ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

スタン・ゲッツ・カルテッツ

2012-12-08 22:34:17 | ジャズ(クールジャズ)
本日はスタン・ゲッツがキャリアの初期にプレスティッジに残した作品集を取り上げます。録音は3つに分かれていますが、どれも相当古く、1949年6月から1950年4月にかけて収録されたものです。メンバーは1949年のセッションがアル・ヘイグ(ピアノ)、ジーン・ラミー(ベース)、スタン・リーヴィ(ドラム)。1950年1月がピアノが同じくヘイグ、他はトミー・ポッター(ベース)、ロイ・ヘインズ(ドラム)。1950年4月がトニー・アレス(ピアノ)、パーシー・ヒース(ベース)、ドン・ラモンド(ドラム)となっています。正直ゲッツのテナーを聴くためのアルバムで、他の楽器は目立たないんですが敢て言うならアル・ヘイグの短いながらもキラリと光るピアノソロが注目に値します。



個人的にはハードバップ以前のジャズは録音状態もあまり良くないし、演奏時間も短いのであまり好んでは聴きません。本作も残念ながらその欠点をクリアしてるとは言い難いですが、それでも若きゲッツの溌剌としたテナーが全編に渡って聴けるとあっては、ジャズファンならスルーするわけにはいかないでしょう。曲は全12曲。うち歌モノスタンダードが9曲、ゲッツのオリジナルが3曲という構成です。メロディアスに歌い上げるアドリブはこの頃から確立されており、まるで譜面通りに吹いているかのように滑らかで美しいソロを繰り出して行きます。いわゆるハズレは一つもなく、どの曲も平均的にいいですが、個人的には冒頭スインギーな“There's A Small Hotel”、ラテン調の“The Lady In Red”、オリジナル曲の“Long Island Sound”“Mar-cia”が特にお薦めです。さっきも言ったようにどれも2分半~3分前後の演奏でボリューム的に物足りないのが玉にキズですが・・・とは言え、まだ20代前半だったゲッツの演奏を捉えた貴重な記録であることは間違いありません。
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