メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

シリーズ怪盗ルパン 第4巻 『奇巌城』 ルブラン/原作 ポプラ社

2021-04-30 15:52:30 | 
1999年初版

南洋一郎/訳
藤田新策/装丁・挿絵

「ジュヴェナイル」カテゴリーに追加します


ルパンと言えば、私の中では『ルパン三世』なので
あえて原作を読もうと思わず
ずっとスルーしてきたシリーズで
読むのはこれが初めて

ルパンより少年探偵が活躍しているのが意外






それよりもビックリしたのは
途中で『鉄仮面』やルイ14世の話が出てきて
その後、ホームズとルパンの対決(!)になるって、リンクしまくり/驚×5000

ドイルの承諾を得ているのだろうか?

最初、ルパンの作戦にまんまと引っかかって船に乗せられ
事件と引き離されていたっていうのも
イギリスvsフランスのスター対決で
自国のスターの勝ちにしてズルい/苦笑

だが最後の最後にさらにどんでん返しがある
それもさらにホームズらしからぬ行動で
ドイルはどう思うだろうと気になる

本書も読みやすく数時間で読み切れる
ただ、新装されたほうなので、昭和初期のほうで読みたかった!


【内容抜粋メモ】(ネタバレ注意

刊行のことば
怪盗ルパンが登場したのは1905年
明治の終わりに日本で翻訳出版されている

ポプラ社ではイギリスのミステリーの傑作ホームズと並び
フランスのミステリーの傑作を切望し

この全集は魅力を熟知した冒険作家・南洋一郎が
子どものために書き改め

『少年探偵・江戸川乱歩全集』とともに
わが社を代表する出版物となり
21世紀を迎えるにあたり、装いも新たにに刊行した


編集方針について
一部、今ではあまり使われない表現を分かりやすいように書き改めた
身体障害、職業にかかわる不適切な表現を変えたり削ったりした


(ネタバレ注意









「奇怪な殺人事件」
白バラのように美しい少女レイモンドは寝室の下で怪しい物音を聞く
ここは昔の修道院跡で、崩れた礼拝堂だけが建っている

従妹で同い年のスザンヌも怯えて来る

スザンヌの父・ジェーブル伯爵は大金持ちだが、妻は亡い
レイモンドの両親は亡くなり、2年前から伯爵に引き取られた

召使は4階で寝ている
伯爵と秘書のダバルは2階にいるのに気づかないのか?

大きな荷物を抱えた男たちが池のそばを走るのを見る
レイモンドはベルを押して召使を起こす

2階で格闘の音がする

背の高い中年男が2人の少女を見つめてくすりと笑い
帽子をとって丁寧におじぎをして外に出る

ダバルは短剣に刺されて死に、父は倒れている

客間には値打ちのある武器などが飾りつけてあり
レイモンドは小銃で男を撃つ
賊は消えて、運転手の革帽子だけが残されていた


村の警官が調べ、書記を連れた判事も来るが盗まれたものは何もない
伯爵は頭を殴られたと言う

2人の少女は怪しい男の人相をあべこべに言う
同一犯人の証言が正反対ということはよくある
人間の目は当てにならないと笑う判事

犯人はまだこの屋敷内にいるはずと細密な捜査を続ける
帽子を調べさせ、足跡、血痕、タイヤの跡も見つかる

帽子屋は帽子を売ったのは今朝だと言い、犯行時刻後になる
同じ帽子が2つあり、証拠品とすり替えられたと分かる

「ボスが死んだら、娘は生かしちゃおかねえ」というメモが見つかる


ジャンソン高校の生徒イジドール・ボートレルが捜査に紛れている
犯罪学の実地見学で、この犯行についていくらか見当がついていると言う

レイモンドは昨日の午後、イジドールに似た人を見たと話し
疑われたイジドールはアリバイがあると言い張るが
老巡査に見張られ閉じ込められる


突然銃声がして、物置小屋が火事になり
消火の騒動の間に2人の警官の姿が消え
ホンモノの警官は気絶している

イジドールは老巡査に麻酔剤を飲ませて眠らせて逃げ出す


同じ頃、有名な外科医のドラトル博士が観劇中に3人の男に連れ去られる
だが、翌朝無事に戻ってきて、安ホテルで重傷者の手当をさせられたと話す

「A・L・N殿 外科医、はやく送れ」という電報が打たれたことが分かる

パリ警察の名警部ガニマールがいくら調べてもそんなホテルは見つからない


イジドールはアリバイが証明され
素人名探偵としてガニマールと握手する

イジドール:
盗まれたのはルーベンスの4枚の名画で
ニセモノとすり替えられたんです


1年ほど前、若い画家が模写を頼んだ時のものと推理

伯爵:ひと目見てニセモノと分かったが、金で買い戻せると思い黙っていた

イジドール:
新聞広告に「名画買い戻したし」と出せばいい
絵を盗んだ男と、ダバルの殺人犯は別々で
画家はダバルの紹介で模写した
ダバルは怪盗の一味だ

伯爵:ダバルと格闘して誤って刺してしまった と白状する
ガニマール:立派な正当防衛ですよ

イジドール:A・L・Nはルパンの頭文字だ
ガニマール:手口が同じだから分かっていた

イジドール:
石像のどこかにルパンはまだいる
手術はこの荒れた庭の地下で行われたのです

ルパンは1年ほど前からボードレイという名の紳士に化けていた
部屋に行くとすっかり片付いている

そこにハーリントンという男から手紙が届く

名画4枚、例の方法で発送願います
 その他の品も一緒に送ってほしい
 グランドホテルで会いましょう」

ガニマールはハーリントンを留置場に入れる

絵はどこに行ったのか?
イジドールに似た男とは?


イジドールに「余計なおせっかいをすると命が危ないぞ」
と警告文が届くが全く相手にしない

新聞を見て青ざめる
「伯爵邸に凶漢が侵入 スザンヌを縛り、レイモンドを連れ去った」


奇怪な暗号文の古い紙も見つかる




伯爵がホームズをイギリスから呼んだと聞いて興奮するイジドール
ガニマールはフランスのメンツに賭けて
ホームズ到着までに解決すると意気込む

レイモンドは殺されたのか?
しかしレイモンド、ルパンの死体がない

イジドールは渡船場に向かい
荷物を積んだ伝馬船があったと分かる
毎日、6回も運んだが、荷物には触らせてもらえなかったと聞く

2回目の警告文が届くも無視

イジドール:「他のものも送ってくれ」とあるのはフランスの国宝のことです

大理石の石像を棒で殴ると粉々に砕けて
石膏のニセモノとすり替えられていたと分かる

イジドール:
ルパンはレイモンドさんに撃たれて地下へ隠れた
役場で調べたら、礼拝堂の下に地下室があると分かった

祭壇の下に地下室があり
半裸の死体が2つ腐っているのを発見する
下着の縫い取りでルパンだと言う判事
もう1人は若い女の死体でレイモンドの腕輪をしている


イジドールは陽気に口笛を吹き
「勝てるぞ」と自転車を走らせていると
1本の綱で転び危うく大怪我するところだった

最後の警告文が届いて少し警戒する





イジドール:この綱は屋敷のものだ 怪盗のスパイがいる

暗号文の一部も解いてみせる
アルファベットの母音と子音を組み合わせて「ドモアゼル(令嬢たち)」と訳せる
スザンヌとレイモンドのことか?

イジドール:
もう1つの「空洞の針」は分からない
この怪事件を解く鍵が隠されている気がする

これはまるで中世の羊皮紙だ
裏には赤い封蝋のあともある


判事が外に呼び出されている間に
書記ブレドーが銃を向け、その紙をよこせと言い
2人は殴り合いになり、イジドールは短剣で刺され
ブレドーは逃げ去る

今度はガニマールとホームズが行方不明になる


6週間後に退院して回復したイジドールのもとに
ルパンから「真相を発表するのを止めないと父の命が危ない」と手紙が来る

とうとうルパンに会うと、背の高い、礼儀正しい紳士

ルパン:
ブレドーは新米で怪我をさせたのはすまなかった
僕はどんな時も他人を殺すことは絶対にしない

これからはお互いにぶつかり合おう
一か八かの談判だ

過去10年間、君みたいな相手にぶつかったことがない
互いに邪魔しないと約束しよう
あの記事は間違いでルパンは死んだと書き直すんだ

イジドール:
嫌です もう記者に渡しました

僕の父はさらわれたりしない
シェルブール軍港の職員にかくまわれている

ルパンにシェルブールから電報が来て父がさらわれたと分かると
父思いのイジドールは声を出して泣いてしまいルパンは面食らう

彼は貧しい者を助ける「紳士強盗」と呼ばれている
弱い者、女性、子どもには親切で
フランスを愛している不思議な男なのだ

ルパン:
我々は敵じゃない
僕と戦うのを止めれば親父さんも無事に戻れる

僕は全能の力を持ち、どんな秘密も探り出せる
暗号文の謎を解けるのは僕なのだ


イジドールは負けたと分かり承諾して部屋を出るが
あの電報はニセモノだと思い
翌日の新聞には彼の原稿がそのまま載った

記事:
なぜルパンがクスリも食物もなく40日も地下で生きられたのか

レイモンドはルパンを撃ったが
ダバルを殺した犯人でないと分かり可哀想に思い
地下にかくまい鍵をかけ、毎日食事を運んだ

人相も違うことを言い、帽子をすり替えた
イジドールに似た人物を見たというのも攪乱するウソ

腐乱した死体は、最近心中した若い夫婦


イジドールが軍港に向かう途中
新聞に載ったルパンからの返事を読む

記事:
イジドールの発表は大体合っている
レイモンドも生きている
私は彼女を愛している

ハーリントンはアメリカの金持ちの秘書で
名画を売り、私は莫大な金を受け取った
彼は何の罪もないため、1日も早く自由の身にすることを望む


イジドールは庭に立つ自分の写真を渡され
ルパンの部下が少女に託したと分かり
彼らがシャトールーに行ったと聞き
イギリスの青年画家に扮して駅に向かう

伯爵とスザンヌは景色の良い南のニースの別荘に行った

切手のない手紙がパリから来て父の文字と分かる

手紙:
ここがどこか分からないが、フランス中部の中世の古城のようだ
手紙に小石をつけて塀の外に投げれば
誰かが拾ってお前に届くかもしれないと思い書いている
私は丁寧に扱われている
お前が危険な冒険をしないように心配している


