メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

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2006-04-29 10:55:50 | lyrics
行き先のない切符と

なにも書かれていないエア・メール

砂嵐を流し続けるテレビと

たくさんの無言電話

なにも伝えることがなくなった日

わたしはあなたに言おう

「好きです」と。

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essence

2006-04-28 10:51:04 | lyrics
鳥が鳴いている
遠くの空を 流れている風
影響されそうな詩人
意味のない 午前の覚醒
罪のない 汚点
鳥が鳴くのは 私のせいではない


清潔な瞳 造られた一日
枯れた湖に隠れた 黄緑色の少女
無感覚な 大気


かれはほしがすきなんです
わくせいや月をみるのが
彼女はシャボンだまをふきます
いくつも いくつも


午後になれば 誰もいない
エッセンス
誰もいないのは 誰のせいでもない


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高層ビルのてっぺんの少年

2006-04-27 10:26:42 | lyrics

高層ビルのてっぺんの少年が
口笛を吹いている
だれも知らないその曲は
街中を支配しようとしている


高層ビルのてっぺんの少年が
シャボン玉をふいている
今よりもっと高く昇天しようとして


高層ビルのてっぺんの少年が
今は泣いている
神の名をもとめて
その声はあまりに高く
赤信号をせわしなく渡っている
彼の母親のもとにさえ
届かなかった

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Wind man

2006-04-26 20:29:49 | lyrics
お元気でしょうか
梅雨がやって来ました
宛てのない便りを書きます
わたしのことなら ここにいるのかいないのか
いなくてもいいのかどうなのか
とにかく時間と共に流れています
だからでしょうか なにか書き留めておかないと
大切なはずのその1日が
なんだか哀れでつまらないものにみえてきそうです
いまはどの辺りを歩いているのでしょう
そこでは生きものはあったかい心を残していますか
あの時 連れていってくれたならよかったけれど

体にはもっと気をつけて
帰ったらお話しきかせてください






'89年ころの作
観劇の帰り道、生ぬるい風が吹き荒れてる。
空を見上げると、大量の雲がごおおおおおおおって流れてゆく。
嗚呼!どこへ向かってゆくのか。
一度でいい。同じ旅にわたしも一緒に連れていってほしいのだ。

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春一番の雨

2006-04-25 20:28:28 | lyrics
春一番の雨
子どもみたいに かみなりを数えて外をみる
窓から思い切り身を乗り出して 大きく息を吸いこむと
優しく湿らす雨の香りがする

埃のまじった空気を洗え
砂のかぶった屋根を洗え

灰色の葉から 緑を奪いもどし
ずべて自然の色があらわれて 生き生きと揺れている

雨の季節がやってくる 誰に云われたわけでもなく
汚れたなにかを洗い流しに

今年も雨の季節がやってくる
わたしの部屋にも 降りしきる



追記(作詩当時の)
部屋の窓からはたった半分しか雨空が見えない
屋根と窓ばかり
部屋の中は妙に生暖かく
雨の香りと その冷たい風が
時々 心地よく入ってくるだけ
なんて激しくみじかい雨だったろう

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2006-04-24 20:27:23 | lyrics
窓から足をほおり出し 雨にあたって外をみていた
いくつも いくつも途切れない車
てっぺんをもやもやさせて まるくなった山
蛙のつぶれたにおいのする道路
みんなだれかを待っていた

ずっと前からここにいて
うたいつづけて声がかすれてしまった
けれども なお
家から洩れる光に映った ごそごそうごく影も
しだいに黒く濡れていった屋根も
時折辺りを真昼のごとく白く照らした雷まで
やはり だれかを待っていた

私は腰をあげることもできずに
やっぱり再びうたい始めたら
遠くから
ゴトンゴトンと空の夜汽車が蛍光灯をつけて
この辺りを通り過ぎていった



(実家の2階からは単線が見える。2両くらいしかない電車で、
走ってゆく様子をよく屋根側の窓に腰をおろして眺めていたっけ。
通学客などをまばらに乗せた電車は夜になると蛍光灯を灯して
ゆるゆると進んでいく箱のようだ。)

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捨テテイル

2006-04-23 20:26:20 | lyrics
捨テテイル
毎日少シズツ捨テテイル
昔ハ手ニ入レルモノバカリダッタノニ
今デハ一方的ニ
捨テテイル
ハコカラハ悪臭スラナク
無限大ノ大キサノ中ニ
消エテユク物タチ

