簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

蔵王系のこけし(JR乗り潰しの旅)

2015-02-09 | Weblog

 ここ蔵王温泉もこけしの著名な産地の一つで、この地方を中心に作られる伝統
こけしは、「蔵王系」に分類されている。
元々は、青根や遠刈田の技術が移入され変化しながら確立されたものらしく、胴
が太くどっしりと安定感があるのが大きな特徴だ。



 構造は、頭と胴が「ほぞ」と呼ばれる接続用の木片で繋がれた差し込み式で、頭
頂に赤い放射状の手絡を描くが、黒いおかっぱ頭もあるようだ。
胴模様はキクやサクラ、ボタンが中心で、中には山形らしくベニバナが描かれたも
のも有る。目は二重まぶた、花はたれ鼻、口には紅が差されている。

 温泉街のメインストリート、高湯通りの中ほど、共同浴場・下湯の前にある旅館
「招仙閣」は、こけしの宿として知られたところだ。
蔵王系のこけし工人斎藤家の三代目・昭さんの経営する旅館である。





 その先、「酢川温泉神社」の石段の下、共同浴場・上湯の近くには「能登屋」と言う
こけし工房の店が有る。「栄冶郎」と書かれた看板を掲げた店で、内閣総理大臣賞
を受賞したことのある工人・岡崎幾雄さんの店だ。



 この屋号にもなっている「栄冶郎」と言うのは、明治の中頃、青根温泉での木地
修行を経て後、ここ蔵王で開業、販売を始め、蔵王系の創始者と言われた人物で
ある。硝子戸をあけて店内に入ると、棚一面にこけしが飾られていて、その数に圧
倒される。
店の片隅には作業場が有り、運が良ければ絵付け風景が見られるかもしれない。





 また温泉街の中ほどには、工人・田中敦夫さんの店もあり、蔵王系のこけしや、
郷土玩具などのお土産がが並べられている。(続)




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