メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『世界の子どもたちのために ユニセフ』(ほるぷ出版)

2013-10-31 11:44:04 | 
調べてみよう世界のために働く国際機関『世界の子どもたちのために ユニセフ』(ほるぷ出版)
キャサリン・プライアー/著

貧困や病気などで亡くなる子どもが減らない理由もこれだけ明確に分かっていながら
これまでも、いまでもまだゼロにならないのはなぜだろう?と考えさせられる1冊。
私たちの意識をちょっとだけシフトするだけで、世界平和も、貧困の撲滅も、今すぐ叶うことなんだ。


【内容抜粋メモ】


ユニセフのマークには国連の一部であることを示すオリーブと、赤ちゃんを抱く大人がデザインされている


コペンハーゲンにあるユニセフ物資集積センター。ここから世界中に物品が送られる

国連児童基金「ユニセフ」は、世界中の子どもたちの生活を向上させるための国際連合の1機関。
子どもの心と体は、子ども時代にだけ必要な特別な手助けや愛情を求めており、
それを受けられないと、子どもたちの生活は一生にわたって傷を負うことになる。
子どもたちが希望を見出せない国では、その国の将来にも希望はない。

子どもの権利条約
1989年の国連総会でつくられた。


第二次世界大戦の犠牲となったヨーロッパの子どもたちを救うために「国連国際児童緊急基金」が1946年に創設されたのがはじまり。


1951年、ギリシャの小学生がユニセフから送られたミルクを飲んでいる。
戦争で多くの乳製品製造工場が破壊され、ミルクは手に入りにくく値段も高かった。


「静かな緊急事態」
「世界中に死にかかっている子どもがいるのに、ユニセフは役目を終えたと、国連はどうして言えるのですか?」
活動を終えようとした時、パキスタン代表がこう抗議して、名称を今のものにして活動を続けることにした。
ユニセフは、貧困や病気によって引き起こされる「静かな緊急事態」から子どもを救うため、
お金、技術などを提供し、地元の人々が自分たちで活動できるよう支援し続けている。


**************************組織の構成

子どもと女性のためだけに活動している国連の機関はユニセフだけ。

「事務局長」
国連の総会で指名される。

「執行理事会」
中心となる組織。国連加盟国から選ばれた36カ国で構成される。

「地域事務所」
ニューヨーク本部以外に8つある。

「現地事務所」
中南米、東ヨーロッパなどに125ある。


●資金

7歳の少女ジトカ・サムコバさんが描いた絵がユニセフカードの第1号となった。
大勢の有名な画家も無料で提供している。これまで40億枚以上のカードを売った。

おもな資金源の半分は、各国政府から自発的に寄付されたお金。
民間企業、慈善団体、一般からも寄付を受けている。
日本政府は「ポリオ撲滅運動」のために約32億8900万円を寄付した。

資金の大部分は、設備、備品、「後方支援」(活動資金)に使われる。
150以上もの国に、職員は6000人しかいない。


「親善大使、特別代表」

ロビー・ウィリアムズは2000年モザンビークを訪ねた/驚
黒柳徹子さんほか、著名人が宣伝することで活動内容を知ってもらうことができる。


**************************活動内容

●「労働は大人だけ」
 
食べるため、親の借金を返すために、辛くて危ない仕事をしている子どもが約2億5000万人いる。→児童労働反対を訴える
小学校にいけない子どもは1億人以上。→栄養知識、野菜やひよこの育て方を教えたりしている


●「子どもたちをゴミ捨て場から救い出せ!」(1999)
ごみを拾って売っているブラジルの子どもたちに教育を受けさせる


「チャイルド・ソルジャー」子ども兵士をなくす
アフリカ西部では内戦で約6000人の子どもが兵士となっている。
『小型武器よさらば 戦いにかり出される児童兵士たち』(小学館)


5歳未満児死亡率を下げる
途上国では、5才未満で亡くなることもが年間1100万人いる。1日に約3万500人、3秒に1人の割合。
アフリカのアンゴラでは1000人中292人が5才未満で亡くなっている。
食べ物の不足による栄養失調は病気の原因にもなる。→食べ物やビタミンを補給する。
アフリカ、アジア、中南米の貧しい開発途上国で多く活動している。

「予防接種」

破傷風の予防接種を受けるケニアの赤ちゃん

毎年、200万人の子どもがワクチンで予防できる病気で亡くなっている。
予防接種は、ポリオ、はしか、ジフテリア、結核、破傷風など子どもがよくかかる病気を防ぐ。
2005年までにポリオを撲滅しようという事業を実施。
→その他、安全な飲み水、トイレの設備を供給する。

「休戦日」をもうける
ワクチンを投与できるよう、敵対する兵隊同士が戦いを止めると同意した日。
1日の休戦によって子どもの健康が得られるなら価値があると忍耐強く説得する。

「全国ワクチン一斉投与の日」
ユニセフ職員が全部やるのではなく、地域の人々、団体とともに活動することが重要。


●難民支援

戦争で家を追われたコンゴの難民


アルバニアの難民キャンプで遊ぶ子どもたち。戦争の恐怖体験から回復するのに役立つ


●地雷の危険を知らせる


**************************貧困の連鎖と子どものしあわせ

●安全な水の大切さ
安全な水は、ヒトにとって必要な基本的なもの。
ユニセフは新しい井戸を掘って、手押しポンプを取り付けたり、清潔で安上がりなトイレ施設を設置したりして、
衛生設備などを現地の人々に教えている。


「経口補水塩」
毎年、何百万人もの赤ちゃんが下痢で亡くなっている。
塩+砂糖+清潔な水で作った経口補水塩を飲ませることで命が助かる。
貧しい国では、多くの母親は字が読めず、経口補水塩の説明書が理解できないため、
水を10分沸かせば安全に飲めるということも分からない。




母親の教育
子どもの命において、親、とくに母親は重要。
妊娠中・出産時の問題で亡くなる女性も多い。→お腹の子どもによい葉酸の錠剤を配る。
母親の教育は、子どもにも明るい将来を保証することにつながる。

「赤ちゃんにやさしい病院」(1991)
母親は赤ちゃんに母乳を与えることを勧められる。
免疫力を高め、人工ミルクよりも安上がり。
メキシコは国内すべての病院が赤ちゃんにやさしい病院になるよう指導した初めての国。


●ビタミンA

ビタミンAの投与を受けるモザンビークの幼児

魚、ミルク、卵、ニンジンなどに含まれるビタミンAが不足すると、目の感染症になり失明することもある。
ビタミンAは安価で、年に2回少量与えるだけで解決する。


●ヨード
イモ、タマネギの根菜類に含まれる化学物質。
妊娠中の母親がヨード欠乏症になると、精神障害をもつ赤ちゃんが産まれる可能性が高まる。
ヨード+塩でヨード塩を作り、年間1200万人の赤ちゃんを救っている。


●エイズ撲滅
アフリカでは15歳未満の子どもたち1200万人がエイズによって親を失い、
ウガンダでは10人に1人が孤児になっている。→学校でエイズについて教える
『21世紀の平和を考えるシリーズ5 エイズ』(ポプラ社)


●ライフスタート・プログラム

「子どもにはみな遊ぶ権利がある」

よい人生のスタートをきることが、子どもの健康や幸せに大きな違いをもたらす。


女の子の教育
娘は息子より値打ちがないとされ、男子より貧しい食事が与えられたり、病気になっても男子ほど治療費が出されないなどの差別がある。
→とくに女子が学校に通えるよう働きかける。
 1991-1992年のガンビアの女子就学率は41%だったが、活動により1998-1999年には63%になった。


●都市におけるホームレスの子どもたち

ブラジルのサンパウロなどの都市では、路上で暮らす子どもが何十万人もいる




「A World Fit for Us」私たちにふさわしい世界
1990年「子どものための世界サミット」、2002年「国連子ども特別総会」が開かれた。
初日、子どもの代表としてボリビアのガブリエラ・アリエッタさん(13歳)が言った言葉。

「子どもにふさわしい世界がほしい。子どもにふさわしい世界は、すべての人にふさわしい世界です」

なにより重要なのは、先進国の軍事産業が大量の兵器を生産し、途上国に売りつけているという世界を変えること
世界の軍事費を福祉と人間らしい生活の実現に使えば、多くの幼い命が救える。


**************************ユニセフ関連情報

「ユニセフハウス」@品川

「日本ユニセフ協会」

「国際労働機関(ILO)東京支局」

「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」


「調べてみよう世界のために働く国際機関」シリーズは全6巻ある。

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『バースデー・ウェディング』(2005)

2013-10-31 09:59:58 | 映画
『バースデー・ウェディング』(2005)
監督:田澤直樹
出演:上原美佐、木村多江、田中哲司、忍成修吾 ほか

▼story
幼い頃に母を亡くしている千晴は、明日、結婚式を控えて、父の礼服を準備しようとして、
胸ポケットから昔のビデオテープを見つけて再生してみると、
そこには初めて見る母の映像が入っていた。
それは、病気で余命が短いことを悟り、娘の将来を見届けることが出来ない母親の悲しみと、
あふれんばかりの愛情がこめられた、未来の千晴へのビデオレターでもあった。。


 

田中さんの泣きの演技って一度もないなぁと思っていたら、ここにあった。
しかも、当時39歳を迎えたばかりで老けメイクに初挑戦して、51歳の花嫁の父親役に挑戦しているのも貴重。
式の前夜に一人で飲みに行く背中がさみしー!! 寡黙でシャイな父を穏やかに演じている。

上原さんの初主演作でもあり、木村さんの渾身の泣きの演技も凄い。
半分は結婚式のシーンで、手順からスピーチにいたるまで完璧、模範な感じだと思って見てたら
「ゼクシィ」が絡んでるのか? とってもスタンダードなストーリー。


 

DVD特典には、さらに貴重なメイキング、舞台挨拶が入ってたv
上原さんらの衣装合わせや、初日からクライマックスシーンを撮る木村さん(ハードだねえ!
田中さんは、ちょうど撮影時に誕生日を迎えて、スタッフからバースデイケーキをもらって、歌ってもらって、
「え?ビックリした。汗が・・・」て照れ笑いの様子が昭和ちっく(老けメイクのままだしw


これから結婚式のシーンを撮るっていう時に、上原さんが回すカメラに煙草を吸って待ってる姿までありv
式場で座っている時には、「田中さんは娘さんいるんですか?」て聞かれて、
「いや、いないですけど、そーゆーお父さんの気持ちで」

それぞれのクランクアップでは、「すごい充実した、辛楽しい思い出でした」とのコメント。



舞台挨拶での監督の第一声は、裏返ってるってネタw
老け役の時、田中さんはビジネスホテルのベッドで枕を当てて叫んで声を枯らしたなんてエピソードを話してた。
田中「けど、声が丈夫だから、翌日には治って、またカワイイ感じに戻っちゃって」てw

「今回イイ人の役だから親が喜ぶ。普段は“ピー”な役なんで」て何て言ったんだろ???


