カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「狼花:新宿鮫Ⅸ」大沢在昌

2022年04月16日 21時24分59秒 | 本 / BOOKS

大沢在昌の新宿鮫シリーズ第9弾。

鮫島の同期で順調に出世している公安警視正の香田。
今までも登場しており、お互いの立場や正義感の違いから
対立はしているものの警官としては認めあっていた。

ナイジェリア人が麻薬がらみのトラブルで殺され、
そのルートを追う鮫島。

今作品では鮫島の立ち位置は変わらないのだが、
増え続ける外国人犯罪を抑え込むために暴力団を利用し、
毒を以て毒を制す事を考える香田。

そこへ鮫島の好敵手としてたびたび登場する謎の男、
千の顔を持つ男だから仙田と言うのか?
ある時は日系ブラジル人のロベルト・村上、貿易商の深見、
正体不明の仙田は盗品売買の闇市場を仕切る男として登場する。

泥棒市場で様々な盗品を扱う深見は中国人の美女を見込み、
売買を任せる。麻薬を扱わずヤクザとは手を組まない仙田であったが、
一角を任せたヤクザに市場を乗っとられそうになる。
仙田が愛情を注ぎ寄せ育て上げた美女がヤクザに寝返った事で、
一気に破滅に向かってしまう。

鮫島に正体を暴かれつつある事を知り、
また美女とヤクザとの愛と野望に打ち負かされた仙田が、
香田がそのヤクザと手を組み自分を抹殺しようとした事で、
自分の命と引き換えに守ろうとしたものは?

当初、香田が今までの出世街道とは外れて
泥臭い事件を担当する事を意外に思う鮫島だが、
その裏には家族を襲われた事の怒りがあった事に気づく。

最終的に鮫島は好敵手であった仙田と香田の二人を失ってしまう。
仙田が破滅してしまったのは残念である。
香田はまた別の角度から絡んでくるみたいだけど。

次は10作目・・・・・。
先を読みたいのは山々であるが、
シリーズが終わって欲しくない気持ちもあるわけで、
非常に複雑である。

コメント
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