大沢在昌作品の中では異色中の異色である。
2001年に携帯向けに毎日配信されていた
SFファンタジーである。
新宿鮫などのハードボイルド作品を読みなれていると、
かなりの違和感を感じるし、かなり読みにくい。
主人公は素人と言うか普通の一般人である。
小説家志望のフリーター・菊川、大学院で地球物理学を
専攻する茂木、卜占術師の赤道、中学生のやよいは、
謎のメッセージに呼び出される。そこへ通りがかった、
高校生の透。この5人がJと言う謎の差出人を助けるために、
推理をしながら手掛かりを追って行く。
探偵のような事をしながら調べて行くと、
途中でヤクザ者が現れ、怖い目にも遭いながら、
謎を解き明かしていく。
最後は含みを持たせて一旦終わる。
大沢氏の執筆はここで終わり、その後は、
エンディング・コンテストとして公募され、
最優秀賞を受賞した作品が載っている。
本篇を読んだ人が最終章を創作すると言う試みだ。
私が想像した以上の事を考える人っているんだね。
当たり前だけど。
試みとしては面白いけど、
大沢作品を読みなれている私には、
肩透かしだった。