本日はマッコイ・タイナーの「リーチング・フォース」をピックアップします。マッコイと言えば泣く子も黙るジョン・コルトレーン・カルテットのピアニストですが、本作が録音された1962年はちょうどマッコイ、コルトレーンともにインパルスに移籍した年で、当時モードジャズの最先端を突っ走っていたマッコイの勢いのようなものが感じられる作品です。サポート・メンバーはヘンリー・グライムス(ベース)とロイ・ヘインズ(ドラム)が務めています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/69/0987bfe7c2e28b0ee4ae01afa58d5553.jpg)
曲は全6曲。オリジナルとスタンダードが混ざり合っていますが、味付けはどれもモード風です。まず、自作のタイトル曲“Reaching Fourth”は典型的なモードジャズで、スピーディかつスリリングなマッコイのソロが炸裂。もう1つの自作曲“Blues Back”も名前通りブルージーな曲調なんですが、アドリブは調性に縛られない自由さが感じられます。
ただ、私がお薦めしたいのはむしろスタンダード曲の方。“Old Devil Moon”はまあ平均点と言ったところですが、“Have You Met Miss Jones”と“Goodbye”の2曲の解釈は素晴らしいです。前者はシナトラやエラ・フィッツジェラルドも歌ったミディアム・ナンバーですが、これをマッコイは超高速のモードジャズに変身させます。のっけから飛翔するマッコイのソロに、ドラムとベースも迫力のプレイで応じます。ベニー・グッドマン楽団の十八番でもある“Goodbye”もマッコイの手にかかれば複雑かつドラマチックな展開を持ったバラードに。哀愁漂う原曲のメロディを生かしながらも、時折挟まれるマッコイの華麗なタッチが曲全体を幻想的な雰囲気にしています。そのいかつい風貌からは想像もできませんが、マッコイならではのファンタスティックなピアノ世界が堪能できる作品です。
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曲は全6曲。オリジナルとスタンダードが混ざり合っていますが、味付けはどれもモード風です。まず、自作のタイトル曲“Reaching Fourth”は典型的なモードジャズで、スピーディかつスリリングなマッコイのソロが炸裂。もう1つの自作曲“Blues Back”も名前通りブルージーな曲調なんですが、アドリブは調性に縛られない自由さが感じられます。
ただ、私がお薦めしたいのはむしろスタンダード曲の方。“Old Devil Moon”はまあ平均点と言ったところですが、“Have You Met Miss Jones”と“Goodbye”の2曲の解釈は素晴らしいです。前者はシナトラやエラ・フィッツジェラルドも歌ったミディアム・ナンバーですが、これをマッコイは超高速のモードジャズに変身させます。のっけから飛翔するマッコイのソロに、ドラムとベースも迫力のプレイで応じます。ベニー・グッドマン楽団の十八番でもある“Goodbye”もマッコイの手にかかれば複雑かつドラマチックな展開を持ったバラードに。哀愁漂う原曲のメロディを生かしながらも、時折挟まれるマッコイの華麗なタッチが曲全体を幻想的な雰囲気にしています。そのいかつい風貌からは想像もできませんが、マッコイならではのファンタスティックなピアノ世界が堪能できる作品です。