図書館で予約していた本がようやく回ってきた。
1993年の大沢在昌の小説で、小説より先に漫画化され、
アニメビデオ化されている作品。
確かに漫画っぽい感じがするくだりも多い。
イタリアの修道院に住むトマスの元に使者が訪れる。
トマスは13歳の時に預けられ7年間を修道院で過ごしていた。
使者によると・・・父親が死んだことによって、
中国の古代国家・唐の第六代皇帝、玄宗につながる家系を
受け継いだのであった。
トマスは第45代目の棗(なつめ)希郎右衛門となり、
女と金を惹きつける黄龍の力を父から受け継いだ。
希郎の右耳は生まれつき穴があり、その耳こそが、
棗希郎右衛門である証拠であった。
右耳には黄金の輪がはめられており、
それを解き放つととてつもない力が発揮されるらしい。
日本に帰国する前に希郎はまずラスベガスへと向かう。
カジノでツキを試してみるために。
そこで出会った男とサシでの勝負に勝ち、
運命の力を確信した希郎は帰国し大河内弁護士に会う。
大河内は棗家4代の当主に仕え事情に精通しており、
希郎に父親と母親の事を話し始める。
希郎の父親は棗家の使命を逃れるために身を隠し生きていた。
その過程で棗家と同じく千年以上の歴史を持つ美那家の女性と出会い、
お互いの使命に反して結婚し希郎を誕生させていたのだった。
希郎は母親を探し出し棗家と美那家の使命を終結させるために、
戦いを挑んでいく。
というわけで・・・SFとも超常現象とも言える能力が発揮され、
希郎が美那家の総帥である祖母と対決するのだが、
どこか劇画っぽいと感じたのは漫画のために書き下ろされたからか。
4章に分かれているので、展開がスピーディーで、
すらすらと読めてしまった。