カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「相続人TOMOKO」大沢在昌

2023年01月19日 21時09分59秒 | 本 / BOOKS

1993年発行の大沢在昌の初期の作品。

日本へ向かう飛行機のファーストクラス、
主人公トモコが乗っている。
(例によって非の打ち所がない絶世の美女である。)

日本人の名前であるが、韓国人のリーのパスポートである。
何のために・・・・

本のタイトルが相続人TOMOKOであるからして、
この女性は相続人なのである。

アメリカの大富豪の未亡人である。夫はある組織に、
事故に見せかけられて殺されたのだった。
トモコはその組織のスパイとして大富豪に近づいたのだが、
大富豪と本当に愛し合ってしまい結婚・・・任務に逆らって
(組織を裏切って)逃亡していた。

危険を察知していた夫は財産の一部をスイス銀行に送金し、
トモコの財産としていた。トモコはその莫大な遺産を手に
日本に帰国する。

トモコはCIAの工作員だったが、裏切ったために、
国籍も名前も失い偽造パスポートで入国するしかなかった。
東京に着いたトモコは戸籍を得るために、
コールガールの組織に接触し、トモコと言う名前で
身寄りのない女性をホテルに呼ぶ。

何も知らない智子はホテルに呼ばれる。
そこでトモコと言う名前の女性に会い、
トモコの身代わりとなって(実際には2人1組で)、
マンションを買い生活を始める。

トモコに悪事を証言されるとマズイCIAは、
日本の警視正を巻き込みトモコを抹殺しようとする。
トモコはチャンスをうかがいながら追手から逃げるが、
その都度、協力した善意の人間や巻き込まれた人間が、
死んでいく・・・。

と言うような場面が何度か続き、
最終的にトモコは夫の仇を討つ・・・・。。

 CIAの元工作員だけに肝が据わっているし、
 夫の仇を討つと言うブレない信念に基づく行動が、
 小気味よい。智子も頭の軽い男遊びしか才能がない、
 尻軽女であるのだがトモコと行動を共にしていくうちに、
 自我が芽生えて自立して行く。

 いつもながら凄い設定を考えつくなぁと感心するのであった。

コメント
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