簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

きぼっこちゃん(JR乗り潰しの旅)

2015-02-25 | Weblog
 土湯温泉は吾妻山の山懐に抱かれた山間の小さな温泉地である。
嘗ては温泉旅館が20軒ほど有ったと言う。



 しかしこの温泉も、あの震災で大きな被害を受けた。
何軒かの旅館は震災の揺れで直接損壊し、廃業を余儀なくされたところも有った。
しかしそんな被害に原発事故が輪をかけた。風評被害である。



 震災直後、温泉は宿泊施設等を中心に被災者や避難者を受け入れた。
これにより一時的に稼働率は保たれたが、それらの人々が他所に移り去った後は、
稼働率が一気に落ち、結果過剰な要員を抱え、人件費などの経費が嵩み経営を圧
迫するようになった。



 震災後、旅館は11軒ほどになってしまった。
2002年度には60万人と過去最高を示し、2010年度でも40万人にも上った温泉利用
客は、11年度には20万人と半減し12年度にもその客足の好転の兆しは見られない。

 元々震災前にも旅館の数は16軒まで減っていたらしく、高齢者率の高い町は人
材も不足していたようで、衰退の要因は震災の影響だけと言うわけでもなさそうだ。
そこには後継者不足と言う深刻な問題も潜んでいるようには見受けられる。



 危機感を抱いた町では、新しい町づくりの動きも始まった。
倒壊した建物は撤去して更地にしたり、その跡地の再利用を考えたり、温泉施設を
生かしたまちづくりが動き出している。

 2013年には温泉のシンボルキャラクター「きぼっこちゃん」も誕生した。
この日泊まった温泉旅館の話好きな女将さんは、夕食時こんな話を聞かせてくれた。(続)






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