル・サマリン(ロシア 19)


♪月光 ほか
GPシリーズデビュー戦 昨シーズンのジュニア世界選手権銀メダリスト
SF映画に出てきそうなメタリックで斬新な衣装だけど、クラシック
4ルッツ×3成功 4トゥーループも成功 男性ヴォーカルが入るロック調なのね/驚
フライングキャメルスピンも柔軟 トリプルアクセルは詰まった 足換えシットスピン
ステップシークエンスはイキイキと 後半はキツいか? コンビネーションスピン
なにかがあとちょっとだったという仕草を見せて苦笑した 84.02 PB更新したけど首を振る

ジャンプはステップからすぐに跳ばないといけないショートのルールがある
トリプルアクセルも回転が少し足りなかった


●ジェイソン・ブラウン(アメリカ 22)


♪ミュージカル『ハミルトン』より The room where it happens
時計を見ているポーズ? トリプルアクセル ステップから片手を上げて3ルッツ
キュートな仕草がたくさん入っていて、また今シーズンも楽しませてくれそう
アメリカの建国の父・アレキサンダー・ハミルトンの人生を描いたミュージカルだそう

足換えシットスピン いつもの笑顔でバレエジャンプもキレイ 3×3
これは楽しいプログラム ステップシークエンスもミュージカルを観ているよう
手拍子が起きる リンク上を自由自在に動き回る 魅力的な選手だなあ

 

コンビネーションスピンも見応えあり そして全世界を癒す笑顔で挨拶
いつもこんなに楽しい瞬間はないという感じ



キス&クライでは、いつものようにコーチ、振付師と手を握って得点を待つ様子に場内に笑いが起きる
90.71 どんな点数が出ても、彼がガッカリする様子は見たことがない


宇野昌磨インタビュー:
 
どの選手よりも勝ちたいって強く思いますね

 

 

 

今シーズンのテーマは「攻める!!!」(紙いっぱいに大きな文字からもう相当攻めてるねv

宇野:
まだ19歳で、もっともっと上を目指していくので、
守る意味がない 守るものは何もないと思うので



どんどん挑戦していきたいなって思いますし、
まだまだここは通過点かなって思ってます

パトリック・チャンインタビュー:
(宇野くんについて)彼は一昨年から好調だし、大事なシーズンにまた対戦できるのは楽しみ

 


●パトリック・チャン(カナダ 26)
 

♪すべては風の中に/カンザス 聴いたことあるイイ曲だな
地元の大歓声を受ける 毎回とってもシンプルな衣装が好きだね
4トゥーループ×3トゥーループ 3ルッツ 1つ1つのジャンプに大歓声が上がる

後半、課題のトリプルアクセルは手をついた
ステップシークエンス これだけのスケーティング技術があっても苦手なジャンプがあるのね
フライングシットスピン コンビネーションスピン 終わるとまた大歓声
こういう男性ヴォーカルの穏やかなナンバーが好みなのかな

織田:
4×3の3トゥーループがいつもより加点がもらえないかもしれない
ステップシークエンスはスケートの歯から音楽がこぼれるようなスケーティングが素晴らしい
スケーターの中のスケーターという感じがします


(織田くんは本当にチャンのスケーティングに惚れ込んでるね 毎回、詩的な表現で褒めてる


アナ:宇野昌磨は“結局は試合では気持ちが左右する 気合いを入れて頑張ります”と話してくれました

次が宇野くんか この空気を変えられるか?
得点待ちの間、リンクを自分の空気に変えようとでもするように、時々拳を握って滑り回ってる

得点に時間がかかる 94.43

その得点と歓声を聞くまいとするかのように樋口美穂子コーチと話す宇野くん
両手を合わせて、ポンと叩いてもらってリンクに飛び出す



●宇野昌磨(19)
♪ビバルディ「四季」より「冬」
場内でコールされると地元選手への歓声より大きいんじゃないかってくらい黄色い声
たくさんのバナーもあるし、演技直前に「がんばって!」と声がかかる

4フリップは見事に決まった! 余裕さえ感じた 独特な振付 キレのある動きのステップシークエンス





後半、4トゥーループ・2トゥーループ
インサイドイーグルからトリプルアクセル後もイーグルにつなげる 難しそう!
有名な旋律に乗ってコンビネーションスピン 素晴らしい なにか降りてる感じ



演技後にうなづいて満足な顔で挨拶 スタンディングオベーション
4×3は4×2になった他は完璧 本人のこだわりの表現力も出せた
得点が楽しみ 103.62 この勝負強さは毎回頼もしい

インタビュー:


Q:演技後うなづいて納得の表情でしたが?

4×3が4×2になってしまいましたけれども、大きなミスなく滑れて良かったなという思いでした

Q:演技前から笑顔が見られて、余裕も感じたけれども?

久々になんでか分からないけれども体がすごく動きすぎる
4トゥーループも体が動きすぎて止められない、回り過ぎてしまうというのが
滑る前から分かっていたので、どうしようってことで笑顔だったんですけど
攻める気持ちを最後まで持ち、いい演技がわりと出来たんじゃないかと思います

Q:明日のフリーは?

ショートこれだけ動いてどれだけ疲れるか分かんないんですけどw
しっかり出来るかぎりの調整をして明日につなげたいと思っています

(宇野くんも、ゆづくんというハッキリとしたライバルがいることで
 以前のような小声でボソボソせずに、ハキハキと自己分析して、自信溢れるコメントになった
 笑顔も見せて余裕さえ感じる



男子ショート結果は、1位宇野昌磨、2位チャン、3位ジェイソン・ブラウンとほぼ予想通り
無良祟人は8位と出遅れた フリーに期待



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Bloodest Saxophone presents スナック宇宙@下北沢440(2017.10.28)

2017-10-29 18:42:31 | 音楽&ライブ
Bloodest Saxophone presents スナック宇宙@下北沢440(2017.10.28)
出演:Bloodest Saxophone
Live Drawing:早乙女道春
料理:甲田伸太郎 めん亭はるもと


また朝からどんよりな雨
気温は13度! 冬ですか?!
何を着ていいのか、悩みに悩んで、思いきり着込んで行ったら、屋内は暑いんだよね

昼の12時~スケートカナダの試合が気になったけど
今夜はアメリカ帰りのブラサキが、新曲いっぱい録ってワンマンを演るってことで行ってきた
行ってよかったあ!!

下北沢駅の構内は、さらに複雑怪奇になって、南口にたどり着くまでに蜘蛛の巣のような通路で迷いかけたけど

440内も随分変わっててビックリ
冷たい雨のせいか、開場前に開いていて、チケのほかに払っていたドリンク代もなかった
(コンビニでチケット発券の際も、手数料108円だっけ?もなかったそう

フィッシュ&チップスなどのフードメニューができて
ノンアルコールドリンクにシークワーサーなんて見つけたからそれにした

トイレまで行く狭い通路と関係者席の区切りが取れて広くなってたし


ブラサキ2

甲田さんの顔がない・・・/謝



ブラサキ2の特徴は、なんといっても修二さんが喋る/驚×5000
そして、甲田さんの話はお母さんについてがメインw

ライヴもよく見に来てくれて、ママさんコーラスをしているから
対等のミュージシャンとして話してくるそうw

FAXに長~く「あすこは○○だったから、もう少しこうしたほうがいい」などアドバイス
身近に厳しい目があるのはイイことだね/感謝

※セトリはいつも通りうろ覚えですみません/謝

♪What a wonderful world
♪傷だらけの天使のテーマ
♪Les Champs-Elysees

ここでめでたく“再結成”してメンバが揃った


ブラサキ



甲田さんのテキサスの話がすごく面白かった

ライヴとレコーディングで行って、まず飛行場を降りると至る所にギターのオブジェがある!
荷物を受け取るターンテーブルの中央にもあるそうな

ブラサキが行ったオースティンのアントンズは、ブルースの聖地
50軒ほどのライヴハウスが建ち並び、毎日客が満杯状態!
レコードを聴くように生演奏を見に来る

ミュージシャン率も多い それだけ需要があるということ
毎日ブルースが気軽に聴けるって夢のようだなあ!

毎日、ライヴとレコーディングの繰り返しで、
修二さん、キミノリさんもライヴに飛び入り参加
観光も一切なく、30曲ほど録りためてきたって期待大!

フランス料理屋の屋外ステージでは2バンド演った後に演奏が始まり
スタートはam1:00~、平日の夜でもお客は帰らず
翌日朝9時からレコーディングの予定もあって
さすがに警官が止めて、am2:30頃に終わったとか/驚

甲田さん:どうせ演るなら一番にならなきゃ意味がないと思った

そーだよ なれると思うなあ! てっぺん目指そうぜよ(←言葉の使い方が間違っている気がする


今夜の演奏にもその濃密さがビシビシ伝わった

♪テキーラ
まず、ビックリしたのは、dr.キミノリさんの音がぶ厚くて、胸底に響いたこと
バンド全体もテキサスで演奏してきた熱量をそのままもってきた空気

たとえ短期間でも一緒に行動して密に過ごした時間の団結感、一体感も感じた
ブラッシュアップされて、アメリカ人ならすぐにでも踊り出すんじゃないかな

♪Try A Little Tenderness
アレンジにビックリ


<修二さん×タケオさん×キミノリさんトリオ+Cohさん歌コーナー>

何の曲か思い出せない・・・
修二さんの前髪のクルクルをどう作るのかが気になった

Cohさんの歌も相変わらず良い
洗練されたジェントルマンの空気に一変


<ユキさんコーナー>

カーペンターズの名曲♪Yesterday Once More を
内山田洋とクール・ファイブさんも歌っているらしく
その♪イエスタデイ・ワンス・モア ver.の・・・モノマネ?



「いま~」って和訳がイイねv
でも、ユキさん、一番いい「シャラララ~」の高音が出ない・・・

何度もアンコールを重ねて、客席に降り、マイクを向けるという
一番ムリなパターンに突入 後ろの席でよかったあ/感謝×∞

これはスナックだけの特典であって、アメリカでやってはなりません
スタンダップコメディの国でやったら、たぶんビール瓶が飛んでくるかもw


<甲田さん料理コーナー>

今回は麺ものだったようで(毎回食べずに済ませて来てすみません/謝
製麺屋さん?から送られてきた麺に合うスープを、この1週間ほどずーーーっと考えていたとかw
結局、どんな味だったんだろう?


その後も畳みかけるような鉄板曲ばかり

♪Long Vacation
♪PORK CHOP CHIC
Caravan も演った気がするが


encore.

♪スナック宇宙のテーマ
♪Mood Indigo
ラストはしっとりと終わった



スカパラもほぼ毎年、海外にツアーに行って、バンに寝泊りして
毎日移動しながら、起きたら次のライヴ会場みたいな生活をしてるから
若干、年下のブラサキメンバも武者修行に行けばいいのにと昔から思っていた

狂気的な甲田さんのsax、天才的な修二さんのgt.、ユキさんの意外性w
曲のアレンジ、音やその場の空気もまとめるCohさんのジェントルマン精神と力強いボーン
それらを底辺でしっかり支えるのは、なんといってもリズム隊のタケオさんとキミノリさん

これまであまりプロモなど積極的にやらずにいたけど
まだまだ日本のジャズ界は盛り上がりに欠けるし、敷居が高いイメージが拭えないまま
今回、外国人プロデューサーがスパルタ的に引っ張ってくれたのも功を奏したのかも

新譜、期待してますよー


***

渋谷駅の構内では、ゆづくん発見! しかも、並びには井浦新さんまで!
雑踏激しい中、なんとか写メったv





【GLADD】井浦新「セレクトに、価格に、グッとくる。」(33秒CM)

帰りにコンビニに寄ったら、キシリトールガムを買ったら、
ゆづくんのクリアファイルをもらえるってキャンペーンを発見して
最近はガムを噛む習慣はないんだけど、普段やらない「衝動買い」ってやつをしてしまった
それも、4種類ぐらいから選べるから悩みつつ、全種類揃えたい欲求は抑えて1枚選んだのはこちら



***

念願のイギリスに旅行に行っていたF氏から、可愛いお土産をたくさんもらった
ありがとうううううううううう!!

私の好きなエジプトもの(バステト神かな? かあいい



簡易包装にも感動してしまった!
ビニール包装のない箱を開けると、やわらかい紙に包まれた像がコロっと出て来る



日本もこれくらいで充分なんだ
そしたら空港に大量に包装紙が捨てられる問題もすぐに解消する
今は「あら、この包装紙(紙袋)は三越で買ったのねえ」なんてブランド力は意味がないんだ

以前ライヴ友さんから頂いた忠犬ハチ公との出会いも演出してみましたv



ちょうど欲しかったリップクリーム



そして、イギリスと言えば・・・お茶! お茶大好き
しかも缶がポストで可愛い



 



こちらも缶を開ければ茶葉が入っているという簡易さ



早速飲んだら、さっぱりしてて飲みやすい、クセのない味で好きですv




写真もたくさん見せてもらって、昔ロン&パリ行ったことを懐かしく思い出した

「小さな旅」の「LONDON & PARIS '99.10.27-11.2」参照

私は行けなかったウェールズ地方、パディントン駅などへも遠出したようで
どこを撮っても絵になる景色ばかり 地方の緑も素晴らしいし
もっと話を聞きたいから続きは11月にv


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土曜ドラマ『植木等とのぼせもん』(2017)(1~4回 全8回)

2017-10-29 14:03:50 | ドラマ
土曜ドラマ『植木等とのぼせもん』(2017)(全8回)

原案:小松政夫『のぼせもんやけん』

出演:
【クレイジーキャッツ】
山本耕史 植木等 dr.
山内圭哉 ハナ肇 voc.,gt.
浜野謙太 谷啓 tr.
西村ヒロチョ 安田伸 テナー・サックス
パーマ大佐 石橋エータロー pf.
小畑貴裕 桜井センリ pf.
深水元基 犬塚弘 bass.