 
子役のあかりちゃんが、木村さんのクランクアップの挨拶の時に号泣しちゃって可愛かったあ!
最後は、田中さんが抱っこしてたし


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熱海の捜査官(2010)

2013-10-30 10:42:28 | ドラマ
熱海の捜査官(2010)
監督・脚本:三木聡
出演:オダギリジョー、栗山千明、田中哲司、松重豊、ふせえり、少路勇介、団時朗、村松利史、光生、松尾スズキ、緋田康人 ほか
ナレーション:伊武雅刀

「ああ、だいたい分かりましたよ」


部長も出てて、好きだったドラマ。
見れば見るほど『ツインピークス』っぽいな。
星崎らの行きつけのカフェにドーナツがあったり、不可思議な方法で捜査を進めたり、
蛇川がマジックを行う超妖しげな場所も、赤いカーテンの世界に通じてるし。

ふせえりさん演じるケイトーさんだけは、『ピンクパンサー』つながりw
「てし、てし、てし、てし」

伊武さんのナレーションだけでも充分楽しめるv


てっきりブログに詳しく書いたと思ったら、そーでもなかった
で、改めて調べたら、とんでもなく意味深いことが分かった/驚

「熱海の捜査官ストーリー解説・考察」

ドラマ総括編

「熱海の捜査官オフィシャル本」まであるんだ。急に読みたくなってきました・・・

タイムリーで見てた時は、ここまで考えないで見てたから、コアファンの考察ってすげえ!て感心した。
まさかお伊勢さんや、日本神話つながりとはねえ・・・てか、解説読んでもまだよく分からんが。

南熱海市が生死の境だとして、誰が瀕死で、誰がすでに死んじゃってるのかは、意見が分かれてるみたいだね。
死んでいるかもしれないことに気づいている人たちと、気づいていない人がいるってことか?
マジックで消えた老人・蛇川とかは行き来できる存在なのか?
みんながゆってる「東京の事件」てのは何だろう? 相当たくさんの人が死んだことになるよね



「われわれはどこから来たのか。われわれは何者か。われわれはどこへ行くのか」P.ゴーギャン



永遠の森学園の図書館にある蔵書


中原中也の「別離」て詩を朗読させてたりとか、改めて見直すとヒントはいろいろ散りばめてある。


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田中さんは鑑識・坂善正道役。当時はそいや、こんなハイテンションな人出てたな、くらいの記憶だった
登場のセリフから「遅い!遅い!遅い!朝食でチーズフォンデュでも食ってたか~」爆
なぜかシャンプーハットみたいのかぶってるし。今まで以上に頭バクハツしてるw



スクールバスが出た時も「錆び具合は戦艦大和並みだあ!」とか
「犯人を逮捕したからってラッコみたいに呑気にしてるんじゃないっ!(第8話)」
ていちいちセリフが爆笑!


リンク先の解説にある通り、坂善は第4話で犬塚から「もうお帰りですか?」と聞かれて、
意味ありげに「いや、温泉に入ってから帰る」てゆってる。
これが禊の意味なら、彼はまだ死んでないのか?

俳優って稼業は、考えてみれば、たくさんの人生を違う次元で並行して生きてるみたいなものでもあるな。
ドラマや映画は途中までだけど、その役の人間はその後もずっとどこかで生き続けているような。


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その他、『時効警察』同様、小ネタもいちいち見逃せない。

第5話では、星崎がしょっちゅう電話で話している素子の話題が出てくる。
北島「私たちの上司だったんですけど、めちゃめちゃデキる人だったんですよ」てたしかに過去形で話してる。美人さんらしい。
星崎は素子を愛しているのかもしれないな。だからラストでも微笑みを浮かべている。

占部「2はすべての根本。はじまりと終わり。こちらとあちら。男と女。バスの事件は2番目なのよ。形は違うけど、目的は同じ」

相模「東雲さんてカマボコっぽいよねぇ(第7話)」岩松了さんは、ここでもかなり面白い

東雲「星崎さんは今どこにいるか分かってますか?」と聞かれた星崎が「たぶん」と耳打ちしたのは何ってゆったのかな?
たしかに謎だらけな最終章。



まあ、でも、それをゆったらこの現実世界だって似たようなもんだ。
ただ、死ではなくて、場所を移動するだけで。
でも、そう考えると、ちょっとメランコリックな気分にもなる。
みんな真剣に生きているんだけど、全部幻を繰り返しているだけだとしたら。

同じスタッフで新ドラマ『変身インタビュアーの憂鬱』がOA中。こちらも楽しみv


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I'm Waiting For The Man

2013-10-30 10:24:41 | 日記
カウンセリングラスト。
先週は地下鉄に乗ってる途中で発作が出て、途中の駅で降りて外に出てしばらく動けなかったため20分ほど遅刻した。
今回も途中で予兆が出てきたからソラナックスを2錠飲んだ。1錠じゃ効かなくなってる感じ。
たった5つの駅が辛いって・・・乗り物に乗るのがまたイヤになってる

この1年間いろいろ話してきたことを振り返っての感想や、今後のことやらを話した。

カ「たしかに体と心は密接に関係していると思う。
  今後、認知行動療法を受けるにしても、カウンセリングをベースにした上で受けるほうが効果があるのではと思う」

カ「毎回カウンセリング中にメモをとって、自宅でまとめていらして、1週間の間に咀嚼して来ていた。
  カウンセリングも受ける本人の気持ちが重要だから、この1年の取り組みは無駄ではなかったと思う」

クリニックの医者も先日「あなたは治療に対するモチベーションが高い」て褒めてくれてたなv
もともと心理学に興味があって、専門のカウンセラーとともに自分を見直してみたいと思っていたから、
これはそのいい機会だったんだと思っている。
これまで大量生産・大量消費の利益を追うばかりの仕事や、仕事場の人間関係にズレを感じていたことがストレスの原因の1つでもあった。
世の中全体がそういう雰囲気の中で、自分がやれることは小さくても、やれること、やりたいことをもう一度見直してみたい。

今後の課題について。
カ「居心地の悪さなどの背景には、やはり生育歴との関係など、なにかしら原因があるもの。
  そういった避けられない状況にある時こそ、避けるばかりではなく、“巻き込まれない”ための工夫をしてみたりすることも大事」

これまで面倒なことがあると、自分さえ我慢すればいいとか、問題から目を背けてストレスをためていた。
いろんな価値観がある中で、同調・迎合しすぎず、効率・成果などより、
もっとじっくり人と関わることを学ぶことが、自分の成長にもつながると思う。
とはいえ、性格はすぐに変えられるものではないから、自分の個性を受け入れつつ、無理をしないよう感情の動きに意識すること。
これからも悩むことはたくさん出てくるだろうけれども、これまでのカウンセリングを思い返したり、周囲の力も借りて、
日常生活とパニック障害の治療も焦らず並行させながら、ケースバイケースで対処していこうと思う。



最近の気になるトピックス。

●「いいとも」の公録に友だちが参加

先日の「いいとも」公録に行った友だちがもらってきたお土産は、タモさん金太郎飴w
カメラに近い席だったから、何度も映ってた!
この超長寿番組が3月で終わっちゃうなんて、まだ信じられないなあ。タモさんおつかれさまです/礼


木曜ドラマ『緊急取調室』テレビ朝日 2014年1月スタート!毎週木曜よる9:00放送
出演:天海祐希、田中哲司、速水もこみち、鈴木浩介、篠井英介、草刈正雄、でんでん、大杉漣、小日向文世 ほか
ツイッタの田中さんbotの中の方がとてもマメに情報をアップしてくれているのでとっても有り難いです/礼×5000
いやあ、田中さんの人気ぶり、忙しさはハンパないねえ!


栗コーダーカルテット新譜「あの歌この歌」発売/祝
この選曲みるだけで充分よさが分かるけど、視聴したらもうそれ以上なステキさ
童謡や唱歌は小さい頃から大好きで、学校でもらった歌本を見ながら家でもよく歌ったなあ。
♪ペチカ の哀しげなメロディとか今でも大好きだ。


ルー・リード(71)が逝ってしまった

今年、肝臓の移植手術を受けて療養していたってことも知らなかったな。


I'm Waiting For The Man/The Velvet Underground

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notes and movies(1998.11~ part1)

2013-10-29 14:21:38 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回はピンク色のノートからご紹介。後半、黒澤明監督作品に目覚めたらしい。

  

photo1:1ページ目はバスター『カメラマン』から。
photo2:家族でサイパンに行った
photo3:TV雑誌などの記事もペタペタ。

若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ドクター』(1991)
監督:ランダ・ヘインズ 出演:ウィリアム・ハート、エリザベス・パーキンス ほか
自伝だけあって説得力あり。「医者や病院は患者の気持ちを全然分かってない」など、身近で皆が思っていることを代弁してて共感しやすい。
医者全員に観てほしい。『CH』等でも観たけど、手術中に音楽かけるリラックス効果は認めるけど、
辛気臭くなれとは言わずとも、とてもアメリカ流でビックリする。

「小噺がある。農夫は毒獣を追い払ったけど、孤独になった。呼び戻そうと畑にずっと腕を伸ばして立っていたが誰も来なかった。
 動物は彼が新しいかかしに見えたのだ。腕を下ろせば皆集まってくるのよ」

頭を剃って挑んだパーキンスのすがすがしい演技が印象的。
♪Upon the roof を歌い、ダンスするハートも見物。シリアスな役が多いけど、こんなユーモラスな一面もあるんだ/驚