消印はアンドル県 フレスリーヌ村の研ぎ屋の老人が拾った
その老人のあとを尾ける

老人のあとを尾けるもう1人の男がいて
途中、暗い森に入り、古城で消える
隠し戸でもあるに違いない

城はルイ13世式の古いシャトーで
屋根の尖った小塔がいくつもある

村の者から「針の城」と呼ばれていて、ここはクルーズ村
ここが「空洞の針」だとワクワクする






フランス王家の大秘密
建物の管理をしている公証人に聞くと
エイギュイユ城は夏の間だけアンウレイジイ男爵に貸している
ルパンの扮装に違いない

持ち主はパルメラという30歳くらいの快活な紳士
イジドールは信用して事情を話すと快く協力する

パルメラ:
お父さんがいるのはツタの間です
あの高い城壁は越えられない
秘密のくぐり戸から入るしかない


真夜中、イジドールと同級生2人、パルメラが忍び込む
1人の男が銃を持って見張りをしているがパルメラがやっつける

父を救いに行くと、レイモンドが青い部屋にいると分かる
2人を救い、ホテルにかくまい、村の警察に連絡し
城内を調べるが一味は逃げた後

父とレイモンドは静養のためニースに行き
スザンヌと再会して涙を流して喜び合う

その後、パルメラとレイモンドは結婚する

ガニマールとホームズは手足を縛られてパリ警視庁に倒れていた
2人はルパンによってヨットでアフリカ一周の旅に出されていた


イジドールの活躍は全国に知れ渡り、祝賀会が開かれる
そこでフランス学界の最高権威である
アカデミー会員・マッシバン博士の記事が読まれる

博士:
ルイ14世の時代『空洞の針の秘密』と題したパンフレットが出た
著者は鉄の面をかぶせられ、孤島の岩牢に閉じ込められた
歴史の大きな謎の「鉄仮面」である

この1冊は大尉が隠していたが何者かに暗殺された

それはフランスの代々の王が集めた宝の隠し場所を記したもので
暗号文は封印されて、国王が保管していた

フランス革命の時、ルイ16世はマリー・アントワネットに託してギロチンで死刑にされた
王妃も首を斬られてしまった

パンフレットは大尉の曾孫の士官に渡った
大尉のノートには内容が書き写された

エイギュイユ城は秘宝の隠し場所を探す人々の目を向けさせるため
ルイ14世によって建てられた


ルパンは本当のエイギュイユ・クルーズに向かい
大秘宝を手に入れようとしていると分かるイジドール
「令嬢たち」もレイモンドらのことではなかった

古文書研究家を訪ねて、祈祷書の裏表紙から出てきたのはルパンのサイン
すでに暗号文を盗んだ後だった

調べると大尉が暗殺された話はない
ルイ16世の看守となった士官らしい名は2つあり
ラルベリーかラルブリー

博士から「ラルベリーの子孫について話したい」という手紙が届く

ラルベリーには息子と娘がいて、娘はベリーヌ侯爵の妻になった
レンヌ市近くにベリーヌ男爵が住んでいて、侯爵の子孫らしい

男爵を訪ねると、60歳くらいの老人
夫人は亡くなり、娘も夫と息子を交通事故で亡くしたばかり

無造作に置かれた本の表紙に「エイギュイユ・クルーズの秘密」とあり
暗号文も載っていて5行ある

「解読するには第4行を見よ
 大秘宝の隠し場所を見つけるのに必要な方法を指示している」

2ページ分ルパンに切り取られたと分かるが
夫人が文句を覚えていると言う

そこに召使が手紙を持って入って来る
「話せば愛児の命はない」という脅迫状

子ども部屋で息子がぐったりしていて
博士がルパンだとねじ倒すイジドール

博士そっくりに化けたルパンは
子どもに麻酔剤を注射しただけたと話す
ルパン:坊や、さよなら、また会おう と去る


イジドールが駅に向かうとルパンが待っている

ルパン:
君の行動は筒抜けだ
君の学友は口が軽く、友だちに喋って自慢している
あんな薄っぺらい奴とは交際しないほうがいいな

車に乗りたまえ フルスピードで出発だ

私には素晴らしい使命がある
大秘宝をフランス社会のために役立て
引退して平安な余生を送ろうと願っている


私は私利私欲ではなく、欲張りから盗み、貧しい者
孤児などを救うのが願いだ

2人は疲れて寝てしまう
イジドールはルパンに次第に惹きつけられる


大針岩の怪洞
パリに戻ったイジドールは暗号文の解読に夢中になり
みなノルマンディー地方に由来していることに気づく
一番怪しいのはル・アーブル

町のカフェに入ると労働者風の男から声をかけられる
ホームズの変装で、イジドールはこの大先生に勝とうという
競争心が沸き上がる

ホームズ:
私はまったく違う方面から謎を解こうとしている

ビクトワールという女はルパンを赤ん坊の時から世話をしている
ルパンが怪盗になり嘆いて止めてくれといつも泣いているそうだが
警察に追われると命を捨てる覚悟でかくまったり逃がしたりしている

そのビクトワールの隠れ家を突き止めた
このル・アーブルにある農家だ

そこできっとあいつを逮捕してやる
あいつと僕は死んでも忘れない敵同士だ
死の血闘あるのみの運命なのだ


イジドールは暗号文の4行目だけが解読出来ないでいる

煮詰まって来た場所にローマ人の遺跡があり
「フレフォッセの砦」とある

岩にDとFの文字が刻まれ
ここが「ドモアゼルの部屋」と呼ばれていると分かる
エイギュイユ・クルーズがあるに違いない

目前に80mほどの巨大な岩が針のように突き出ている
割れ目から煙が出ていて、空洞と分かる
ルパンが先に発見したに違いない





大秘宝は、令嬢たちの部屋に入り
フレフォッセの城跡の下を通り、針岩の内部に入る
海底トンネルを抜けるとあるとようやく暗号文を解く

三角や四角の記号は小窓の形などを表していて
とうとう地下道も発見する

パリの警視庁に応援を頼み、見張っていると
秘密の地下道から11人もの人が出て来て
何か運び出している


翌朝、ガニマールが来る

ガニマール:
大統領からの命令でここはフランスの最新兵器の隠し場所にするから
他言しないように
漁船12隻、潜水艦も応援に出す


イジドールを先頭にガニマールと部下が海底トンネルに入る

暗号文通り階段を数えて、鉄の扉を開けると
また次の階段がある迷路のような構造

狭いのぼり階段は体の小さいイジドールが先に入る

中に入ると一流ホテルの食堂のようで
会食者の名前のカードにルパン、ルパン夫人、イジドール様とある

入ってきたのはパルメラ!
ルパンが化けて、自分の別荘に押し入りイジドールと父を助けた

ルパン夫人はレイモンド

イジドールは恨みより親しみの気持ちで
笑いながら握手してご馳走を食べる

ルパン:
今後は怪盗から足を洗い、妻と静かな土地でゆっくり生活したい
よく来てくれたね お別れの乾杯だ

私がここを発見した時は荒れ果てていたが、苦労して別荘に改装した
今後は、観光地になって見物人の靴で荒らされちまうだろう

ガニマールらが登ってくる音がして
ルパンはレイモンドを先に別室に連れて行かせる

騒音が聞こえないかのように、さらに上の部屋を案内する
そこにはこれまで盗んだ美術品が揃っている
大美術館、博物館にあるのは模写

ルパン:
最後の部屋は秘宝の間だがだいぶなくなっている

昔の国王は戦争で大金を使い
平和になると贅沢三昧をして使い果たした

だが少し残っている


金庫には宝石がざくざくとある


ルパン:
私はこの秘宝には手をつけない
これは代々の国王が人民からしぼりあげた宝なのだ
国民のものには手は出さないのが私の主義、誇りだ

この部屋でレイモンドと暮らした日々は
一生のうちで最も楽しく平和だった
それを見捨てるのは寂しいことだ

ルパンはチョークで壁に書く

「全財宝をフランス国民におくる
 ルーブル博物館の1部屋におさめ
 『アルセーヌ・ルパン室』と名付けること」


ルパンはイジドールをかついで急な階段を駆け下り
モーターボートで外海に出る

潜水艇は警官の漁船隊の下を通りルパン港へ直行する

水夫に変装したホームズがいると分かるが
隠れ家まで案内する

ルパン:
ここでレイモンドと暮らすつもりで隠れ家を建てた
レイモンドは私が怪盗であることを嘆き、私の心を変えた
彼女の愛は少年時代からの世間に対する恨みと僻みを忘れさせた


ホームズとルパン
ホームズはパルメラの友人だと言って屋敷に入り
ルパンの母を連れだして人質にし、ルパンとにらみ合いが続く

ルパンが銃を出そうとすると、ホームズは女に銃を突きつける

ホームズ:
この女は母親なんかじゃない ビクトワールだ
彼女を人質にすれば逃げられまい
そっちの女もだ

ルパンがレイモンドを見た隙に手元の銃を撃ち落とす
ホームズの部下2人はルパンの柔道(!)で投げ飛ばされる

ホームズがルパンを狙うとレイモンドがその間に立ち
喉を撃ち抜かれて即死する

(ホームズだって殺人するようなキャラじゃないのに・・・

ルパン:死んだぞ、ホームズ・・・
ホームズ:すまなかった、ルパン

ホームズは抵抗せず縛り上げられる

ルパンは乳母の胸に顔をつけて泣き出す
ルパン:さよなら、イジドール君

妻を背負い、乳母の手を引いて、夕闇に消える







<解説 出会いのミステリー 佐藤宗子(児童文学研究者)>





小学校5年の私が読んだのはもっと生々しい挿絵で
当時の版は写実的でたじろぐほどだった(それを読みたかったなあ!

原題は「うつろな針」(日本題のほうがセンスあるね

後でフランスの高校修辞学級に通うイジドールが
日本の普通校と違い、選ばれた存在とも分かった

一番のミステリーはレイモンド
少女なのに銃の撃ち方を知っているし

初めて顔を合わせた瞬間に生まれる深い愛が
この世に存在することも知った

大団円をひっくり返す悲劇の後の寂寥感
どうぞ、それぞれの年齢に合わせて堪能してください











コメント

SF名作シリーズ8 『姿なき宇宙人』 クレメント作 偕成社

2021-04-29 12:01:51 | 
1967年 定価290円

野田開作/訳
池田龍雄/装幀
依光隆/挿絵


「ジュヴェナイル」カテゴリーに追加します



これぞSF冒険活劇といったストーリーで
ぐいぐい引き込まれて1冊2時間ほどで読み切ってしまった

リアルで迫力あるハードカバーの表紙絵で
文字が大きめ、挿絵も多く、文章も分かりやすい
まさにジュヴェナイルといった1冊





ただ、SFなのに「男の子なんだから・・・」みたいな
あちこちに書かれている道徳が古くて
それは作者と当時の観念が出ちゃってるのが惜しい

少女が1人も出て来ないし、冒険は男の子のものみたいな
夏休みに少年グループが成長する姿は『スタンド・バイ・ミー』っぽい

これも府中市図書館で、あちこちテーピングされているが
一体どれだけジュヴェナイルの蔵書があるのか
ますます行ってみたくなる

ネットで見たら、想像以上に立派な建物
ここで1日過ごしたいなあ








【内容抜粋メモ】





■墜落した宇宙船
南太平洋の小さな島近くに2つの宇宙船が現れる
宇宙船は地球に近づき過ぎて引力に吸い寄せられて墜落
海に落ちたのは操縦席部分だけだったため誰も気付かなかった

先に落ちた宇宙船には凶悪犯、後のほうには犯人を追跡する探偵が乗っていた
操縦席は墜落のショックでぺしゃんこになってしまった

1kgほどの重さで、目も鼻も手足もない
ただドロリとした卵の白身のような身体

小さな隙間があればどこにでもすり抜けられる流体
酸素を吸って生きる動物の体内に寄生して生きている

宇宙船内ではペリットという動物に寄生していたが
墜落のショックで死んでしまった


■サメにのりうつる
探偵は細い触手で海を調べ、酸素を含んでいることを知り
地上には空気と動物もいると推測する

触手の先に目を作り、海底を観察し、どうやって地上に行くか考える
操縦席をつつく大ザメの口から体内に入る





体中に流れ込み、酸素を吸収しても寄生されたほうは気づかない
サメの目に接続して海中を見ることもできる

寄生するといっても、自分の住処は大事にし、静かにする心構えの探偵



■クラゲにばけて
魚は海水にとけた酸素を取り込むので、探偵にとっては少なすぎる
サメも酸欠となり岸でバタバタしていると
カモメの群れにあっという間に食べられてしまう

