簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

四国遍路 松尾峠越え

2011-11-02 | Weblog
 宿毛の手前で進路を山側に取ると、松尾峠越えの道に進む事に成る。
町を抜ける56号線から外れ、住宅地に続く道に入り込むと、左手に「宿毛貝塚」がある。
 縄文後期の遺跡で、四国では最大規模の貝塚らしい。



 みかん畑を見ながら進む道は、舗装されているが急勾配は意外にきつい。
時折見える宿毛の海が疲れを紛らわせてくれるのが有りがたい。
舗装道が尽きると地道に成り、今度は緩やかな下り道に転じ、その先はこんなに登っ
て来たのかと訝る程の下り道が続く。



 30分ほどで、錦の集落に到着。
「3000m 松尾峠 へんろ道」と書かれた看板が、民家の庭先を指している。
ここから先は峠まで3キロ、高低差290mの厳しい上り坂が待っている。
 途中「土佐の褐牛」の牧場が、伊予路の国境の近いことを知らせてくれる。



 松尾坂は伊予と土佐を結ぶ重要な街道で、麓には番所が設けられ、日に200~300人
も通る旅人を取り締まっていたらしい。
 当時の関守の子孫は、現在も当地に住みついていると言う。
その番所跡を過ぎた辺りからは残りが2キロ程、いよいよ更に厳しい登り道に成る。



 鬱蒼と茂る木立の中に切り開かれた旧道は、枯れ落ち葉、岩肌の凹凸、露出した木
の根、大きく掘れた道の繰り返しで、歩き難いことこの上ない。
 往時の石畳の遺構や、戦時中に切り倒し、根までも掘り起こした松並木の掘り跡等
が街道の古さを物語っている。



 宿毛の町を出て、5キロ余りの道程を2時間掛けてようやく辿り着いた。
松尾の大師堂の残る標高300mの峠には、うす暗いじめじめとした僅かばかりの平坦地
に、往時は2軒の茶店が有ったと言う。(続)


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