『ミレニアム』(1996)
監督:デヴィッド・ナッター 出演:ランス・ヘンリクセン ほか

●Pilot 新たなる一千年へ
『ツインピークス』からコメディに手をのばして大失敗した誰かと違って、
コンセプトは同じで『X-FILES』共々全米で高視聴率をキープし続けるC.カーターはすごい。
第1話はいきなり「ノストラダムスの終末説」を完結させようとする男。
救われても決して元には戻れない、あっさり殺されるよりはるかに残酷。

●Gehenna 地獄の灰
なんか『X-FILES』の焼き直しみたい。フランクがモルダーより有利なのは、手がかりの現場が見えること。
で、相手がアメリカ政府じゃないから1話完結で、犯人はちゃんと捕まる。
今回はカルト教団。タイムリーにも日本のサリン事件に触れている。
このハルマゲドンを核にした無差別殺人事件はアメリカンにも相当ショックを与えたらしい。
「本当に悪者は捕まったんだろうか?」
1度観てラストで寝ちゃって、朝また見たんだけど、2回観ると理解度が増して製作側の演出や意図がより分かってくるね。


『ブラック・ジャック』(1996)
原作:手塚治虫 監督・絵コンテ:出崎統
この絵やストップモーションかかる演出って『エースをねらえ~Final Stage』と似てる!
新作らしくて、なぜ彼の頬に傷があるのか、無免許で医師をしているかは原作を読まないと不明。
こちらもデジタル技術を駆使して、透明感ある立体的映像、最新医療を反映させたリアルな絵で
オリンピックというタイムリーな話題で現代の病理を解く。
ピノコがつくるパズルがジャングル大帝や、アトムの絵なのがご愛嬌。とっても人間臭いドラマ。
ラストに入ってた「シネマワールド」のCMが悲しい。先日3年目で閉館てニュースを聞いたばかりだから。


『クレオパトラ』(1963)

監督:ジョセフ・L・マンキーウィクス 出演:エリザベス・テイラー、リチャード・バートン ほか

<前編>
前に1度観たと思うが最後までハッキリとじゃない。リズ31歳、バートン37歳、2度結婚したこの2大スターを張っての壮大な史劇。
前半クライマックスのクレオパトラのパレードは少々現代的。ディズニーのエレクトリカルパレードかブロードウェー風で豪華絢爛。
そういえばヴィヴィアン・リーのクレオパトラもあったよな。2人とも絶世の美女。
秋の夜長に、この野心と知性、美、富、この世のすべてを授かった女性のロマンあふれるドラマを堪能しよう。

「子を産まぬ女は水のない川のごとし。命はぐくむナイルよ。私はナイルです」

<後編>
こんなゴージャスな大作はXmasか年末にふさわしい。ところで、これは実話だろうか?
かの有名な歴史的大人物ジュリアス・シーザーとクレオパトラが奇しくも同時代に生き、隣国同士で、しかも、愛し合っていたというのは?!
本当なら勇者の愛、すごいドラマティックな時代だ。

「あなたしか愛せない。私の主人(マスター)は愛だ」「愛を主人にするものじゃない。自分を見失います」
互いの愛に確証があれば生死も問題にならない、こんなに素晴らしい絆が他にあるだろうか?
余談だが今作はリズのセミヌードシーンやら、かなり豊満な美しさを惜しげもなく見せてるのもポイント。
一世一代の大役に文字通り大女優も体を張って望んでいる。
果して実生活でも、これほど王者の愛を勝ち得たのだろうか?!


『セカンド・ベスト』(1994)
監督:クリス・メンゲス 出演:ウィリアム・ハート、ジョン・ハート ほか
幼児期に受けた何気ないショックが原因で、成人してから原因不明の症状が発生するという。
子どもの心の成長が、親に依存し、逃げ場がないと思うと心苦しくなる。
片田舎の自然豊かな美しく静かな村を舞台に「養子」という転機の微妙な心のやりとりを丁寧に描く。
子ども相手に心理学に基づいたやり方は興味深い。ネイサンの演技は特筆もの。

「1から一緒に始めよう。代理(セカンド・ベスト)としてでなく、父と子としてだ。君に選んでほしい」

10代はもっとも難しい年頃。歳をとるほどもらい手がなくなるというのも事実だろう。
完璧な養父に引き取られたJは幸せだ。自殺した娘の父も辛いな。
朴訥な田舎の平凡な郵便局員の雰囲気を出すためにハートはクリクリの巻き毛にしたのか?
ジョンが少し太り気味なのも役作り? 2大俳優のからみはほんの数分。
子どもも1つの人格として扱う欧米らしいセリフが効いてる。


『Shall we ダンス?』(1995)

監督:周防正行 出演:役所広司、草刈民代、竹中直人、渡辺えり子 ほか
話題作で噂も上々、笑いあり、涙あり、日本臭さがなんかこっぱずかしくて苦笑いしてしまう反面、日常風景を見直せて感動もある。
タイトルと同名のテーマソング(『王様と私』の抜粋らしい)と、♪Save the last dance for me にのって、
格好悪くてもマイブームを楽しむが勝ちかもと羨ましくもなる。
竹中直人の思いきりズレたズラとオーバーなダンスがスゴイ。皆それなり訓練積んだんだろうね。
確かに「日本人に社交ダンスは似合わない」し「ダンスに通う中年男には下心がある」気もするけど、同じアホなら踊らにゃ損?!
なにか1つでも生きてる楽しみになり得るなら、やらなきゃ損だ。


『マリー・アントワネット 愛と欲望の果てに~ドレスの下のフランス革命』(1989)

監督:キャロライン・ワッパー 出演:エマニュエル・ベアール ほか
これはフランス生誕200年かなんかの記念シリーズで、他にもAVギリギリのシリーズがたくさん目白押し。
歴史上人物の色事ばかりを淡々と描いたB級の出来。
E.ベアールは天使のごとく可愛くて華になるけど、激動の時代を生きた1人の女をドラマティックに充分描けていないのが残念。
実は眠ってしまったから後半の記憶が途切れがち。豪華な衣装はコスチュームプレイの目玉。
きつそうなコルセットに、高々と盛り上げた白髪のかつら、羽飾り、ニセボクロ、
風呂に入らず香水と塩(?)で誤魔化したという当時の風習の話も面白い。


『アバランチ 雪崩』(1994)
監督:ポール・シャピロ 出演:マイケル・グロス ほか
雪崩の雪に押し潰されそうな小屋から抜け出そうとする家族の話と、犯罪者にまで脅かされるスパイス付き。
『激流』の雪山ver. ドラマ映画っぽい。ダンカンって未来車が出てくる映画シリーズの俳優に似てる。
かなり濃いアメリカンキャラ。ちょっと大味だけどサバイバルのヒントがいくつか学べる。
実際、撮影で雪崩を起こしたのかな?


『スターゲイト』(1994)
監督:ローランド・エメリッヒ 出演:ジェイムズ・スペイダー、カート・ラッセル ほか
ミステリアスなエジプト、ピラミッド、古代文明を美しく映像で復活させ、
プラス斬新なSFのアイデアをとりまぜ、J.スペイダーと、『クライング・ゲーム』でセンセーショナルに
ブレイクした男優を起用するという三拍子そろっているのに、なぜかパッとしない作品。
アメリカ的大味なストーリー展開が当然すぎるせいか?

ピラミッド型宇宙船や、犬型鎧が自動で顔を覆ったり、開いたりするCGはスゴイんだけどな。
とくに盛り上がりもないまま中途半端なのが惜しい。
ラーの眼が妖しく白く浮き出て見える効果が印象的。
地球人が移住できるようなプロミスランドってワケにはいかない。砂漠じゃね。


『マーシャン・クロニクル 火星年代記』(1979)
原作:レイ・ブラッドベリ 監督:マイケル・アンダーソン 出演:ロック・ハドソン ほか

●第1話 遭遇
思いきり模型を動かした特撮が嬉しい。正統派ハリウッドスターのR.ハドソンをSFに迎えて、
舞台は世紀末から21C。火星移住に火星人(眼が金色の美しいユル・ブリナー系)。
ひと昔前のノリが今じゃ現実化しているから面白い。

「いや待て。もしここが火星なら・・・」
「そうだテレパシーで記憶をよみがえらせ、ケーキに毒をもった!
 私たちも他の惑星人を殺すほど堕落したのだ、許せ」
こんな等身大の宇宙人にちょっと親近感。

予告で2、3話では地球に核戦争が起こり、火星に移住して少数の火星人らと争うことになる
ていう壮大なドラマが展開するらしい。ちょっと期待してしまう。
でもなぜ彼らも英語なのか? テレパシーか? 深く詮索はすまい(ナレーションのノリが伝染ってしまった
武器や、姿を自在に変えられる特技が見物。
住居はエジプト風。SFに砂漠舞台が多いのは低予算のためか?

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notes and movies(1998.11~ part2)

2013-10-29 14:21:37 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『バックトラック』(1989)

監督・出演:デニス・ホッパー 出演:ジョディ・フォスター、チャーリー・シーン、ボブ・ディラン ほか
これが『ハートに火をつけて』の本家。ホッパー自身による編集のもの。
どうしてこのまま通らなかったのかフシギなくらい完璧なストーリー、演出、脚本。
今作は完璧ホッパーのジョディへの熱いラヴコールって感じ。2人のホットな共演が盛り上げてる。
『レオン』にせよ、ヒットマンは決して正義のヒーローじゃないのに映画にするとカッコイイ。
マイロみたいに魅力的で頼りになって、繊細なパパさんなら、アンがうらやましい。

「俺と生きるか、死ぬか、選択はそっちにある」「生きたいわ」

ジョディのヌードシーン、黒い下着をつけさせるシーンが刺激的。
中年の口下手な殺し屋が初めて知った愛の悦びと苦悩をホッパーが見事に演じている。
ディランがチェーンソーで木を削るアーティストになりきってるほんの1~2分のシーンは貴重!
ホッパーがホーンを吹くシーンは本物? なかなかサマになってる。
歳を重ねるごとに渋くて味のある、やわらか頭で反体制的な部分も残したイイ俳優。


『スペース・トラッカー』(1996)
監督:スチュアート・ゴードン 出演:デニス・ホッパー、チャールズ・ダンス ほか
D.ホッパーのSFもイケる。60歳超えるオヤジとは思えないフェロモン出してる風貌に軽い身動き、オフ・ビートなノリ。
『フィフス・エレメント』に匹敵する未来の宇宙トラック、ファッション、衣食住の工夫あれこれに、
エイリアンフォルムな500%戦闘マシーン、ちょっとカンフーも入ってる。
久々C.ダンスが手作り機械人間で負けじとブッ飛んでる
Aのヘアスタイルから、緑シルバーのブラ、Bのビニル製のファッションにも注目。チューブ型朝食もおもしろい。


『シャロウ・グレイヴ』(1994)
監督:ダニー・ボイル 出演:ケリー・フォックス、クリストファ・エクレストン ほか
けっこうエグい映画だったな。前に知人から借りた本と内容、設定が似てるから心理劇が中心だと期待したけど、
やっぱ素人が大金を前にしてやれることはこの程度だ。
この3人の友情は最初から下衆でインチキ臭かったから少しは救われた。
イアン・マクレガーは今をときめくイギリスの若手スター。
どっかで観たと思ったけど長髪でアイドルっぽくて変わるもんだね!

