教育カウンセラーの独り言

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ローカル鉄道の輸送密度「1万人以下切り捨て」で見えてきた“明治初期への回帰” JRは結局、誰のために列車を走らせているのか?

2024年05月05日 14時08分57秒 | 社会・経済

ローカル鉄道の輸送密度「1万人以下切り捨て」で見えてきた“明治初期への回帰” JRは結局、誰のために列車を走らせているのか?

Merkmal5/4(土)6:11

ローカル鉄道の輸送密度「1万人以下切り捨て」で見えてきた“明治初期への回帰” JRは結局、誰のために列車を走らせているのか?

JR四国・松山駅(画像:上岡直見)

実は大都市にも関係がある「ローカル線」

 この記事は「ローカル線」がテーマである。しかし実は大都市圏の利用者にも無関係ではない。2024年3月のJR東日本のダイヤ改正で京葉線の通勤時の快速列車が廃止され、沿線の利用者から強い抗議が寄せられたことは記憶に新しい。

 大都市圏でも「みどりの窓口(有人窓口)」が次々と減らされている。代わって

・電子チケット
・指定席(多機能)券売機
・オペレーターと話せる対話型券売機

などが増えているが、利便性をアピールしているものの鉄道好きの筆者(上岡直見、交通専門家)でさえ使いにくくて困惑する。利用者のニーズを無視して、JR側の都合だけで機能を限定したシステムになっているからである。

 筆者は東京から在来線で約2時間ほどの町に時折行く用件がある。ここは特急も走っているのだが、2023年末に行ったところ、無造作に板を打ち付けただけの改装で窓口が閉鎖されていてあきれた。JR東日本の本社からみれば隣接県はもう

「ローカル線扱い」

という現実に気づいてほしい。国鉄時代には利用者の視点を欠いた

「親方日の丸」

と批判されたが、最近のJRは急速にその状態に回帰しているように思われる。

国交省・JR各社資料より著者作成(画像:上岡直見)

消える日本列島の「かたち」

 鉄道の経営状態を示す数値として「ある区間を、1日に何人の旅客が通過しているかを」を示す「輸送密度(人/日)」という数字がある。感覚でいうと、

・大都市圏のJRや大手民鉄:10万〜数十万人/日
・地方都市圏の幹線:数万人/日
・ローカル線や中小民鉄:数千〜1万人/日

程度である。JR三島会社(北海道・四国・九州)では約7000人/日である。

 ちなみに欧州連合(EU)圏では、最も高いオランダで約1万7000人/日、EU圏全体平均で約5800人/日である。つまりEU圏は全体として

「JR北海道・JR四国以下」

のローカル線であるが、近年は環境の観点から鉄道活用を政策として推進している。日本の鉄道の輸送密度が桁ちがいに高いのは

「詰め込み輸送」

の結果であり、JRはじめ鉄道会社にとっては「コスパ」がよいだろうが、利用者にとって望ましい状態なのかといえば首をかしげざるをえない。採算性の観点だけからみると

「数千〜1万人/日前後」

が企業的に成立する分岐点とされる。もし1万人/日以下の線区を切り捨てたら日本の鉄道ネットワークはどうなるだろうか。

 実は新幹線でも1万人/日を割る区間が存在するが、さすがに新幹線を細切れにはしないだろうから新幹線は全線残るとした。現在は鉄道路線で日本列島の形が描けているが、1万人/日以下を切り捨てると日本列島はやせ細った形になってしまう(図参照)。新幹線を除くと

「明治初期の姿」

に相当する。1980年代に旧国鉄の分割民営を推進した自民党は、「鉄道ネットワークが崩壊するのではないか」という国民の疑念に対して、極端に輸送量の少ないローカル線(特定地方交通線)以外は維持するとアピールする意見広告を全国の新聞に掲載した。それから三十数年間、いくつかの路線廃止はあったものの辛うじてネットワークは維持されてきた。

 しかし最近、日本で初めて鉄道が運行された1892(明治25)年から150年を過ぎた2023年2月には「地域公共交通活性化法改正法」(正式名称は「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律案」)が閣議決定された。詳細はここで解説する余裕がないが、活性化をうたってはいるが、暗にJRを念頭に置いて