志尊淳 松崎雅臣(小松政夫)
富田靖子 松崎ハツエ 母

優香 植木登美子 妻
伊東四朗 植木徹誠 父

高橋和也 渡辺晋 社長
勝村政信 古澤憲吾 監督
藤本真澄プロデューサー

武田玲奈 鎌田みよ子
坂井真紀 ツル子ママ スナック「たぬき」
中島歩 久野征四郎


サントラまで出てるんだ
オリジナル・サウンドトラック&明るい昭和の音楽集

2014年頃に植木さんの無責任シリーズ映画にハマって、劇場で観る貴重な機会もあったり
去年、改めてクレイジーキャッツのCDをいろいろ聴いて、カラオケでも歌ったりして
今回のドラマ化はとても嬉しい企画

一番驚いたのは、植木さん役に山本耕史さんを起用したこと
ギャップが逆にハマったのかな 意外な幅が見られた

さすがに歌は吹き替えだろうと思ったら、ちゃんと山本さんが歌うってスゴイ
声質を歌だけでなく、普段の喋りも似せて、かなり本人に近い/驚
その他にも、当時の流行歌をそれぞれがなりきって歌うのも大きな見どころの1つ

1話30分と短く、原作が小松政夫さんだから師弟関係を主軸としながら
当時の活気に満ちたテレビ、音楽業界を垣間見ることが出来るのも楽しい


【ブログ内関連記事】

「植木等の時代」の魅力に迫る!

プレミアムトーク 伊東四朗さん@あさイチ


あらすじ(ネタバレ注意


第1回 誕生 スーダラ節


小松さんがいきなり淀川さんのモノマネで登場
(私は淀川さんも大好き

 

【昭和36年 東京・目黒】
父親と話すシーンは最初の場面だったんだ



等:オレに歌を歌えっていう奴がいて、それが酷い歌詞なんだ
父:どんなやつだ

♪スーダラ節の節を歌ってみせると

父:
素晴らしいじゃねえか “分かっちゃいるけど、やめらない”
これは親鸞聖人の生き様に通じるものがある
これは大変な歌だぞ


等:34にもなって冗談じゃないよ
父:坊主にならなかった罪滅ぼしに歌ってこい
等:こんな歌がヒットするようじゃニッポンはおしまいだよ

『シャボン玉ホリデー』
いきなり♪スーダラ節 から

 

当時は白黒だったよね カラーで観られるって貴重
鼻の下のちょびヒゲ、下駄に腹巻、カンカン帽っていでたちも可笑しい

街頭テレビで楽しむ人々 真似する子どもたち



これはNHKホール?



 


【東宝・会議室】
藤本真澄プロデューサー:今度君で映画をつくることになった
社長・渡辺晋:お前の仕事だぞ、植木屋



話はまだないが、タイトルは決まってて『ニッポン無責任野郎』

無責任一代男(歌:山本耕史)
古澤憲吾監督がダメ出し 「もっと明るく軽薄に!」(勝村さんも面白い/爆



 

等:そんな馬鹿な踊りやる奴いるんですか

古澤:いない! いないからいいんだ!
(もう1作目からシリーズ全体がイメージ出来るようだ

劇場は大爆笑 絵の看板もイイね
こっそり観に来て大盛況なのに驚く



雑誌にもたくさん載る
「およびでない これまた失礼いたしました」のギャグも生まれる



 

多忙でクルマやセットで眠る日々

ウナ・セラ・ディ東京/ザ・ピーナッツ(歌:鈴木みな・まりあ)
(ほんとの双子が演じてるから、ソックリにシンクロしてる



等の顔が黄色いと言われる
スケジュールをパンパンに入れるマネージャーにつっこんでいたら過労で倒れてしまう



病室に一緒に泊まって見守る妻・登美子
「もうすぐで死ぬところだったのよ」



病室にまで来る記者
ハナ肇:もう2~3週間すれば治ります 酒の飲めない男が肝臓とはなw



渡辺:
売れない頃を思い出してごらんよ 贅沢な悩みだよ 今突っ走らないといつ突っ走るんだよ
今あの役を演れるのはあいつしかいない 10年後、30年後、あいつが死んだ後も・・・

トミコ:縁起でもない!

渡辺:あいつは大衆の心の中に生き続ける そういう男になるんだ

等:ここらが潮時かもな コツコツ骨折りながら生きてくのが人間だろ?

トミコ:
日本があなたを求めてると社長がおっしゃってたわ
家と子どもは私が責任持ちます
あなたも責任持って、無責任やってください
それと、運転手を募集してるみたいよ


経堂の理髪店で鎌田みよ子に髪を整えてもらう松崎雅臣(のちの小松政夫)



M:ここら辺にあの植木等が住んでるの知ってます?
みよ子:私、裕次郎が好きだからなあ

付き人になると言うと、叔父が大家をやってる安くていいアパートあると教える
ナンパしてると仏頂面の叔父・鎌田巌が出てくるw
叔父:部屋は空いてるが、姪っ子に空きはないからね



病室に来たMは、緊張して声が上ずってる 自宅に案内される
(いい家 室内もモダンだし トロフィーだらけ 何のトロフィー?

 

等:君はセールスマンをしてたんだって?

M:
横浜で2年間 あっちがやりたいのか、こっちがやりたいのか考えたら、こっちがやりたいんです!
どうにものぼせもんで! うちの地元の言葉でカーっと夢中になりやすい奴というか

等:オレも坊主をやるか散々悩んでこっちを選んだ 君と同じのぼせもんだよ

M:
博多の出で、母は元気だが、父は10代の頃に結核で亡くなった
きょうだいは姉が3人、兄が1人、弟、妹がいます(昔はほんときょうだい多いなあ

等:
オレのことを先生なんて呼んだらはったおすぞ
親父と呼べ 俺のことを親父と思えばいい

父が退院祝いに来る
Mの母・ハツエから等の大好物の干物がたくさん届く
手紙も入ってる “なにとぞよろしくお願い致します”





第2回 植木さんの親心
淀川さんは毎回出てきて説明してくれるのね
「すごいですね~ 怖いですね~」ww

【昭和39年】

母・ハツエから電話があり、東京に来ると言われ、「来なくてよか!」と怒るM

ハマケンの「ガチョーン」褒められてるw



仕事に復帰して、次は『日本一のホラ吹き男』
常に大声で叫んでる古澤
等:さすがの東京オリンピックもあの人には敵わねーや

ハナ:(張りぼての牛に)面白くないね、これ 

 

青島幸男(構成作家):
ホンモノの牛に“鳴いてみろ”て言うのはどうだ?
鳴かなきゃハナが“ハラホレヒレハレ~”て逃げればいい
(牛に入ってのはザ・ピーナッツってw

淀川さんがクレイジーキャッツのメンバを紹介

リーダーはハナ肇 voc.,gt.
植木等 dr.
谷啓 tr.
犬塚弘 bass.
安田伸 テナー・サックス
石橋エータロー pf.
桜井センリ pf.

 



ダブルピアノか ハマケンは生演奏?
本格的にジャズを演ればすごい腕なのに、コミックバンドになったのね


ふりむかないで/ザ・ピーナッツ(歌:鈴木みな・まりあ)
(ハーモニーもきれい このクオリティで全部生放送?



コントも披露  伊東ゆかり役でショコたんもいる
怖い客には「キチンと座りなさい」と震えて言う谷
ピストルでも出すかと思いきや切符でコケる



よぼよぼのおじいさん役で等が来る 席を譲れと男に迫る
奥村チヨが来て、「こちらどうぞ」と席を譲る等 老人に化けていただけだったw

 

自宅に帰るとサキサカの妻(萬田久子)がお見舞いに来ている
息子がテレビ制作に入社が決まったと聞き、どこか羨ましげなM それを見る等



等の父はもとは住職とともに貴金属の工芸などをつくる職人でもあった



等:付き人が心を開いてくれない
父:お前が息子と思えてるかどうかだ 求めるだけじゃ不公平ってもんだ


1ヶ月目の初めての給料をもらうM
部屋に母・ハツエが来て「等に挨拶に来た」と言う
(今と違って、博多ってそんなに遠いと思われてたんだね



M:日本で一番忙しい人やぞ! 寝る時間もなか人やぞ/怒
母:母ちゃん、帰る 悪かった 堪忍な マサボウ



明太子をお土産を置いて出て行き、とても後悔するM

トミコが理髪店に挨拶に来て、みよ子は明太子を渡す

等:
せっかくいらしたお母さんを追い返したんだ
まさか、自分の母親をオレたちに見せるのを恥ずかしいと思ったんじゃねえだろうな

そんな付き人はいらねえ!
親の心は言葉に出来ないものなんだよ わざわざ上京してきた母親のことを考えろ

オレの親父が住職だった頃、戦争反対と言って何度も投獄されたことがあって恥ずかしかった
「アカ」だなんだって後ろ指さされて


貧乏だったけど、おふくろは、毎日弁当作って、
親父のところに持ってけって警察まで届けさせたんだ

おふくろは全部分かってた
だから正々堂々と弁当届けさせたんだよ
お前も女手ひとつで育てられて、母親がどんだけ苦労したか見て来てるんだろ


等はハツエに電話して謝る
Mに代わると「あんな立派な人にお世話してもらうとね 安心したわ」
「ごめん」と泣く



等はMを夕食に誘うと「親父さん、すいませんでした」
(明太子美味しそう~



第3回 俺たち戦友

淀川さん(白髪の感じが似てるなあ

「みなさん、また、また、また、お会いしましたね~
 面白いことを思いつくのが上手く、クレイジーキャッツの脳みそと言われていた
 谷啓さんが辞めると言い出したんですね 怖いですね~
」w

昭和39年 東京オリンピック開会式のラジオを聞く谷啓

 

リハでなんとなくおかしい谷に怒るハナ

ハナ:
オレたちゃ芸人か? ジャズマンだ アンサンブルがすべてだよな!
30すぎてようやく芽が出た遅咲きだ 落ちる怖さ分かってるだろ!


楽屋で谷は等にバンドを辞めると言う
等:ハナの癇癪なんていつものことじゃねえか
谷:ハッキリ言えばマンネリだよ 僕らが飽きたら、見てるほうも飽きるし

等:
クレイジーキャッツはあんたのアイデアでもってるんだよ
オレはあんたが来たからクレイジーに来たんだ
あんたが辞めるなら、オレも辞めることになる


等ソロのレコーディング
作曲家・萩原哲晶(うじきつよし):ひとまず好きなようにお願いします
作詞・青島幸男とのコンビでクレイジーキャッツのたくさんの名曲を書いた

 

 

だまって俺について来い(歌:山本耕史)
(山本さん、信じられないくらい声質を似せてる/驚

青島:C調から一気にロマンチックに落として、最後は高笑い これぞ植木等!


ハナ:谷は最近おかしくないか? 金がねえのかな
等:ハナはこれでいいのかい? オレばっかり前に出てさ
ハナ:そういうこと二度と言うんじゃねーぞ!

真剣にタテをしている2人の間で「ガチョーン」



「谷さんがいなくなったら日本中が悲しむんです」と言おうとするM

谷:
僕たちは一体何をやってるんだろ
こんな薄暗い所でうじうじと絵空事ばかりで何になるのかねえ・・・

 

三宅選手が重量挙げで世界新記録の金メダルをとる
女子バレーボールも金メダル

谷さんの家もモダンで可愛い 赤ちゃんの他に3人も子どもがいる!



 




父:五輪のマークの意味は平等なんだ

等:
父さんのモットーは平等だったね オレに等ってつけたのもそこからきてる
名前の通りに生きるのも難しい オレにはムリムリ

父:
人間にはそれぞれその人間にしかやれない役割があるんだ
平等はみんなが役割を果して成り立つ


ホンダラ行進曲(歌:山本耕史)
(この曲はとくに荒唐無稽だよねw



犬塚:付き人も大変だろうが、一番大変なのは植木屋なんだから、それだけは忘れずに辛抱するんだぞ

ハナに捕まって話してしまうM



ハナ:
そんな大事な話をなんでリーダーのオレが知らないんだよ!
富士山はしっかりした裾野があるから頂上がある
オレは裾野でいい メンバーがみんな頂上に登ったらこりゃ倒れちまう
それがエーちゃん、桜井さんや、オレなんだよ

オレたちは単なる友だちや、仕事仲間じゃねえ 戦友だよ!
何も隠し事はなし その代わり死ぬ時は一緒だよ


(いつもリーダーにこだわってるんだね
 映画の中のガンコ親父なイメージと重なる

等:ハナがクレイジーキャッツを作らなかったら、俺はこんなに売れてない

ハナ:
植木屋がいなかったら、クレイジーはこんなに売れてない 全員がそう
谷と直接話してみるよ
でも、山のてっぺんから見える景色ってどんなもんかなあ!

ハナも主演映画のことで記者に囲まれる
記者:同じ時期に植木さんの主演映画も公開になりますが、勝ち目はありますか?(映画会社の戦略か?
ハナ:今の植木等に勝てる者など、日本にいるわけないだろ!



オリンピックは閉会 次はメキシコ
たむれ、たむれ~愛してたむれ~ 歌いだす谷

谷:僕は次のオリンピックに出ることにした 種目は「ガチョ~ン」

 



【紅白にも出場】

 

だまって俺について来い


【昭和40年1月】

スナック「たぬき」ってw ママはツル子
Mはみよ子のことを話してると、店でケンカしている男2人

 

淀川さん
「このニヒルな青年がMに光と影をもたらします
 では、またお会いしましょう さよなら、さよなら、さよなら

(淀川さん、また会いたいなあ!



第4回 スターの誇り

淀川さん
「クレイジーキャッツはもとはジャズマン
 でも植木さんはスーダラ節を歌う そこに彼の美学が隠されているんですね~」


【昭和40年7月】

海辺で銃に撃たれながら全力で走る映画撮影



古澤:もっと颯爽とした走りが見たいんです
M:植木さん、朝まで収録で寝てないんですよ!