探偵はクラゲに化けて海に漂う


■ねらわれた少年

この世界は食ったり食われたりしているらしい
 やっかいな世界にきたものだ
 だが、故郷の星に帰れなくても、犯人を追わねばならぬ」とつぶやく探偵

砂浜には二本足の生物が元気よく走り回っている
足元には四つ足の動物もじゃれている

「愉快な連中だな 二本足たちは言葉を喋る高等動物だ
 この世界で一番知恵と力があるらしいな」





ロバートは15歳
この島で技師をしているキンネアド氏の一人息子

教育にうるさい母の提案でアメリカの学校で勉強していて
夏休みの最後の日を友だちと海で過ごしていた

目の前のクラゲに気づいて見事なクロールで泳ぎ去る

ロバートの母が持ってきたサンドイッチをたいらげ
疲れて眠ってしまう少年たち

「今やらなくちゃ、二度とチャンスはないぞ」

探偵は砂に潜って隠れながら近づく
臭いも音もないため犬も気づかない

人間の皮膚には無数の毛穴や汗の穴があるため
そこからロバートの体内に潜り込んだ探偵は
大いに満足して宿主に決める


■探偵の人間勉強
ロバートの頭から足までゼリー探偵がくっついても気づかない
ロバートが見えないものも探偵が先に見て
怪我や病気を防ぐこともできる

犯人もそう遠くまで逃げたはずはない
探偵はロバートの両親、友だちを注意深く観察する

犯人が誰の中に入ったか探るが
見た目からは分からないため難しい
いつかロバートに打ち明けて協力を求めなければならない


ロバートがアメリカに戻るために飛行機に乗ると
この世界が意外に広いと気づき
犯人探しがより難しくなることに気づいて
うらめしそうに下界を眺める探偵


■学校生活
ロバートは明るく、健康、勇気もあり、仲間からも好かれているため
探偵もすっかり好きになり、他の二本足に乗り移ろうとは思わなかった

寄宿舎は夏休みから帰った少年であふれ
ものすごいお喋りに度肝を抜かれる探偵
まず言葉を覚えようと思う

学校の授業で文字も覚え、2か月後にはすっかり自在に話せるようになる
次はどうやってロバートに自分の存在を知らせるかだ


■ひとりで動くゆび
少しずつ不思議なことをして知らせようと思う

クラス対抗のフットボール試合が行われ
これまで一度も勝ったことのないA組が圧勝し奇跡だと思われる





この勝利はロバート一人の手柄だった
後ろの敵が見えるようで、かすり傷ひとつないロバートを褒めちぎる学生たち

その夜、ロバートは両親に自分の活躍を両親に手紙で伝えるため
タイプライターに向かう

そこで探偵はロバートの指を痙攣させて
驚いたロバートは椅子から飛び上がった弾みでベッドの角に背中を打つ






■ふしぎのれんぞく
同室の学生が校医を呼んでくると言うが
苦しさがピタリと止まりフシギがるロバート

僕の体が僕でないみたいだ フットボールで大活躍したこともおかしい」

探偵はもう一度実験して、自分の名が勝手に口から出て
ロバートは恐怖で医務室に向かう途中
足を踏み外し、金具で手首をザックリ切ってしまう

探偵は慌てて傷口を自分の細胞でふさいだため
血が出ないのを不思議がる看護婦


■なぞの手紙
消毒のアルコールを塗ると
ゼリーの体を火あぶりにされたような痛みが走り
ひっこんだため、とたんに血が流れ、痛みが戻る

校医が傷口を縫って、よく眠れるクスリを渡したため
ロバートはやっと眠ることができた

探偵はこれ以上怪我をさせてはならないと体を抜け出し
体をホタルのように光らせてシャーペンの芯で手紙を書く

「私のことを説明したいが暇がない
 驚かせたのはお詫びする
 私は君の体内にいて、しばらくは姿を見せたくない
 ぜひ一度、私と話し合いをしてくれ」


■ふたりきりの会話
翌日は日曜日で、2人は食堂の当番だったが
友だちはロバートに寝ていろと言って部屋を出る

ロバートは靴に入っているメモを見つけて読み驚くが
「手紙は読んだよ」と囁くと
目に「ありがとう」と文字が映る

「私はいわゆる宇宙人で、人間のような名前はない」

探偵はこれまでのことを詳細に説明する






■むすびついた心
学校の裏の草原でロバートは夢中でつづきを聞く

ロバート:
僕の島には160人ほどの人が住んでいる

僕は君が大好きだ
僕の中に宇宙人がいるなんて素晴らしい
それに正義のために働くのは宇宙人も地球人も同じだ
できるだけお手伝いするよ

でも、冬休みがないから来年の6月まで島へは帰れない
どうしたら校長先生が僕をすぐ島へ帰すかが難しい



■校長先生のしんぱい
それからロバートはぼんやりする日が多くなった
成績は落ちるばかり

心配した校長先生がロバートを呼び

校長先生:
君は心の病気にかかったんだ
しばらくは島へ帰りたまえ

ロバートは心の病気にされたことがとてもイヤだった
そんな病気はだらしのない奴のかかるものだ(すごい偏見/汗

探偵:勉強が遅れても、私が手伝えばすぐ取り返せる


■きけんな凶悪犯人

探偵:
犯人は大勢の偉い人を殺し、国の政治を乱したため
捕まえ次第殺すよう命令されている


見ただけでは分からないが、見つけ出す方法はいくつかある
私は怪しいと思う人間に乗り移って戦うつもりだ

ロバート:犯人も宿主に自分のことを知らせただろうか?

探偵:
犯人が人間を騙している場合と
脅して言うことを聞かせる場合とが考えられる

ロバートは、自分の中の宇宙人がうまく騙していることもあり得ると考える


■めんみつな作戦計画
油を運ぶ発動機船が来て、船長はテロアおじさん
ロバートの遊び仲間チャーリーの父





テロア:
チャーリーが島を出て、よそで働きたいなんてぬかすから
親不孝より俺の跡継ぎをしろって怒鳴ってぶん殴ってやった(DVだよ/汗

実際によその船に乗って出かけようとした
子分のノーマンも一緒だった

ロバートは2人を怪しむ
作戦を立てるため、船室を借りて島の地図を描いてみせる


■あやしい人びと
船着き場で父が迎える
父はがっしりした体で、優しそうな笑顔
校長先生はロバートがフットボールで大手柄をしたから
特別休暇を与えると電報をしていた





父のジープを借りて探偵に島を案内するロバート
父は虫から油をとる工場の技師
(虫から油?! そっちのほうがSFみたいじゃん!↓↓↓





ロバート:
地球ではガスやガソリンが少なくなったから
虫から油をとる方法を学者が発明して
この島の重要な産業になった

この道が本道で両側に人家がある
ちょっと入るとジャングルになる

畑で日焼けしたチャーリーが働いていて
ロバートの突然の帰省を大歓迎する

3歳上のがき大将だがロバートを尊敬している

ロバートはわざと長い握手をして探偵にチャンスを与えるが

探偵:
急に入れば奴はチャーリーを殺すだろう
まずは奴の隠れ家を探ることだ
じっくりやろう


■六人のなかま




チャーリーは仲間を連れてロバートの家に来る
ケネディ、ノーマン、マルム、コルビーは早速海へ行く
あの日、砂浜で昼寝したのもこの6人だ

ロバート:
僕がいない間に変わったことはなかったかい?
最近、あのサンゴ礁の所に行った?

6人のたまり場のあるサンゴ礁付近に犯人の宇宙船が墜落したのだ

コルビーがボートの底を壊してしまい誰も行っていない
すごい嵐があって、仲間の作った“いけす”もふさがってしまったと聞く


■バイキンの勉強
いきなり強烈な太陽にやかれて、ロバートの皮膚は真っ赤にただれ
母に言われて島で1人の医者シーバー先生の所に行く





ロバート:
赤痢やコレラは顕微鏡で見ないと分からないような
バイキンで起きるんですよね?

シーバー:
バイキンの勉強がしたいならいい本がある
しまった、ノーマンに貸したんだ
医者の勉強がしたいと言って、チャーリーと家出をしかけたんだ

ロバートはノーマンも疑う

シーバーは月に一度、島の生徒や工場の健康診断をするから
打ち明けて調べてもらう手もあると探偵に話す


翌日は島を見渡せる山に行き、ボートを直す板を探す
早くボートを直して、犯人の宇宙船が落ちた辺りを探るため

途中に犬の白骨を発見する
ノーマンの愛犬のチップだとすぐ分かる

骨から入って調べるが、よく分からないと言う探偵


■ノーマンのなやみ
翌日、みんなにチップの死骸を見つけたと話す
ショックのみんなは海辺に墓をたてると決める

ロバートはノーマンを疑って問い詰めると
珍しい毒ヒトデを缶に入れてたらチップが噛みついて刺され
鳴きながら駆け出して帰らなかったと話す

ロバート:君は本当に医学の勉強がしたいのか?

ノーマン:家出したのは大きな町の病院に行きたかったからなんだ


■からだの中の悪魔

ノーマン:
時々、体の具合が変で、まるで悪魔がすみついたみたいだ
バイキンが人にうつれば、島から追放されるだろう

チャーリー:お前の体に変なものがついたって仲間さ

ノーマンの背中を叩いた弾みでしりもちをつき
手を切って血が流れたのを見て疑うのを止めるロバート

シーバー:
この島にマラリア病が出た
マルムもかかったからすぐ血液検査をしたんだ

ノーマン:僕の血も調べてください

シーバーが検査するとマラリアの原因となるプラスモジュームがいて
すぐ注射したため発病せずに済む


■はれた疑い

ロバート:
今日は騒ぎたて過ぎた これからはもっとさり気なくやるよ
マラリアの病原虫って気味の悪いものだね 探偵は・・・

探偵:
自分以外は不格好に見えるものだ
私から見れば人間ほど薄気味悪く不格好なものはない
私たちは熱にとても弱いからマラリアと住みつくことは出来ない

ノーマンは寄生されていないことも分かる


朝早く、父のジープに乗り、チャーリーに会いに行くロバート
午前中は勉強しなさいと母が小言を言い
逃げるようにジープを走らせる父

いつもは慎重な父が乱暴に運転したことを不思議に思うロバート





チャーリーの父は息子がボートを直す道具を持ち出したことで
また家出するのかと誤解して鼻血が出るほど殴る/汗
これでチャーリーの中にも犯人がいないと分かる

探偵:血が出過ぎると人間の体内の酸素量が少なるなるからすぐ止めることになる


■サンゴ礁の事件
2人はボートを直して、仲間とサンゴ礁に向かうと
すっかり様子が変わっていた

いけすには水族館のようにいろんな魚や貝、ヒトデなどを集めていたが
それもなくなり、また作り直すことにする

ケネディ:
ここの底に変なものがある
金属の飛行機みたいだ

探偵:あれは宇宙船の操縦席のカバーだ!


