実家へ行くと、玄関先で母が自作の合羽ズボンと、畑用の長靴をずぼっと脱いで、そのまま家に入ったようす。
それで、わたしの上着と車の中にあったひざ掛けで上半身を作っておいた。
畑から杖をついて帰って来た父が、玄関先で
「がははは・・なんじゃいこりゃ」と、喜んでいた。
喜んでいた理由は、得たいの知れない物を作った犯人が来ていることを悟ったからだ。
両親はふたりきりで住んでいて、もう20年も前に金庫を盗まれて新聞沙汰になったことがある。
その頃はまだ70才にもなっていなかったのに、「老夫婦二人暮らし」と、書かれていて憤慨していたが、今は全くそのとおりになっている。
不思議と親が年老いていく姿は、日頃分からないのに、ある日妙にふけたなあ・・と、思う瞬間がある。
遊びに行くと、父はすごく喜び、読んだ本や新聞の切り抜きを見せて、感動したものや興味深いものを次から次へだしてくる。
壁にかかったカレンダーにメモが貼ってあり
「グローバルスタンダード」「ワークシェアリング」「アイデンティティ」など、つまづいたカタカナを羅列してある。
まだまだ元気で長生きしそうな気がするが、
「もうしばらくや・・長ごないわい」と、言って笑っている。
残り少ない人生が、笑いに満ち溢れていますように。
と、わたしは今日も笑いの種を持っていく。
それで、わたしの上着と車の中にあったひざ掛けで上半身を作っておいた。
畑から杖をついて帰って来た父が、玄関先で
「がははは・・なんじゃいこりゃ」と、喜んでいた。
喜んでいた理由は、得たいの知れない物を作った犯人が来ていることを悟ったからだ。
両親はふたりきりで住んでいて、もう20年も前に金庫を盗まれて新聞沙汰になったことがある。
その頃はまだ70才にもなっていなかったのに、「老夫婦二人暮らし」と、書かれていて憤慨していたが、今は全くそのとおりになっている。
不思議と親が年老いていく姿は、日頃分からないのに、ある日妙にふけたなあ・・と、思う瞬間がある。
遊びに行くと、父はすごく喜び、読んだ本や新聞の切り抜きを見せて、感動したものや興味深いものを次から次へだしてくる。
壁にかかったカレンダーにメモが貼ってあり
「グローバルスタンダード」「ワークシェアリング」「アイデンティティ」など、つまづいたカタカナを羅列してある。
まだまだ元気で長生きしそうな気がするが、
「もうしばらくや・・長ごないわい」と、言って笑っている。
残り少ない人生が、笑いに満ち溢れていますように。
と、わたしは今日も笑いの種を持っていく。