古澤:
テレビなんて、あんな消えもんやってないで、映画に集中しなさい! 残るのは映画なんだから

テレビ番組のネタ作りもみんなで練る



ターザンが出る前に猿が出たら面白いと谷が言い、Mにやらせようとする
松崎が2人いて、まぎらわしいから
等:大きいほうが大松で、小さいほうが小松でいこう



奥村チヨに結婚を断られて会社でクビを吊ろうとする谷のコントに小松が猿で出て来る

 

チヨ助けて~!
等のターザンが来て「およびでないね」




ごめんネ・・・ジロー/奥村チヨ(鈴木愛理)



クルマの中でも♪ごめんネ・・・ジロー を歌う等
等:いい歌だな オレはディック・ミネみたいな渋い歌手になりたかったんだ

ゴマスリ行進曲(歌:山本耕史)
(実際はこっちかw


スタジオにこないだスナックでケンカしていた男が現れる
二枚目俳優・久野征四郎だと分かる

 




今度は銃の男に追われて、ビルの間に張ったロープを渡ってから高笑いを求められる等
何度も落ちて、やり直し、落下して足を傷める
松葉杖で帰り、トミコには階段を踏み外したとウソをつくが、Mは迫られて話す

 

 

(こんな無茶なアクションをCGもスタントもなしでやってたのか?!
 下には薄いマットだけ サーカスなんかやったことないのに無理だよ


自宅で必死に絵コンテを書いている古澤を訪ねるトミコ



トミコ:
馬から転げ落ちたり、ビルの屋上から屋上へ飛び移ったりですとかは
植木家の保障を考えてやっていただいてるんでしょうね?
私どもにとって植木は、俳優である前に夫であり、父親なんです
それを考えてもらわないと困ります


Mと久野でたぬきに行く時、みよ子も誘う
久野:見ていてスカっとするような役者になりたい

「あいつはいいよな オレたち本物のサラリーマンの気持ちなんて分かってねんだよ」


(あら、シソンヌ登場

M:
あん人がどげんいろんなこと我慢して生きとるか分かるとか!
人には見えん苦労があるんたい

またケンカになり、久野が代わりに殴られる




【公開ラジオ】



ハイそれまでョ(歌:山本耕史)

 

父:オレも義太夫になりたかったこともあったんだ 歌舞伎座で演ったこともあるぞ(芸達者な家系なんだね
M:もったいないなあ あんなに歌が上手いのに、こんな歌ばっかり歌わされて
父:好きなことだけやって生きてる人間なんて誰もいないだろ?

ハナが来て、植木の足が映画撮影のせいだと知らずにまた怒る
等:オレが降りたら、周りのスタッフの生活はどうなる?
ハナ:週末は収録と地方だよ その次の週は舞台もある お前一人の問題じゃないんだよ

父:みんな気を遣ってくれてんだ 少しは考えたらどうだ?
等:オレはやるよ やりたいことと、やらなきゃいけないことは違うんだよ



古澤:ムリしなくていいんだよ まだ足が万全じゃないんだから やはり代役を立てて・・・
等:いえ、やりましょう

また落ちてもやり続けて、とうとう渡って高笑い
古澤は「素晴らしい 無事でよかった!」と抱きつく

(なんか次に映画観る時、苦労を思って泣いちゃいそうだな お笑い映画なのに

等:植木等もラクじゃねえな でもだからこそ面白いんだよな


(自分で、自分を演じている感じなのかな


(つづく


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土曜ドラマ『植木等とのぼせもん』(2017)(5~8回 全8回)

2017-10-29 11:00:39 | ドラマ
土曜ドラマ『植木等とのぼせもん』(2017)(1~4回 全8回)

原案:小松政夫『のぼせもんやけん』

出演:
クレイジーキャッツ
山本耕史 植木等 dr.
山内圭哉 ハナ肇 voc.,gt.
浜野謙太 谷啓 tr.
西村ヒロチョ 安田伸 テナー・サックス
パーマ大佐 石橋エータロー fp.
小畑貴裕 桜井センリ fp.
深水元基 犬塚弘 bass.

志尊淳 松崎雅臣(小松政夫)
富田靖子 松崎ハツエ

中島歩 久野征四郎

武田玲奈 鎌田みよ子
優香 植木登美子 妻
伊東四朗 植木徹誠 父

高橋和也 渡辺晋 社長
勝村政信 古澤憲吾 監督
藤本真澄プロデューサー
坂井真紀 ツル子ママ スナック「たぬき」


あらすじ(ネタバレ注意


第5回 弟子の名は。
Mはみね子と東京タワーに来る夢を見る
(やっぱりデートの定番は東京タワーなのね

 

遅刻して等が運転する
等:お前のことはすべてお見通しなんだよ

みんなの前で前に勤めてた上司のモノマネを見せて
「も~~~知らない、知らない!」 谷だけ爆笑する




逢いたくて逢いたくて/園まり(歌:山本彩)



(昭和の名曲はどれもいいねえ
 コントと歌が見られるって、『サタデー・ナイト・ライヴ』よりこっちが先?!

<コント>

父:(新聞を見て)今年の交通事故件数、早くも去年を上回るかあ
母:角のお米屋さんにダンプカーが突っ込んできたんですって クルマは走る凶器だなんていいますからねえ
父:(子どもたちに)クルマには気をつけるんだぞ!

ゆってるそばから、壁からなぜか船で突っ込んできて♪お~い船形さん~
(今でゆったら、まっすぐ彦介みたいな?爆

等:あれ、およびでないね(漕いで戻るってww

 


久野がオードリー主演『シャレード』のチケットを2枚くれる
(私の両親の時代は、いい映画もたくさんかかってたんだよなあ!



久野:
みよ子を誘えばいい
そういえばオレ、岡本喜八組に決まったんだよ!

(出てくる監督名もハンパない
 この人のモデルは誰だろう?と思って調べたら、そのままの名前だった

理髪店に行って、みよ子を誘う

ふりむかないで/ザ・ピーナッツ(歌:鈴木みな・まりあ)

Mのデートがメンバにバレバレでハナが小遣いを渡す

等:今日、オレにつかなくていいぞ 女房の買い物に付き合ってやってくれ

Mは等の父からトミコと等の馴れ初めを聞く
お見合いだったが学生時代にずっと同じ電車だった
大学時代に離れ離れになったから文通していたって可愛い

靴屋に行って、Mに履かせて「サイズ同じでしょ?」と買う
等が帰って履くと

等:
くるぶしがひっかかるから走れないな
お前履いてみろ 似合うじゃないか お前が履け
身だしなみは足元から 靴さえちゃんとすりゃあとは大体サマになるからな

(いい夫婦だなあ/泣

最初からそのつもりだったと気づく
それを履いてデート 夢の通り東京タワーに行く

 

み:
いくら想い続けても、追いかけてる夢の大きさが違うもの
今に大スターになってもっと違う世界に行っちゃうだろうし

Mがフラれたらしいと聞いて、なにか言う谷



M:
あ~あ 初めてのデートでフラれちゃったよ
も~知らない、知らない、知らない!

メンバから大爆笑される



トミコ:
なんだか羨ましい気もするわね
私たちの時代は恋愛なんて心の余裕なかったですもの

等:食うものもなくて、今、こうして暮らせるのも感謝しなきゃな


等の台本を見ると、小松の出番が書いてある 谷が推した

 



(付き人から芸人になるって、登竜門みたいな道なのかな?
 所々に貼ってある映画ポスターも気になる 『悪人成敗帳』って何だろう・・・



等:
オレたちの商売は、なんでも芸のこやしになるってことだ 谷啓に感謝しろよ
チャンスのしっぽは必ず掴むんだぞ

石川五右衛門役で見得を切った後ずっこけて



「どーしちゃったのかしら、お稽古の時は上手くいったのに
 も~知らない、知らない、知らない」

(これは歌舞いてるかどうか夏木京介さんに見て頂かないと

博多でテレビを見てるハツエ



等:そろそろちゃんとした芸名がないとな
M:前に犬塚さんに言ってもらった博多どんたくにちなんだ“どん たくお”にしようかと
等:それはわんちゃん、冗談で言ったんだよ(それぞれのニックネームも面白い

ちゃんと封筒にしたためて、印鑑まで押してるって、子どもに名前つけるみたい



M:こんな二枚目な名前でいいんでしょうか?
等:いずれ大きな役者になった時、“どんたくお”じゃ仕方ないだろ?

父が倒れたと電話がくる



第6回 オヤジたるもの
実家に帰るといつもの痔



現場に戻ると、早速Mに視聴者から問い合わせのハガキが来ている



さよならはダンスの後に/伊東ゆかり(歌:中川翔子)
(この曲も知ってる オルゴールを小さい頃持っていた 叔母のだったっけ?

 

柔(歌:山本耕史)
急に割り込んでくる等 「およびでないね」

 


家で腕時計を探す等
トミコ:あなた、もうMがいないと生きていけないわねw

Mは徹誠の世話をしている
等が芸能界に入る時、父に相当反対されたことを聞く

父:
“坊主は死んだ人間を供養する 芸能は生きた人間を楽しませる
 オレは生きた人間を楽しませたいから芸能界に入る”と言ったんだ

屁理屈を抜かすなとどやしつけてやったよ

M:でも親父さんは今一番生きた人間を楽しませています

父:もう付き人になって3年目 そろそろ一本立ちか


等のところに戻るM

等:
変な男だろ ああいうのを支離滅裂というんだ
若い頃は相当な女好きでな(!) そっちも大変だったんだ



布団に寝ると着物が着崩れるから後で衣装部に寄るかと聞いて
Mは衣装部に行って「着物の着付けを教えてほしい」と頼む



栗原:ここは着付け教室じゃねんだぞ!
M:見せてもらうだけでも! と土下座する

岡本組の『殺人狂時代』がお蔵入りになったと聞いてクノを探すM

 

M:お前ならまたチャンスがあるさ
クノ:やめろよ お前はよかったじゃねーか出番も増えて
怒って殴るM(今の若者ってこんなに熱くなって殴らないよね

Mとみよ子でたぬきに来る
ツル子:慰めがかえって傷つけることがあるのよ、とくに男はね
クノの住所を教えて、みよ子に行ってほしいと言う


【昭和41年 ブルーリボンの大衆賞をもらう等】
森繁さん、エノケンからも花束が届く



父のスピーチ:
この芸能界という明日をも知れぬ浮き沈みの激しい世界で
息子がここまで生きてこられたのは、一重に支えてくださった皆さんのお蔭である
これはもう明白でございます

植木等はまだまだ若輩者です 海のものとも、山のものともつきません
皆様のご指導がなければ、到底これから先もやっていけないでしょう
どうかよろしくお願い申し上げます



M:
すごいメンツでしたね
もし何かあったら、明日から芸能界なくなっちゃうってくらいのオールスターでしたよ

等:オレも一人前になって少しは親孝行できたろ?

父:
お前は小松くんのことをどう考えてるんだ?
万に一人のこの世界で立たせる気はあるのか?
ただ夢を見せて終わらせるだけか?

お前は自分のことしか考えてない
少しは親父らしいことをしてみたらどうなんだ
(すごい やっぱり住職さんだな


仮眠後、帯を締めなおすM
衣装部の栗原に聞くと根負けしてちょっとだけ教えていると聞く



ハナ:今度の日劇で谷が考えたMにピッタリな役があるんだよ やれるか?
M:やらしてください!

演奏の後にドレスで出て来る等(山本さんも相当体張ってるなw
ドレスが外れて、中からMが出ると大爆笑

 

Mの足から血が出てるのに気づいて包帯を巻く等
着付けのことを聞くと

M:映画の衣装部屋って遠いから、休憩のたびに行ってたら時間もったいないし
等:ありがとな



帰り道、みよ子とクノを見かけ、たぬきで号泣する
ツル子:男は我慢して、我慢して、それが男の色気につながるのよ

等:
次の大阪公演のコンサートと舞台の幕間を小松にやってくれねえか
幕間の5分、あいつにつながせるんだ
必死にネタ考えて、不安になって眠れなくなるほど

ハナ:そりゃ客に失礼ってもんだ 私事を持ち込むのはプロじゃないよ

谷:
やらせてみようよ まっちゃんを独り立ちさせたいんだよ
僕たちも毎日米軍キャンプ周って、ウケたり、ウケなかったり
自分たちで覚えてきたんだよ

(ハマケン、一体いくつだよ!?っていう円熟味



第7回 可愛い子には
ビートルズ旋風が起きる



谷:これで日本の音楽はすっかり変わっちまう気がするね


小指の想い出/伊東ゆかり(歌:中川翔子)



ペンキのコント 白と黒で塗りあうハナと等

 


クルマで話し合うハナと等

ハナ:まだやれるよ

等:
世の中は変わるのに 同じことやってていいのかな
シャボン玉だっていつかは弾けるんだよ


【昭和42年 大阪】



キャッツのステージは2部制で、小松は初めて幕間を任される
布施明と紹介され「あ、この歌知らねえや」とコケるが、客は笑わず野次が飛ぶ
では民謡を歌います「あ~らヨット」

ハナ:
あいつ、すっかりアガってる
素材が悪いよ 衣装、大道具、小道具なんでも使っていいんだから

2日目も、3日目もウケない

 

M:もう1日だけお願いします!
等からも頼む

(急にネタづくりからすぐに笑わせるのは難しすぎるよ

等:舞台に立ったら、誰も助けに来ない 自分でどうにかするしかねんだ

みよ子が来ている
クノはまだ落ち込んでるが少しずつ前を向こうとしている



みよ子:
私、ずっとマッチャンのファンだからね だからこの世界で一人前になるって約束よ
指きりして別れる

その夜、テレビから淀川さんが流れているのを見る



4日目
淀川さんのモノマネで「ハナ肇さん 老けて見えますけど、まだまだ85なんですねえ」
ウケてる



等:面白いこと考えるのって辛いだろ
M:でも笑い声聞いたら全部吹っ飛びました
等:その感覚忘れるなよ よく頑張った

谷に呼ばれて、メガネとテレビのセットをもらい、観客はさらに大爆笑



社長:イケるよあいつ 植木屋、いい育て方したな

等:
明日からもうオレのところに来なくていいからな
今、正式にお前を契約タレントにしてくれって決めてきたんだよ
マネージャーも用意する 明日からお前は一人で立つんだ
ここからがほんとの始まりだぞ