こんなことなら平凡な生活でも大手振って歩けてた日々のなんと幸せだったことか!
世の中の強盗予備軍に見せてあげたいこの結末。いやいや、金のトラブルで友情も愛情も何もかも失う危険性は
誰にでも、いつ起こってもフシギじゃないこと。せいぜい気をつけなくちゃ。


『男はつらいよ』(1994)
監督:山田洋次 出演:渥美清、後藤久美子 ほか
先日の飛行機内でなぜか放映していた。それぞれのキャラ、おなじみのルーツが分かる貴重な1本で、ついひきこまれて観てしまった。
昨日は名物タコ社長こと太宰久雄さんが他界。若い頃の出演陣を見ていると、
自分の親の青春時代、経済成長真っ只中の時代が見えてきて面白い。
今、口上言いながらバナナの叩き売りってゆうのもなくなってきたね。
どこまでも清純派な倍賞千恵子に、若かった前田吟が懐かしい。


『血を吸うカメラ』(1960)
監督:マイケル・パウエル 出演:カール・ボエム ほか

「窃視症だ。患者には想像力がある。病的な衝動で注視することだ」

『CUBE』と一緒に放映予告していた今作。単なるB級じゃなさそう。
怖いだろ~~~っていう音楽や撮り方が'60代だけど、猟奇殺人が性的衝動からくる、
幼児体験に基づくという心理学的見地で撮った『羊たちの沈黙』ほかの先駆けかも。
シリアルキラーは普通の目立たない若い男に多いという。
主人公マークのやや女性的な美しさが演技とともに魅きつける。

シリアルキラーが悪党でも片付けてくれればいいいのに美女ばかり狙い、
それが映画にすると絵になるという図式がハッキリした。
まだマークは自己反省的で自分で自分を研究台にして自殺してくれたから良心的。
実際はあり地獄みたく幼児から大人まで無差別に殺して平気で世の中に隠れているんだからそれこそ恐怖だ。


『X-FILES MAX』
出演:デイヴィッド・ドゥカヴニー、ジリアン・アンダーソン ほか
淀川さんの解説がないのが寂しい。これは劇場版か? TVの長編か?
以前のキャラMAXの後日談で、特異のUFO+政府隠蔽ネタ。
今作はとても機内映画としては公開できない。先日サイパンでのエアポケット恐怖を知っているゆえ、
リアルな飛行機墜落シーンには身につまされる。
湖底にチラッと見えるエイリアン死体は愛嬌。

これだけいろいろ実体験していながら何も証明できないのは辛いだろう。
UFO墜落地の湖にもぐるっていうシーンもあり。
モルダーからスカリーへの誕プレはアポロ11のキーホルダー。
「これをくれた意味が分かったわ」とたくさん教育番組っぽいまとめのセリフの後、
モルダーがあっさり「カッコいいから送ったんだ」ってジョークは数少ないヒットの1つ。


『フランキー・ザ・フライ』(1996)
監督:ピーター・マークル 出演:デニス・ホッパー、ダリル・ハンナ ほか
観てるようで観てなかったD.ホッパーシリーズ。C.ウォーケン、A.パチーノらと同様、
彼もマフィアボス役で通せるのに、ボスにこづかれる下っ端もこなせちゃうのがホッパーのお得さ。
『スプラッシュ』等で清純派だったハンナがかなり汚れ役。
ホッパー自身かなり麻薬とアルコールでヤバかった時期もあったというだけに
「腕に打ってたら死に向かうだけだ」ってセリフは真に迫っている。音楽もなかなかイイ。


『パリス・トラウト』(1991)

監督:スティーブン・ギレンホール 出演:デニス・ホッパー、バーバラ・ハーシー、エド・ハリス ほか
「埋葬は忘却よりもた易い」こんなに重いドラマだとは思わなかった。3人の熟練俳優による極上のドラマ。
パリスがどうしてここまで狂気に走ったのか、母との関係に原因がありそうだが、容易に幼児体験説に走らず、
分からないままなのがかえって惹きつけ、言いようのない恐怖感を与える。
ここではホッパーはM.シーンばりのシリアス演技で圧倒的。こんな表情も持ってるんだ。

「3人はいつまでも近くにいる。暗い夢の中にも」

セリフが所々詩的で難解。一件落着式じゃないのもアメリカ映画らしくない。
パリスが黒人でもヒトを殺すのを罪と思っちゃいない感覚に驚かされる。
それだけ根強い差別を暴こうという狙いか? 思わぬ掘り出し物の逸品。


『東京画』(1985)
監督:ヴィム・ヴェンダース 出演:笠智衆、厚田雄春 ほか
昭和初期の東京を舞台にサイレントからトーキーまで一貫して家族の肖像を撮り続け、昭和63年に亡くなった小津安二郎監督に惚れこみ、
その後の東京に興味をもって撮ったというロードムーヴィの巨匠ヴェンダースの旅の記録。
過去のものを客観的に見るのはとても不思議な気分。

「巡礼ではなく興味があった」
「戦後に生まれたこのゲーム(パチンコ)で、人々は忘れたいことを忘れ、集団の中でより孤独となる」
笠智衆「30半ばで60代まで演じたのもすべて監督のいいなりだった」
助手「大きなものを失った。他のヒトと仕事をしてみたがうまくいかなかった。神さまみたいに尊敬していた」
「映画は現実から少しずつズレて、私たちはそれに慣れてしまったから、
 突然画面の中の子どもの仕草等の中に現実の姿を見つけると困惑する」

田舎や都内でも郊外ならまだ日本家屋に昔ながらののどかな家族の一面を見ることも可能だろうが、
街の中で昭和20年代そのままの姿を探すのは当然ムリ。
ヴェンダースは小津作品の中に静かでリアルな感動があることに敬意を表しても、
今の変わってしまった東京に対して失望や嫌悪を示しているわけじゃない。
完璧主義の小津のエピソードを聞き、今の東京で小津の眼から見た東京を想像し、
50ミリカメラでのぞいて追体験し、そこから映画のエッセンスを学びとろうとしたのかもしれない。
彼が「後にも先にも小津を超えるものはない」とまでいわせた小津作品。機会があったら観てみたい。


■ロジャー・コーマンSFサスペンス傑作集『暗闇がやってくる』(1988)
監督:ポール・メイヤスバーグ 出演:デビッド・バーニー ほか
ちょっとアルマゲドンが入ったSF。コスチュームプレイと現代も混ざった舞台劇っぽい雰囲気。
「不安から発明がはじまり、人々は進歩していったのだ」
恐れて狂信者に走らず、世紀末には団結して立ち向かおうってテーマかしら?
あまりに中途半端で絶望的に終わってしまって、世紀末に対する備えで学べることが少ないのにちょっとガッカリ。

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notes and movies(1998.11~ part3)

2013-10-29 14:21:36 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『beauty and harmony』@オーチャードホール

vocal:吉田美和
♪DARLIN'、バイバイ、冷えたくちびる、泣きたい、パレードは行ってしまった、奪取、つめたくしないで、
A HAPPY GIRLIE LIFE、生涯の恋人、beauty and harmony

やっぱ彼女にゃかなわない! NYでレコーディングしてコンサートは日本か?
海外にしちゃ前の席がチラッと映った時、日本人ばっかり。
私たちが知らないだけで'60年代からの大物アーティストが集まっているらしい。

ジャズあり、ポップスあり、ブルースあり、何でもござれのめーいっぱい詰まった超豪華なコンサート。
これをライヴで聴けた人はなんて特別な体験をしたことか!
国内じゃこれほどのパワフルでハイクオリティなステージは見れないもんね。やっぱTIME誌飾るだけある。
今までたくさんのアルバムを出して、記録作って、ツアー回ってきた現在の美和さんだから完成できたステージ。
海外でも充分通じるよね、これなら。メンバーも手放しの褒めよう。
海外で活躍する日本人の話を聞くのが好きなんだな、私たちは。

彼女は客を魅了すると同時に、過剰なほどメンバーも楽しませる。
ハイテンションな明るさでレコーディング中も、ライヴ中も200%元気印。メンバーの力をベスト以上に引き出す。
ギターソロには涙。メンバーに感謝の歌まで歌って、ラストの美しいアカペラでも涙。中村正人氏も同行。
「クリエイトしなくなったらメンバーじゃない」って言ったのってドリカムだったっけ?
かなりプロ志向も強い。ロバータ・フラックやエラ・フィッツジェラルドと比較されるくらいだから、相当なもの。

ライヴ前には「1人でも多く幸せにできますように」てお祈りする。
ビッグスターでもステージと観客全体を統合させられるヒトは少ないもんね。
まさにピーク絶好調の美和さんがめいっぱい詰まった究極の1本。


『七人の侍』(1954)

監督:黒澤明 出演:三船敏郎、志村喬、加東大介、木村功、千秋実、宮口精二、稲葉義男 ほか

<前編>
やっぱ“世界のクロサワ&ミフネ”だわ。この活劇の面白さ+百姓と武士のドラマは世界のヒトにも通じると思う。
カラーだったら? 美しい青年武士が花畑に誘われるシーンは美しいけど、その他はむさいだろうね。
'54時点でここまで戦国時代をリアルに再現して、時代検証も苦労したことだろう。
三船のダイナミックな野性味あふれる活気ある演技に魅了された。
武士の無用なプライド、百姓の最低層の暮らし。同様に貧しい商人は、百姓より一応身分は上。
同情しつつもあざ笑う、それぞれの階級がハッキリ伝わってくる。
次々と7人が揃っていくいきさつ、村の地理を利用して野武士から守る計画をたてるまでのストーリーも面白い。

