時間に余裕のない事を承知で、「徳川園」を訪ねて見たが、予報通り
天気が急変し生憎の本降りの雨と成ってしまった。
足元も悪く、早々に園の散策を切り上げ、容赦なく降り続ける雨を避け、
併設の「徳川美術館」にも立ち寄って見る。
尾張徳川家は、愛知県西部一帯を支配し、石高は61万9500石だ。
徳川御三家の筆頭と言われ、初代藩主は家康の第九子・義直である。
御三家には重要な役割があった。
将軍家に跡継ぎがいない時は、将軍の後継者を出す資格があったが、
尾張徳川家にはついにその機会は巡っては来なかった。
第7代藩主・宗春の時代には自由で放任的な政策がとられ、城下町に
繁栄がもたらされ、「芸どころ名古屋」と呼ばれるきっかけに成った。
時は第8大将軍・吉宗が進める質素倹約の時代で、それに反する宗春は
後に、隠居謹慎を命じられることになる。
こんなことからテレビや映画では、幕府との権力争いの黒幕として尾
張藩が描かれることも多いが、地元にとっての宗春は、今日の繁栄の基
礎を築いた名君である。
美術館には、家康から譲り受けた遺品を中心に、大大名家に代々伝え
られてきた遺愛品などの「大名道具」約1万件のコレクションが有る。
中でも良く知られているのが、平安時代の作で現存最古のものと伝わる、
国宝「源氏物語絵巻」だ。
その他にも国宝は8件にも及び、重要文化財は59件を数える。
記憶違いかも知れないが、小さい頃遠足か子供会で一度来たように思う。
何十年振りに成るのか、園も館の事も、何も覚えてはいない。
今回は駆け足で短時間の余裕しか無かったので、次は天気の良い日にもう
一度、時間をかけて訪ねてみたい。(続)
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