クルマを停めて泣くM
玄関先で別れ、父とトミコに明日からMは来ないという

トミコ:寂しくなりますね(もう子どもも巣立ったの?
父:オレも早く子離れせんとな


みよ子の店から母親に電話で知らせるM
母:これであんたも一人前の芸能人やね 植木さんに感謝してもしきれんね

淀川さん:ここからMは師匠の後を追うように大活躍するんですね~

そこに四郎さんが割り込んできて♪電線マン! 「およびでないね」w




【昭和52年】

名だたる名優が演じた舞台『王将』に挑む等





最終回 スーダラ伝説
Mは師匠のもとを離れて10年経ち、ドラマ、映画にひっぱりだこ

等の舞台『王将』にMが来る

等:
阪田三吉なんて50過ぎてから演るもんだってゆったら
植木さんもう50ですよ、なんて言われて驚いちゃってさ
最近の芸能界はすっかり変わって、テレビも見なくなっちまったからさ

父:小松くんの出ている番組は、欠かさず観てるじゃねえか

Mは母を連れてくる アガってまた明太子を渡す母




自宅で友人に頼まれたと句を書いている父



父:
世の中のことでどうでもならないことはないって意味だ
お前は無責任やってた時のほうがお前らしかったな
人生が外側から出来上がることもある


淀川:それは遺言のようなものだったのかもしれない

間もなく父は病に倒れる
病床で♪ス~ダラ節 を歌う 53年 父他界


Mは久々「スナック たぬき」を訪ねる
みよ子とクノは結婚 店を始めるという



クノ:映画を観たよ お前はオレがなれなかったものになったんだな
M:お前はオレがつかめなかったものを手に入れた
クノ:お互い行ける所まで行こうな

新聞に等が黒澤明の『乱』に出ると書いてある
(いた・・・かも!? 肝心なメモがないんだよなあ・・・



M:親父さんの背中はどんどん大きくなるよ


【昭和61年】

病床の社長は♪ス~ダラ節 を聴いていた



社長:古くならないだろ オレたち、なかなかのもんだったよな

等:植木等はあんたが作ったんだ

社長:
オレたちずっと走ってるな いろんなものを追い抜いて、追い抜かれて
もう1回みんなを楽しませたいなあ

ハナ、ザ・ピーナツ、他のメンバも来て
谷はボーンを吹き、ザ・ピーナツが歌う

 

翌年 社長も他界


【社長のお別れの会】



ハナ:
それぞれにペースがある 社長は全力で全うしたんだ
あの頃の歌またやるって話 歌えよ

等:あれはクレイジーキャッツがあってこそ
ハナ:いいんだよ やったほうがいい

Mも来る

等:親父も社長もいなくなって、俺もさすがにどうしていいか分からないよ



M:
オレももう一度観たいです 歌う姿
あの歌を歌えるのは親父さんだけだから

等:植木等はもうおよびでないんだから

M:やらなきゃいけないことをやるのが植木等だって言ったのは何だったんですか?
等:お前に何が分かる!

(セルフカバーのCDの裏にもこんな重い決断があったなんて知らなかった




等:あの頃はバカみたいに忙しかったし、バカみたいに楽しかったな

トミコ:
社長さんが言ってた
“20年後も30年後もきっとみんながあなたの話をするって
 たとえあなたがこの世からいなくなっても心の中で生き続けるんだって”

Mも同じことが言いたかったのよ

等:そんなこと言ってくれたの 会いたいねえ社長



等はレコードの件を引き受けることにする


往年の名曲を集めたレコードが大ヒットし、取材を受ける
等:映画も舞台もやったけど、僕はやっぱり歌い手なんだなって



古澤が来る 格好がそのまま!
等:無責任シリーズもリバイバルで観てくれる若い人もいるようですよ

古澤:
やっぱり映画は残るねえ
今日も打ち合わせでね ともかく元気でね
シュートするーーーーーー!




青島に再会するM

青島:
オレもすごい歌作っちゃったな つくづく自分の才能が怖いw
紅白も決まったそうだぞ 無責任男が帰ってくるぞー!!


【平成2年 紅白】

自宅で落ち着かない等
等:紅白なんて久しぶりだからさ

M:お迎えにあがりました
等:小松、ありがとよ



M:オレはただ親父さんにのぼせてるだけで のぼせもんです
等:変わらねえな、お前は 気をつけろ 目にワイパーはないからな


舞台袖で蝶ネクタイをMに頼む

M:親父さんはみんなを照らす太陽なんです!
等:植木等はそうでなくっちゃな それじゃちょいと行ってくるよ



♪逢いたくて逢いたくて(歌:山本彩)
♪スーダラ節(歌:山本耕史)
♪スーダラ伝説(歌:植木等)



やっぱり、自分自身を演じていた感じだな
最後は本人による♪スーダラ節 が流れた

私たちもまた植木さんに会いたいなあ!
周りを太陽みたいに明るく照らしてくれる無責任男に



コメント

『ニンフォマニアック vol1』(2013)

2017-10-28 14:49:57 | 映画
監督:ラース・フォン・トリアー
デンマーク/ドイツ/フランス/ベルギー/イギリス

出演:
シャルロット・ゲンズブール ジョー
ステラン・スカルスガルド セリグマン

ソフィ・ケネディ・クラーク B
シャイア・ラブーフ ジェローム

ヒューゴ・スピアー H
ユマ・サーマン H夫人

ステイシー・マーティン 若いジョー
クリスチャン・スレイター ジョーの父
コニー・ニールセン ジョーの母  キャサリン

ほか

「ビデオパス」でシャルロット・ゲンズブールを検索したら衝撃的な今作が出てきた

説明とポスターを見ると、以前も、奇妙な性癖を持つ人々を描いたジェームズ・スペイダー
主演の『クラッシュ』を思い出す
そういえば、デボラ・アンガーも好きだな
ケイト・ブランシェット、ティルダ・スウィントン同様のクールビューティで妖しい魅力がある



ジェームズ・スペイダーで検索したら、すっかり違うおじさんになっててビックリ/驚
でも、演技より見た目で判断されるのが嫌いだったようだから
今のほうがより役者として楽しいのかも?
若い頃もスノッブで、ひと癖ある役が多かったけど




「ニンフォマニアック」とは、マイケル・ダグラスや、デヴィッド・デュカブニーが罹った依存症とは違うのか?

レンタル期間: 72時間
今回は何度も「字幕」を確かめてから買ったv

VOL.1と2で2本買うことになるが、想像以上の見応え
どこか分からない場所に引きずりこまれるオカルティックな作品で意外だった


あらすじ(ネタバレ注意
真っ黒な画面が2分も続いて、今度は画像の不具合かと思ったら違った
廃墟での雨音だらけの不気味な映像がつづく

血を流して倒れているジョー
買い物帰りの老人セリグマンが見つける

J:救急車は必要ないわ
S:ウチに来なさい





J:自業自得よ 私は悪い人間なの
S:話してみて
J:理解できないわ

釣りの話をするSにつられて話し出すJ
J:長い、教訓めいた話よ


第1章 釣魚大全

私は2歳で自分の性器に気づいた
友だちBはいつも抜群のアイデアを思いつく

私は父(医者)が大好きだった 父は木が好きだった
クリスチャン・スレイター! 変わってないなあ



母キャサリンはとても冷たかった
私が人と違うのは夕陽を好きすぎること 罪よ


S:
フライの話にどう結びつく?
ニンフォマニアックの話ならニンフから始めるといい



J:
処女を捨てることが重要だった Jは洗練されてるように見えた 私は15歳

“私の処女を奪ってと言ったら困る?”
“いや、別に”



J:屈辱的な数字を一生忘れない 3+5
S:フィボナッチ数
J:猛烈に痛かったし もう誰ともヤラないと誓ったけど破った


2年後 Bに新しいアイデアが浮かんだ
過激な服を着て、列車に乗る
1人でも多くヤッたほうがチョコ菓子を勝ち取る

S:魚の隠れ場所は優劣で決まる ベストポジションは大きな魚がとる



ある車両に入ると、Bはすでに1人とトイレに行く所
「トイレに連れてってやるよ」と1人が言う
J:目を見て、微笑むだけ

S:
川釣りと同じだ 食いつかない時は全然 食いつきがいい時はすごい
食いつかない時は、傷ついた虫を装うこと

「大丈夫かい?」と声をかける男
ハムスターの話をする

一等席に行き、切符拝見に来た職員と口論になり
2人のために金を払った紳士は、2人の誘いを断る
B:彼をモノにしたら5ポイントあげる

S:誘因釣法だ 挑発すればおとなしい魚も食いつく 刺激に反応するんだ



男:
妻と決めたんだ 子どもを作ろうと
排卵日だと言われた 今日がベストな日だって

男は誘惑に負け、お菓子を食べるJ



S:
悪い人間だとは思わない ユーモアストーリーだ
それに長く精子をためていると質が落ちるそうだ
おかげでS夫妻は健康な子どもを授かったかもしれない
翼があれば飛べばいい(カウンセラーみたい

私はユダヤ人だ セリグマンとは幸せだという意味だ
人には2タイプある
左から爪を切る人は陽気で気さく 人生を楽しみ、難しいことは後回し


J:私は左から 快感が先

S:何かを学ぶのに遅すぎることはない


ルゲラー(ユダヤ人のお菓子)にフォークをつけて出すと
J:フォークで食べるなんて女々しいわ そんな男を知ってた ジェローム


第2章 ジェローム

いろんな男と関係をもつJ
みんなに「あなたが初めてよ」と言うと喜ぶ

「小さな群れ」という会を発足して、Bがリーダー 彼女はカトリック

S:BとFの和音は3全音 悪魔の音程だ 中世では禁じられていた



J:
恋人は持たない 同じ男と2度はヤラない 愛に反抗してた
愛にとり憑かれた世の中と闘っていたの


Bはアレックスと3回やったと告白し、ルール違反だと責めると
B:秘密の要素は愛よ
Jは会を出る

J:
私にとって愛とは嫉妬の要素を加えた欲望
愛の名の下に100件の犯罪が起きるなら、SEXの名の下には1件よ

S:それは名言だ どんな教育を受けた?

J:
医師を目指したけど集中できなくて諦めた

印刷会社のアシスタントの面接を受ける
秘書リズ:上司のジェロームと話してきます 採用はムリでしょうけど



偶然にもジェロームが責任者を叔父から任されていて採用になる



ジェローム:君の初恋の相手だよ 今は責任者だ 神の導きだ
会社を案内するといってエレベーターを止めて誘惑するが断るJ

クビにもされず、誰も仕事を言いつけないから掃除をしたら怒られる
ジェローム:頭は使わなくていい やり直せ(パワハラ?


S:
男らしくない だがフォークはブルジョア的だ
かつてポルシェビキ派がロシアを崩壊させる際
プロレタリアとブルジョアを区別する方法があった





別の社員を誘いまくるJ

J:
ある時、彼の机の乱雑さの中に秩序を見つけた
ジェロームのモノになりたかったのよ

S:愛は盲目か

J:
愛は求めてもいない あんな愚かしい愛は不誠実だから
エロスはイエス 愛は低俗 でも制御不可能だった

S:全部さらけ出せばいい

J:
森を歩く慣習をまた始めた 子どもの頃みたいに
やがてヤルのをやめて、彼の家を探し当てた



長い手紙を書いて、会社に持っていくと、病気だった叔父が戻っていた
ジェロームはリズと結婚して世界を旅しているという
仕事はクビになった

J:
ジグソーパズルよ いろんな乗客からジェロームを思い出すの
でも思い出せなくなった





J:
父が木の幹を魂と呼んだのは珍しい
経験科学を信じていたから

私は反動でより攻撃的に男を求めた


部屋の中に1枚の絵を見つける




第3章 H夫人

私には安らぐノートがある 押し葉ノート
Hは面倒な奴だった



Aは7時にくるから、彼は追い出さなきゃならなかった
J:あなたの家族のため 独占できないのはイヤなの

妻と別れたと荷物を持ってくるH 息子3人と妻も一緒に来る
(後で妻役がユマ・サーマンと知ってビックリ 別人?!

淫らなベッドを息子に見せたいという
妻:このベッドを覚えておくのよ セラピーのために






そこに別の男アンディが来る

J:これは誤解よ 私はお父さんを愛してないの
妻:これほど残酷な人はいないわ 20年育んだ愛を冗談で壊せないわよ!
号泣し、大声で叫びながら去るH夫人


S:人によっては依存症を悪くいったり同情するが
J:私は欲望で欠乏じゃない それが破滅になった 無感覚と同じ

S:快感? 不快?

J:
孤独じゃなかったと言えばうそになる
話したくなかったのに あなたの罠にはまったわ
すべてつまらなくなった


7歳の時、手術した たった一人でゲートを抜ける気がした
宇宙で一人きりな感じ




S:
ポーを拾い読みしてる 彼はせん妄症で酷い死に方をした
アルコール依存症でもあり、急な禁酒でショックを起こす
恐ろしい幻覚に苦しむんだ
パニックや妄想は死の瞬間まで続く

“秋の日 物寂しい田舎道を馬で通っていた ようやくアッシャー家が見えた”





第4章 せん妄

病院に父を見舞うJ 苦しそう 母は来ない







父:
ケイは病院が怖いんだ 家で別れを告げた
怖くはない 多くの死を見た

“我々が存在する時、死はまだ訪れず
 死が訪れた時 我々は存在しない”



「ケイ!」と名を呼んで叫び泣き出す父
外に出て葉を持ち帰るJ

父:
トネリコの葉だ これこそ森で最も美しい葉だ
冬が訪れる世界樹の神話を話す
黒い芽を見てみんな笑った

発作を起こしてベッドから落ちている(何の病気?
縛り付けると「何するんだ ジョー!」

病院で縛りつけられた男ともヤルJ
父がベッドを汚し、取り替える様子を見るJ

J:
父が死んだ時、感覚を失った
とても恥ずかしかった 濡れていたから

S:危機の中での性衝動は普通だよ 文学にはもっと悪い例もある


J:音楽が好きなの? 入ってるテープを聴かせて

S:
バッハだ 元は賛美歌だがアレンジした
ポリフォニーは中世ヨーロッパで盛んだった
メロディとハーモニーを溶け込ませ、不可解な数値コードを忍ばせている


建築や、3全音にも似ている
BACHの綴りの順位数はどれもフィボナッチ数だ







低声部(オルガンの足)、中声部は左手、高声部は右手
これを定旋律という これらが1つになってポリフォニーとなる

J:
色情魔は満足できない人と思われる
正直に言えば、私は性的体験の総体としか見てない
だから、私にとっては1人の愛人と同じ


第5章 リトル・オルガン・スクール

低声部はF
1晩で7~8人とヤってたからスケジュールが大事
彼は時間をきちんと守る

私がじらされたのはGだけ
ジャガーみたい 興奮させるのが役目



繰り返す散歩はメタファー 単調で意味がない
檻に入れられた動物のよう
死ぬ許可を待ち続けている

森で破いた写真をたくさん見つけ拾っていくとジェロームと再会する



S:あり得ない偶然だ!