「百姓はずる賢い。でも、そんな風にしたのは、お前らが奴らから奪い、女を漁り、田畑を踏み潰してきたからだ、チクショー」
「人を守れる者は自分も守れる。人も守れない者は、自らも滅ぼす。今日から心するように」
「男のくせに花など摘んで」て自分も花枝を持ってるシーンも笑う。ちゃんと笑いのツボも分かってるよね。

<後編>
「また生き残ってしまった。また負け戦だった。勝ったのは百姓で私たちではない」
侍同士を共倒れにさせたという皮肉ながらもどこか爽快なラストがイイ。

死ぬ覚悟で離れの水車に残った長老を連れ戻しに戻った夫婦と子どもの様子を見に行ったFは、
子どもが助かり皆殺しにされたと知って、子どもを泣きながら抱きしめ、「俺も同じだった!」と素性を明かす。
侍に両親を殺され、復讐からか、同じ運命を嫌ってか、自らも侍の道を選んだが、
百姓の心を忘れきれず、両方に引き裂かれていた男の複雑なキャラクターを三船が見事に体現。

村男の妻が野武士に遊ばれ、火がついた家で叫ぶのをやめるシーンも強烈。
夫に不意に再会し、復縁よりプライドを守って火に身を投じるという悲惨なドラマも見所。
天才侍も飛び火には勝てない。戦争の歴史において、銃がより簡単に大量虐殺することに貢献したことがよく分かる。
戦がどれほど無意味で非生産的かということに比べ、農民たちは虐げられながらも高いプライドがあり、
ユーモラスでマヌケなうわべの下に、したたかで強い生命力があって驚いたと同時に嬉しい気がした。
追。後半、なぜ三船はつねにお尻丸出し状態なんだろう??w


『魔界世紀ハリウッド』(1994)
監督:ポール・シュレイダー 出演:デニス・ホッパー、ジュリアン・サンド ほか
荒唐無稽ではあるけど、ハリウッドなら違和感ない。
実際、映画のマジックで今作もまるで現実のように描かれているし、
私たちの目もだんだんそれに慣れてきちゃって、ちょっとやそっとじゃ驚かなくなってる。


『羅生門』(1950)
 
監督:黒澤明 出演:三船敏郎、森雅之、京マチ子、志村喬、千秋実、加東大介 ほか
今年の年末WOWOWは黒澤シリーズ。ビデオもひと通りそろって海外向けのタイトルまでついて、
原題のローマ字表記でそのまま使っているのはカッコいい。
どの作品も確かに名作。ヒッチコックら他の巨匠に劣らない。
淀川さん他の世代の映画関係者も神と崇めた気持ちが分かる。

1つの殺人事件が真相とは別に、それぞれの関係者の勝手な言い分で複雑化し、どれが本当か分からなくなる。
貧困からくる悪心か? 人が生まれながらに持つといわれる原罪か?
でも、そこにはかすかに良心と情もあることに救いがあるのだと思う。


『アステロイド』(1997)
監督:ブラッドフォード・メイ 出演:マイケル・ビーン、アナベラ・シオラ ほか
本当に見分けがつかない世紀末パニックムーヴィたちだが、それぞれ高収益のヒットになっているのは、
やはり人々の間に徐々に現実問題としての危機感が差し迫ってる表れか?
リアルなパニック映画をたくさん観れば、対策やイメージトレーニングできるかも!?
とりあえず地下シェルターが欲しいぞ。M.ビーンは久々見た。

いつでもヘリを調達できるって、持つべきものは権力あるBFってとこか?
一般市民のAは命はって家族より他人を優先してるのに、パニックで子どもを失った父に撃たれた救助隊員も悲劇。
銃社会のアメリカなら充分起こりうる。災害よりも、いつでも人を殺せる銃などによる人災のほうが怖い。
こーゆー時ってやっぱ女だけじゃ乗り切れないものなのかな?
ここでも主人公は常にアメリカ。まるでアメリカから引力が出ているように全部の隕石がアメリカめがけて落ちてゆくシーンはスゴイ。
ぜひ今作を参考にして隕石本体も破片も落ちてこないように今から備えといてほしい。


『白痴』(1951)

原作:ドストエフスキー 監督:黒澤明
出演:三船敏郎、森雅之、原節子、久我美子、志村喬、東山千栄子、村瀬幸子、千石規子、柳永二郎 ほか

<第1部 愛と苦悩>
「皮肉だが、この世で真に善良であることは白痴に等しい」

なんだか最初から狐につままれたようなフシギな感じ。原作の長い前章でもカットしたのか、
それぞれ主要人物の重要なはずのそれまでのいきさつが描かれないままドラマはどんどん深刻なことになってゆく。
それでまた引きこまれているのかもしれない。

現代劇になるとちょっと様子が違う。でも、この頃の俳優って今よりずっと雲の上の存在でオーラが上品で違う。
噂に聞いていた原節子もE.バーグマンやG.ガルボに負けない艶っぽい美しさ。
皆、表情1つの動きで全てを語れる大物役者ばかり。これが欧米映画ならどうなるだろうと想像してみる。
原作本も気になる。まずは後半観てから。

<第2部 恋と憎悪>
「私たちのほうが白痴なのかもしれない」

ワンクッション置かないと、かなり重いテーマで受け留められるようになるまで容易じゃない。
亀田がまるで占い師か超能力者のように人の心を読み、未来を読むのがフシギ。
一切の欲を捨て、第三の眼でも開いたのか? 結局彼は男の友情を選んだ。死刑を迎えた時、
「なぜ皆にもっと優しくしてやれなかったのか、もし助かったらそうしてあげたい」と言っていた。
彼にとっては最高の幸福だったかもしれない。

白痴=知能がひどく劣っていること。今でいう精神薄弱者のことか?
人の脳はあまり強烈なストレス(恐怖、ショック)に耐えられなくなるとストップしてしまうらしい。
それでこれほどピュアで正直になれるなら、知能はあまり身に着けないほうがいいいようだ。

「ドフトエフスキーは真に純粋な男を描きたかった」
と冒頭のテロップに流れた。私は男が正直なゆえに悲劇に見舞われた話というより、
悲劇によって正直になった男が幸福になった話ととらえたい。

今や黒澤ファミリーとでも言えるおなじみのメンバーによって、これほど違った様々なドラマを観れるのは実に有意義。
男女の愛憎、哲学。世界の名作をシンプルながら劇的な脚本と映像によって再現し、思わず乗り出して観た。
抑えた演技の三船、森も、久我も昨今の俳優にないゴージャスな存在感と演技。


『エンド・オブ・バイオレンス』(1997)

監督:ヴィム・ヴェンダース 出演:ビル・プルマン、アンディ・マクドウェル、ガブリエル・バーン、フレデリック・フォレスト ほか
ヴェンダースが映画の街ハリウッドを舞台に映画プロデューサーの話を撮った。「いかにもハリウッドだ」がキーになるセリフ。
ちょっとブレた緑色の映像は前作『The end of the world』(タイトルも似てる)を思い出させる。
日常にあふれる暴力をひと通り描いて、ラスト静かな海にすべて沈めた、静かで穏やかな感動が広がる。
音楽はトム・ウェイツ他多才。キャストも豪華。

「敵は突然襲ってくると思っていた時、敵は僕自身だった。今、敵ができるとフシギなほど僕は解放された」

時々出てくるグループセラピーみたいなのが学芸会のちょっとした出し物のようで面白い。
父に毎日レイプされる話を歌のように話す女の子。

「本当は敵などいない。おかしいのはこの世の中のほうだ」

セックス、ヴァイオレンス、ガン、これでハリウッド映画は成立している。
本作にもその要素がちゃんと入っていて、ヴェンダースは「もうたくさんだ、未来にまで持ち越すのはやめよう」と終止符をうっている。


『赤ひげ』(1965)

原作:「赤ひげ診療譚」山本周五郎 監督:黒澤明
出演:三船敏郎、保本登、加山雄三、森半太夫、土屋嘉男 ほか
昔は医療技術を人情で補っていた。今は技術は日々向上しても心ない医療が目立つ。
本当に親身になって病人の気持ちになって診てくれる名医を見つけるのは難しくなってしまった。
殿様連中は食べ過ぎと運動不足で病になり、貧困者は栄養失調と苦労から心も体も病となる。
病気は暮らし、しいては時代を映す鏡にもなる。
いまだに発展途上国はこのように知識と薬が乏しく、荒れた生活環境に苦しんでいる。


『ビーン』(1997)
監督:メル・スミス 出演:ローワン・アトキンソン、ピーター・マクニール ほか
一応シリーズ中のウケのよかったギャグを使って、ビーンがアメリカで暴れまくるんだけど、なぜかフシギと笑えない。ヘンだな?
本国を舞台にしたTVシリーズは面白いのに。アトキンソン本人としてはどーなんだろ。
妙にハリウッド映画的なのがビーンらしくないんだな。普通のコメディドラマになってる。
他の俳優にまじってサイレントドタバタ風のビーンが浮いてるし、型にハマらないのが持ち味なのに、
ちゃんと職業もって生活してる姿は不似合い。こんなに笑えないなんて予想外!