「不採算路線の切り捨て」

を容易にする道筋をつけ、鉄道を残したければ地方自治体で負担せよという趣旨の法律である。

ローカル線(画像:写真AC)

問われるJRの運行目的

 JR西日本の長谷川一明社長は鉄道の将来像について

「鉄道そのものを旅をいざなう乗り物にしていくことも重要です。メタバース(仮想空間に作られた世界)のようなバーチャルな空間を車内に組み込む発想があってもいいでしょう」

と経済誌のインタビューで語っている。

 しかし地域の利用者はそのような鉄道を求めているだろうか。現実のローカル線ではダイヤ改訂のたびに減便・減車が続き、積み残しが発生するほどになっても地元の苦情に耳を貸さない。無人駅が増えてトイレも待合室も撤去が急速に進んでいる。

 JR東日本の『TRAIN SUITE四季島』をはじめJR各社は最低ランクでも数十万円コースというクルーズトレインを運行している。近年は海外からの観光客も多い。それらの列車が走る景観にすぐれた路線のほとんどは「1万人/日以下」の赤字ローカル線だ。それでも大人気なのは単なる移動手段ではない価値を鉄道に見いだす人が多いからだろう。JR各社はローカル線を

「客寄せの材料」

として使ったあげく捨ててしまうのか。ローカル線の利用者は「お客さま」には含まれていないのかもしれない。

ローカル線(画像:写真AC)

ローカル線を残す「論理」

 ローカル線に関してはしばしば

「輸送量が少ない鉄道路線はバスに転換すればよい」

という議論がみられるが、当媒体の他の記事でも何度か取り上げられてきたように、バスも危機的状況にある。

 最近ではドライバー不足が焦点だが、鉄道で採算が取れないような地域では、バスに転換したところで短期的に赤字額が縮小するだけでいずれバスも廃止される。現に2000(平成12)年以降に累積で

「約62万km」

のバス路線が休廃止されてきた。

 ローカル線で「100円の営業収入に対して営業費用が何万円もかかる」などの極端な例が興味本位に取り上げられるが、総額として日本の鉄道全体に占める赤字の割合はごくわずかでしかない。

 都市部の鉄道利用者が負担した運賃収入がローカル線の維持に使われるのは不当だという意見も聞くが、これまでにも多くのローカル線が廃止されてきたにもかかわらず、大都市の鉄道利用者の利益、具体的には

・値下げ
・混雑解消
・利便性向上

などとして還元された実績があるだろうか。

 一方で携帯電話やスマートフォンを考えてみよう。これらが機能するには、ユーザーが所持するデバイスの背後で基地局・サーバーなど膨大なシステムの稼働が不可欠である。いま過疎地でも至る所に基地局が設置されている。仮に地域別に計算すれば過疎地では一通話に何万円かを課金してもコストは回収できないだろう。大都市のユーザーが過疎地のユーザーを補助することで全国どこでも通じるシステムとして成り立っている。

「自分は都市内での通話にしか使わないのに過疎地の費用を負担するのは不当だ」

という批判は聞いたことがない。

国交省・総務省資料より著者作成(画像:上岡直見)

単なる「移動手段」ではない鉄道価値

「鉄道(駅)を廃止すると町が寂れる」という話をよく聞く。ここで具体例として、北陸地域はかつて

「国鉄の駅ごとに私鉄が接続している」

といわれたほど多くの中小私鉄が存在する私鉄王国であったが、その多くが廃止された。ここを例にして

・現状で鉄道(駅)が存在する地域
・過去に鉄道(駅)が存在したが現在までに廃止された地域
・もともと鉄道(駅)が存在しなかった地域

の三分類で、それぞれこの間30年間の人口推移を調べてみた(図参照)。

 すると、現在も駅が存在する区域では、駅が廃止された区域・もともと駅が存在しなかった区域に比べると、人口の減少が抑制されている。

 実はその関係については研究者の間でも諸説があり、因果関係が逆(利用者が減少したから廃止せざるをえなかった)という見解もあるが、結果として鉄道駅が“町の核”となっていることが推定できる。

 ローカル線の存続は採算性だけでなく多様な側面から議論すべきではないだろうか。

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ニュース  ビジネス  24年度の企業倒産、1万件超か 原材料高、人手不足が収支圧迫

