簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

かしわ餅(東海道歩き旅・三河の国)

2021-11-15 | Weblog

 
 「レモン柏餅を一つ」
「すみません、土日の限定販売です。日持ちがしないものですから・・」
と可愛い笑みを浮かべて、若い女子店員が言う。

 『江戸時代の浮世絵に描かれた名物「かしわ餅」と現在の名物「レモ
ンかしわ餅」を紹介!』と書かれた表の立て看板に引かれ、試してみたく
て訪ねてみた。



 安藤広重の描く「東海道五十三次之内 二川 猿ケ馬場」の図には、
境川の手前に広がる猿ケ馬場と呼ばれる丘陵地が描かれていて、そこに
は昔からこの地の名物だと言う「かしわ餅」を売る茶店も見える。



 この「レモンかしわ餅」は、二川を訪れる人に喜んで食べてもらえる
食べ物を・・・と言う趣旨で開発されたものだ。

 同地区にある農園が無農薬で栽培した「初恋レモン」を使い、皮ごと
練り込んだ餡を、砂糖を入れない餅で包んだものだという。
さっぱりとした甘酸っぱい味に、初恋を感じてもらおうとのことらしい。
宿場に店を構える老舗の菓子舗・中原屋が作り、「蔵カフェ こまや」で
しか食べられない。



 この「蔵カフェ」は、東の枡形の前にある、江戸から明治、大正期に
立てられた田村家の邸宅を転用したものだ。
味噌などを商ってきた「東駒屋」の中にある店である。

 市の指定を受けた文化財で、復元修復され平成27年に一般公開された
建物群だ。脇門を構えた母屋、離れ座敷、茶室、土蔵などが、ウナギの
寝床のような間口の狭い、奥に長い土地に配されている。



 帰り際に件の中原屋にも立ち寄ってみた。
幾つかのガイドブックで紹介されていた、「本陣饅頭」が目当てである。
「まだ載っているのですね、もう何年も前に、作るのをやめたのですよ」
と女将が申し訳なさそうに言った。(続)





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