簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

庄野の白雨 (東海道歩き旅・伊勢の国)

2023-06-07 | Weblog


 安藤広重の描く「東海道五十三次」の画の中で、この庄野宿の近辺を
描いたとされる「庄野 白雨」は、最高傑作と言われている。



 坂を行く駕籠や旅人が、突然白日の激しい夕立(白雨)に見舞われ、
慌てて雨具を用意して、雨宿り場所を求め駆け出す姿を前景にして、
 強風に揺れる黒いシルエットの竹藪が、遠景として描かれている。
斜めにふりつける雨の勢い、俄に暗転した街道の様子、人々の動きを見
事に描写している。



 庄野宿の入口に立てられた案内板には、その場所は、JR加佐登駅前
のコンクリート工場の前辺りとの表示がされていた。
しかし実際にその道、今では国道1号線となっているが歩いてみると、
多少の登り坂ではあるが、描かれているような急坂は無く何となく違うな
という感じである。



 国道が通り、坂は緩和され、周辺が均されたとは言え、画に描かれた
ような「山の中感」は全く無い場所で、むしろ明るく開けた鈴鹿川の河
川敷の様な所だ。

 周りの状況を見ても、広大な工場が山を崩した地に建てられたとも思
えないし、第一この辺りの道路沿いでは竹藪を見かけることも無かった
から、何となくここではない?と思えてしまう。



 一説には、是は東海道沿いでは無く、庄野宿の北方に鎮座する「加佐
登神社」に向かう道では無いかとの考えも有るらしい。
挙げ句は、そもそも広重は現地を見ず、想像で描いているのでは・・等、
憶測も飛び交っている。



 この絵の描かれた場所には諸説有って、未だに比定されず、議論も続
いているようだ。このことがこの画の知名度を一層高め、名画と言わし
める一因ともなっているようにも思えてくる。(続)



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