本日は名ピアニスト、アーマッド・ジャマルの作品をご紹介します。80歳を超えた今でも現役で活躍するジャズ界の“生きた化石”の一人ですが、本作は彼が人気絶頂だった1961年にアーゴから発表したアルバムです。名前からして中東っぽいですが、もともとの名をフレデリック・ジョーンズと言うれっきとしたアメリカ人で、若い頃にイスラムに改宗したいわゆるブラック・ムスリムです。先日取り上げたサヒブ・シハブもそうですし、他にもトランペットのイドリース・スリーマン、テナーのユーゼフ・ラティーフなど当時のジャズ界には結構いたみたいです。演奏スタイルはいたって正統派のラウンジミュージック風カクテルピアノで、同時代のハードバッパー達とは一線を画しています。そのせいか日本のジャズファンの受けはあまりよろしくなく、ウィントン・ケリーやソニー・クラークに比べると不当なまでに低い評価しかされてきませんでした。(まあそう言う私も彼らの方が好きですけど・・・)ただ、マイルス・デイヴィスが彼のファンだったのは有名な話で、名盤「ワーキン」にもジャマル作の“Ahmad's Blues”が収録されています。
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さて、アーマッド・ジャマルと言えば1958年に発表されたライブ作「バット・ノット・フォー・ミー」がモダンジャズのベストセラーとしてあまりにも有名です。ジャマル自身がオーナーだったシカゴのジャズクラブ“アルハンブラ”でのライブ録音である本作はその弟分とでもいうべき作品で、メンバーもジャマル、イスラエル・クロスビー(ベース)、ヴァーネル・フォーニア(ドラム)と全く一緒ですし、リラックスした上品なピアノトリオというコンセプトも一緒です。正直ここにはホレス・シルヴァーの熱きグルーブも、ウィントン・ケリーの抜群のドライブ感覚も、ビル・エヴァンスの研ぎ澄まされたリリシズムもありません。ただ、冒頭“We Kiss In A Shadow”の輝くばかりのピアノソロを聞けば誰でも思わず「いいね!」と口に出さずにはおれないでしょう。それ以外も全編に渡って肩の力の抜けた軽妙なトリオ演奏がつまっています。中でも独特のリズム進行の“The Party's Over”、2分半の短さに美しさが凝縮された“Snow Fall”がお薦めです。ナイトクラブの夜景を写したジャケットもお洒落ですね。
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さて、アーマッド・ジャマルと言えば1958年に発表されたライブ作「バット・ノット・フォー・ミー」がモダンジャズのベストセラーとしてあまりにも有名です。ジャマル自身がオーナーだったシカゴのジャズクラブ“アルハンブラ”でのライブ録音である本作はその弟分とでもいうべき作品で、メンバーもジャマル、イスラエル・クロスビー(ベース)、ヴァーネル・フォーニア(ドラム)と全く一緒ですし、リラックスした上品なピアノトリオというコンセプトも一緒です。正直ここにはホレス・シルヴァーの熱きグルーブも、ウィントン・ケリーの抜群のドライブ感覚も、ビル・エヴァンスの研ぎ澄まされたリリシズムもありません。ただ、冒頭“We Kiss In A Shadow”の輝くばかりのピアノソロを聞けば誰でも思わず「いいね!」と口に出さずにはおれないでしょう。それ以外も全編に渡って肩の力の抜けた軽妙なトリオ演奏がつまっています。中でも独特のリズム進行の“The Party's Over”、2分半の短さに美しさが凝縮された“Snow Fall”がお薦めです。ナイトクラブの夜景を写したジャケットもお洒落ですね。