ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ロジェ・ゲラン=ベニー・ゴルソン

2012-12-25 23:39:51 | ジャズ(ヨーロッパ)

前回に引き続き澤野工房発ヨーロピアン・ジャズの名盤です。本日ご紹介するのはフランスが生んだ名トランペッター、ロジェ・ゲランです。日本での知名度はあまり高くないかもしれませんが、ヨーロッパではデンマークのアラン・ボッチンスキー、イギリスのジミー・デューカーらと並んでハードバップ期を代表するトランペッターで、クラーク=ボラン・ビッグバンドにも在籍していました。本作の録音は1958年12月。当時ジャズ・メッセンジャーズの一員としてヨーロッパをツアー中だったベニー・ゴルソン(テナー)とボビー・ティモンズ(ピアノ)をゲストに迎え、ピエール・ミシュロ(ベース)、クリスティアン・ギャロス(ドラム)らの現地メンバーとの米仏混合チームで臨んだ力作です。



アルバムはゴルソンの代表的ナンバー“Stablemates”で始まり、続いて当時のジャズ・メッセンジャーズのレパートリーだった“Moanin'”“Blues March”“I Remember Clifford”と続きます。この頃のメッセンジャーズにはご存知天才リー・モーガンがいたわけですが、本作でのゲランのプレイはそのモーガンに匹敵する、とまではいかないものの十分に説得力のあるプレイを聴かせてくれます。ただ、個人的ベストチューンは1曲だけメンバーの代わったゲランの自作曲“Not Serious”。ゴルソンとティモンズが抜け、ヴァイブのミシェル・オーセ、ピアノのマルシアル・ソラルが加わったフランス人ばかりの演奏ですが、実にエネルギッシュな痛快ハードバップです。ゲランのブリリアントなトランペットソロが圧巻です。

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