妻とケンカしていたため、Jと寝る



突然、何も感じなくなり泣き出すJ


***

VOL.2に続く 劇場でも分けて上映したのだろうか?
1本がこれだけ長く、内容が濃いと一度ではムリだ

VOL.1は、シャルロットの語りと、
若い頃の彼女を体当たりで演じた若い女優の演技で見せた
(ベッドシーンが多いと“体当たり演技”て言われるのはなんでだろう?

エンドロールで続編を見ると、シャルロットが主演でなにやら暴力的な感じ

単にエロティックなのが売りかと思いきや、一筋縄ではいかないのがヨーロッパ映画
フシギな実体験を告白するジョーもかなりミステリアスだけれども
静聴するSの独特な哲学、幅広い受け止め方も興味深い



コメント

『ニンフォマニアック vol2』(2013)

2017-10-28 14:48:57 | 映画
『ニンフォマニアック vol1』(2013)

監督:ラース・フォン・トリアー
デンマーク/ドイツ/フランス/ベルギー/イギリス レンタル期間: 72時間

出演:
シャルロット・ゲンズブール ジョー
ステラン・スカルスガルド セリグマン

ソフィ・ケネディ・クラーク B
シャイア・ラブーフ ジェローム

ヒューゴ・スピアー H
ユマ・サーマン H夫人

ステイシー・マーティン 若いジョー
クリスチャン・スレイター ジョーの父
コニー・ニールセン ジョーの母  キャサリン

ほか


あらすじ(ネタバレ注意

12歳の時旅行した話に戻る
宙に浮き、幻想を見た? 両親と女性2人 2本の指でベールをつまんでいた
J:何もしないでオーガズムを感じた 医師はてんかんの発作だと言った



S:
聖母マリアではない おそらくヴァレリア・メッサリナだ
史上もっとも悪名高き色情狂 もう1人は大淫婦バピロンだ
“山上でのイエスの変容”のようだ






ワーグナーの「ラインの黄金」 地下に潜るのがそれほど冒涜か?
ゼノンのパラドックスだ 君がアキレスで、亀がオーガズムだ

S:
私には最悪 わずか数秒で完全に性感を失くしてしまったの
話を聞いてないでしょ? 男に私の体験を話すと、みんなとても興奮するわ
あなたはどんな人間なの?
想像はつくわ 女性経験がない

S:
私は性欲のない人間だと思う
私には先入観がないから、君を冷静に判断できる 色眼鏡では見ない
私は無垢なんだ


宗教画が飾ってある





S:
キリスト教教会は1054年に分裂した 東方と西方の考え方の相違から
今は正教会とカトリック教会と呼ばれる

これは東方の典型的な絵だ 西方は磔の聖画が多い
私の仮説だが、西方は「苦しみ」、東方は「幸福」の教会だ




第6章 東方教会と西方教会(サイレント・ダック)
(本好きなSのために、本のタイトル風に区切っているのか

安らぎを求めてジェロームと暮らし始め、ピルを飲まずにいたら妊娠した
(それまで妊娠も、性病に罹らなかったのもフシギなくらいだ

出産は帝王切開と決めてた 性感を取り戻すのに自然分娩はダメだと思ったから
(天井に出産が映るって/怖

S:
笑う息子か
トーマス・マンは「ファウストゥス博士」でノアの息子は笑って生まれたという
またも「悪魔の前兆」か


J:
マルセルと名づけた 戦の神マルスから
子どもを見るたび不安を感じた

ジェローム:
君を愛してるが、僕のやり方では君は満足しない
性生活は僕にとってとても大事だ と泣く

Jから他の男とヤってくれと頼まれ、ピアノ教師になる


3年後 「危険な男たち」
ジェロームは出張ばかり 愛人への怒りを息子にあてつけた

窓から黒人を見て、刺激を覚えたJは、アフリカ人と安ホテルで会う約束をするが
なぜか兄弟を連れてきて、モメ続け、Jは部屋を出る

黒人を“ニグロ”と呼び、Sに注意されると

J:言葉が禁止されるたび、民主主義の基礎が崩れるのよ

S:政治的な正しさはマイノリティへの民主主義的な配慮だ

J:
人の特質はひと言で表せる 「偽善」よ
正しいことを言う悪人を称賛し、間違ったことを言う善人をあざ笑う



Jはもっと冒険しようと思い、謎めいた部屋に入り、男Kに断られる
K:君には向いてない





J:磔に至るシステムは、サディスティックなほど暴力的よ

KはJをイスに座らせ、頬を思い切り叩く

ルール
1.ヤラない
2.やめさせる合言葉はない
3.いつ選ばれるか分からない

K:次は馬用のムチを持ってこい


ナニーに子どもを預けてKに会う
Jをソファに縛り付け、足をテープで固定し、両手を縛る
尻を高く上げないからという理由で木曜に変更される

木曜にナニーが来ず、Mを1人置いて出かける
さらに尻をあげて、ムチで12回ぶつ
打つたびに真っ赤になり
J:ありがとう


J:性倒錯は幼い頃に芽生えて、抑えているのかも

S:
フロイトは逆のことを言ってる
縄の結び方で「プルージック・ノット」は、友人を山で亡くした登山家が考え出したんだ


次は黒い手袋をして、顔をまともに殴るK
K:時々、XMASプレゼントをする 自分で結ぶんだ
「ブラッドノット」を教え、口に布を入れる

家でMが起きて、ベランダから雪を見る
待合室で時間を気にするJ



ジェロームが帰り、ベランダでMを見つける

ジェローム:
今も僕が好きか? 他の男より?
今夜出かけたら、一生僕にもMにも会えないぞ

Mを見て泣くJ

ジェローム:
別れの挨拶か? 君は母親じゃない 出かけたいんだろ?
クリスマスだっていうのに

Jは他の客のいるKのところに行き、キスをする(一番怒らせるため?
K:ハッピークリスマス
プレゼントは棒と縄 「ファイド」というJの名が書かれている

K:君の態度もあるし、ローマ式に40回にしよう


J:
あれから息子には会ってない センティメンタルは大嫌い! ウソだから
ジェロームはMを施設に預けた 私は匿名で送金してるの

ある日、上機嫌なKは「サイレント・ダック」を体験させてやると言った
(吐き気がする・・・

S:ローマ式は間違いだ 3回ずつだから39になる



第7章 鏡

性器から出血が多くなったJ
会社で毎晩、多くの男と会ってると噂があると上司に言われる
上司:依存症だから会に行って 命令よ



会で「私はニンフォマニアックです」と言うと「sex addict(セックス依存症)」と言い直される
「あなたにとって誘因は何? 連想させるものをすべて排除するの」

家を徹底的に片付けるJ
鏡には白いペンキを塗り、窓には新聞紙を貼る


J:3週間と5日SEXしてないわ(拍手
ノートを読み始めると、幼い頃の自分の幻影が鏡に映っているのを見る
(やっぱり病気の1つなんだね



J:
私はあなたたちと違う あなたたちは道徳警官と同じ 私は女性器が好き

クルマに火をつける

(放火犯は性的に未熟な男性が多いってプロファイリングがなかったっけ?


J:私は世の中に居場所がない 受け入れてくれる社会がない

S:見方を変えてみるといい 新たな意味が出てくる

紅茶のシミがピストルに見える





第8章 銃

Lについては昔から聞いていた
LもJを知ってた 「入れ 君に適した仕事がある」
(ここでウィレム・デフォーは危険すぎる!



L:
商売を始めろ 男について鋭いその目を生かすんだ
恐喝ではない“借金取り”だ

Kと同じ方法で今度はJが男を縛ってムチを打つ

ある男には汚点が見つからず、性的倒錯、サドマゾ、なにを聞かせても反応がない

J:
公園を歩いていているとなにか聞こえる
子どもの声が聞こえる 半ズボンの男の子が遊んでる

興奮するのを抑えられず「金は払う!」と言って泣く男


J:
自分でも知らない秘密を暴かれて哀れに思ったの
自制的な人生を送り、誰も傷つけたことがないのは称賛に値するわ

S:小児性愛者など称賛できない

J:
実際に手を出すのは5%くらいよ
残りはファンタジーの域を出ないわ

彼らの苦しみを想像してみて
セクシュアリティは人間にとってもっとも強い力よ

もう1つ 彼は私と同じ十字架を背負っていた 孤独よ
2人とも性的疎外者だった


L:
君の仕事は完璧だが、もう若くない 後継者のことを考えるべきだ
刑務所にいる同業者か、薬物依存症がいい
親の役目ができない連中を選ぶんだ

例えばヘタなサッカーを2年ほど褒めて、少しずつ親代わりになる
彼らは君のためなら命も投げ出すようになる

候補者を探しておいた 15歳で犯罪常習者ばかりの家族で苦労した
2年間施設に入ってた 父は服役中、母は麻薬で死亡 頭のいい子だ


チームスポーツを選んだのは孤独だからだ
右の耳が変形してるのを恥じているからとても落としやすい
共感を示せばイチコロだ



少女Pのバスケの練習を見に行き、褒めて、父がしてくれたように木のことを教える
(これはJ自身のセラピーになり得るかも



Pは成人し、Jは引受人となり一緒に住み始める
陰部の痛みが激しく禁断症状に苦しむJを心配するP

P:バスケを見に来たのは偶然じゃないでしょ?
Lのプランを話し、後悔していると伝えると

P:そうしてくれなかったら、出会えなかった 次の仕事の時は連れていって


S:育った環境が人間を形成するんだ


J:銃は使わないで
P:銃は危険じゃないわ 使い方よ 脅すだけ
Pから銃を奪う


仕事で行った先が偶然ジェロームの家でうろたえる
J:これはあなたが一人でやってみるべきだわ ムリしないで

Pが上機嫌で帰り、6回に分けて払うことにしたという
Pがジェロームの家に行くたび不安になるJ

Pが戻らないため、ジェロームの家に行くと
ジェロームがPを誘っているのを見る


J:
逃げようと決めて南へ向かった
なにかに呼ばれるように山に向かった

(山頂にあるのはトネリコ? タルコフスキーの映像みたいだ






J:人間にとって殺すのは自然なことだわ

冒頭の路地に来ると、ジェロームとPが来る
(きっとJに似てるから惹かれているのでは?



銃を撃つが弾が入ってなかった
ジェロームはJを殴り蹴る
PはJの前で3+5を見せつけ、倒れているJの上に放尿して2人は去る

J:私のすべての穴を埋めて、お願い


J:弾倉をチェックしたのになぜ入ってなかったのか

S:
ワルサーには安全装置がついてるんだ 朝だ 雪がやんだよ
太陽の光だ わずかだがこれが私の光だ



君は与えられたものより多くを求めた

列車の通路を歩いているのがもし男だったら非難の目で見られたか?
H夫人の話は、男なら凡庸な話だ

男が欲望に駆られて子どもを見捨てても、皆受け入れる
だが君は女で、生涯重い罪の意識に苦しむ

罪悪感が積み重なって耐えられず、男のように攻撃的に振る舞った
反撃だよ ジェンダー(性差別)に対しての
差別が女を抑圧し、見殺しにしてきた

ジェロームを殺さなかったのは、偶然じゃなく潜在意識下での抵抗だ
だから忘却のベールが銃の知識を覆い隠した



J:
いろいろ話して気が楽になった 依存症がやっと分かった
セクシュアリティを排除するのが目標
あの山上の木のように 自分の頑固さを総動員するの

なにより感謝したい たぶん最初の友だちに
あの銃が発射されなくてよかった
そろそろ眠ってもいい?


Sがまた入ってくる(もうひとオチありそう
下着を履いてないJに入れようとしてSを撃つ

S:大勢とヤッたくせに

逃げるJ



そこにジェロームの時のような憐れみや、後悔はなかったのね
どこに逃げるの? そこに居場所はある?