『THE X-FILES THE MOVIE』(1998)(劇場にて
監督:ロブ・ボウマン 出演:デイヴィッド・ドゥカブニー、ジリアン・アンダーソン、ミッチ・ピレッジ ほか
TVシリーズを大画面で観ましたってゆーのが正直な感想。
やっぱコレはシリーズ観てるX-FILERじゃなきゃ納得できない特異な世界。
それだけTVシリーズが毎週ものにしては毎回、小道具も凝っててかなり大掛かりに質の高いつくりになってるってことなんだけど。

確かに劇場用にいくつか大掛かりな外ロケでCG合成がある。
これはスペシャルでメイキングを観ちゃったからちょっと驚きが半減。
後に復習会を開かなきゃならないくらい、時々、理解困難に陥るエピソードの時があるけど、今作もそれ。
いくつかの進展はあってもシリーズの性質上、解決する終わり方はあり得ないから、
モルダーらが必死にあがいて自問自答する姿に同情心さえ湧いてくる。

一番ひっかかるのは、なぜ蜂を通して培養などしてたのか? なおさら人類滅亡の原因になるじゃん。
UFOの中の巨大さと後に残った巨大な雪原の穴がスケールでっかくて見所。
2人を大画面でどアップで観るのがちょっとフシギな感じ。


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notes and movies(1998.11~ part4)

2013-10-29 14:21:35 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづきで、ピンク色のノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『リーサル・ウェポン』(1987)
監督:リチャード・ドナー 出演:メル・ギブソン、ダニー・グローバー ほか
とことんアメリカン・テイストなノリが体に堪える。
裸で寝て、ホットドックと缶ビールを流し込んで、銃を撃ちまくる。お腹いっぱいって感じ。
兄はともかく、友だちも絶賛おススメなのよね。
世捨て人風だった『マッドマックス』以来のM.ギブソンの当たり役。
けっしてマッチョアクションスタータイプじゃない彼は、愛する者のために戦う役が似合う。
足先までドップリ刑事稼業に浸かってる2人のプロ志向な刑事アクション。

ラストは殺し屋とのもろ泥レスで決着。こんなのってアリ? 法に触れないワケ? 銃や爆発が「クール!」で済まされちゃう。
映画やドラマで暴力に慣れっこになっちゃうって、ほんとはとんでもない影響を及ぼしてるんだろうね。
ベトナム特別部隊帰りの役とあってギブソンがとにかく早く動く!
カンフーまで入って暴れまくり、殺しまくり、1人の人間の死なんて
なんでもないアクションシーンの1カットでしかないのがかえって空恐ろしい。
1作目からシリーズ化を狙ったようなドラマ仕立ての雰囲気。2作目以降もこんな調子なのかな、ひたすら?


『ポネット』(1996)

監督:ジャック・ドワイヨン 出演:ヴィクトワール・ティヴィゾル ほか
『友だちの家はどこ?』の少年が騙されて本当に困っていたのと比べて、
この子が本当に演技としてここまで演じたのなら脱帽だ。
監督が今作を始めから終わりまで子どもの中に入って、子どもの視点で撮り上げたのが見事。
信仰といろんな人の言葉で「死」と「生」を子どもながらに懸命に考え、納得するまでは、大人が見ても実に納得いく結論。
「死ぬまで楽しく生きてゆくこと」が人生そのものの目的であり、意味だと分からせてくれる。

2人の会話やキスシーンには、ドキッとする色気があるって友だちが言ってたとおり。
フランスの子はこんなにマセてるのな? 離婚家庭の子も“独身”の意味を一生懸命に考えて自分なりに納得している。
どうにせよ親って責任重大だな。子どもの全世界を支配してるんだもの。
「死んじゃいけないと約束して。大事な物を交換してお守りにしよう」というパパの提案ほか、
子どもに分かるように心を癒すふれあい、言葉が素晴らしい。

「全能の神さま、ママと話をさせてください」

愛する者の死は、誰でも信じがたく、乗り越えるのは時間もかかる苦悩。
ましてや物心ついたばかりの子どもが母を失うというショックは想像を超えるもの。
ポネットを取りまく友だちは、もっとも身近な救済者だ。
純粋に願う子の前に母の霊が現れるシーンもとても自然で感動を呼ぶ。
自分にもこんな無邪気で貴重な時代があったのかと思うと今となっては不思議。


『女優マルキーズ』(1997)

監督:ヴェラ・ベルモント 出演:ソフィー・マルソー、ロシーナ・モンデロ ほか
ソフィの映画なら大体安心してハズレなし。彼女ほど美しくバランスのとれた女優はいない。
中世の演劇は国王の権威下にあり、観客の生きた反応があり、発展途上ゆえに活気と人情に満ちていた頃、
ど田舎の1人の踊り子で売春をさせられていた娘が大女優となり、舞台で死ぬまでの半生、これ自体が立派なドラマ。
無学でも男女や人生の酸いも甘いも熟知した大人の女、役者に魅せられ命も捧げた一生は短くも完結している。
「他の男に抱かれても傷つけたくない」とまで言ったDの愛は超越している。

「役者の願いは舞台に始めから上がり、終わりに死ぬこと。不安と恐怖から逃れても舞台のほかに行く所がない。
 常に不安と恐怖に生き、死ぬしかないのよ」


『ウィンター・ゲスト』(1997)

監督:アラン・リックマン 出演:フィリダ・ロー、エマ・トンプソン ほか
今年1番感動した。この世とあの世の境のように寒くて美しくシンプルなスコットランドの冬を舞台に
寒いからこそ近い人間の心の触れ合いを、母娘、老婦人2人、少年2人、若い男女それぞれの年代を通して
長い人生いつの時代もそれぞれが抱える苦悩を、素晴らしいキャスト、脚本、映像で描きだした。
A.リックマンの初監督と思えない感動の逸品。
脚色を削ぎ落とした人間的なエマの美しさと、哀しいほどソックリな母フィリダの実際の母娘の演技は見応え充分。

「今日撮った写真はいい写真よ」「スタジオを片付けるわ。春になったら・・・」

何気ない出来事で、愛する者の死の苦悩から立ち直れる。なにかきっかけが必要だ。
「時は私の前を過ぎていってしまった。心は17のままなのに。老いた顔を見るのは嫌い」
でも、やっぱり時は過ぎてゆくものだし、私もこんな風に歳をとりたい。
その時、そばに友人か身内か、じゃなきゃ動物の温かささえあればきっと寂しさも、悩みも、死の恐怖も、
こうしてなんとか乗り越えて、次の日も生きる理由が見つけられることだろう。
懐かしい鼻歌なんか口ずさみながら。


『用心棒』(1961)

監督:黒澤明 出演:三船敏郎、仲代達矢、司葉子、山田五十鈴、加東大介、志村喬、夏木陽介、東野英治郎 ほか
やっぱおもしろいわ。時代劇といっても時代設定が昔なだけで、古さや湿っぽい邦画臭さなどどこにもない。
腕はたっても頭で勝負するやり方に推理小説でも読むように成り行きが気になる。
結局大した金もとらず、何の得にもならない町を助けてアッサリと去ってゆく侍。
こんなヒーローでダンディな侍は映画の中だけ?
豪華キャストだろうけど、なにせ昔だし、時代劇で誰が誰だか分からないのが残念。


『バディ』(1997)
監督:フランシス・F.コッポラ 出演:レネ・ルッソ, ロビー・コルトレーン, アラン・カミング ほか
「セサミストリート」で有名なジム・ヘンソンが特殊メイクスタッフ?に加わっている。
よく出来てるんだけど、やっぱ野生の動きじゃないのが気になる。
レネもぬいぐるみ相手に渾身の演技は大変だ。チンパンジー他は本物だし。

「彼らは根っからのパフォーマーである」とはいえ、彼らにも1つ1つの自由意志がある。
ヒトのために芸をさせ、ペットにし、服を着せるのは動物愛護でなく、ヒトのエゴ。
各個体に合わせた自然環境の中、自由な欲望のまま、できるだけヒトと離れて暮らすのが動物の本当の幸福なんだ
と身をもって私たちに教えてくれたこの夫人の経験に基づく今作は貴重な資料にもなりうる。
その後ゴリラの生態もより解明され、彼女とバディの過ごした日々の悦びも悲しみも役立つことだろう。

「夢は全動物の言葉を理解し、支配すること」

夫人はその後、彼を訪ねたんだろうな、おそらく何度も。もう息子のようだもの。
ヒトに飼われた動物は野生には戻れず、ムリに帰せばたちまち死んでしまう。この教訓を覚えるべきだろう。
ゴリラは見かけとは逆に繊細で静かな動物なんだ。
それにしても鍵を開けたり、ローラースケートしたり、豊富な表情で本当にヒトそっくりなチンパンジー君らの愛らしい演技には驚く。
手品を見た時の表情とか、彼らにも個人の感情があるんだ!


『蜘蛛巣城』(1957)

監督:黒澤明 出演:三船敏郎、山田五十鈴、志村喬、久保明、太刀川洋一、千秋実、三好栄子、浪花千栄子 ほか
なんと黒澤さんは洋物を原作に撮るのが好きらしい。『マクベス』はまだ観たことないが常識の通らぬ末法の戦国時代。
もののけの予言を聞いたばかりに権力にとりつかれ、あっという間に全てを失い、自らの身も滅ぼす侍の話。
耳を切り裂くような笛の音、ドロンドロンと太鼓の音も薄気味悪く、不可思議な狐につままれた気分。

予言どおり戦に負けずとも味方にやられるというなんとも悲しく可哀相な武士。自分の妻の野心のためにもともこもない。
予言さえ聞かなければ、もう少し長生きできたものを。でも「野心を抱いてこそ男子」なんて言ってる時代。
そのつもりはなくても内助の功に持ち上げられて賭けをしなきゃならない時代だったのかもしれない。


『東京物語』(1953)

監督:小津安二郎 出演:笠智衆、東山千栄子、原節子、山村、杉村春子、三宅邦子、香川京、東野英治郎、中村伸郎、大坂志郎 ほか
やっぱり今年の1番は今作でしょう。先日の『Tokyo-ga』でヴェンダースが絶賛し、国内外で認められたのも納得。
黒澤作品のダイナミックなエンタテイメント系とは対照的に、昭和の日本の1家族をじっくり撮り、
観た目以上に完璧主義者だったという映像へのこだわりは、一切ムダを省いた貴重な資料にもなる原風景と暮らしの映像。
平凡ながら「家」と「家族」の原点を描き、日本人なら心を揺さぶられずにはいられない。
今では忘れられ、これからも、もしかして戻ってはこない日本人の姿がある。
懐かしくて、哀しくて、でも、どこまでも人間味溢れた小津ワールド。
当時30代だったという笠智衆の驚きの老演技、『白痴』で見せた悪女とは全く逆の姿を見せた原と、まだ幼さが残る香川との共演。