2024年05月05日 12時47分44秒 | ニュース

 

 

 
 

24年度の企業倒産、1万件超か 原材料高、人手不足が収支圧迫

24年度の企業倒産、1万件超か 原材料高、人手不足が収支圧迫

東京駅周辺のビル群

(共同通信)

 東京商工リサーチは4日までに、2024年度の企業倒産(負債額1千万円以上)が23年度から10%以上増え、節目の1万件を超えるとの見通しを示した。原材料高や人手不足が収支を圧迫し、資金繰りに窮するケースが相次ぐとみている。

 倒産統計の取りまとめを担う友田信男情報本部長がインタビューで明らかにした。倒産が31.6%増の9053件だった23年度と比べると伸び率は鈍化を見込むものの、24年度も増えれば3年連続となる。

 収支圧迫の要因としては賃上げも大きい。採用を増やしたり、退職を防いだりするコストがかさんでいる。製品やサービス価格の引き上げが収支改善の鍵となるが、東京商工リサーチが24年2月に実施した調査では原材料高分は4割弱、人件費増加分は5割弱の企業が転嫁できていなかったという。

 友田氏は「売り上げの増加が倒産を増やす一因になる」との見方も示した。需要が回復し、資金の融資を金融機関に求める企業は多いとみられるが、一部はコロナ禍で膨らんだ債務を理由に応じてもらえないことがあり得ると指摘する。

 
 
 
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<社説>憲法9条を考える ギダンさんと「平和」条項

2024年05月05日 11時45分03秒 | ニュース

<社説>憲法9条を考える ギダンさんと「平和」条項

東京新聞

2024年5月4日 06時45分
 鈴木義男(よしお=写真(上)=という人物をご存じでしょうか。その名前から親しみを込めて「ギダンさん」と呼ばれています。終戦直後、衆院議員として帝国憲法改正案委員小委員会で新憲法制定に向けた審議に関わり、「平和憲法をつくった男」と言われています。
 戦後日本は戦争放棄と戦力不保持の憲法9条の下、平和国家の道を歩んできましたが、国際情勢の緊張を名目に専守防衛からの逸脱が続きます。ギダンさんなら今の状況をどう考えるのでしょう。
 ギダンさんは1894(明治27)年、福島県白河町(現白河市)のキリスト教伝道師の家に生まれました。仙台にあるキリスト教系の東北学院普通科(中等部)から第二高等学校、東京帝国大学法科大学法律学科に進み、卒業後は東京帝大助手、文部省在外研究員としての欧米留学を経て、1924(大正13)年、東北帝大法文学部教授に任命されます。
 将来を嘱望されたギダンさんですが、大学にも押し寄せた軍国主義教育に反対したため、30(昭和5)年に教授の職を追われます。その後、戦前戦中は弁護士として治安維持法違反などに問われた人たちの弁護に奔走するなど、軍国主義に抗(あらが)い続けました。
 鈴木義男を研究し、「平和憲法をつくった男 鈴木義男」(筑摩選書)を著した東北学院大学名誉教授の仁昌寺正一(にしょうじしょういち)さん=写真(下)=は「ギダンさんは幼いころから身近にあったキリスト教を通じて西洋流の自由、平等、人道主義に触れ、弱い人の立場に立つ人格が形成された」と話します。