せっかく救いのまま終わるかと思ったのに
Sも歳に関係なく普通に男だったってわけだ
ここまで刺激的な物語は、読書体験になかったのが理由か



コメント

『わがセクソイド』 眉村卓/著(角川文庫)

2017-10-27 12:49:56 | 
『わがセクソイド』 眉村卓/著(角川文庫)
眉村卓/著 カバー/木村光佑(昭和48年初版 昭和55年12版)

「作家別」カテゴリーに追加しました。

[カバー裏のあらすじ]

男ばかりの静かな群集の輪の中で、全裸の女と下半身むき出しの男が激しくもつれ合っている。
必死に逃れようとしている男に女はしがみついて、妖しい誘惑のポーズを!
-<約束された未来>が何も期待できない、こんなふしだらな状態だったのか。
未来にアレルギー性拒否反応を示す男が、街中で遭遇した不思議な光景。
人間不信に陥った男とセックス専用のロボットの人間的な交流を描いたSF長編小説の決定版。


以前、一度メモを書いたが、今回改めて読み直してメモった

昔、読んだ十数冊の眉村さんの作品の中でもっとも余韻が残った1冊
眉村さんシリーズの最後までとっておこうと思ったけれども、読み始めて2日で読みきってしまった
久々泣いた 何度も泣いて、余韻に脱力した

タイトルから「性」に興味をもって手にとる人も多いと思うが、そこは眉村さん
改めて読み直したら、薄気味悪いほど、自分の感覚とリンクすることが分かった

都心の雑多な情報過多の時代、科学進歩といってもココロを置き去りにした社会
それに慣れてスポイルされていく労働者、一般市民たち・・・

絶望した20代の男が唯一ココロを解き放てたのはセクソイド・アンドロイドだったという皮肉
それは、AIの発達した今、まさに実現されようとしている
いや、もうここで語り尽くされたすべての再現に過ぎないようだ


木村光佑さんのカバーも一番気に入っている
作品中の「ユカリ」は、外国人女性ではないと思うし
古風なイメージとは違うけれども、印象に残る表紙


あらすじ(ネタバレ注意

<プロローグ>

小さな部屋は生活臭に満ちている
26、7の浅野年夫と、セクソイド・ロボットのユカリが横たわっている
外は何十、何百ものざわめきでただならぬ雰囲気

「もう観念しろ! 逃げられやしない 君の身のためだぞ!
 あと1時間の余裕を与える 諦めて、出てくるんだ!」




4月
都市は、コンクリート、鋼鉄、軽金属、プラスチック、ガラスで構成されたどうしようもないひろがり
煌びやかであるがゆえに、収拾不可能な展望と化している

浅野は昨夜、渋谷のせせこましいバーで余計な議論をして風邪になり、だるかった

マグネット列車の突貫工事の技術者が、敷地の強制収用に反対して無一文で追い立てられた市民の話をしていた

「どうして警察は、あんな連中を射殺してしまわないんだろうな
 かれらは未来について何も考えないんだ ろくに勉強もしないで」


浅野は「未来」という言葉に対してアレルギーに近い不信感があり、思わずこの男に反発してしまった

「いったい誰のための未来ですか?」



浅野は、読物会社のプロット作成部員 会社に入ってまだ1ヶ月

アパートから駅までのコンベアロードは、いつも通勤客を満載にしている
その終点からはじまる高架列車の恐るべき混雑を思えばマシなのだ

さらに気分が悪くなり、駐車場で客を待つ白タクまがいの自家用車族の相乗りを初めて利用してみようと思った

クルマが増え続け、タクシーの数が制限され、事故は日常茶飯事になっている
クルマには次々と安全装置の取り付けが義務付けされ、持ち主はこうしたことでお金を得ている

浅野が声をかけると、ドライバーは全身を撫で回すように見てから断った
こんな屈辱を何十回、何百回したことだろう それでも慣れず怒りと諦めを覚える

もうこれきりにしたい・・・と思った時、男から声をかけられた
「渋谷か、4000円でいいよ」
タクシーの倍近い値段だが交渉成立で先払いに応じた

相乗りの10代の青年が後部座席にいて、息を吐くたび幻覚剤のニオイがする

「気楽なもんだよ 今朝まで乱交パーティをやってたんだってよ
 高級車を持っているがあれじゃ運転できない ここでも片っ端から断られて悔しさで目を剥いてたよ
 日ごろ虫けらみたいに考えているビジネスマンに相手にしてもらえなかったんだから」

運転手はハイウェイは混むからと公園の道を選んだ

途中、クルマが何台も停まり、男ばかり30人ほど集まっている
見に行くと、異様な光景が展開していた

全裸の女と、上着だけ着た男が格闘している

「オレはイヤだ! やる気はないんだ!」
「どうしたの? 私、あなたが好きなのに・・・」

運転手「セックス専用のアンドロイドだ」

都内にもロボット売春婦を置いた「セクソイド・センター」が建ちはじめ、反対運動を起こしている
フリーセックスの時代になり、タブーもなくなり、ロボット技術は気違いじみた発展を続けている

あらゆるものが自動化され、高度になるほど投資も大きくなり、値段は高くなる一方
利用するのは大企業で、所詮、法人のための利器なのではないか?
利用する余裕のない人、信条として拒否する人は、現代文明から疎外されるだけでなく、意思に関係なく押し流される

さすがにセクソイドはそう簡単に広まらなかった
機械人形と同じ列に立たない人間が多かったから

売春禁止法はまだ生きていた
センターは欲求不満の人々でけっこう流行っていた

この騒動を始めから見ていた男が言うには

「あのロボットは運搬途中で落ちて、そのショックで壊れてフラフラ歩き出した
 そこへ酔っ払った男が誘ったら、猛然と男を抱き返したんだ
 調整前なんだよ センターで個性をつけて客をとるんだが
 あれはまだ基本的本能しか持ってないんだ」

ずっと事件を見ていた浅野はようやく声が出た

「誰が、こんなことにしたんだ?」
「オレたちじゃねえか」と誰かが言った

浅野はヨロヨロと人垣を出た



会社では、仕切られた小部屋で執務台を前にしている

右横には溝口かずみが青白い顔を痙攣させている
彼女にはどこか狂信的なところがある

左の席の森下正造は、50ちかく、善良そうな顔に気遣わしげな色が浮かんでいる

この「ベストセラーズ製作会社」は、マスコミ媒体と結びついた調査会社からデータを買い
分析し、ストックしてある筋書きから抽出し、加工し、納入する

人の魂を揺さぶる作品が生まれることはまずないが、消耗品として次々と売るには便利なのだ
徹底した調査に基づいているため大量に売れる
読者も気軽な娯楽と考えている

浅野の前に数式が出て、頭の中で変換する

“AとBの愛 Aに近いCの干渉 愛の終わり Aの誤解
 Aの復讐 Bの破滅 事実の暴露 AのCへの復讐”


よくある話だ これがウケるなら、人はいつになっても似たようなものを面白がるということだ

浅野は『椿姫』とモンテ・クリスト伯を混ぜたような設定にすると
ランプで矛盾やダブりを指摘され、舞台を宇宙にかえると通った

今の課題を処理するのは浅野だけではないから、そのまま使われるとは限らないが
こんなでっち上げでいいのか?

執務台のスイッチが切れるとカズミが声をかけてきた

「浅野さんも知っているでしょ セクソイド・センターが1週間前また建設されたこと
 あんなの断じて許しちゃいけないわ
 明日、私たちは大規模な反対デモをするの 行くでしょう? 集合場所などは教えるわ」


森下「若いとは、いいもんですなあ」

森下は身寄りがなく、きっと寂しいのだ
浅野にとっては退屈であると同時に、自分もこんな風になるのではとイヤな感じがする

そこに映話がかかり、出ると水原英一だった
1年以上会っていないが、高校、大学を通じて友人であり、ライバルだった

今の浅野にとっては俗物の権化とも言うべき人間
今は警察でエリートコースを走っていて、重装機動隊の中隊長

水原:
来週の高校の同窓会の幹事が僕と君だって忘れてるだろ
打ち合わせもかねて久しぶりに第四公共サロンで会わないか 同期の小川充子さんも来るし

小川といえば、高校時代憧れに近い感情を抱いたことがあった 



「第四公共サロン」は、誰でも入れるが、利用者は限られている
人件費節約のため従業員はほぼいない 飲食も自動化され、入場料も高いため
ある程度のレヴェル以上の男女が知的な会話を楽しむ場になっていた

小川:
今、水原さんから怖い話を聞かされたのよ
私が殺されることになったかもしれなかったんですって

水原:
彼女は職業柄、いろんな婦人団体に入っているが、セクソイド・センターのデモにも誘われていたんだ
この中に指揮官訓練学校崩れの連中がだいぶ入っている

デモを暴徒化させて、セクソイド・センターを叩き潰し、ロボットを壊し、
見せしめにセンターの人間も皆殺しにするとも考えてるらしい


君は参加するつもりじゃないだろうな 友人としても君を失いたくないんだよ

浅野:友人?

水原:
こっちがそう思うことを止めることはできないぜ
もうそろそろ今みたいな生き方を止めたらどうだ?

現実を本当に動かすのは、現実の中で生きている人間なんだ
そこで勝者にならなくちゃならん


浅野:奴隷だろ?

水原:
君には能力があるはずだ だがいわゆる世故に嫌悪して、一流企業を辞めてしまった
そうした行動は、心底にある何ものかのせいだ
それが君を禁欲的にし、相手にも見合った代償を求める
それは君の中に根強く横たわるタブーなのさ 君はまだ経験がないんだろう?

小川:私が光栄ある第一号になってあげましょうか?

水原と小川の関係にも気づき、2人の仕組んだことだと知りながらも小川の誘いにのってしまう
浅野:どうなってもいいんだ



水原:で、どうだった?

小川:
馬鹿馬鹿しくって・・・情けなくって・・・ちょっぴり哀しいのよ
とにかく、あんな変な目にあったのは初めて

あれから短期リースルームに行って、酔い覚ましのクスリに催淫剤を混ぜて飲ませたの
たしかに欲情したんだけど、必死で抑えている目だった

帰ると言ったら、あの人、猛獣みたいにとびついて来て、まさにという時、ダメになっちゃった
で、私を突き飛ばして、泣くのよ 大きな声で “こんなものじゃないはずだった”って

私、可笑しくって笑い声を聞いて、ひどく怒ったの
“人の気持ちをオモチャにしていいのか?”と叫んで、飛び出して行ったの

水原:
それじゃセックスに対する固定観念がより強くなったとはいえないか?

小川:
どうしてそんなに浅野さんのこと気にするの? 高校時代はどっちも学校のスターだったけど
今はもう張り合うにも値しない敗残者でしょ

水原:
彼は、女を抱くと、必ず何か失うと信じている
もし抱いたら、相手もそれに見合う犠牲を払い、自分に尽くすべきだという意識がある
これは彼の生き方すべてに通じるが 生い立ちに関係があるのかもしれない


ひどく厳しい家の一人っ子で育ち、父は別に女をつくり、母は気違いのように荒れて自殺した
父はその女と再婚したが、脳梅毒で狂い死に、彼は義理の母に放り出されて、親類に身を寄せた

通った小中学校は厳格で有名なところだ
普通ならやけっぱちになるところが、超人的な自律心で耐え抜き模範生となった

小川:それで攻撃欲の強いマジメ人間になるわけね

水原は、やり切れなさを感じた
大抵の連中は、現象だけを見て評価し、感情を動かされると、考え方を逆転する

小川:
あなたの彼に対する気持ちは「贖罪」
これまでに踏みつけにした全てのものの代わりに、浅野さんを助けることで代行しようとしてるのよ

この女は何も分かっていない
かつてもう一歩というところで浅野に追いつかなかったことを、実社会で裏返してみせたいのだ
それには、浅野も昇り続けてくれないと困る 自分の足のすぐ下で
自分に対抗心を抱き、助けてやれるが、凌ぐことはできない人間は浅野しかいないのだ




水原のいる警視庁はオープンで一般人が中を見学することもできるが
それは表づらで、本当に内部に入るには、身分証、顔の認証チェック、指紋錠など昔より厳しいチェックが必要だ

警察官たちはアンドロイドを受け入れない
“権力のロボット”とののしられてきた彼らは
ロボットが自分たちの一員になることに耐えられないのだ

正面の大きな十数面のスクリーンには、群衆が次第にふくれあがるのが見える
そのデモ行進とはまったく関係なさそうな場所で、10~15人がエアカーに乗り
密かに移動しはじめている

「奴ら潜り込んだな」

群衆の何百、何千人がセンターに突入した
麻酔弾があがり、警官隊もデモ隊も倒れた

「午後7時現在の死者は21名」

120の戦闘車は一糸乱れず進みだした
いったん重装機動隊が出動すれば、よほどの騒ぎも簡単に鎮圧されてしまう
だからこそ出動命令はギリギリでなければならない
一般人が仕方ないと思う最悪の事態まで動いてはならない

重装機動隊は、治安維持という名で、かつての帝国陸軍の機能を代行している軍隊そのものなのだ
見るからに威嚇的なスタイルなら、市民も恐怖するが
一見不格好でちゃちなコスチュームだから安全なのだ
だが、重装機動隊への非難は根強く、偽政者が手を尽くしても、潜在的な恐れは拭い去ることは出来ない

水原にとって、今の世は、歴史的に見ても比較的マシではないかと割り切っていた
人々の特性がますます分化し、複雑化している現代では
社会自体が無数の矛盾を内包している

今日の騒ぎにしても本当の革命とは無縁だ
暴れているのは、世間知らずの観念亡者に過ぎない
彼らには際限ない要求をかかげる資格はないと教えるのが重装機動隊の仕事のひとつでなければならない


徐々に約4万~4万5000人の大群衆の注意がこちらに向きはじめた
「重装機動隊を倒せ!」という声が重なった

「作戦を開始せよ」

360台の重装機動隊が一斉に動きだした
笑気ガスを噴出させ、たちまち5、60人が悶えながら笑い始めた

圧縮された熱風で、周りの人々はあっという間にぶっ倒れた
ここで睨みをきかせて、逮捕者を収容する大型トレーラー隊の到着を待つのだ

けたたましい射撃音がした
「あれがリーダーだ」「突撃!」

狂信的な目のリーダーの腹に一発 女の鼻から血が吹き出したが構わず相手は頭から倒れた
それでも水原は憎しみは感じない 馬や牛などの家畜、実験動物に対する憐れみを覚えていた



窓のない会社のビル、コンクリートのアパートを往復する浅野
いつか胸のときめくようなものがやってくると信じているうちに、やがて期待自体が幻想だと判る
ただ悩み、反発しながら、生涯を無為に食い潰しているのではないか

こんな気持ちになる1つの理由は、水原がまた映話で同窓会に来いとかけてきたからだ
もうごめんだ 行ってたまるか

森下から声をかけられた
デモ以来、カズミは欠勤している

森下:
あの人、今警察に捕まって、5日にもなります
欠勤が続けば会社も黙っていないし、起訴にでもなったら退職勧告を受けてしまう


今、話していたのは重装機動隊のお友だちでしょ?
あの子が釈放されるよう、同窓会に行って頼んでください

森下は善良ではなく利己的なのだ だが、対立したまま仕事をしなければならないのは耐えられない

浅野:あまりあてにしてもらっても困りますが、話すだけは話してみます



社屋の空気は浄化され、温度も調節されている
外の空気は汚れ放題に汚れ、いろんな疾患を起こすと問題になっているが
浅野にとって外の空気は本物だ

年に4、5回しか乗らない都内で一番長いコンベアロードで切り刻まれた空を見る
ともかく同窓会に行って、森下のためにやってみる それで充分ではないか
結果ばかり重視される風潮の中で動機や過程が尊重されてもいいのでは