老夫婦が、大人になった子どもたちを訪ねる、『みんな元気』を思わせる話。
夫婦は決して物見遊山が目的ではないのに、仕事と家庭をもち、経済的な余裕も、時間もなく、
心ない子どもたちのはからいにも「有難う」と頭を下げる。

経済発展途上の真っ只中、人々の心にはまだ戦後の傷痕が生々しかった。親子の会話に敬語や礼儀があった時代。
私の親が娘、青年で、祖父母らがまだ少し若かった頃を、タイムトリップして覗いているような感覚。
ここには、今は田舎にかすかに漂っているにすぎない、まだアメリカナイズされる前の秩序、格式、尊厳みたいなものが残っていた。

きっと人々はさらなる発展、便利さを求め、人や家のしがらみを拒み、見ぬフリをして、ここにあるような生活に戻ろうとはしないだろう。
このきょうだいらが面倒がっていたように、親に手紙を書いたり、なんでもない話で電話をかけたりしなくなっている。
こうして次第に離れていくんだろう。そうなることで親も寂しい反面、安心するんだろう。こうして人は何世代もつないできたんだろう。

「私らは幸せなほうだろう」「ええ、ええ、幸せなほうですよ!」と言い合う、長年連れ添った夫婦の会話が重い。
地方のアクセントが入った上品な会話の端々に大切な心が隠れている。
尾道の自然、船がゆっくりいく様子も、モノクロながら美しい。


『ミスター・ビーン』
●子守は大変
久々のお目見え。映画公開、来日は話題になったけど、かつての熱はもう冷めたか。
ブームは早いが、やっぱこっちのTVシリーズのほうが安心して笑える。
相変わらずギャグはアナーキーだけど。案外、子ども好きなのが判明。

●ミスター・ビーンの日曜大工
ビーンのクリスマスはやったから、今度は大晦日。どーせロクなもんじゃないと思ったが期待は裏切らないセコさ。
一応仕事仲間はいるのか。2人来て、もてなす。新聞での帽子作りは完璧なのに、食事を用意していないアホさ加減がスゴイ。
小枝チョコって向こうにもあるんだ! の代わりに窓から枝を切ってチョコをコーティングしたのを1本と、
シャンペンの代わりに酢に砂糖を入れたやつを自分で飲んでぶっとびそーになる などなど。


『天国と地獄』(1963)

監督:黒澤明 出演:三船敏郎、仲代達矢、香川京子、三橋達也、山崎努、名古屋章 ほか
誘拐に巻き込まれた職人気質な主人の苦悩もさることながら、面白いのは今流行りのプロファイリング。
高い検挙率を誇る日本警察の知恵と汗を合わせた捜査ぶりが順を追って全工程をじっくり見れて、
まるで一緒に犯人を追っているリアルさ。息のつまるサスペンス大作。
当時は新人で今やベテランの俳優陣が豪華。

物的証拠がなきゃ逮捕できない、死刑も稀な日本だとここまでしなきゃダメなのね。
逮捕後の結末がちょっと唐突だが、犯行動機が意外にもシンプルで、
理由もハッキリしない残酷な現代の犯罪と比べると、まだ筋は通っている。


『夜半歌謦』(1995)

監督:ロニー・ユー 出演:レスリー・チャン、ン・シンリン ほか
いまやベテラン大スターのレスリー主演作はいいものばかり。
今作もあの有名な『オペラ座の怪人』を基にしているという触れ込みなしでも充分アレンジが効いてて、
まるで実話のように物語りが出来上がっている。

セット、美術も素晴らしく、舞台となる劇場の壮麗な造りに目を奪われる。お金かかってそう!
ところで人の皮膚って硫酸かけられたらほんとはどうなるの? アメリカ映画みたいに骸骨になっちゃうのか?
レスリーのように甘いマスクは、そのまま表面だけ波形フレディ状態になるのか、これは演出の違い。

こういうロミジュリ系のロマンスに女性は弱い。またレスリーがこういうのにハマってるし。
得意の歌声も披露して、観客は2度美味しいv
今作で他に特筆すべきは、菅野美穂似の奉公娘。身を捧げて主人に尽くして世話をし、
足を折られてひきずってついて歩くシーンにも熱が入ってる好演ぶり。


『虎の尾を踏む男達』(1945)

監督:黒澤明 出演:大河内傳次郎、藤田進、榎本健一、森雅之、志村喬、河野秋武 ほか
黒澤映画にはこんな短編もあるんだな。三船さんがいないのが華に欠けるが、
注目すべきは私が秘かに探してた『白痴』で名演技だった森さんの出演作。
しかも時代劇で脇役。メイクも衣装も喋り口調も変えてるから同じ姿はない。

もう1人、エノケンってこの人なんだ。笑いに命を賭けてたかなり破天荒な人だったらしいけど、よく知らない。
すごい表情豊かな楽しい道化役で、今作の要。盛り上げて、影で支えている。

この時代、TVなんてなかったけど、歌や踊りなどのエンタテイメントには、この通りことかかずに、
侍や百姓らもけっこうハイソな精神と知識を備えていたのかも。
作り方が歌舞伎調。リーダー役の男の顔のメイクや喋りもそんな感じ。



【読書感想メモ】
「ノストラダムスの遺言」高橋良典著
1897年 第一の封印が解かれる。
1999年 第六の封印、
2019年 第七の封印、
2020年ハルマゲドンを迎え、その後は至福の7000年期(弥勒の世)がある。
「日本は'98、'99までに沈没する」エドガー・ケイシー(外れてよかったね

「パンダのan an」小泉今日子著


【イベントメモ】
「ランドマークタワー」@桜木町
「ナンジャタウン」@池袋
アウトレット、中華街@横浜
都庁、アイマックスシアター@新宿

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『日本と世界の食のいま』(小峰書店)

2013-10-28 16:51:29 | 
ローティーンのための食育4『日本と世界の食のいま』(小峰書店)
藤沢良知/監修 金子佳代子/著

『ローティーンのための食育3 考えよう食事と健康』につづく最終巻。
これまでのまとめとともに、身近な食品(豆腐など)から、世界の料理(ナンなど)、
国内の地方の料理(神奈川の粟ぷかしなど)などのレシピまで載ってる。


【内容抜粋メモ】

●世界の食文化
その国でもっともとれるものを使った料理が、その国の伝統的な料理になっている。
小麦は、パンやパスタなどの原料として、世界で一番多く栽培されている作物。
グルテンが多い順に強力粉、中力粉、薄力粉と呼ばれる。

世界の食事マナーはいろいろある


「いただきます」
いわれには諸説あるが、“いただき”=頭の上、お祭りなどで神さまにお供えした食べ物を、
みんなで分けて食べる前に、頭の上にあげてから食べたことが由来という説がある。

「ご馳走様」
昔は食材の調達が大変だったから、食事を作るために走り回ってくれた人への感謝の言葉として生まれた


●行事食
特別の日のために準備する食事のこと
身近な食材で、旬のもの、保存のきく野菜などが使われている。


********************************食品と表示

●生鮮食品の選び方



義務付けられている表示に注意する。
都道府県名、原産国名、冷凍・解凍、養殖など。


●加工食品の種類
乾燥食品、塩漬け、砂糖漬け、酢漬け、瓶詰め、缶詰め、レトルト食品、燻製品、発酵食品、
インスタント食品、練り製品、冷凍食品、コピー食品(高価な食品を真似て人工的に作ったもの)、調理済み食品。

ものが腐るのは、微生物が食品中の成分を分解するためにおこる。
適当な水分、温度、空気の3つの条件がそろうと微生物が活発になるため、このうちの1つを取り除く工夫がされている。

加工食品に義務付けられた表示
品名、原材料名、食品添加物、内容量、期限、保存方法など。

産地表示の注意:たとえば原産地が外国でも、横浜で加工した魚は「横浜産」と表示できる。


●牛乳の加工品


バター、チーズ、ヨーグルトは、紀元前3000年頃のエジプト、メソポタミアでつくられていたと言われる/驚
日本に伝わったのは、仏教と同じ6世紀頃。それぞれ「醍醐」「酪」「蘇」と呼ばれていた。
明治時代には、日本でも本格的に酪農が始まり、庶民に広まった

表示の見方


種類別名称
牛乳、成分調整牛乳、加工乳、乳飲料がある。

殺菌方法
低温長時間殺菌法、高温短時間殺菌法、超高温殺菌法、超高温滅菌殺菌法がある。


●チーズの種類
ナチュラルチーズ:乳酸菌や酵素が生きている生のチーズ。
プロセスチーズ:ナチュラルチーズを数種類混ぜて、味や品質を一定にし、保存性を高めたもの。


トレーサビリティシステム

生産、加工、流通、販売などの各段階で、食品の仕入先、販売先、生産・製造方法などの記録を保管し、
食品とその情報をさかのぼって追跡できるシステム。

「家畜改良センター」サイト


********************************環境への影響など

●容器の値段



●コンポスト
家庭から出る生ゴミを使って肥料にかえることができる。


●輸入食品の多い日本



天ぷらうどんの材料が日本に来るまでの距離と日数


「ポストハーベスト」
輸入食品は遠くから運ばれるため、腐らないように、収穫後に農薬を使うことがあり、安全性が問われている。


●食料生産がかかえる問題
現在、世界で8億人が慢性的な栄養不良、毎日3万5000人が飢えで亡くなっている。
その原因は、食べ物の不足ではなく、偏っていることにある。

世界の穀物の半分近くが、ヒトの食料ではなく、家畜の飼料になっている。
その生産された食肉をたくさん消費しているのが日本をふくめた先進国。


肉を1kg生産するのに必要な穀物




「砂漠化」
年間500万ha以上の農地が砂漠化している。
理由は、過度の放牧、森林伐採による表土流出、塩類の集積など。


********************************食品の安全性

●食品安全基本法
鳥インフルエンザ、BSE、残留農薬などが問題となり、さまざまな食べ物の安全を守るため2003年に制定された法律。

「遺伝子組み換え食品」
収穫量を増やすためや、害虫に強い性質をもつ作物をつくるため、
DNAを組みかえて生産した農作物、およびその加工食品のこと。


「リスク分析」
食べ物にはなんらかのリスクがあることを前提として、科学的に考え、被害を防止するためのしくみ。
リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーションの3つの要素から成り立っている。

例:農薬の場合

・リスク評価(内閣府食品安全委員会
健康にどんな悪影響があるかなど実験結果をもとに、農薬の1日摂取許容量(体重1kgあたりで示される)を決める。

・リスク管理(厚生労働省、農林水産省など)
リスク評価をもとに必要な対策がたてられ、農薬についての基準を決める。

・リスクコミュニケーション
リスク評価の結果などの情報を公開し、それぞれの立場から意見を交換しあう。


********************************宇宙の食事

現在、NASAの宇宙食には、スペースシャトル用(短期滞在)、国際宇宙ステーション用(長期滞在)があり、
それぞれ182種、181種の食品が乗っている。
一般に売られている食品を検査して、クルーの好きな食品を乗せることも可能になった。

宇宙にはごみを捨てられないため、廃棄処理が可能なパッケージに詰められている。
食べ残しは封をして地球に持ち帰る(へえ!