■ケネディの災難
ロバートは10mもの深さの底に潜るが
破片はサンゴの間に挟まり取れない

潜りの上手なケネディが行き
4分も経ち、異常を感じたチャーリーが潜り
サンゴに挟まっていたケネディを引き上げる





サンゴ礁には必ず穴があり、いけすにするには底に金網を張る
ロバートの父に倉庫の金網が欲しいと頼みに行く少年たち

ケネディもシロだと分かり
船着き場か工場関係者が怪しいと推理する探偵


■ころんだパパ
虫から油をとるためたっぷり太らせる養殖場
搾り取る工場、油を貯めるタンク、積み込む波止場が並ぶ

父は倉庫から金網を5m切って渡す
岸壁の作業場でみんなよく道具を落とすため必要なんだと話し

作業場の1つを案内してくれた時、父はいきなり転び
少年らは将棋倒しのように海に落ちそうになるが
運動神経がいいため、出っ張りにしがみついて助かる

父が目の前のゴミをはらうように手ではたくのを見て
探偵はなにかに気づく



■ゆううつな一日
探偵は犯人の隠れ家に見当をつけて大変憂鬱になった

ロバートは仲間といけす作りに精を出し
コルビーは毒ヒトデを掴んで両手が紫色のグローブのように腫れ上がり
またシーバーの世話になる

これで仲間は全員シロになる

探偵の様子がおかしいことを怪しみ
宇宙探偵の証拠を見せてくれと迫る


■意外なかくれ家

探偵:
犯人は自分が巣食う人間の神経を麻痺させて殺すこともできる
私は君を知り、地球人がとても好きになった
不幸にしたくないんだ

ロバート:
ただちに犯人をやっつけるべきだ
僕が眠ったら、体から抜け出して小箱に入り
僕はそれを犯人の所に置くからやっつければいい

探偵:
犯人はこともあろうに、君のパパに潜んでいるようだ

崖から最初に転んだのはパパだ
犯人が転ばせたのだ
みんなに怪我をさせて調べようとした

パパは犯人を知っていても騙されているか
なにも知らずにいるかだ

昨夜、君の体から抜けて、パパの寝室の毛布の隙間で張り込みをした
パパの皮膚から奴の一部が出ていたのを見た





ロバート:
小説も同じだけど、犯人は意外に身近にいるものなんだな
パパと僕は敵同士になったわけだ

探偵:
奴にとっては住み心地がいいに違いない
いつまでも出ていかないだろう

ロバート:
ゼリーの宇宙人の考え方ではなく
地球のやり方で懲らしめる意外に手はないな
いい手を考えついた
僕に任せてくれ


■地球のやりかた




ロバートは船着き場に向かい、実験として体を痺れさせてみてくれと頼む
途端に目の前が真っ暗になり、のけぞったが
1分ほどで元通りになった

探偵:あと5分も締め付けたら君は死んでしまうよ

ロバート:
いざという時、犯人がパパを痺れさせた場合
何分くらい持ちこたえられるか知りたかった
僕は奴が嫌がることをしてやるつもりだ
不意打ちを食らわせて
パパの体を痺れさせる暇もなく逃げ出すだろう



■父をねらう目
誰にも会わないように気を配り工場の作業場に来ると父がいる
父がジープで去った間に素早くめまぐるしく動き回る

5ガロンの空き缶を山積みにして
背より高いピラミッド型にし
揮発油の缶を端に置き、1つは口を開けて辺り一面にまき散らした

そこに父がジープで帰ってきた

ロバートは揮発油の一か所にマッチを投げて
わざと大きな声で「パパ!」と悲鳴を上げた

突然燃え出した倉庫に驚いたが
一刻も早く愛する息子を火から救い出そうと
猛然とジープごと突っ込む

人間の父親が子どもを助けるために
命がけの危険をおかすのを見て、探偵は感動する


ジープが炎に突っ込みそうになった時
父はハンドルから両手を離し、気を失ってしまう

熱せられた缶がいくつか爆発してピラミッドが崩れて
ジープにも燃え移り、熱に弱い犯人が逃げ出した






■蒸発した宇宙犯人
父のシャツの背中にどろりとしたゼリーのようなものがにじみ出し
明らかに苦しみ回っている

ロバートはジープに飛び乗り、バックで安全な場所まで後退させた
その瞬間、揮発油の缶が破裂した

探偵:
奴が蒸発する!
君は犯人をやっつけたんだ!

ロバート:
パパが目を覚ましかけている
君のことを知られてはまずい
君は当分、僕の体の中で暮らし続けなくちゃならない
このまま秘密の付き合いを続けようよ

だって君は宇宙に帰れっこない
どこへも行く所がないだろ

そのうち人間が自由に宇宙に行けるようになったら
送り返してやるよ

探偵:
消防隊が駆けつけてきた
ちょっと火遊びして失敗したと正直に謝れば許してもらえるよ


その後、ロバートを不思議な少年だと怪しむ者はなかった
宇宙探偵とロバートの友情は2人だけの楽しい秘密として
固く美しく結ばれつづけた




<解説 野田開作>
ハル・クレメントは、アメリカのマサチューセッツ州出身
ハーバード大学で天文学を専攻、ボストン大学で教育学を学んだ
第二次世界大戦ではB24のパイロットとして活躍


本書の原題は『二十億の針』
20億人もの人間のたった1人の体内に潜り込むという
奇抜な着想はクレメントのお得意のもの

彼が作る「宇宙生物」はお化けのような姿ではなく
得体の知れないブキミなものばかり

そして必ず地球人と交際して仲良くなる
けっして地球人と戦ったり、脅かしたりしない
(それは好感が持てる 他の作品も気になる

読者をハラハラさせる筋立ての巧みさで
推理小説の要素が含まれている

他の長編には『重力の使命』『火の輪』などがある




「宇宙には何か生物がいるにちがいない」







19世紀頃から天文学者で研究されたが
分析技術が進んでいなかったため結果が得られなかった

1950年代、再び「宇宙人存在説」が取り上げられ
今でも続いている


「我々と同じ高等生物がいて、電波信号を送っているかもしれない」

1961年 アメリカの国立天文台で電波交信が試みられたが
3か月ほどで中止された






火星、木星、金星の雲にも下等な生物がいそうですが
太陽系には高等生物はいそうもないのです

しかし銀河宇宙には500億の惑星があり
その外には別の小宇宙があり
そこにも無数の恒星、惑星、宇宙生物がいることでしょう








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キンキラキンのおーちゃんシリーズ@OWSチャンネル

2021-04-29 11:26:04 | テレビ・動画配信
「宇宙人は小学5年生シリーズ」でも有名なOWSチャンネルで
ソウタくんの次に多い10回ほどのゲスト出演者は
キンキラキンのおーちゃん!!

ものすごいクセの強いキャラクターだけど見始めると面白くてまとめ見したw


億万長者が全てを手放して沖縄へ来た驚きの理由!キンキラキン・おーちゃんシリーズ第1弾!


ヨンソさんいわく、おーちゃんの出た回は
チャンネル登録者数が少し減るってどーゆーこと?w

「全財産捨てて沖縄に来なさい」とユタのおばあに言われて
今では沖縄でマッサージ店?を経営

YouTubeでブレイクして、今ではリトリートをしたり
あちこちでコラボ、メディア出演も増えて大忙しとか

毎回フシギなユタ、神人(かみんちゅ)の話が興味深い

いまだにまったく無神論者のおーちゃんに神武天皇がついていたり
アトランティス大陸の国王の息子で、国が沈む前にUFOで逃げた?とか

龍がいる洞窟をふさいだため呼吸が出来ないから開けろと言われて
ヘッドマッサージを受けている女性が
時々憑依してメッセージをもらうとか

「ここに行きなさい」と言われていた所に「後でまた・・・」と思っていたら
飛行機内でいきなり「今日行け!!」て怒鳴られたとか/爆

マッサージに来た女性をビーチに案内していたら珊瑚の球を見つけて
まったく同じものが宇宙から落ちて来る夢を見て
今では店内に天照大御神の分霊?として祀っているとか
陰陽師にも出て来る五芒星って天皇家ともゆかりがあるのか/驚






「沖縄の七宮八社を周れ?!」
沖縄には七宮八社と呼ばれる大事な神社がある
そこを周れとユタから言われたが

「時間が出来たら」とにごしたら
「安里八幡宮だけでも行け」と言われて行ってみたら
自分が3.11の際に建てた学校がある場所のすぐ近くだった
今の住所、サロンも近くにある






「封印を解くお役目がある?!」
宮古島の海底には古い文明が封印されているという伝説がある
アトランティス、琉球王、神武天皇など点と点を結べば
今後、なにかしら繋がった線になるかもしれない

おーちゃんの神棚に手を合わせたユタが
「バリ島の神様がいる!」と言い始めたことも関連しているのか?






「テレポーテーション」
神社で拝んでいる時、後ろで知人の女性が歌いながら踊っていたら
いつのまにか腕にブレスレットのようなものがテレポーテーションしてきた





最初はゆるかったが、3日間程つけていると
ちょうど自分の腕にフィットした

蛇の皮に近い初めて見る素材



「15年前に出演した『マネーの虎』」
その YouTube も見てみたけれどもボロクソ言われてた





ブライダル業界を底上げするべく
司会者を養成する学校を建てるために888万円が必要と申請

自分の預金が900万円
今やっている会社も2千万円儲けているって話したから融資を断られたのか
それとも話が長くて伝わらなかったかw


「今、現在、過去のおーちゃんのように苦しんでいる方々にメッセージ」

おーちゃん:
まだ起きていない未来の不安を抱えて生きているのはやめにしよう

人生っていうのは必ず良い方向にしか向かっていない

その先に自分の未来があるという軸を持っていると
自分の内なる神とつながる

その軸が経済の基盤だと思っている
軸がしっかりしていると
見えない世界、内なる神が協力してくれる


不幸の始まりは不安だと思っている

私たちは人生を楽しむために生まれてきた
人生楽しもうよ~!!

(まったく同感v




急に深い話になってビックリ
根は真面目で、信心深いのでは?

14日間、水と塩だけで何も食べない断食をしても
まったくお腹も空かずに健康体ってもう宇宙人レベル/驚

でも、布袋様がついているせいで、お腹のぽっこりは痩せないってw
今ではサロンには七福神全員が集まっちゃてるらしい

私はマッサージとか受けたことないし
逆流性食道炎のため、真っ直ぐ寝る姿勢や
首が動かないからうつぶせ寝も出来なくて苦手だけど
ここに行ったら全部スッキリ治りそうな気がするなあ!

それにはまずパニ障をなんとか乗り越えて
飛行機に乗らないと行けないけど

おっと、これも脳の誤作動の「不安」か!