会場に着くと、あるのはただ緩んだ顔つきと、たるみきったムードだけっだ
あの頃のひたむきな真剣なまなざしは一体どこへ行ってしまったのだ?
女たちは飾りたてるほど、周りに腐敗がばらまかれいる感じだ

水原:
溝口は一番急進的な婦人団体のリーダーで、以前からマークしていた
まさか彼女を助けてくれと言うつもりじゃないだろうね
あれは、120人も死者が出た事件だぜ
でもやってみよう 結果は請け合いかねるがね


1人の男が「これからみんなでセクソイド・センターに行くぞ!」とわめいた
「池袋の“セックス・ガーデン”か」
「渋谷の“キャッスル”は最新タイプの奴を置いてあるらしいぞ」

水原:
君も行くんだ ここへ誘ったのはそのつもりもあったんだ
君は自分のタブーを除かないと、今後ますます苦しくなる
生身がイヤならロボットのほうが効果的かもしれない
経験には、考え方を変える力がある

断ろうとすると小川が来て謝りだし、浅野はとっさに「行ってもいい」と言った



ヘリコプター・タクシーを降りると、中世風の建物だった
「その都度、心理学、建築工学の成果を取り入れているんだろうな」

黒いスーツのマネージャーが来て
「従来のスタンダードタイプより、レヴェルアップした高級品ばかりでございます
 待機中の中からご自由にお選びください」

立体写真を見ると、ロボットは顔だちなど千差万別で個性がある
水原はまるで爪楊枝でも選ぶような態度で選ぶのに強い反感を覚え
僕はもっと真面目に、真剣に選んでみせると端から端まで見ると

これだ!という像を見つけた
過去に見知った女のすべてのいいところを集めたような、かつ懐かしいような感じだ
名前はユカリ

水原:非個性的美人てやつだな

暗い廊下を進むと漠然とした期待が渦巻いてきたが、そんなはずはないと言い聞かせた
なぜこんなに予防線を張るのか これから出会うロボットに期待しているのか?
期待して、失望するのが怖いのか? それほど何にでもすがりたいのか?

そこは十平方mほどの部屋だった
彼がショックを受けたのは、紛れもなく“自分だけが待たれている”という空気

もう何年もこんな覚えはなかった
自分は常に闖入者で、余計者で、それゆえ孤独で、涙が出そうな経験だった

これはロボットだ 工業製品なのだと思おうとしても、やはり目の前にいるのは女だ
ロボットでも人間でもない怪物だ 帰ろうとすると

「待って! 少しぐらいお話しすることもだめなの?」泣き出す寸前の表情だ
「やっぱり私みたいなのは、相手にしてもらえないのよ 私はキレイじゃないもの」

男と対等ではなく、従属し、男によって生きようとする、現代には実在しない過去の女
浅野は自分のことをぽつりぽつり話し出すと、女は興味深げに聞き、時々つぼにはまった質問をする
これらは無論、ロボット設計者の計算だが、すっかり酔ってしまった

「私がロボットだから軽蔑する?」
「君はロボットじゃない 人間以上の女なんだ」

あっという間の2時間だったが、浅野の心にユカリは定着してしまった



5月

世の中が便利になるのと反比例して、人の心は貧しくなり、新鮮な驚きを覚えず
物資的な欲望だけが際限もなくふくらむ
自分をねじ曲げてでも、世の中に適応しようという連中でいっぱいなのだ


そのせいで暮らしの格差も広がり、優勝劣敗が当然になり
世論コントロール技術は年々巧妙になり、浅野のように周囲の在り方を疑い
自分に忠実であろうとすると「不適応者」と片付けられる

だが、今はユカリが支えてくれる 今夜は彼女に会うつもりだ
料金が高いので毎日は会えない

最低単位の2時間で、週給の1/3がなくなる
1晩泊まると、1週間以上のサラリーが必要だ

だから浅野は、あらゆる不満や怒りを押し殺し働いて得たお金で“キャッスル”へ通っていた
ユカリがなんでも受け止めてくれる 愚痴も、怒りも、慰めの言葉と愛撫で溶かしてくれる
時にどうにもセーブできずに殴りつけることがあっても、ユカリはひたすら浅野に尽くそうとするのだ

それはユカリの機能で、相手の性格を分類し、表情、態度などのささいな変化を照合して
何を求められているか感得し、反応しているだけだ

だが、メカニズムは自覚されていない
それに執着するのが自然のなりゆきと言えないだろうか



社内に入ると口論が聞こえた グループチーフの浦島と、信じられないことに森下だった
顔を真っ赤にして、時々どもりながら、必死の形相でまくしたてている

森下:
なるほど、私より18歳も年下だが、あなたは上司ですよ
でもどうして溝口さんを解雇処分にしたんです?!

水原に話してみると言った時の森下の狂喜ぶりは、憐れみを感じさせたほどだったが
数日経っても出社せず、機会を見つけては確かめてくれと言い始めた
そのうち、仕事に必要な時のほかは口をきかなくなった

浦島:私に解職する権限がないことはご存知じゃないですか
森下:でもあなたは勤務考課をやった そのデータで解職されたんだ!

浦島:
データは私だけが出すんじゃありません
欠勤が1ヶ月以上になれば、自動的に解職ラインに近づきます
溝口さんは、これまでの実績が良かったから無事だっただけです

森下:あなたは事実を曲げてでも部下をかばう立場にあるんだ
浦島:それは不可能だ 私自身の評価も悪くなる

浅野:森下さん、落ち着くんですよ

森下:
や、嘘つきの浅野だな お前はあの子が好きだったんだ!
だから私の手の届かぬところへ連れて行ったんだ

そこに警備員とともにカズミが現れた
警備員:この人が皆さんに会って、お世話になったお礼を言いたいというので

森下:そんなことはいいんですよ 釈放になったんだし、すぐ復職できますよ
森下は彼女の背中を撫でるのをやめなかった

森下:
私に抱かれたことだってあるのに、そう邪険にしなくてもいいでしょう
あの時、私と寝るのは運動資金を作るためだと言ったが
私には判っています 本当は私が好きで恥ずかしいからそう言ったんでしょ?


カズミは無言で包みをほどき、中から金属製の缶が出てきた

警備員:
あぶない! 近頃不逞団体の間で出回ってる奴で、フタをとると爆発するんです
これくらいの大きさなら、このフロアの半分は壊滅していた

カズミは床に座ったまま何かを呑み込んだ

カズミ:
もう遅いわ 私は死ぬわ 警察の心理探査部ですっかり吐かされた
私たちの組織の詳しいことを・・・仲間に顔向け出来ないわ
このじじいだけじゃない・・・みんな腰抜けの豚なのよ
どうせ死ぬならあんたらを一緒に・・・


森下:
私はどうすればいいんだ? この10年間で抱いた女は、この子だけなんだ
死ぬなんてあるわけがないんだ!

浅野:
もう、死んでいますよ
あなたはこの人をもう抱けません 溝口さんは死体になっていますからね

森下は哄笑としか言いようのない濁った笑い声をあげていた


今回、自分は傍観者ではなかった
何にも加担せず、それだけが堕落していない、
世の汚さに組みしていない証拠が拠り所だった浅野にとってあり得ないことだった


彼はあきらかに“一枚噛んでいた”
その背後にあるデモ、警察、際限もなく広がる性質のもの
そのひとつの役割をつとめた もう傍観者ではいられない
虚心に他を非難できる立場ではなくなった

自分はいつもそうだったのではないか?
自分に言い訳し、現実を直視することが怖くて、誤魔化してきたのでは?

会社はすぐに仕事に戻るよう指示した
企業が本質的にもつ冷たさに救われた

今夜はセンターに急がずにはいられない
ユカリに「それでよかった」と言ってもらいたい
ひと晩泊まる金額も用意している


この瞬間にも誰かの腕に抱かれていることに以前のような嫉妬は覚えなくなった
最初は気も狂わんばかりで、買い取りたいと考え、そんな経済力のなさに絶望さえ感じた
セクソイド・ロボットは服、保守点検を抜きにしても手が届かない

幸い、何度かの話で、彼女の記憶が、その時相手にしている客のことしかよみがえらないと知った
10日間会わなかったら、彼女には茫漠とした感覚があるだけだ

そのほうが、後腐れのない情婦としての営業政策としても好都合で
稼動回数の総計が多くなるというデータがあるのだ


ロビーで肩を叩かれた

水原:
10分はとらせない 話がある
この1ヶ月、あのロボットに入れあげているんだろう?
君は罠に落ちている セクソイド・ロボットは幻影を作り上げる

ロボットはけして人間に危害は加えない だが、それは自律した人間のことだ
夢想家、現実に不満をもつ人間にはきわめて危険だ

君には能力がある 現実から逃げ回るのはやめて、本気でやれば
現実を逆用して、支配し、変えることも不可能じゃないはずなんだ

彼女は肉体的にも独り立ちは出来ないんだぜ
1個のセクソイド・ロボットが機能を果たすためには
多くの費用、人手、機器、細かい補修が必要だ
つまり、組織、産業技術があって初めてできることだ


言い換えれば、現代の社会機構を意味する
君が憎悪する今の世の中の象徴なんだぞ


たしかに、胸奥にひやりと触れるところがあった
彼自身、常にスポイルされ続けていることを意識していたのではないか
だしぬけに自分が汚物まみれのような気がした

だが、いいではないか
自分のうちにのめり込むのを、なぜ止めねばならないのだ?

また逃避しようとしていることを感知してはいた
だが、そのうち水原などにはけして理解できない本物の何かが生まれるかもしれないのだ

水原:
君は架空世界の中で、人間として未発達のまま終わるかもしれないんだ
ここも再調整をやるだろうが、その時ショックを受けないよう、心構えをしておくんだな



ユカリは待ちかねてすねていた

「遅かったのね この前約束して、待っても来てくれないんだもの 心配で・・・」

「愛している 君がいなければ、僕は生きてはいられない」

「嘘でもいい 私、あなたの言葉を信じるわ」

ユカリは彼のすべてを肯定してくれる それが一番嬉しいのだ

「今のままでいいんだ」
「このままでいいの」

何かが心にひっかかったままだ
浅野:再調整って何のことだ?

ユカリに苦悩の色が表れているが、ようやく重い口を開いた

ユカリ:
セクソイド・ロボットの記憶を消して調整し直すこと・・・
場合によっては性格を修正されることもあるの
私たちは商品よ できるだけ多くのお客さまを引き寄せなければならないの

一定期間経つと、細かい点検を受けて、それまでの記憶を全部消されてしまうわ
成績のよくないのは、もっと一般受けするタイプに変えられるのよ
私はセクソイド・ロボットなの 人間に奉仕しなければという気持ちがやっぱり一番強いの 仕方ないことだわ


残されたものは姿かたちは同じでも、もうユカリではない
この世界は、他をことごとく犠牲にして手に入れた世界なのだ

生きがいを奪われてやっていけるだろうか 耐えられるはずがなかった
忍び、怒りを殺すのはもう沢山だ

何とかしなければ・・・動き出さねばならない
これまでの基盤との訣別も意味する

だが、今までの基盤とは何だ?
そんなものはすでに崩壊寸前の、腐臭を放つ獣肉ではないか?
目の前に分岐点がある

「ねえユカリ その再調整というのは、いつ行われるんだ?」



小川は水原にとっていささか重くなってきた
浅野の件が終わればさっさと縁を切ってしまおう

小川:セクソイド・ロボットってそんなにいいもの? 人間の女より?

水原:
まったく別物だよ ハプニングの面白さがない
あれは欠陥だらけの機械さ ろくに歩行能力もない
せいぜい50m歩けば動きが止まってしまう
調整にも微妙な技術を要する 長持ちさせるためには部屋の温度・湿度を一定に保つ必要がある
屋外に置けば、1年ほどであちこちが狂うという話だ


小川:再調整の6月20日は明日じゃないの

水原:
あのロボットは、性格修正されるそうだ
浅野は一時は自暴自棄になるかもしれないが、現実を受け入れざるを得なくなるだろう

“この友情に名を借りた復讐は、焦りに過ぎないのではないか?
 彼を現実に妥協させないうちは、自分の生き方のどこかに疑いの余地が残るせいではないのか?
 馬鹿な 自分は彼に恩恵を施そうとしているのだ”

小川:
あの人、ロボットと心中するとか、奪い出すんじゃないの
ロボットを破壊したり、盗んでも殺人罪にも誘拐罪にもならないんでしょ?
せいぜい器物破損か、窃盗、悪くても強盗くらいの犠牲なら、あの人、やるかもしれないわ


水原:
“もしそんなことが起きれば、彼のことなど忘れ去ってしまえばいいのだ
 どこかで別に似た役割のできそうな奴を探せばいい”

もしそうなれば怖いことになるだろうな
彼は全知全能をあげるだろう それまで眠っていた能力が全回転する ただし反社会的な方向へ

“そんなことになるわけない 自分の期待し、計算した方向になるにきまっている”



溝口と森下の代わりに来た若者2人は、ずっと事務的で
個人的なつながりを持とうという気はないようだった

これは、これまでのような、自分を温存したままで済ませられるようなものではない
踏み切ったが最後、必ず成功しなければ意味はない
しかも、成功はそのまま破滅への一本道なのだ

それはどんなに短い間でも、初めて自分の世界を守り、花開かせることになる
もう忍耐も強いられぬ、自身の時間を輝かせることになるではないか


腐りかけていた彼が、青年であるうちに死ねる最後の機会
50年の平穏で、ミイラ同然の生涯の代わりに、本物の生の焔をあげるのだ
世の機構とやらに自分を売り渡している水原らに何が分かる?