ナゼダカ分カラナイケレド
ドウシテモ捨テタクナルトキガアル
昔ハ大好キダッタ物ヲ

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もう少し先へ進んで

2006-04-22 20:25:15 | lyrics
昔の自分に手紙を書いた
やあ、君には全く同情するよ
でも見てごらん
今でも何も変わっちゃないから

中の自分に手紙を書いた
やあ、大声で叫びたいことがあるかい
まぶしいヘッドライトの前に飛び出そうなんて
ぼやけた考えは捨てたほうがいい

時の管理人にも手紙を書こう
無数の人間が君のことを語ったね
小さな僕を含めて
でも、その感心するどんな文句にも
君は目を通していないらしい


持っている物全部を投げ出そう
君の柔らかいベッドの上に
なめらかなサテンシーツの上に
着ている服も全部
健康な臓器さえも

君の一番大切な宝物ひとつと
交換しよう


コンクリート道路に 星屑が散らばっている
僕は話がしたいんだ
なにもかもを
僕は誰かと話したいんだ
それは過去や未来の自分自身でも構わない
でも、こう酸素を奪われて
光がさえぎられていたら
話もできない
おまけに君の体は どこもかしこも
背中だらけ


とにかく手紙を書くから
いつでも都合のいい時に読んでほしい
僕は君の母国語で喋るから
そのつもりなら 君にも理解できると思う
でも、このくしゃみが止まらなくて
まだ何ひとつ大事なことを話しちゃいない


なにか ほんとうに話したい奴はいるかい
本気で聞こうとする奴がいない場所で
再び氷河期が訪れようとしている
長い夏の日に

count one, two,
threeで目をあければ
君の想う理想郷が目前に広がる
さあ、君の欲しいものはなんだい
ここには望む全てがそろっている
君が過去に属していた
全てから逃げだして
未来の自分に少しだけお手伝い

本当にひとに見せたいものを
もってる奴はいるかい
目を上げてまで
見る価値のあるものは少ない


かかとを10cmあげて
工場の三角屋根のむこうをのぞけば
君のシャングリラが見える
この道からずれることは
そう難しいことじゃない

もう少し先へ進めば
なにかが変わるかもしれない


最新ファッションに
身を包んだ子どもたち
やあ、なりたいと思う偶像(イコン)はいるかい
トマト・ダイエットで一回りやせて
黒タイツで通りを歩けば
落ち目の中年タレント一人くらいは
ひっかけられるだろう


私はいつだって
新入学の一年生だ
自分の木製の椅子に着くことさえ初めてな
何かを始めようとするとき
私たちはみんな 赤くてでかいランドセルを背負った
一年生なんだ

私はいつだって
処女航海に出る一隻の船だ
足元にまとわりつく
無数の波の頭を蹴散らして
もう一歩前進しようとするとき
私たちはみんな処女航海に出る
一隻の船なんだ


もう少し先へ進めば
きっとなにかが
変わるだろう


そこには
君が欲する全てをそろえるだけの
用意ができている
産まれるよ
新しい命が
コンクリート壁に映った
いくつもの他人の影を踏み潰してまで
僕たちは今
もう少し先へ
進もうとしている


私は錠剤を飲み下して
占いの頁を開く
まどろみの世界を探索してゆく
そこではなにもかもが無意識に
行なわれていく

消え入りそうになって生きている連中
お願いだから とろとろと私の前を
歩かないでくれ
ようやくこのリズムに乗って
前進しようとしている道を
はばまないでくれよ


愛されている女の顔は まるい
愛されている女の顔は 柔らかい

愛している女の顔は 熱い
愛している女の顔は 真剣だ

じゃあ
愛されていない女は
どんな顔に見えるのかしら

私はいつまでも まどろみの国を
探索しつづけている
そこはいまだ発見されていないものばかり


子どもは子どもの両手をもっていて
したいことは何でも出来ると思っている
そんな小さく、おぼつかない両手で

今、私はわたしの両手を見て
この手で何が出来て、
何が出来ないのか分からない
分からない


君がもう一歩
進もうとするとき


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いつでも旅を

2006-04-21 20:22:51 | lyrics
いつでも旅を
誰も私の顔を覚えないように
太陽がルッキンググラスを
溶かしている

自由な生き方とは?
自由は肉体からの解放
精神のあらゆる制限からの

素敵に輝く名画から
私は何も学べないだろう
映画は永遠に「夢」だから

忘れたいことがたくさんあって
覚えていたいことが少しある
これで毎日が微妙に
つながっている


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2006-04-20 20:21:30 | lyrics
「気」のながれを
かおにうけながら立つ
ゆめの中でしか
とべない動物たち

はしっている者たちをみている
こえを風にのせて
だれか呼ぼうとしている
ひとを見ている

とき時
みどりや黄いろやあかい
葉が ほおをなでてゆく

*  *  *  *  * 

段をのぼる
登って、のぼって
とにかく登っている
のぼっている私を
だれかは見ている
見ないフリをしながら
いつか躓けばいいと
そっと足をだしている

*  *  *  *  * 

私はつまずく
躓いて、つまずいて
とにかく躓いている

わたしは聞いている
「人とはどんなどうぶつか」
そして聴く
「ひとは飛べないどうぶつだ」


考えている
なきながら 考えている
泣きながら かいている
そして 多少
ほっとしている




※1行に1文字ずつ漢字を入れようと遊んだ詩。

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