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プラネタリー・ヘルス・ダイエット

2021-04-28 12:50:33 | テレビ・動画配信
テトラノオト第166回 地球と健康に良い食事〜プラネタリーヘルスダイエット


YouTubeで見つけた
一瞬、松尾部長かと思ったw


【内容抜粋メモ】

自分の健康に良いことをすると地球にも良い効果がある

例)健康のための自転車通勤でCO2が削減されるなど






ヘルシーな有機野菜を選ぶことは、土壌や川の生態系を守ることにもなる


『Food Planet Health』
フード・イン・ザ・アントロポセン(人類の時代における食)
食料と惑星、健康に関するEATランセット委員会






野菜類を2倍、赤身肉は半分に





世界中の農地の大部分、75~80%が家畜用の飼料の生産に使われている






今、世界でベジタリアンが増えている

砂糖や精製穀物、デンプンを大幅に削減した食生活が推奨されている





1日あたりの推奨摂取量






ポール・マッカートニーは週1回の菜食
「ミート・フリー・マンデー」を呼びかけている






プラネタリーヘルスダイエット 5つの戦略

1.枠組みの目標の達成に向けて
世界全体かつ各国が責任を持って取り組む

2.世界全体の農業を量より質を重視する方向に転換する

3.持続可能な農業に対してインセンティブを提供する

4.土地の管理と海洋の管理を連携させる

(漁船から捨てられた魚網で体の形が大きく変わるほど絡まった映像なんて
 もう2度と見たくないんだ





地域循環共生圏




さかなクン「第35回ナショナル・トラスト全国大会」@池袋ビズ(2017.12.16)

天神崎を大切に!@ナショナル・トラスト

おじいさんの森@ナショナル・トラスト



食料廃棄物を減らす取り組みを強化する





環境学者ヨハン・ロックストローム博士:
食料は環境への負荷を上昇させている唯一最大の要因だ





2012年の死者数
世界で年間1100万人以上の人たちが
食生活に関連した病気で命を落としている



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ゲームで遊んでみた part11 『探索者の記録』ほか

2021-04-28 12:50:32 | ゲーム
「ゲームで遊んでみた まとめ」カテゴリー内に追加します


探索者の記録




やたらとこの宣伝が入るので
他のゲームの合間にやってみようかとインストールしてみた

展開としては、どんどんモノやヒトが消えていく町に
探索者(自分)がやって来て、秘書?のヘレンが案内する







ゲームを進めるといろんな場所がアンロックされていく




市長が謎の「仮面の男」に襲われて
そいつは私のことも見たと言う大佐
その怪物の呪いを解くみたいな?











たしかに映像、絵はキレイだけれども
私の苦手なタイムリミットありのモノ探し
しかも、毎回モノの場所が変わってる/汗

それでなくても日常生活でせかせかしている気持ちを
リラックスさせるために遊んでいるのに
急かされるのはイヤなのでアンインストール



ハリウッドファッション




何かちょっと変わったゲームがやりたくて
広告に出てきたこちらをインストールしてみた

映画に関わるネタでも出てくるのかと思ったら
ひたすら服を買って
運動やドラマの稽古して“スキル”と“カリスマ性”を磨いて
オーディションを受けて→映画撮影→セレブの友だちを増やす繰り返しっぽい

なぜかみんな四六時中モデルポーズをしているのがブキミ












しょっちゅうスマホに"セレブ"から電話がかかって指示が来る
家を出るとパパラッチに写真を撮られて「タブロイド」の表紙を飾る









1回目はどんどん展開が進むけれども
2回目はすぐにエネルギーが切れて課金

いかにもハリウッドの荒唐無稽な世界の繰り返しで飽きたのでアンインストール
でも意外と実際もこんな狂った世界なのかもしれないな



アルプス殺人事件 その後(ネタバレ注意
最初に出て来た気のいいおじさんがアルドーを殺した犯人だった
彼も一族の1人だったのに、貧しい暮らしで恨んでいたから(だっけ?






なんだか分からないが第2章「亡命者の死」に突入






チューリッヒに帰る予定が
箱を積んでいる女性(おじさんかと思った)にぶつかって
乗り遅れてしまい、もう1週間滞在することにする





怪しいトラックの積み荷と
古城に現れる幽霊の伝説が関係しているのでは?と調査するアンナ







「ミステリー探偵ジューン」(ネタバレ注意
その後の話
タルボットの息子ロバートが殺人犯の容疑者にされて
ジャックに頼んで飛行機で逃亡を助ける
クラブの黒人女性歌手が関わっていた模様











この灯台の修復はいつ終わるんだ?と先々の予定を見てみたら
「マニュアルの流し読み」「マニュアルを捨てる」「即興でやる」とか
どんどんなげやりになってるけど大丈夫?w







庭づくりのほうは、「アースデイ」にちなんだイベントも出てきた
課金のため買わなかったけれども
イベントの終わりにステキな樹を1本もらったv
庭に出来るだけ樹を多く植えるのも楽しい













アート・ジグソーパズル
ここでも期間限定の「アースデイ」のコーナーが出来て
パズルを終えるごとに1枚1枚マスがはがれていって
1枚の絵が出て来る



 


すべての絵が地球環境に関する絵で癒された
ゲームで遊びながら環境問題に関われるのは嬉しい


 



 

 



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宇宙人は小学5年生シリーズ 地球温暖化、地震は大丈夫? ほか

2021-04-27 12:02:31 | テレビ・動画配信
【地球温暖化】地球の環境は人間が守れるのか?地震頻発してるけど大丈夫?宇宙人は小学5年生パート①


タイトルのイラストが宇宙人アミになってる!
さくらももこさんがもういないのに
アシスタントの方が描いたのかな?

ソウタ:
これまでは宇宙の話が主だったけれども
5年生シリーズは現実世界の話になるのではないかという感じがする

ナナちゃん:
今日はお話会があって
こんなに強い愛のパワーを発するんだと涙が出た





ヨンソ:地球人として暮らしてきて、感情がちょっと芽生えてきてるのでは?

ソウタ:クラリオン星人として最も感情があると思う



コロナについて

ソウタ:感じ方の問題


「マスクをつけるかつけないか?」

ヨンソ:マスクのゴミはえげつないと思う





ヨンソ:
僕が一番ものすごく危険じゃないかなと感じているのは
いろんなことをおかしいと思わなくなっている人達が増えていること

テレビ、新聞、SNSなどのメディアを
全部鵜呑みにしているわけだから


「マスクしない人は非常識だと思います!」
って言っているテレビのスタジオの中は無菌室なのか

それを気づいてなくてテレビで発している
見ているほうも矛盾に気づいていない

ソウタ:
お金もらえるからね

アホなのが一番の危機(無知という意味か
危機、危機言いすぎて何が何だかわからなくなった

ヨンソ:
マスクを外す勇気が持てなくなってきている
自分の生きたいゾーンで生きるしかないよね

ソウタ:
今いろんな種類があるのでファッションとしてはいいよね
化粧しなくてもいいしね
(それは私もすごく同意w



地球温暖化について

ソウタ:
あんなレジ袋数枚では変わらないですよ
そんなにCO2は関係ないと思います


人間が止められることでもないなと思っています
これはどうしようもない

地球が温暖期と氷河期を繰り返しているだけ

ヨンソ:南極の氷が溶けて日本が沈むとか言う説もあるけど

ソウタ:
そんなことはありません

水位はそんなに変わりません
日本が沈む心配はないです

コップの中に氷を浮かべて
それが溶けるとどうなるかやってみてください
水位は逆に下がります

(実際沈んで、島民が避難したというニュースもフェイクってこと?

人間の努力でなんとかなるものではない

太陽に近づいたり遠ざかったりしているからごく当たり前のことです
もし影響があるならば、人間は必要なかったと諦めればいいんですよ

人間は加害者というより被害者

汚染されていることは事実
それで結局困るのは人間じゃないですか
人間は困らないと何も対策をしないんですよ

これまで地球温暖化とずっと言ってきたけれども
人間に直接何も影響ないでしょう?

(何もってことはないなあ
 森林火災や自然災害で大勢亡くなって、今でも避難生活していたり

ヨンソ:地球を汚さないようにしようという道徳心としてはOKですよね




巨大地震について

ソウタ:
来たらええやん
そんなに気にすることはありません

人間は死ぬのが当たり前なんです
それがたまたま地震の時ってだけなので
毎日を楽しく生きてくださいね

ヨンソ:
この地球、環境を守りたいと頑張ってる人たちもいるじゃないですか

ソウタ:
頑張ればいいんじゃない

正直僕は人間のことはそんなに興味がないわけです
人間はどうせ滅ぶのだし(いつか亡くなるという意味)

ヨンソ:人間が自分たちの命を守りたいと思うのは・・・

ソウタ:
エゴだよね
星は関係ないから

人間の生存本能だからしょうがないんじゃないかな
死に絶えてもまたやり直せますよ

復活すればまた新しい命が宿るじゃないですか
これもまた一つの実験なんです






動植物の絶滅危惧種について

ソウタ:
助けてあげる人間もいれば、殺す人間もいる
動物にとっては同じ人間
「何がしたいんですか?」って感じ

一番手っ取り早いのは人間がいなくなること

(私もそう思う ヒトが滅んでも、地球、自然は残る





<次回の予告>


ソウタ:
まずはじめに人間が絶滅します

人間によって管理されていたものが
全て管理されない状態になる

子どもは親の道具ではないです


***

所々爆弾的発言があって、ヨンソさん的には
「大きな和を世界に(OWS)」というモットーで YouTube をやってるわけだから
一見すると意見が食い違っているのでは?と思うことも多いけれども
根底部分は同じ意見なのかなあ?

みんなそれぞれ意見が違ってOK、それが「平和」ということか


人間が滅ぶというのは
生まれたものはすべて死は免れないものだという意味で言っているのか?

じゃないとせっかく「大統領になって地球(日本だっけ?)を救いたい」って
最初に言っていた目標と矛盾するし

感情、愛情がもっとも発達している地球が
宇宙にある2つの天国の1つだとすれば
感情のないクラリオン星人が大統領になったら何をしたいのか?

さまざまな感情を体験で学んで母星に持ち帰ることと
これまでのお礼に高い科学、意識で地球を救うってことか


この動画も含めて、自分の勘を信じて
それぞれ行きたいほうに行けばいいということか

とりあえず、第2回が楽しみ




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【寿命】は生まれた時に決まってる?!寿命の秘密...

2021-04-27 12:02:30 | テレビ・動画配信
【寿命】は生まれた時に決まってる?!寿命の秘密...

小学校5年生シリーズの後に
ミルクティー飲みたいさんのトピックが寿命の話でリンクした/驚


「日本は世界で最も平均寿命が長い国」

男性 81歳
女性 87歳

平均寿命100歳以上が今世界中に8万人いると言われている

スイスやスペインも日本とほぼ変わらない平均寿命


「ヘイフリック限界」



私たちは体内の細胞が分裂して寿命を延ばす代わりに死ぬという決断をした

その分裂にも限界がある
分裂が止まってしまう限界は63回と言われている

年齢で言うと120歳

今の人類最高年齢は122歳





生存数曲線の推移(女性)
高齢化が進んでいるけれども
110歳あたりのところで亡くなるのは同じ





医療、衛生環境などの発達で病気や怪我での死亡率が減ったから



「テロメア(時計遺伝子)」
ブレインバンク!
こんなおぞましいストックがこんなにたくさんあるって気持ち悪すぎる
将来、DNDで自分を復活させようみたいな?






「FF 黄金のエレクシル」
不老不死の媚薬?