◆まず平和愛好宣言から

 戦後、社会党の衆院議員に転じたギダンさんは、後に広島大学長になった同党の森戸辰男衆院議員らとともに法律の専門家として小委員会の審議に参加します。
 後の首相、芦田均を委員長とする小委員会で9条の審議が始まったのは、前文から逐条審議を始めて3日目の46(昭和21)年7月27日。連合国軍総司令部(GHQ)案を基にした政府案には1項に戦争放棄、2項に戦力不保持が明記されていましたが、「平和」という文言はありませんでした。
 95(平成7)年に公開された小委員会の速記録によると、ギダンさんは「唯(ただ)戦争をしない、軍備を皆棄(す)てると云(い)うことは、一寸泣言(ちょっとなきごと)のような消極的な印象を与えるから、先(ま)ず平和を愛好するのだと云うことを宣言して置いて、其(そ)の次に此(こ)の(戦争放棄の)条文を入れようじゃないか」と提案し、各委員が賛同します。
 これを受ける形で芦田氏が修正案を提示。議論の末、1項の冒頭に「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」、2項の冒頭に「前項の目的を達するため」との文言が挿入され、今の9条となりました。
 ギダンさんが9条に平和を明記するよう訴えたのは、かつて留学した欧州で第1次世界大戦の惨禍を目の当たりにして、平和の大切さを痛感し、国際協調による平和の実現と戦争違法化政策の動きを学んだからにほかなりません。
 それが新憲法制定の場で生き、戦後日本の「平和国家の歩み」の確かな礎を築いたのです。
 ギダンさんはその後も憲法9条の積極的意義を説き、再軍備や旧日米安全保障条約の締結時にも反対の論陣を張ります。改憲自体は否定しませんでしたが「世界史を逆転させる重大な退却であるから…慎重の上にも慎重でなければならない」と論文に記します。
 ギダンさんは民主社会党の衆院議員だった63(昭和38)年に亡くなりました。69歳でした。
 時は流れ、今では「集団的自衛権の行使」が容認され、安全保障関連法で外国同士の戦争にも参加できるようになりました。「敵基地攻撃能力の保有」も進み、防衛費の増額も続いています。

◆原点に返り理想追求を

 「平和主義に変わりない」と政府は繰り返しますが、ギダンさんが思い描く平和国家とは異なる姿がそこにはあります。仁昌寺さんはこう警鐘を鳴らします。
 「日本国民だけで310万人、アジアで2千万人という犠牲を出し、二度と戦争を起こさないという思いで今の憲法ができた。現状追認で抑止力を強化すれば、いずれ偶発的な衝突が起きる。国際平和を誠実に希求するという原点に返り、理想を追求すべきだ」
 武力でなく外交を駆使して平和を守る決意があるのか。泉下のギダンさんは今も問い続けます。
 
 
 
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【万博開催の懸念】「なぜここに誘致したのか」港湾関係者の怒り 深刻な“渋滞”&“物流停滞”の懸念 会場アクセスは橋・トンネルの2つのみ

2024年05月05日 10時47分08秒 | ニュース

【万博開催の懸念】「なぜここに誘致したのか」港湾関係者の怒り 深刻な“渋滞”&“物流停滞”の懸念 会場アクセスは橋・トンネルの2つのみ

 

【万博開催の懸念】「なぜここに誘致したのか」港湾関係者の怒り 深刻な“渋滞”&“物流停滞”の懸念 会場アクセスは橋・トンネルの2つのみ

【万博開催の懸念】「なぜここに誘致したのか」港湾関係者の怒り 深刻な“渋滞”&“物流停滞”の懸念 会場アクセスは橋・トンネルの2つのみ

読売テレビニュース

(読売テレビニュース)

 来年4月開幕の大阪・関西万博まで1年を切る中、「建設費・運営費の上振れ」「海外パビリオンの建設の遅れ」など、万博開催への不安や批判の声が相次いでいますが、「交通渋滞」という私たちの生活に直結する重大な課題が浮上しています。取材を進めると、会場となる人工島「夢洲」特有の問題が浮かび上がり、関係者からは「20年以上前から指摘しているのに、なぜここに誘致したのか」という怒りの声も聞かれました。

■予想来場者はディズニーランド・シーの約2倍 最大6000両の車両が会場に…

読売テレビニュース

 会場となるのは、大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲ですが、万博の開催期間中には最大23万人近くが来場すると想定されています。1日あたりの平均来場者数は約15万人と見込まれ、これは2023年度の東京ディズニーランドとディズニーシーを合わせた1日あたりの平均来場者数の約2倍にあたります。

 しかし、夢洲につながっている道路は北側の夢舞大橋と、東側の夢咲トンネルの2つだけ。鉄道で夢洲に入ることができるのは、夢咲トンネルの車線と並走する形で延伸工事が進められている大阪メトロ中央線の1路線のみです。

読売テレビニュース

 その代わりに用意されるのが「シャトルバス」で、JR大阪駅や新大阪・なんば・天王寺などの主要駅のほか、尼崎や堺など3か所に設けられる専用駐車場などから毎日、多くのシャトルバスが運行されます。

