本日はアトランティックの廉価版シリーズからフィリー・ジョー・ジョーンズ&エルヴィン・ジョーズの2大ドラマーによる競演作「トゥギャザー!」をピックアップします。この2人、今さら説明の必要はないですよね?フィリー・ジョーと言えば何と言っても50年内の黄金のマイルス・デイヴィス・クインテットのドラマーであり、他にも数え切れないほどの名盤に顔を出しているハードバップ期の最重要ドラマーの一人です。エルヴィンはハンク、サドを兄に持つジョーンズ3兄弟の末弟であり、50年代半ばから多くの名盤に参加していますが、何と言っても60年代のジョン・コルトレーン・カルテットでの活躍が余りにも鮮烈です。
1961年2月録音の本作はそんな超大物ドラマーの競演だけあり、当然のことながら2人の熱いドラムソロがたっぷり収録されています。特に2曲目“Beau-ty”では5分近く、3曲目“Brown Sugar”では6分半にわたって互いの技の限りを尽くしたドラム合戦が延々と繰り広げられます。ただ、正直一般のジャズファンからしたらひたすらドラムばっかり聴かされてもしんどいですよね?このアルバムの良い所は他のメンバー達もきちんとソロを取り、れっきとしたハードバップ作品に仕上げているところです。
他のメンバーはブルー・ミッチェル(トランペット)、ハンク・モブレー(テナー)、カーティス・フラー(トロンボーン)、ウィントン・ケリー(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)。ハードバップ好きには堪えられないオールスタープレイヤー達が2人のドラムソロを挟んで美味しいフレーズをまき散らします。特に“Brown Sugar”は名曲と言ってもいいのではないでしょうか?