「ラゴンズ・ブラッド・ツリー」




樹液が真っ赤な血のようなことから
これを飲むと不老長寿になると言われている

不思議な形!!
バオバブに似てるけど
血管のような枝のわかれ方


生命の最後の感覚「タナトロジー」
タナトロジー(死生学)(ウィキ参照

「死は苦しみからの最大の解放である」という言葉もある

(それは納得
 いろいろ感じる肉体からの解放 意識・魂の世界への回帰



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『森のプレゼント』 ローラ・インガルス・ワイルダー/作 朝日出版社

2021-04-26 16:13:45 | 
「絵本・児童書」カテゴリー内に追加します


私もテレビで「大草原の小さな家」シリーズを何度も再放送を見て育った世代

とにかく何でもできるお父さんとお母さん
丸太でできた小さな家がとても羨ましかった

昔は何でも手作りして工夫して
自然と共に生きていたんだよね


クリスマスって本来こういうものだよねというのが分かる1冊

今みたいにどこか高級ホテルに泊まって
恋人とご馳走を食べるとか
クリスマスケーキを買って食べるとかじゃなくて

家族が久々集まって
それぞれのために一番必要と思われるものを想像して
手作りして贈り合う

一年で一番のご馳走を何日も前から用意して
みんなで食べてキリストの誕生を祝う日

外の寒さも人の命を奪うほどだから
防寒のしかたも本格的!
道中何があっても寒くならないようにする工夫が素晴らしい


奴隷の歌を歌う場面がある
アメリカの開拓といえば
原住民のネイティブアメリカンを大量虐殺したタブーがある


原作はまだ読んだことがないが
きっとドラマと同様か
それ以上にあたたかい物語なんだろう

特にローラがもらった初めてのお人形は
どんなに素晴らしかったろうか!


安野さんといえば細かく小さく繊細な絵が
画面いっぱい描き込まれているイメージが強いけれども

この絵本ではそれぞれの場面を
丁寧に優しいタッチで描いていて癒される

動物たちも一人一人プレゼントをもらっている表紙画も温かい




【内容抜粋メモ】

クリスマスが近づくと、小さな丸太の家はほとんど雪に埋もれる

お父さんは戸口から納屋の家畜小屋までの道をつくる

夜はお母さんにプレゼントする板細工
唐草模様を彫り、☆もつけた飾り棚って
力仕事だけじゃなくて芸術家の域!!





お母さんはそこに大事な小さい陶器の人形を置く
(代々受け継がれてきたものなのかも






お母さんも大忙し
塩味の発酵パン、クラッカーなどを焼き
ベークドビーンズを煮て、パイやクッキーまで焼いてる/驚

メイプルシュガーをシロップにして
雪にかけるとすぐに固まって
いろんな模様のキャンディーになる!


クリスマス前日
イライザ叔母(母の妹)、ピーター叔父(父の兄)
いとこのピーター、アリス、エラたちがやって来る

みんな毛布や、バッファローの毛皮(!)にくるまれて
大きな荷物のように見える

鈴を鳴らしてボブスレーを引く馬





猫のブラックスーザンは納屋に隠れ
犬のジャックは大喜びする
(この2人の絵がないな


みんなで早速「写真ごっこ」をして遊ぶ
切り株から雪の上に飛びこみ型をつけていく遊び
楽しそう!






みんな暖炉に長い靴下をさげてベッドに入るが
興奮して眠れない





ピーターがレイクシティに用事に行っている間に起きた事件を話し始めて
聞き耳をたてるローラ

イライザが朝早く、手桶に水をくみに泉に出かけると
ヒトほど大きな飼い犬のプリンスが
スカートを引きちぎるほど引っ張った





怖くなって家に入ると家の前に寝て
少しでもドアを開けて出ようとすると
吠えたてて噛みつかんばかり

これまでにないことにビックリして
午後遅くまで閉じ込められたままで
ピーターが銃を持っていかなかったら
撃っていたかもしれないと話す

ようやく泉まで行くと
そこには手のひらほどの大きさの
パンサーらしい足跡があった

泉近くの木から動物を狙っていて
プリンスがいなければイライザに飛びかかっていただろう





怖くなかったの?とベッドの中で
ひそひそ話をする子どもたちを寝かしつけるために

お父さんはバイオリンで♪アーカンソーの旅人 を弾いて
悲しい奴隷の歌♪いとしのネリー・グレイ を歌う
(お父さんは音楽の才能もあるんだよね!






いとしのネリ―・グレイ
あいつらは君を遠くへ売ってしまった
こんなに恋しいのに
僕はもう君を見ることもできない



歌声を聴きながら、とうとう寝てしまう子どもたち
(ヘヴィな子守唄だな・・・



クリスマスの当日
みんなの長靴下には真っ赤なミトンと
ペパーミントキャンディーが入っていた

一番幸せだったのは布で作ったお人形をもらったローラ

ローラは人形を初めて見たため
目を丸くしたまま口もきけなくなり
人形をしっかりと抱いて、ほかのことを全部忘れてしまう





黒いボタンの目
眉は鉛筆で書いてある
頬と口はマゴボウの実の赤い色で染め
髪は黒い毛糸がカールしてある


ローラの妹キャリー、イライザの赤ちゃんドリーの他は
ローラがこの中で一番小さいため
ほかの女の子たちは、羨むことはなかったが

お母さんは「ほかの女の子たちに人形を抱かせてあげないの?」と優しくたしなめる

ローラはメアリーたちにも交代に抱かせてあげるが
自分のもとに戻ってきてホッとする
名前はシャーロットと名付ける


普段お行儀の悪い子には小枝のムチ1本しか入ってないぞと脅かすピーターも
「子どもをからかってはダメよ」とたしなめるイライザ

お父さんとピーターは赤と白の市松模様のミトンをもらう





イライザはお母さんに香辛料のクローブをさしたリンゴをあげる
そうすることでリンゴが傷まないから
(クローブとグローブと書いてある

お母さんはイライザに手作りの針さしを贈る
本のように開いて、針をさすところはサビを防ぐネルでできている

(お母さんも魔法のようになんでも手作り出来るんだなあ!
 この頃はそれくらい出来て当たり前だったかもしれないけど
 私は不器用で生きていけないかも/汗


朝食にパンケーキを焼くお母さん
熱々のパンケーキマンをそれぞれのお皿にのせてくれる





その後、聖書の挿絵や、お父さんの本にある動物の絵を見て過ごす


クリスマスのご馳走(これまでも十分すぎるくらいのご馳走だけど!
子どもたちは食事中に喋ることを禁じられいる

遠くの家まで帰るのに時間がかかるため
ご馳走はいつもより早く始める

ピーター:
馬がどんなに速く走っても
暗くなるまでに家に着けるかどうか難しいだろう


みんなにありたけのものを着せると体がふくれあがる

お母さんは指を温めるために
焼きたてのジャガイモをポケットに入れる(!

鉄のコテをストーブで温めて足元に入れ
毛布やキルトなどもみんな温めてある


「さようなら! さようなら!」


鈴の音が聴こえなくなり
クリスマスは終わる








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topics~映画『フィッシュマンズ』7/9公開 ほか

2021-04-26 15:48:19 | 日記
3回目の緊急事態宣言が出たらしく←ニュースを見ていない
目に入るのは延期されたイベント
時間短縮や臨時休業に入る店、映画館、美術館、博物館などなど

それでもオリンピックはやるって妙な話
オリンピック期間中は感染しない統計データなのか?

見返りに誰もオリンピックを観に行かないって手もあるけど
錦織圭くん、大坂なおみちゃんらが楽しみにしているなら観たい気もする

どのみち文化は誰にも止められない
水のようにヒトに必要不可欠なものなんだ





イオンネットスーパーで買ったヴィーガン&グルテンフリーの米粉パン
レンチンしたけど、ぼそぼそ感が拭えない・・・
もう買わないな


 





UQ mobileサービスのご利用金額:2181円
4.20のメール 毎回フシギなタイミングで来るな
これは3月分???

WiMAX代は別だからまた確認しないと

WiMAXが家でもスリープや電池切れになることが増えて
これまでは毎月3GBを使い切らず
常に繰り越していたけれども

それなりに消費するようになったのは
ゲームをやるようになってからか?
YouTubeをよく見るようになったからか?



はしもとみおさん 新江ノ島水族館 ガチャ
これまたカワイイガチャ新作第二弾!
やっぱり推しはウミガメさんかな
いつか大きいバージョンが観てみたい









相生座@長野 102年目




地方の古いミニシアターが
コロナ禍もこうして続いているってスゴイよなあ!
私も友だちも親も通った思い出がある
これからもたくさん良い映画をかけてください!


映画『フィッシュマンズ』7/9公開
ヨーキンさんも出演するって、これは絶対観なきゃ!!





出演:佐藤伸治
茂木欣一 小嶋謙介 柏原譲 HAKASE-SUN
HONZI 関口“dARTs”道生 木暮晋也 小宮山聖 ZAK
UA ハナレグミ YO-KING(真心ブラザーズ)
原田郁子(クラムボン) こだま和文


フィッシュマンズの30周年を世界中が祝福!「本当に感慨深い気持ちでいっぱい」(茂木欣一)






映画『カリプソ・ローズ』4/23~
こちらはワダさんオススメ
音楽に関わったのかな?






プロが、フィギュア選手の誰が一番うまいのか分析した結果...
プロのバレエダンサーのヤマカイさんが
フィギュアスケートのトップ選手の演技を解説するって面白い!

想像以上にフィギュアスケーターはバレエの動きを取り入れて
演技構成点に反映させていることが分かる

ほかにもミュージシャンのダンスを完璧に踊ったりして
日本のバレエをもっと盛り上げたいというエネルギーがハンパない

スペイン人の彼女もYouTuberで、国際カップルのvlogでは
かなりオープンにさらけ出していて
見始めたら止まらなくなって興味津々

食事にも気をつけていて、やっぱりタンパク質、プロテインや野菜が優先

スーパーに普通にグルテンフリーコーナーがあったり
ケージフリーの卵、ラクトフリーのヨーグルトなどが売っている環境が羨ましい












宇野昌磨くんのYouTubeチャンネル
そのヤマカイさんが宇野くんもYouTubeやってるって言っててビックリ!
早速見たら、こんなに面白キャラなんだww






はじめたきっかけは、、、

宇野:
Facebook、インスタグラム、Twitter、僕はどれもやっていなくて
始めたとしてもすぐにやめてしまう

自分も楽しみつつ
フィギュアスケートの普及に貢献したい
本当の素の宇野昌磨を見せたい






英語の勉強・宇野昌磨 第2弾 / English Lesson Part 2




ステファンコーチの言うことが分からない時は「YES」で誤魔化してるって/爆
でも、知ってる単語から言おうとしていることをちゃんとくみ取って
クイズの答えが正解してる勘が鋭い!驚

前は動物が苦手だったけど、弟が飼いたいと言って家族になったわんこの
遊び相手として黒いトイプーを飼いだしたらやっぱりカワイイって
意外な面がたくさん観れて、これは登録v








弟さんはモデルなのか
とても似ていて、すごく仲良しなのが伝わる









追。

「石灰沈着性腱板炎」「強直性脊椎炎」リハビリ経過
(石灰はもう消えたから診断名変えたほうがいいのでは?

なかなか肩甲骨と肩周りの痛みが取れない
日によって調子が良かったり、悪かったりするのもフシギ

改めて骨と筋肉の画像を見たら
自分がイメージしてたのとちょっと違ってかなり複雑だと分かった


(赤くしたところが痛い部分




肩甲骨は背中で浮いているとかなんとか/驚×5000
そう言われれば、骨が全部接続してたら動きづらそうだもんね








施術者:
骨は靭帯や筋肉でつながっている
動かさないと血の巡りも悪くなり→神経→脳に痛みが伝わる
重いものを運ぶ仕事などで動かし過ぎても炎症として痛みが出る


こんなに何層にも複雑に重なった筋肉や骨の構造を
全部把握している医師や施術者ってすごい・・・
自分の体なのに知らないことばかり

背中の中央も痛いのは「大菱形筋」か?

