国家資格の事務手続きをデジタル化する政府の計画の概要が分かった。マイナンバー制度を活用して、2024年度中に医師や介護福祉士など約40の資格とデータ連携し、紙の書類のやり取りが前提になっている申請手続きをオンラインで完結できるようにする。
現行制度では、資格を取得した時や引っ越しの際に、資格保有者が住民票などの書類を取り寄せ、省庁や都道府県など資格管理者に提出する必要がある。
デジタル庁が開発中の新システムでは、資格管理者が持つ資格保有者の名簿情報などと、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)や戸籍情報が連携できるようになる。この結果、住民票など添付書類の提出を省略できる。資格保有者、資格管理者双方の負担が軽減される。
政府がデジタル化の対象とするのは約80の国家資格だ。医師など税・社会保障に関する32の資格に加え、先の通常国会では教員や理容師、美容師など約50の資格事務でもマイナンバーの利用を可能にする関連法の改正を行った。
24年度には、このうち半数の約40の資格のデータ連携を始める。まず6~8月に介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師の4資格で開始し、9~11月は医師や薬剤師、看護師など30弱の資格、12月~25年2月にも10程度の資格を追加する計画だ。
資格情報とマイナンバーの連携には、マイナンバーカードの専用サイト「マイナポータル」を活用する。ひも付けミスが起きないよう、資格保有者本人がマイナカードを使って登録する。