 シャトルバスなどが会場に出入りできるルートは2つしかなく、万博会場に近い北側の夢洲にある高速の出口あたりから、渋滞が発生することが懸念されています。

 さらに、万博の期間中には、カジノを含む統合型リゾート=「IR」の工事も本格化する見込みで、1日に最大で6000台もの車両が夢洲に殺到する可能性があるのです。

■会場そばに物流拠点のコンテナターミナル 港湾関係者は怒り「20年前から指摘」

大阪港湾労働組合協議会 三宅肇 事務局長

 万博による「交通の混乱」に怒りをあらわにするのが、港湾関係者です。

 大阪港湾労働組合協議会 三宅肇事務局長

「なんでここに誘致したのか。渋滞の問題は今に始まるということではなくて、20年前から我々は指摘して対策を申し上げたのに。とにかく道路が狭い。(夢洲には)2本しかルートがない。迷惑をこうむっているのはそこで働く港湾労働者とそれに関わる人たちだ」

読売テレビニュース

 会場のすぐそばには、甲子園球場約15個分にも及ぶ広大なコンテナターミナルが広がっています。ここは関西の主要な物流拠点の1つで、食料や日用品なども取り扱っています。

 渋滞が頻発すれば、私たちの生活に影響を及ぼしかねないのです。

 三宅事務局長は、「開催期間が半年間あり、台風シーズンも重なり、事故が起こったらどうするのか。万博をどうしてもやりたいんだったら、今、我々が抱えている港湾の物流に対して、きっちりともう少し真剣に対応を考えて頂きたい」と訴えます。

読売テレビニュース

 会場建設を担う事業者も、渋滞はさらなる工期の遅れにつながりかねないと警戒します。

 ある工事関係者は、「内装工事や展示物の搬入が10月くらいが一番ピークになると予想される。コンテナターミナルの車が今も昼間に多く走っている中、そことの兼ね合いが心配なところ」と打ち明けました。

■阪神高速の渋滞も懸念…期間中は時差出勤・テレワークの協力要請も

読売テレビニュース

 渋滞が懸念されるのは、会場付近だけではありません。

 湾岸部と大阪市中心部、東大阪市を結ぶ阪神高速・東大阪線では、すでに朝のラッシュ時は、平均で5キロ程度の渋滞が発生しています。ここに、万博会場に向かう車両が加わることで渋滞の深刻化が懸念されているのです。

読売テレビニュース

 大阪府などは、交通の混雑を緩和させるため、万博の期間中、企業に対して時差出勤やテレワークへの協力を要請する方針です。

 ただ、街の人に聞くと、「個人的には無理です。お客さんとの兼ね合いもある」「万博だからねという気持ちにはなるのかもしれないですけど…」などといった不安の声が聞かれました。万博のために企業の協力がどこまで得られるかは不透明です。

 こうした懸念に対して、大阪府の吉村洋文知事は「どの時点でどの時間帯にどういう場所が混雑するのかという予測を詳細に立てて、その対策を打つことが重要。万博で多くの方がいらっしゃることと社会の活動は両立できると考えています」と強調していますが、万博の成功には、私たちの日常生活とを両立させるための有効な対策が求められています。

◇◇◇

※5月6日に後編として「万博開催の課題:通行止めで“孤立”の懸念…災害への備えは」を配信予定です。

 
 
 

 

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負債総額29億円余 冷凍魚介類販売会社 破産を申請

2024年05月05日 01時32分43秒 | ニュース
負債総額29億円余 冷凍魚介類販売会社 破産を申請
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三重
伊勢の魚介卸売「A-ONE」が破産 負債29億円
2024年5月2日 19時00分 (5月2日 19時26分更新)中日新聞社
 帝国データバンク津支店は2日、伊勢市の生鮮魚介類卸売業「A-ONE」が1日付で津地裁伊勢支部に自己破産を申請したと発表した。負債額は昨年9月期末時点で約29億4500万円。
 同社は1969年に創業し、74年に法人化。イカやタコなどの冷凍魚介類を国内の大手商社や魚市場、スーパーなどに販売していた。2013年にはアフリカ東部モザンビークに子会社を設立し、ハマグリなどを輸入。同年9月期には売上高が年約59億100万円となるなど、県内同業者の中でもトップクラスの業績を誇っていた。
 一方で収益性は乏しく、...
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