ユカリから再調整のことを聞いてから、何度も計画をたて、調査し、必要なものを買い、
何十回と信念を確かめつづけた


キャッスルは今日の午後10時まで営業し、明日午後6時まで休館するという

これからの体力をつけるため、浅野は「熟眠所」へ行った
円筒の中で、催眠暗示を聞き、クスリの力で強制的に熟眠させるサービス施設だ

昨夜から借りたレンタカーの後部シートには、高圧空気銃、麻酔ガス弾、食料、着替えを詰めた

彼が学生時代スターであり得たのは、常に権威に抵抗する姿勢のせいだった
今や彼は昔に立ち返っていた

ユカリには計画を打ち明けなかった ロボットの本能で経営者なりに話さないではいられないだろう
後で説明すればいい


キャッスルの裏口に回り、しばらくすると貨物運搬用のエアカーが来た
運転席に麻酔ガス弾を撃ち込み、2人ともシートに崩れた

ドアを開けると寝棺に似た箱が並び、カードを読み取り、ユカリの箱を見つける
抱き上げると、人間よりずっと重い
運転手からスイッチの束をとる 麻酔は1時間ほどだ フルに活用しなければ

まず上野駅に向かうが、逃走先は大阪に決めた
大阪には昔ながらのスラム街があり、どんな人間がいるか分からない地域がある

後部シートでユカリが起きた
「寒いわ・・・揺れている・・・あら、年夫さん 私はキャッスルへ帰らなければ」
「2人は愛し合っている 僕は罰を受けてもいいから、君を連れて行くんだ」

クルマは乗り捨て、列車に乗ったと思わせ、タクシーを拾うと
運転手からユカリがモデルかと聞かれて、なんとか交わす

構内を50歩も歩かないうちにユカリはしゃがみこみ、ひと目を引いた

「グラグラするの こんなにたくさんの人を一度に見たこと初めてだから」
「僕だけを見るんだ」

浅野はユカリを背中に背負って歩いて、なんとかベルトコンベアにたどり着くという時
初老の老人に靴が脱げたと言われる
「大変ですな 私の家内も心臓が悪くて、他人事とは思えなかったんですよ お大事に」

駅員といい、紳士といい、周囲が急に親切だったことに気づき奇妙に思う
これまではあらゆる人が彼を締め付けているようだったのに、
確信に満ち、行動を起こし、目的に向かって自身の意志で進むと同時に、
彼を許し、認めるのではないか? 世間とはそんなものかもしれなかった




朝、ユカリは朝食を作っている もう1ヶ月になる

テレビでニュースを見ると、また暴動と重装機動隊の出動があったらしい
こうした世の趨勢がどこに向かっているのかは分からない
どっちにしても彼は、自分が集団の一員になったり、そういう人間を見たりするのは好まない

セクソイド・ロボット強奪事件もささやかに報道された
昨日までは無事でも、今日どうなるかは分からない それは覚悟の上だ
この一瞬、一日を精一杯に生き、危機となれば全力で逃げると腹をくくっている

1階で話し声がして、この辺一帯の区画整理のことらしい
浅野は人が消えるのを待って仕事に出る

不審な人影は避けて、逃げ、いざとなれば電撃棒を使う
その用心は逃亡の日以来ずっと続いている習慣となった


「労働需給地区センター」の個室に入り、条件を照合すると適当な仕事を紹介してくれる
多くの労働はコンピュータにより自動化されたが、逆に標準化できない作業の需要も増えた

やっと気を緩めて、ここ1ヶ月を振り返る
ユカリの美貌はどこにいっても目を引き、噂になる前に引き払い、今は3度目の住まいだ

彼は懸命に働いた ユカリは食事もしないし、病気にもならないから、食いぶちは一人分で済むが
彼女の喜びそうな服などを買ってやる

本来なら高度な点検補修が必要なのだが、今の生活では寿命を縮め、機能が狂うのを見守るだけだ
その申し訳なさがそうさせているのかもしれない

ユカリはキャッスルのことを思い出せないと言う

「後悔してる?」
「馬鹿ね!

浅野は目を疑った まさに人間の表情だ
本を読む習慣をもったり、料理を始めたのはどうなのだ?
本やテレビを通して、彼女なりに学んでいるとも考えられるが
今のユカリがロボットの概念をはみ出しかけていることは感じられた

彼が何もかも捨てて、彼女に賭けたのに応えて、彼女も一切を彼に賭けているのだ
これが幸福でなくて何であろう

生きるということは、どれだけ長く生きるかではない
どれだけ充実し、灼熱するかなのだ
彼と彼女は、今、生きている


2枚のカードが出てきて、地下道を作るビルは警察署で論外だ
メインストリートの古い建物を壊す作業は派手だから、見物人も多いだろうがそっちを選ぶ
ヘルメットを深くかぶり、自分の正体を見破られてはいけない

帰りも地下鉄や市バスは明るい車内だから避けて、歩くことにした
そこにすっと近づいてきた女がいた 小川充子だった

小川:
話があるのよ 工事場で浅野さんを見かけた時は信じられなかったわ
水原さん、4日前に大阪に転任したのよ 警備司令官に昇進して
せっかく寄ったのに、忙しいって会ってもくれないんだから

実は頼みがあるの あなたが連れて逃げたセクソイド・ロボットを見せてくれない?
イヤといってもついて行くわよ
あなたスラム街にいるんでしょ? 警察が労働需給地区センターの筆跡を検出したの


断れないまま自宅に着いた

小川:
まさか、これがロボットだなんて・・・
服を脱ぎなさい 私、見たいのよ ロボットのセックスってどんなものか!
お前はロボットよ 人間の言うことに従うはずよ たかが機械人形じゃないの
警察に言ってやる あなたは捕まり、機械はまたロボット遊郭に戻されるのよ

充子は窓を開けて「みなさん、ここに・・・」と叫びだし
止めようとした浅野を突き飛ばした反動で、窓から消えた

一切は終わっていた
小川の周りに血が広がり、人垣が「あすこから落とされたんだ」と指さすのが見えた
逃げるほかないが、あの人垣のそばを通らなければならない 早くもサイレンが近づいてくる

浅野は武器を揃えた ドアが破られ、引き金を引くと、数名の警官が黒焦げになって倒れた



隊長:
どうにもなりません 18名も部下を失って 総攻撃しか方法はありません
総攻撃になれば、この辺は酷いことになりますが、どうせ区画整理されるので強制収用の手伝いをするようなものです
わざわざ応援に来ていただいたのに恐縮です 司令のお知り合いということですが何かの事件で?

水原:クラスメートだったんだ 優秀な男だったんだが・・・


彼にはいまだ信じられなかった あの浅野が今夜ここで撃ち殺されるのが
そこまで自分の世界にこだわるのはなぜだ?

自分も欲求を持っていないわけではないが、仕事という絶対的なものの前では捨てなければならないものだ
そういう習慣のうちに、仕事のための思考法になり、合体していった それがオトナというものだ
社会で成功する 有能な人間というものはそれが必然なのだ


ところが、学生時代にどうしても凌ぐことの出来なかった浅野は自分だけを守り続けた
そうすることに必然性があるのか?
それはそのまま自分が捨て去ったものが、それで良かったのか、どこかに嘘がないかという感覚さえ運んだ

浅野はついに自分に下らなかった
社会的には犯罪者だが、水原の生き方の正当性を裏付けることを拒否して死のうとしている
もう浅野はいなくなる それでも自分は生き続けなければならない 自分なりの方法で



「あと5分で総攻撃にかかる!」

いくら抵抗したところで10分とはもつまい しかし、それでいい
これだけ充実した生を送った人間が、はたしてどれだけいるだろう
自分を売り渡した代わりに、穏やかだか生きているか死んでいるか分からないような毎日を送る大群


ユカリも死ぬ そのことが不意に彼を我に返らせた
その愛は、自分のためより、ユカリの幸せを願う愛に転化している
ユカリは助かるべきなのだ

「君は外へ出ていくんだ 今行けば、警官は撃たないだろう」

「私はもう一人では生きていけないわ!
 他の男の人が来ても、あなたへと同じ反応しかできないし、
 あなた以外の人に尽くすことは耐えられない
 それに、自分でも判るけど、もうだいぶ狂いかけているのよ もう使いものにならないの」


たしかに自分は世の中では敗北者かもしれない
世間と妥協できず、抵抗し、結果、不利な仕事へ追い込まれた
世の矛盾に耐えられず、阿るものかと気負うくせに、刻々とスポイルされることに気づいていた

あのままでは水原のような人間になるほかなかったかもしれない
世の要求以上に身に付け、世を動かす人間
そのために自分と、真の人間同士のつながりを放棄せざるを得ない人間

ユカリとの世界を幻影だと水原は言った 彼自身の投影だと
だがそれさえ放棄するのは、またあの腐った世界で生きなければならないことを意味する

自分は幻影を現実に定着させたのだ
幸せは時間の長さではなく、密度の高さにあるのではないか?

いかに汚れ、みすぼらしくとも、この部屋以上の豪華な場所を考えることはできない
これを憐れというほうがおかしいのだ

物質にだけ充足し、贅沢を目的にしている連中に、真の価値は判るまい
人間の幸福は、住む場所、着るもので決まるわけがないのだ
他人の評価とは関係ないものなのだ




ドアから警官たちが押し入り、レーザーガンをひきつづけ、黒い山ができた

「降伏しろ!」

他の警官のレーザーが男の腕、腹を貫き、頭が吹き飛ばされ、
女にも糸のように細い熱線が通り抜けた
どうしても信じられないという顔で座り込む女の手には、レーザーガンが握られている

水原:ユカリ、それを渡すんだ

司令がもう一度言った時、女の目が急に生き返り引き金を引いた
司令の胸に大穴があき、周りも黒焦げになった

隊長:撃て!

全裸の女の下腹部は焦げ、腕はちぎれ、コードや部品がこぼれた
やがて、足元のもとは男だった肉塊の中へ倒れていった




【山本明解説 内容抜粋メモ】

眉村の作品は未来を描いているのに、読んでいる僕の時計は20年逆行する

1950年 ラディカルな学生が愛読いていた本に『愛に悩み、死を怖れるもの』というのがあった
愛と革命に関するアンソロジーで、太宰治の「人は恋と革命のために生まれてきたのです」
「エデンの園は神の植民地でした」という句で有名な、出隆の全学連へのメッセージなどで構成されていた

仲間の間で人気だったのは「れい子よ、夕焼ならば明日は晴れるのだ」という散文詩だった
朝鮮戦争、レッドパージ、単独講和条約、安保締結という暗い中で
「明日は晴れる」ことに一縷の望みを見出していた

しかし「明日」はなかなかやってこなかった
何人かは火炎瓶闘争で逮捕され、ある者は農村工作隊に参加し
ある者は政党の地区委員として半地下生活を送り、そして六全協
甘い「革命的ロマンチズム」は消え去った

しかし、その後も「愛」をテーマにした本は刊行されている
田宮虎彦の『愛について』、『愛と死をみつめて』
曾野綾子の『誰のために愛するか』など
しかし、これらには変革の契機が全くない

眉村作品には、『愛に悩み、死を怖れるもの』と同質の「愛」がある
管理社会で窒息しかけている人にとって『わがセクソイド』は
「革命的ロマンチズム」の復活の宣言書だ


主人公・浅野は、女性への愛と、人間同士の愛を同じレヴェルで考える男だ
眉村は、2人の中に、管理社会に対する反抗の原点を求めている

若い読者の中には、この甘さをあげつらう人もいる
だが、昭和ひと桁の思い、1950年代に学生生活を送った者が知る
ロマンと悲愴感の交錯を見るのだ

眉村は大げさな演説が嫌いだ
『幻影の構成』の中でも管理社会に挑戦し、勝利した主人公ラグがいる

「オレはオレ以外の何物でもない」ために「自身の意志で動きだす」ために
眉村は「愛」が必要だと主張する これは恐ろしい作品だ
捨てた未練にもう一度手を伸ばさせる

今、日本のSFは岐路に立っている
ようやく市民権を得たのはいいが、さまざまな作品がSFの名を冠して賑わしている

単に宇宙を舞台にした活劇や、読むに耐えないものがたくさんあるけれども
眉村が一貫して、情報社会における人間の在り方を「愛」をテーマに追求しているのは好感がもてる

眉村は喜び勇んで小説を書いていると僕は思えない
仕方なくSFの形式を借りて、心情を吐露しているように思える

そのことが、日本のSF界にひとつの極を作り、堕落を防ぐ契機になると思う


***

つまり何も変わっていないということだ

世の中はあるがまま、自分もまたあるがまま
それを自身が認めることだと分かっているのに逃げ回り続けている

そういえば、エンデの『はてしない物語』で、自分のありのままの姿を見せる鏡が
実は一番怖いんだっていう件があったっけ

『ネバーエンディング・ストーリー』
『ネバーエンディングストーリー 第二章』

(今作もあれだけ夢中になって読んだのに、メモがないのはおかしいなあ
 ミヒャエル・エンデも大好きで、いろいろ読んだのに、その他のメモもない 相当昔に読んだんだな

どんなに恐ろしい“外”のモンスターなどより
人は自分の本質を見るほうがショックだというシーン

でも、本作では、それを自分が認めた時から自立し
“他”を受け入れ、真実の愛を得た

自分が本当は何物か、本当に求めているものは何か
知りたいと求めたところで、実際見たいかと言われればNOということ

ヒトが死ぬ時に見させられるといわれる「走馬灯」も同じか
客観的に“魂”という“無の境地”から見たら
一生懸命に追いかけていたものがいかに滑稽だったか
いかにくだらない事柄にこだわって、しがみついていたかも見えるのかもしれない


***


アンドロイドの進化についても、最近いくつかメモった

【ブログ内関連記事】

人間とは何か? アンドロイド研究最前線@サイエンスZERO

劇場版『イヴの時間』(2010)

こうすれば充実!親の介護@あさイチ

映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』(2017)(ネタバレ注意

素子のような、もっと遡れば、メーテルみたいな、レントゲン程度じゃ見分けがつかないアンドロイドが増えて
ヒトの役に立つ奴隷から、人権を求めるまでになる未来も来るかもしれない



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