今って3Dプリンターが発達して
義手、義足がとてもリアルな形状、機能になってるから

MRIのあのストレスから解放するためにも
自分をささっとスキャンして→3Dプリンターで自分のコピーを作って
それをMRIに通せばいいのでは?と思った

ダメですか?

それにしても、狭い円筒で30分間動かずに拘束されて
大音量の騒音に耐えながら、時々撮影のために20秒間息を止めるって

そんなに患者に負担のかかる方法を「最新医療」だなんて
ちゃんちゃら可笑しいや



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少年少女SFアポロシリーズ 7 『月こそわが故郷』 福島正実 岩崎書店

2021-04-25 11:34:33 | 
1970年初版 定価450円

ブックデザイン/金森達
表紙・口絵・挿絵/中山正美
写真提供/USIS


「ジュヴェナイル」カテゴリーに追加します



せっかくハードカバーのジュブナイルなのに
読み始めて途中でぷっつりと終わる短編集だと分かってガッカリした

文庫のショートショートのようで
ルナシティなどの設定や登場人物が
若干かぶっていて、それならなおさら
1冊の長編にどっぷり最後まで引き込んで欲しかったなと思う

尻切れトンボのようなまとめ方で
小説とも言い難いほど短いものもある

でも、福島さんと言えば、眉村卓さんとともに共作した方では?

ヴェルヌやウェルズらとともに並んで
シリーズに1人だけの日本人作家として加わるくらいだから相当だ

このアポロシリーズも8冊全部
きっとどれも面白いのだろう






タイトルからして探検ものかと思ったら
謎のウイルスとの戦い

その情報が大国の政府によって秘密にされたり
突然変異で死者が拡大し、ワクチンを作る件など

思いきり今とリンクして
せっかく冒険の旅に行こうと思ったのに
すっかり現実に引き戻された感じ

他にも大地震で原発が壊れるなんて
3.11を予言するような展開にゾッとした

原発が増えるに従って、地震大国の日本で
十分起こりうると分かっていたのに

いまだ懲りずに利用して、増やそうとまでしている
21世紀の未来の世界にもガッカリだ



 



1960年代に月に到達し
今ごろはもう月に移住していると書かれているのに
そうならなかったのには何か理由があったのでは?
と都市伝説的なことも考えてしまう

月の裏側か地下に都市があるとか
なんらかの秘密があるから一度行ったきりのままで
実は交信は続けているとか

それらのたくさんの謎もそろそろ市民に明かされる日が近いかも


【内容抜粋メモ】












月こそわが故郷(ふるさと)
50年前の7月21日、初めて人間は月に到着

今では人口5000人のルナ・シティ、ソユーズ市、ヨーロッパ市ほか
7つの都市や数えきれないほどの無人観測所があり
「不毛の地」と言われた月は科学技術の最前線となった






星島一郎、ボブ・オハラ、リーダーのジム・ハリソンは
月を故郷とする月二世のため身長が2m超える細身

今日も地球からの観光客が宇宙船でやって来て
ボブ:不潔なビールスのたかったブタどもが!

他にも7人ほどの仲間が集まる
月では人種の違いは問題ではない

月着陸50周年記念祭は1週間後
月を地球の植民地支配から取り戻す革命計画を立てている

ルベリエは昨夜から保健センターに入った
悪性の地球風邪にかかって、高熱にかかった様子は見ていられないほど酷い

2001年に起きた悲劇を思い出す
ハリソンの家族も地球から持ち込まれたビールスで一家が全滅した
ワクチンが間に合わず、600人が死んだ大事件だ

1週間を待たず行動を起こそうと決起し
ヨーロッパ市に向かうボブ、作業ドームに向かう星島らの二手に分かれる


自動管制システムで走るモノレールに細工して停車させ
車掌を襲い、通信機を銃で破壊
「月世界解放委員会」と名乗り占拠する

乗客を捕虜にし、抵抗すれば、零下120度の外に
宇宙服なしで放り出すと脅す

ジェトロ電機のエーブル副社長:
月は地球の援助なしではどうにもならないじゃないか
月開発に尽くした、これがお返しか?

カート:
月が有利な投資と分かると、利権を貪った
お前たちから月っ子の手で解放するんだ!

そう言うカートも月ビールスに感染していることが分かる


月医学研究所の秦博士は、まさにそのビールスのワクチンについて
誰も知らないアイデアを伝えるためにルナ・シティに行くところだった

月インフルエンザは放っておけば1か月で月を全滅させる脅威のため
モノレールがドームに入ればシティ中に蔓延してしまう


ハリソンはそれをも革命に利用しようとする

ルナ・シティに月インフルエンザのことを警告し
解放を成功させる計画に変えて
エーブルに無人観測所まで案内させる

真空の宇宙では光が散乱しないため
影と光がくっきり分かれて、距離感が狂う

気密服が少しでも破れれば、空気が漏れて窒息死するか
極寒にさらされて凍傷になる世界


途中で隕石嵐に遭う
地球では空気の層で燃え尽きるが、月ではそのまま落下してくる
だだっぴろい平原には隠れる所もない

機関銃のような攻撃を危機一髪で避けて
ようやく無人観測所に着くが、隕石嵐で破壊され
予備の酸素ボンベも散乱して補給が出来ない
革命も失敗だと絶望する星島





秦は赤い塗料でワクチンの製法を書き始める
秦:修理班が来て見つけてくれるだろう

ハリソンは自分もろとも月世界も道ずれにしようと文字を消すよう銃を向ける


そこに観光船セレーヌ号が来て、美しい女性の声がする
助けを叫ぶエーブルを射殺するハリソン

自分の命より、月世界のためを思う姿に胸を打たれた星島は秦に味方して
父から習った柔道の背負い投げをして、ハリソンの酸素ボンベを抜く


観光船に乗り、ハリソンを縛ってから圧縮空気を吸わせるが
もう月インフルエンザの症状が出ている





ハリソンが反乱軍と知ると、観光客は
「そんな連中は精神病院にぶちこめばいいんだ」
「僕たちまで感染してしまう 放り出せ!」
と言い

無理解、偏見にカっとなる星島だが
秦は星島を反乱軍の一味とは言わずにかばう

急いでルナ・シティに連絡するよう言うが応答がない

ボブらが占拠してしまったに違いないと思うが
ソユーズ市も月インフルエンザの猛烈な勢いで感染したと分かる

秦は月と地球に放送を流し
国連月世界開発委員会、世界保健機関、ルナ・シティ評議委員会に
すべての争いを一時休戦して協力して欲しいと呼びかける


観光船の客は月二世のせいだと星島に襲い掛かる
身のこなしは月人のほうが軽いが、腕力は地球人のほうがはるかに強い

運転手にぶつかり、そのまま垂直の斜面を転げ落ちる

運転手は即死、セレーヌ号は転倒しそうに傾く
秦はタンクの下敷きになり、腰骨を折る


無電気も壊れたため、動ける星島とガイドのキャシィがルナ・シティまで歩くことになる

太陽光線を浴びて熱くなり朦朧としていると

キャシィ:
あなたもビールスにヤラれたのよ
私は月人
月ビールスは侵略者のあなたたちを地球に追い返すための武器よ

宇宙服を脱ぐと昆虫人間に変わる
ルナ・シティにもうじゃうじゃと地底世界にいた昆虫人間がいて
死体を山積みにして焼いている


ルナ・シティの保健センターで目が覚める
月インフルエンザを発症して悪夢を見ていた星島

秦も入院していて、腰の骨折でもう歩けない
ワクチンが製造され、出来るそばから急送し
星島も助かったが、他のメンバーは捕らえられた

革命は不発に終わり、月二世には警察の見張りがついている
星島は秦の擁護で保護監視になった

国連は月を宇宙病汚染地帯に指定したため
ルナ宇宙空港には地球に逃げようとする人々でごった返し
ケンカも起きるパニック状態となる





電気や空気清浄をする人々もストを起こして
空気が濁り、食料不足となる

鎮まると思われた月インフルエンザも勢いをぶりかえす

都市の大エレベーターが運転中に事故を起こし
ギュウギュウ詰めの観光客がそのまま窒息死した
(だから密閉空間はイヤなんだよ/汗

地球人と月二世が入り乱れてケンカとなりけが人も続出


秦:
君はなんとも思わないのか?
今こそ先頭に立ってルナ・シティの秩序を回復すべきだ

しかし星島は、月はどうせ地球のものだ
どうにでもなればいいと投げやり


キャシィがテレビをつけると
オーストラリアの宇宙飛行学校の生徒が
月を救おうと志願したというニュースが流れて
地球人の青年に負けてはいられないという気持ちがおき起こる

月はまだ自給自足システムが整っていない
金属、化学薬品、土木の機材などを大量に地球から送らないと
日常生活にも困ってしまう

月を救うのは月っ子なのだ!


久しぶりにアパートに帰り、父母と会う
父は原子力発電の技師、母は合成食品工場の栄養管理士

父:私たちが計画している特別作業隊に志願しないか?

星島はやる気を出して、電話で友人をかき集める

月解放委員も作業隊に加わることが許され
その活躍ぶりが人々に認められる


作業隊が結成されて5日後、ルナ・シティは激しい月震に襲われる
全市内が停電、原子力発電は大爆発しそう
放射能に晒されていると聞き、作業隊が出動する





中に入るとガイガーカウンターが高い数値を出し
月面服でも2時間以上いたら命の危険となる
体の細胞を変え、原子病で死ぬのだ

原子炉のボイラーが爆発し、制御装置を分解し
手作業で直すしかない

父が真っ先にトンネルに入る
みんな時間も忘れて1本1本ハンドルを回して制御棒を炉心に押し込むと
炉の熱は下がり始める

「月植民地ばんざい」の声があがる


国連は月植民地に特別予算を出すと決定
中止された記念祭もやることになった

秦は無重力状態のほうが動けるため
宇宙ステーション勤務につくと聞き

どんな運命にも負けず、仕事に打ち込む秦にまた感動する星島
自分もいつかそうなりたいと誓う



執念
国連宇宙局は、来年秋、土星に第一回遠征隊を送る計画
着くのに2年、滞在に6か月、帰りに木星を周り
6年後に地球に帰る大計画

乗員は12名 うち2名は伊志井やすしら宇宙アカデミー学生から選ばれると決まり
それ以来、みんな成績を張り合い険悪な空気になる


イシイらは第三宇宙ステーションのドッキングを完了させる
コントロールを失った作業艇が回転し
命綱が切れ、イシイは宇宙の深淵に猛スピードで飛び出してしまう大事故が起きる








気づくと大きな月が見える 通信も故障
酸素の残りは2時間40分
やがては宇宙塵となるのか

宇宙ステーションから作業艇、宇宙タクシー、宇宙バスまで動員して捜索隊が出る

事故の原因は想像できるが、はたして本当に事故か?
誰かが仕組んだのでは?