********************************身近にできること

自然界は「生産者(植物)」→「消費者(動物)」→「分解者(微生物)」という流れで循環している。
ヒトは消費者の仲間だが、生活排水、化学肥料・農薬、二酸化炭素の排出などで流れを壊している。
川の上流に植林活動を行うなどの取り組みもされている。


「栄養に関する世界宣言および行動計画」
1992年に世界規模の国際栄養会議が開催されて採択された。

「ソーラークッカー」

太陽エネルギーを利用して調理を行う。


その他の工夫
・ムダなく食品やエネルギーを使える献立や料理を工夫する
・ごみが出ない買い物
・水を汚さない後片付け


おいしく食べるには
・お腹が空いているときが美味しい時間。食事のリズムに合わせて、体を動かす
・じっくりよく噛んで味わう。
・家族や友だちと一緒に話しながら、楽しい雰囲気で食べる。そのためには、お互いの努力も必要(そーだよね
・自分で栽培した野菜、料理した食べ物は美味しい。
・誰が、どんな風につくったのか、食事が並ぶまでどうやって来たのかイメージしてみる。食べる幸せに感謝する

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フィギュア カナダ大会2013 男女フリー

2013-10-27 23:55:55 | フィギュアスケート
フィギュア カナダ大会2013 男女フリー

写真がやけにくすんでしまった/謝

<女子フリー>

●コートニー・ヒックス(アメリカ)

シニアデビュー戦。♪エビータ 3×3から入った。サルコウ、美しいドーナツスピン、
この選手もステップを前半の早い段階で入れてきた。
後半のジャンプで得点を稼ぐためプログラム構成を変える選手が増えているとのこと。
3連続を跳んだ後に転倒、後半のルッツは落ち着いて決めた。トリプルフリップがラストジャンプ。
スケート選手は美人さんがたくさんいるなあ!

●アメリー・ラコステ(カナダ)24歳

♪アメリ トリプルループの単独から、コンビネーションはならず、次を3×2にした。
ファンタジーの可愛い曲に合わせてのステップ、後半のコンビネーションは2×2になった。
次は3連続。ダブルアクセルのラストジャンプで転倒し、頭をコツンと叩いた。

●ケイトリン・オズモンド(カナダ)17歳
朝の公式練習で腿を傷めて欠場という残念なニュースが入った。本人も悔しいだろうなあ・・・

●クリスティーナ・ガオ(アメリカ)

ハーバード大学在籍ってのは毎回紹介されるね。♪映画「天使と悪魔」より 最初は3×1になってしまった。
手脚がスッと長くて氷上でも映えるステップは見応えある。
後半のジャンプもちょっと抜けたが、1つ1つ丁寧に気持ちがこもってる、ラストの3連続は決まって笑顔も出た。
緩急ある曲で、アイスショーを観ているようなステキなプログラム。

●鈴木明子 28歳

フリーは3×3を入れず、持ち味のスケーティング技術、芸術点で挑戦する。
♪オペラ座の怪人 「荒川さんのようなスケーターになりたい」と夢を追ってきた経緯も紹介された。
10代の2人と闘うって素晴らしいなあ。眠りから醒めるような出だしの演技。
最初の3連続は失敗、次に3連続を入れて落ち着いてる。トリプルルッツも決まった。
この曲もドラマティックだよね。ショートのステップは鈴木がトップだった。フリーでも華やかで演劇的。
3×2、ルッツ、ループ、伸びやかでなめらかなスケーティングはさすが。
スピンの途中から拍手が起こり、スタンディングオベーションの中、たおやかな笑顔で締めくくった。
彼女のスケートが試合ではもう観れなくなるのは本当に寂しいかぎり。現時点1位。

●ユリア・リプニツカヤ(ロシア)15歳

オリンピックにもギリで出場可能な年齢。♪シンドラーのリストより ショートに引き続き、子役か?と思うような演技ではじまる。
3×3、それほどスピードをつけなくても跳べてる。次は3連続で、安心して観ていられる、プログラムに溶け込んだジャンプの安定感。
もの悲しさを感じさせるステップでの演技、赤いコートみたいな衣装もステキ。
後半は5本ジャンプがある。フリップ、ダブルアクセル、ループ、サルコウ、3×2、すべて何のブレもなく決めた。
そしてイナバウアなど体の柔らかさを最大限に生かして、得意のキャンドルスピンでフィニッシュはお見事!

●グレイシー・ゴールド(アメリカ)

さて。15歳少女の選手にプレッシャーをかけられながらの最終滑走。
肩から背にかけて蜘蛛の巣みたいに網目が入った紫の衣装がキレイ。女子は華やかな衣装も見所。
♪眠れる森の美女 3×3決まった。コンビネーションは単独。笑顔を浮かべての華やかなステップ。
フリップの着氷はちょっと詰まった。スパイラルからのジャンプで転倒。メリハリの効いた曲。
サルコウでもバランスが崩れた。調子が良くても試合本番は何が起きるかわからないのがスポーツの面白味。
後半の3連続で挽回、レイバックからビールマンスピン。ちょっと残念な表情も見えたけど、
丁寧な挨拶や、キス&クライでも笑顔であまりひきずらない明るさも魅力だな。

リプニツカヤがグランプリ初優勝/祝、鈴木は2位、3位ゴールドという結果になった。


<男子フリー>

●ミハル・ブレジナ(チェコ)

♪シャーロック・ホームズ ヤンキー座りからはじまるw 4×3入った!
トリプルアクセルの後に、2回目の4回転サルコウも決まった!
ミステリー調の曲に乗って緊迫感のあるステップもカッコいい。黒い手袋を巧みに使って、まるで事件を捜査しているみたい。
3×2、拍手もおこって、フリップ、ループは2回転になった。ルッツで転倒。サルコウもダブルに。
転倒すると体力が奪われるのが早いそうで、最後は顔を覆って息も苦しそうだった。これはもう1度観たくなるプログラム。

●無良祟人 22歳

♪スパルタカス 戦士みたいな衣装。4回転ならずダブルに。次の4回転も回転不足か? トリプルアクセルは高い。
3×1のコンビネーション、うーんジャンプ来ないねぇ・・・後半はループから、シングルアクセルに
ジャンプが決まらないと持ち味の力強さや迫力も出しづらいなあ。フリップ、サルコウはステップアウト。
最後も天を仰いだ。ベストが出せないのは見ていても残念。

●ジェレミー・アボット(アメリカ)

もう28歳かあ! ♪エクソジェネシス交響曲第3部 この静的な雰囲気は彼にしか出せないな。
4回転は大きく転倒してヒヤッとした。3×3は落ち着いていた。スピンはバランスが崩れた。2×1に抜けたコンビネーション。
後半の4本あるジャンプの最初はトリプルアクセルで転倒、サルコウ、ルッツもシングルになり、3×2、集中力切れそう?
ゆったりとしたステップで会場も静まり返る。男子はなんだか波乱だな

●羽生結弦 18歳

他の選手の重い空気って伝染するんじゃないかなあ? おお!♪ロミジュリ をまた滑るのか。振り付けは一新。
4回転が2本入ったプログラム。あの感動がふたたび蘇るか? 最初の4回転、次のトゥーループでも手をついた。
前回よりは静かな雰囲気。トリプルフリップ、後半には5本あるうち、最初はシングルに。
3×2、ループ、3連続にはシングルが入ってた。ルッツでラスト。
ここから感情を爆発させてのスピンの連続、最後は苦笑してた。まだみんな初戦のせいもあるのかなあ?
「後半盛り上げるところで疲れが出てたのが目立ってしまった」というのが本田さんのコメント。それでも現在1位。

●織田信成 26歳
 
織田くんも現役ラストシーズンか。膝の怪我は回復しているそうな。次男くんもめっさ可愛い!
「これまでのスケート人生の中でも1番難しいプログラム構成」とのこと。4年ぶりのグランプリシーズンってゆってたっけ?
♪ウィリアム・テル序曲 ちょっと妖精ちっくな可愛い衣装。4回転のコンビネーションはトゥーループ単独、
次も4回転の予定がトゥーループ単独2回で、また重なっちゃった?
後半最初のジャンプは高さがあった、ルッツ、フリップで転倒して観客席から声がかかった。
ループ、サルコウ決めた。運動会みたいな気持ちになるステップのところのメロディでは明るさを取り戻して、拍手が沸き起こった。
きめポーズ後にちょっと悔しい表情も出た。それでも泣かなくなったもんねv

●パトリック・チャン(カナダ)

「7年前に亡くなったコーチに捧げるプログラム。彼なしには今の自分はない」ハリー・オズボーン・コルソンさんのことかな?
「他の選手のことは気にしていない。僕は常に自分自身と闘っているんだ」
カナダで初めてオリンピックに挑戦するシングルスケーターとしての期待も背負ってる。

♪四季 4×3跳んだ! 2回目の4回転も素晴らしい!
この曲もなんだか急かされる気分にさせるよねw この大舞台、最終滑走での堂々とした安定感はぶっちぎりだな。
後半は4本。3連続にはシングルも入った。ルッツ、ループ、3×2、小細工なしのスタンダードな美しさ。
アクセルはシンングルに、スピードは落ちてない。爽やかな笑顔で地元での開幕戦を締めくくった。

チャンが文句ない優勝、2位羽生くん、3位織田くん、無良は10位。
男女ともに日本人選手が表彰台を飾ったのは嬉しい。
次は中国大会か。どんどん続いていきます!


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