■『ぶどう酒びんのふしぎな旅』(講談社)
藤城清治/影絵 アンデルセン/原作 町田仁/訳
展覧会に行く前に予備知識として、まず図書館で1冊絵本を借りてみることにした。
わたしが初めて手にした1冊目が、藤城さんが60年のすべてを詰め込んだ絵本だったという感動
なんせ歴史がハンパない!思い入れたっぷりの「あとがき」だけでもじぃーんとしてしまった。
人生最初に出した絵本(当時はモノクロだった)から60年目にしてカラー版で描き直したとのこと。
編集者の花森安治さんから「絵と光がドッキングした新しい芸術だ」と評価され、
「暮らしの手帖」の連載がはじまったという。
これまでの思い出と、この物語とが交錯して、泣きながら切り抜きをしたと書いてあった/涙
言われてみれば、ところどころ英字新聞を貼ってあるんだね。オシャレ!
子どもの頃から大好きなNHK教育とかできっと一度は見ていたに違いない。
ヨーロピアンで、洗練された、郷愁を誘う影絵1点1点が素晴らしい職人芸であり、高度な芸術作品だ。
若かりし日のお嬢さんのレース編みのボンネットやドレスの影絵の細かいこと
モノがひとつひとつ丁寧に手作りされ、そのモノの価値を知っていた豊かな時代の物語。
▼あらすじ
炉の熱から出て、人の息を吹き込まれ、高級ワインを詰められた瓶は、
若い恋人たちの婚約披露にコルクを抜かれ、湖へと投げられた。
それを拾った子どもが海に行く兄にあげて、瓶には船乗りの胃に効くブランデーが入れられた。
船は嵐で転覆し、婚約したばかりの若者は海で死ぬ前に最期の手紙を瓶に入れてて海に投げる。
遠いアジアの国で拾われ何十年も経ち、手紙とともに瓶は洗われ、種が入れられて生まれた国に戻る。
蝋燭が灯され、ふたたび若いカップルが集うパーティで人の役に立てたと喜ぶ瓶。
気球乗りとともに空に舞い上がり、落とされて、割れた口の部分が、最後に小鳥の水差しに使われるってアイデアが小粋。
藤城さんが数ある物語の中から、これを選んだ思い入れが伝わってくる1冊。
婚約者を海で亡くしたお嬢さんは、別の相手と結婚しなかったんだろうか?
それにしても、ウサギはなぜパラシュートで落とされたんだろう???
p.9
「やがては口だけになって、鳥かごの水のみに使われて一生を終えようなどとは、このときは夢にも考えられないことでした。もちろん、そういう暮らしだって立派なものです。なぜって、この世のなかで、やっぱり何かの役に立っているということなのですから」
p.51
「この世のなかには、お互いに気がつかないで、通り過ぎてしまうことが、たびたびあるものです」
p.61
「いままで上を向いていたほうが、下にされるというようなことは、世のなかにはよくあることです」
こんなさりげないところに、アンデルセンの奥深い道徳や哲学が含められている。
▼ミルテ
ギンバイカ(銀梅花、学名:Myrtus communis)は、フトモモ科の常緑低木。地中海沿岸原産。ドイツ語ではミルテ(Myrte)。属名からミルトスとも呼ぶ。花が結婚式などの飾りによく使われるので「祝いの木」ともいう。
この絵本の中では、このミルテを使って花嫁の髪飾りを作るといっていた。
藤城清治/影絵 アンデルセン/原作 町田仁/訳
展覧会に行く前に予備知識として、まず図書館で1冊絵本を借りてみることにした。
わたしが初めて手にした1冊目が、藤城さんが60年のすべてを詰め込んだ絵本だったという感動
なんせ歴史がハンパない!思い入れたっぷりの「あとがき」だけでもじぃーんとしてしまった。
人生最初に出した絵本(当時はモノクロだった)から60年目にしてカラー版で描き直したとのこと。
編集者の花森安治さんから「絵と光がドッキングした新しい芸術だ」と評価され、
「暮らしの手帖」の連載がはじまったという。
これまでの思い出と、この物語とが交錯して、泣きながら切り抜きをしたと書いてあった/涙
言われてみれば、ところどころ英字新聞を貼ってあるんだね。オシャレ!
子どもの頃から大好きなNHK教育とかできっと一度は見ていたに違いない。
ヨーロピアンで、洗練された、郷愁を誘う影絵1点1点が素晴らしい職人芸であり、高度な芸術作品だ。
若かりし日のお嬢さんのレース編みのボンネットやドレスの影絵の細かいこと
モノがひとつひとつ丁寧に手作りされ、そのモノの価値を知っていた豊かな時代の物語。
▼あらすじ
炉の熱から出て、人の息を吹き込まれ、高級ワインを詰められた瓶は、
若い恋人たちの婚約披露にコルクを抜かれ、湖へと投げられた。
それを拾った子どもが海に行く兄にあげて、瓶には船乗りの胃に効くブランデーが入れられた。
船は嵐で転覆し、婚約したばかりの若者は海で死ぬ前に最期の手紙を瓶に入れてて海に投げる。
遠いアジアの国で拾われ何十年も経ち、手紙とともに瓶は洗われ、種が入れられて生まれた国に戻る。
蝋燭が灯され、ふたたび若いカップルが集うパーティで人の役に立てたと喜ぶ瓶。
気球乗りとともに空に舞い上がり、落とされて、割れた口の部分が、最後に小鳥の水差しに使われるってアイデアが小粋。
藤城さんが数ある物語の中から、これを選んだ思い入れが伝わってくる1冊。
婚約者を海で亡くしたお嬢さんは、別の相手と結婚しなかったんだろうか?
それにしても、ウサギはなぜパラシュートで落とされたんだろう???
p.9
「やがては口だけになって、鳥かごの水のみに使われて一生を終えようなどとは、このときは夢にも考えられないことでした。もちろん、そういう暮らしだって立派なものです。なぜって、この世のなかで、やっぱり何かの役に立っているということなのですから」
p.51
「この世のなかには、お互いに気がつかないで、通り過ぎてしまうことが、たびたびあるものです」
p.61
「いままで上を向いていたほうが、下にされるというようなことは、世のなかにはよくあることです」
こんなさりげないところに、アンデルセンの奥深い道徳や哲学が含められている。
▼ミルテ
ギンバイカ(銀梅花、学名:Myrtus communis)は、フトモモ科の常緑低木。地中海沿岸原産。ドイツ語ではミルテ(Myrte)。属名からミルトスとも呼ぶ。花が結婚式などの飾りによく使われるので「祝いの木」ともいう。
この絵本の中では、このミルテを使って花嫁の髪飾りを作るといっていた。