ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

デューク・エリントン&ジョニー・ホッジス/バック・トゥ・バック

2012-06-09 12:13:53 | ジャズ(スイング~中間派)
本日はデューク・エリントンとジョニー・ホッジスの共演作「バック・トゥ・バック」を紹介します。デューク・エリントンは言わずと知れたビッグバンドの大御所。一方のジョニー・ホッジスは1920年代後半からエリントン楽団に在籍し、同楽団の看板スターとして鳴らした名アルト奏者です。本作ではそんな2人が6人編成の小さなフォーマットで演奏しており、いつものビッグバンドとはかなり違った雰囲気です。共演はハリー・エディソン(トランペット)、レス・スパン(ギター)、ジョー・ジョーンズ(ドラム)、ベースが曲によってアル・ホールとサム・ジョーンズが務めています。録音は1959年ですが、60歳のエリントンを筆頭にホッジス53歳、エディソン44歳、ジョーンズ48歳と当時でもかなりベテラン揃いのメンバーですね。



そんなメンバー構成からもわかるように、ここで聴かれるのは当時主流のハードバップではなく、バップ以前のオールドスタイルな演奏。曲目も大半が1920年代頃に書かれた南部のブルース。この演奏を「シブい」と肯定的にとらえるか、「古臭い」と否定的にとらえるかはジャズファンの間でも分かれるのではないでしょうか?私はずるいかもしれませんが、その中間派ですね。“Wabash Blues”や“Basin Street Blues”のようなレイジーな雰囲気もたまらなくいいですが、かと言ってそれが全7曲続くと最後の方はやや食傷気味なのは否めません。パーカーやコルトレーンも尊敬したと言うホッジスの流麗なアルトや、ブロックコードを多用するゴツいエリントンのピアノソロ、ベイシー楽団でも鳴らしたエディソンの高らかなトランペットソロなど演奏技術はさすがに一流です。たまに気分転換で聴く分にはちょうどいいのではないでしょうか?
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