きょうだいのような仲間を疑い始めるイシイ
とくにマックは1年生の時からのライバルだ

このまま死ぬものか
地球に戻り、なぶり殺してやる

イシイは地球に向けてジェットガスを全力噴射する

いよいよ死が近づくと恐怖や怨みも消える


「死にやがったら承知しないぞ!」と罵倒するマックの声で
作業艇の中で意識が戻る





マック:
お前は迷子のまま死ぬ奴じゃない
僕は他の連中と離れて地球の近くを捜索したんだ
探し出せなかったら一緒に死ぬ覚悟だった

イシイは呪い殺すつもりだったとは言えず、心配かけたなと言い
ライバルを疑ったことを申し訳なく思う



月への転校




親友のタカシが急に月のムーン・シティに転校することになった
お父さんがムーン・シティの宇宙通信技師になるからだ

21世紀の今では南極へも数時間で行けるが
月は用のある人しか行けない規則がある

リョウタはタカシを学校の屋上にあるエアバスまで送った


帰宅すると父が仕事で正月に帰れないと聞いてガッカリする
宇宙人の出す電波をキャッチして調べるため
リョウタの父は宇宙ステーションに勤めている

太平洋の海底都市に住む叔父が遊びに来ていて
宇宙人は宇宙を飛び回るくらいだから高い知能を持っていて
侵略戦争なんてとっくにやらないに違いないと話す

リョウタは宇宙人の大宇宙船団が
宇宙ステーションを攻撃するニュースを見る悪夢を見る

母はリョウタのために月移住をためらっていると聞いて
やがて月でタカシと地球を訪れる宇宙人を迎えるんだと嬉しさでいっぱいになる



SOSセレーヌ号
ルナ・宇宙空港ロビーは地球行き定期宇宙船の乗り降りで混む
木越は地球人を「地もぐら」と呼び軽蔑している
(この後の作品でもやたらとこの言葉が出て来る

途中で同じルナ高校のサリー・オハラを見かける
背が高く、美しい生粋の月っ子だ

サリーの兄とその妻と一緒で、地球人の妻は金切り声で怒っている

妻:
私、月なんかで暮らすなら死んだほうがましだわ
重力も、変な臭いの人工空気もみんなイヤ
早く帰りたいのよ!

ここではよく見られる光景だ
地球に帰りたいと泣き喚く地球人は珍しくない


木越は空港のパーラーで1人座っているとサリーが来る
木越:バイト料が入ったから、合成じゃなく化学農園の生ジュースをおごらせてくれよ





サリー:
地球人を奥さんにするからいけないんだわ
ごめんなさい、あなたも地球人だったわね

月ではまだ人口1万人未満で人手不足のため
高校生は義務としてバイトをしなければならない
サリーは観光月面バス「セレーヌ号」のガイドの仕事を見つけたと言う

20世紀末、地球-月間の定期便が開設して以来
運賃は安くなったが、まだまだ月旅行は金持ちの政治家や
技術者などに限られている


ジム・ラッセル:地球人は大抵ろくでなしばかりだ

ジムは同級生で、父母は月の裏側の銀河観測用電波天文台に勤めている

木越:地球には60億人もいる 本当に知るには見てこなきゃ分からない

ジム:
お前もなにかと言うと地球自慢する低能か
あの重力地獄に行ったら跳ぶことも出来ない
空気は汚染され、ウイルスがうようよしてたちまち伝染病にかかる
なにが青い空、青い海だ

自由な考え方が出来るはずの若い世代同士で言い合うのは残念だと思う木越


木越は、心理学の謝先生と月に多い閉所恐怖症の話をする

地下都市の月には空も外もない
性格の弱い人はよく閉所恐怖症にかかり
ひどいと入院して精神療法を受けねばならず
半分は地球に戻らなければ治らない

(地球ですら息苦しいのに、私も耐えられないな↓↓↓


セレーヌ号が消息を絶ったとニュースが入り驚く
大規模な隕石嵐が起きて遭難したと思われる
酸素はあと10時間足らず

ジム:父が言うように観光客なんか全面的に禁止すべきなんだ!

先生:ルナ高校にも練習ロケット船が1隻あるから捜索に参加しよう

木越もジムも志願する


月の昼間は太陽が照りつけ
コロナやプロミネンスまではっきり見えて
まともに見たら目が潰れる

月の塵は水の分子ほど小さい粒子のため
車が通った跡もキレイに消えてしまう

数年前、1台の月観光車が月塵に落ち
全員が窒息死する悲劇も起きた(地獄!

ロケットの燃料も減り諦めかけた時
クレーターの山裾を探してみようと提案する木越

ジムはすぐにジェット・フライヤーをつけてエアロックから出て行き
木越も後を追う
上昇限度は500m

谷底に巨大な氷を見つけて驚く
40億年前に月が誕生した時、地核の水は岩に閉じ込められ
地表に出た水はすぐに蒸発した

ジム:
これは大発見だ
月世界のなにより大切な水と酸素がどれだけとれるか分からない

そこに横転したセレーヌ号も見つけて、サリーらを救う



金星あらし
良平は自分との約束を破って地球に行った親友の明夫に怒る

地球の日本にいる叔父が東京の高校に入れと言ったが
高校卒業したら2人でビーナスバーグの大学に入ろうと約束していたのに

ヨーロッパ系の青年ユーリも妹を見送りに
空港ドームに来ていて良平に声をかける

ユーリ:
君は金星生まれか? 一度も地球に行ったことがないのか
とても景色がいいぜ


金星にあるのは、砂漠、沸騰する泥沼、有毒ガス
永遠に晴れない赤黄色の雲だけだ


ドームを地下へ降りると、原子力発電所、空港管制本部
各植民市に向かうモノレールへの通路がある

ここ数年でかなりの移民が金星を見限って地球に引き上げた

地球連邦政府が決めたルールで電力節約のため
5人以上乗客がいないとモノレールを動かさないと言う所員に
ユーリがなにか証明書を見せると渋々ゲートを開ける

どこかのお偉方の息子かと思い、構わずモノレールに乗る良平


途中から金星あらしの前触れが現れる
風速計は110m 地球なら頑丈な建物でも倒壊するレベル

金星の自転が遅く、昼から夜に向かい大気が大移動するため
朝と夕方の2回、この強風が吹く

ユーリは異変を感じて、急ブレーキをかける
電子頭脳が狂い、ガイガーカウンターが鳴る





ユーリ:
近くに放射性物質が埋蔵されている すごい量だ
金星は太陽系中の最大の資源の宝庫になるんだ!

僕は金星移民の子だ
最近、地球・金星合同資源調査委員会になって帰ってきたんだ

僕らは同じ人類なんだよ



金星からきたロボ
2か月前、水星航路の宇宙船が隕石嵐に襲われ
監視艇は太陽へ落下し、艇長である新平の父も亡くなった

それ以来、学校一の元気者の新平は無口になり
宇宙航空高校の試験が近いのに勉強もしないで
学校にも行かず、ブラブラするようになった

ロボだけが毎日訪ねてきて話し相手になってくれた





2人でロケット置き場に来る
祖父はここの管理人で父の死後、新平を育ててくれている

ここはロケットの墓場
水星探検に出たマーキュリアン7号
木星に人間を運んだジュピター105号などがある


地球連邦警察が立入禁止にしているのに火星タバコを見つけるロボ

太陽系中を荒らす宇宙ギャングの大幹部の脱獄囚2人が現れ
ロケットで逃亡するため、新平に点火キイのありかを聞く

ロボ:
キイのある金庫には警報ビームがあり、警察に通報される
僕たちを一緒に連れてってくれると約束すれば取ってくるよ
新平もそうしたいんだよな?
僕が管理人の所に行ってくる

ロボの大胆な行動に
彼は本当に金星の中学から転校してきたのかと疑う新平

このままではいけないと、体当たりしてキイを奪い取るが
ロボが殴りかかり、新平もロボもケンカとなる間にロケットは発射してしまう

だがロボは笑って、キイに誘導ビームをつけたから
すぐ手配されると報告する

ロボ:
僕は金星警察の少年隊員
やつらの組織を壊すために働いていたんだ

新平:
僕も心を入れ替えて勉強して
父さんのように立派なパイロットになるよ



奇跡の小惑星
原子力宇宙船テラ号は、人類史上初の大宇宙探検に出た(やっと冒険もの!

目標は木星で、火星の基地から片道200日かかる
火星から5000万kmはなれ、木星までは5億kmある

人類は1960年代の終わり、月を征服、その後も金星、火星を征服してきた
今度は、ソ連、アメリカ、日本で木星に行く

(ヒトは知らない場所があるとどこも“征服”したがる生き物なんだな
 未来になっても先進国が同じなのも可笑しい設定

テラ号は危険な小惑星地帯に来る
ここを通る宇宙船は遭難することが時々起きる

これまでにない巨大彗星が近づいてきたことに気づく
避けるために進路をかえると帰る燃料がなくなる

尾をかすめるくらいなら大丈夫だろうと思うが
彗星の引力に負け、放射能を帯びていたため電子機器も故障する

このままだと彗星とともに宇宙の果てまで行き
戻るには100年かかる





大佐はメインエンジン全開で脱出するよう命令
恐ろしいショックが襲い潰されそうになるが
テラ号の原子力エンジンが彗星に勝つ

だがそのお蔭で無限の宇宙空間を彷徨うことになる

セキヤマ小惑星を見つけて喜ぶ博士
博士:あれに着陸すれば、自然に木星まで連れていってもらえる

元気が出た隊員らは小惑星に向かう



救助はまだか
アキラは宇宙パトロールのパイロットだが
3年前、エンジン故障で地球をはるかに離れたウォルフ第六惑星に不時着し
まだ地球からの救助が来ない

ウサギに似た小動物を銃で狙うが逃がしてしまい
召使のマイクが捕り怒る

アキラ:お前は俺の言う通りにしていればいいんだ!

マイクは忠実で、怪獣に襲われた時も体中に傷を負いながら助けてくれた
底なしの砂に落ちた時も自分が沈むのも構わず引き上げてくれた

アキラ:召使なんだから当然だ 地球に帰ったらお払い箱にしてやる


その時、ようやく宇宙パトロール艇が降りてきた
アキラは救われ、隊員はマイクに銃を向けたため慌てて止める





隊員:
なぜ止める? 艇にはロボットを乗せる余裕はない
残しておいてもムダだから壊すのさ

アキラ:マイクは僕のために何でもしてくれたんだ

隊員:ロボットだから当然だ

アキラ:
僕もそう思っていたが、マイクは僕の友だちだったんだと今気づいた
マイクがいなかったらとっくに孤独で狂っていただろう
マイクが行けないなら僕も残る

マイク:
あなたはまだ地球でたくさん仕事がある
僕は残って、動力エネルギーが切れるまでこの惑星の調査を続ける
アキラ、行きなさい

アキラ:僕は必ずまたこの惑星に帰ってくるぞ!

(このロボットとヒトの友情の話が一番良かったなあ





【おわりに 福島正実】





1969.7と10月にアポロ11号、12号が4人のアメリカ人を月面に下してから
「月は天文学の領域から地球物理学の領域にうつった」と言われた

「月はいよいよSFの舞台ではなくなった」とも言われた

30~40年前は月は当時のSFの一番の活動範囲だった
秘密基地があり、正義の英雄と宇宙人の“華々しい戦い”が繰り広げられる
宇宙冒険小説がたくさん書かれた

今ではかなりバカバカしく見えてくる

でも、むしろこれまでのどんちゃん騒ぎではなく
これからの人類が未来を築いていく舞台として重要となった

アメリカもソ連も今後、月に南極基地のようなものを設けるだろう
21世紀には都市が出来るかもしれない

月は地球文明の最前線となり、地球との間に問題も起こるだろう

そういうことを思って書いたのが本書をはじめとする
月が舞台のSFでした

今後もどしどし書かれればいいと思っています





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