簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

古い新聞の切り抜き

2012-03-07 | Weblog
 古書店で買った本を読んでいたら、本の間からハラリと新聞の切り抜きが落ちて来た。
随分と古い新聞のようで、すでに変色し、渋紙を薄めたような色をしている。
 もしかしたら切り抜いた新聞を“しおり”代わりにでも使っていたのであろうか、綺麗
に三つ折りにして本の間に挟み込まれていた。



 そっと手にして、記事を開いて見ると、いかにも昔の新聞と言う感じがする。
一段に15文字、現在の新聞の段組みよりも二文字ほど多い。
 当然のことながら文字のポイントも小さく、行間も詰まっているので、紙面にギッシリ
と文字が詰まっているようような感じだ。



 漢字の使用も今の新聞よりも多いように感じられるので、読みやすさから言えば、
格段に今頃の紙面に軍配が上がる。
昔はこんなだったのか・・・と改めて感慨に耽りながら、その記事に眼を通す。



 一面からの続き記事で、時の大平総理が一週間ほど前に病気で緊急入院し、その
病状が狭心症を思わせるもので有った事、今では順調に回復が進み、復帰のための
運動量を増やしつつある事、目下の関心事は、二十日後に迫ったサミットに出席出来
る程回復が進むのかと言った事等が書かれているが、その先で記事は切れている。
したがってどうやら切り抜きの目的記事はこの面ではなさそうだ。

 日付の欄を見ると1980年(昭和55年)6月8日(日曜日)内政 14版(2)とある。
第68代の内閣総理大臣を務めた大平正芳氏は、その年の6月12日に心筋梗塞による
心不全で急死しているので、その直前の新聞と言うことに成る。(続)


 

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染み込んだ煙草の臭い

2012-03-05 | Weblog
 比較的最近話題に成った本などが100円コーナーに並べられていることは、それは
それで嬉しくて有りがたいのだが、その本の値打ちがこんなものかと思うと少し哀し
くも有り寂しくなる。



 この日は、人気作家のトラベルミステリー、元新聞記者のエッセイー集、映画やテレビで
ドラマ化され評判を呼んだ長編小説、作家の自伝的紀行文集等々数冊買い込んだ。
 何冊もの本を纏めても新刊一冊分の半値程で手に入るので、最近では経済的な事情も
あり、こう言ったケースが格段に多く成った。



 それに何よりも古書店で買い求めたとは言え、相対的に綺麗だから、古本で我慢すると
言った感覚も無く、その面で不足は無いが、時にはそれを読んでいて「アレッ」と思うこと
もある。

 生まれて此の方元々そう言う習慣が無かったので、この手の臭いには敏感に反応して
しまうのか、僅かなものでも不快な臭いとして拒絶反応が起きる。
 こんな時は、読まなければいいのだが、気に入ったものだから捨ててしまうことも成らず、
とにかく早く一気に読んでしまおうと焦る。



 もとは、相当なヘビースモーカーの手に有ったのか、閉め切られた部屋で燻されて燻製に
成ってしまったのか、新しいページを捲るたびに、染みついた臭いに鼻を突かれると、思わず
本を遠ざけてしまう。
 しかし、すでに鼻腔の奥に記憶された臭いは消える訳でもなく、ほとほと閉口する。
古本に染みついた「ニコチン臭、煙草の臭い」のことである。これほど嫌な臭いは無い。(続)
(写真は本文とは無関係)


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今どきの新刊本と古本

2012-03-02 | Weblog
 国道沿いに有る、大型の古本チェーン店に行ってみる。
広い駐車場を構え、ガラス張りの店舗は明るくて開放的で気持ち良い。
店内は、広々としたスペースに、書棚も整然と並べられている。



 書棚に収まりきれない本や、紐で結わえた全集等を床に平積みし、狭い通路を
雑然とさせ、湿気の籠った匂いが如何にもと言った感の嘗て町中に有った古本屋の
イメージとはまるで違う。



 書棚には、つい最近有名な文学賞を受賞した作品や、話題に成った文芸書、
タレント本、テレビや映画の原作本など、まだ記憶に残る馴染みのあるものも
並べられているので、古本と言う気がしない。
それに最近の古本には、変色し染みが付いてカビ臭いと言うイメージは全くない。

 聞けば新刊を買っても、読み終わればすぐに古本屋に売り飛ばす者も多いと言う。
それどころか、古書店で買った本さえも、再び古書店に売り捌くことも有るようだ。
 高く売るためには大事に扱い、汚さないようにと心がけているのであろうから、
今までのイメージとは違い、どれも古本に回されても綺麗なのだ。



 文庫本やマンガ本なんかは、店で側面を薄く削っているらしい、廃品回収の本も古書店
に回っているらしいなど纏わる話を誰かに聞いたことがあるが、真偽の程はよく知らない。

 折角手に入れた本、お気に入りの本は「財産」として、何時までも大切に手元に残して
おきたいとの思いはあるが、昨今の書籍事情は、本も読み捨て、電子書籍の時代に成り、
「蔵書」と言う程の大仰なものでも無いが、紙の本を大切に「所蔵」するなんて言うことは、
もう流行らなく成っているのかとさえ思うのである。(続)
(写真は、本文とは無関係)


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