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広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

JoppaL閉鎖

2009-11-01 20:10:20 | 津軽のいろいろ
全国各地の地方都市によくある話だが、中心市街地の空洞化とダイエーの経営破綻・撤退に伴い、ダイエー撤退後の空きビルの活用が問題になっている。

秋田市では「秋田ニューシティ」という、秋田経済界を代表する辻グループの企業所有のビルにダイエーがあった。撤退後は食料品スーパーが定着せず、上層階は辻グループの事務所や秋田市中央公民館が入居している。
現在は、テナントが次々に撤退・移転しており、公民館も来年度からは秋田市文化会館内へ移転することになっている。つまり来年度以降、まったくの空きビルになるらしく、おそらくビル自体が解体することになると思われる。築30年ほどだからまだ使えそうではあるが、一民間企業の所有物件だし、時代の変化を考えると仕方ない気もする。


本記事で取り上げるのは、弘前市のダイエーがあったビルのこと。
ビルの新築・ダイエー弘前店開店は、1994年と比較的最近。駅前で幹線道路に面した好立地だと思う。ビルの名は「JoppaL(ジョッパル)」、津軽弁で頑固なことを意味する言葉で、津軽人の精神でもある。※ダイエー時代についてはこの記事参照
「弘前再開発ビル」という弘前市も出資する第3セクターが、隣接する約400台収容の駐車場とともに経営していた。
ダイエー撤退後は食料品スーパーが入居することはなく、ファッション系専門店や書店などがテナントだった。また、市役所の出先窓口、300名収容の市民ホール、信用金庫の支店も入居していた。

会社は2007年に民事再生手続きを申し立てていたが、今年10月2日に経営破綻し、12日で全館閉鎖することを発表。電気代などを滞納していたという。
後に一部店舗は18日まで、市民ホールは25日まで、駐車場は12月3日まで延長して営業することになったとはいえ、市民ホールを予約していてキャンセルさせられた団体もあったようだし、テナントは閉店を余儀なくされたり、もしくは移転先の確保や在庫処分に翻弄させられたようだ。
出資者の弘前市の責任を追及する動きもあるようだ。
閉鎖のお知らせとお詫びの文書
単純に考えても、駅前にあるまだ築15年の新しいビルがもったいない。
 
人口や県庁所在地でないことを考慮すれば、秋田市に比べると活気があるように思われた弘前市中心市街地だが、今後の活用を考えないと、衰退に拍車がかかってしまう。
ダイエー撤退後に外壁が塗り替えられた
先日、僕が弘前に行った時は、各テナントは撤退が終わり、信用金庫の移転作業が行われていた程度で静かになっていた。
※以下の写真は、すべて建物の外から撮影したものです。
ジョッパル来店者用駐車場
「満」表示になっているが、閉鎖されている。
自転車置き場【追記】一番手前の電飾だけ「Jo“o”paL」になってる
ダイエー撤退後も若者向けの店やフードコートがあり、高校生や大学生のお客で賑わい、自転車が並んでいたものだ。
ドムドム・ディッパーダン・オレンジキッチン
いずれもダイエー系列のファストフード店。秋田ニューシティからはダイエー撤退から間もなく、これらもいなくなってしまったが、弘前では残っていたようだ。それだけにもったいない。
全国チェーンの「宮脇書店」
秋田県内では五城目町にしかないが、青森には数店舗あり、ジョッパルの店舗が県内最大規模の書店だったという。弘前市内にはほかにも系列店舗があるが、ジョッパルの店は青森市へ移転する形になったらしい。
正面玄関
開店当時は重々しい自動回転ドアだったが、六本木ヒルズ森ビルの事故を受けて、引き戸の自動ドアに替わった。※この記事末尾に関連する内容あり
テナントの移転を知らせる貼り紙
駅裏の百貨店「さくら野」へ移転する店舗が多いようだ。
かつてのフロアガイド
地階が「改装に付き閉鎖」だったり、紙を貼って隠された店舗が多かったり、経営が楽でなさそうだったのが伺える。
もぬけの殻
看板がそのまま残っているなど、失礼ながら夜逃げしたかのような状況だった。
賑わうジョッパルの様子を描いたイラストが柱にデザインされていた
空しい。
弘前に限らず、秋田も、全国どこの地方都市も、地方が元気になれる時代が来てほしい。

※続きはこちら
コメント (2)
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小さなリンゴの木

2009-11-01 17:54:36 | 津軽のいろいろ
間が空いてしまいましたが、弘前市りんご公園の続きです(前の記事)。
朝露が付いた「スタークジャンボ」
マイナー品種だが、「世界一」より大きくなることがあるようだ。

訪れた時は早生の主力品種「つがる」や「千秋」は終わり、畑の木では「ふじ」「王林」「陸奥(むつ)」などが収穫を待っている状態。
「ジョナゴールド」3個で150円
立ち寄った産直では「ジョナゴールド」や「北斗」が売られていた。ジョナゴールドを買ってみたが、大玉で酸味がさわやかでおいしかった。紅玉(英名ジョナサン)とジョナゴールドの交配でできた品種だから、紅玉譲りの酸味だろう。
スタークジャンボのようにベタっと一色に色づくのでなく、ふじと同じように縞状に着色するのは日本人好みだが、アメリカで作られた品種。※着色の仕方と甘さなど味との関係はありません。
海外品種が日本の気候と日本人の好みにマッチし、現在でもそれなりに作られて流通しているのは、ロングセラー品種といえそう。

昨年も紹介したが、園内には見本園としていろんなマイナー品種を1~数本ずつ植えている。
この品種はまだ“苗木”といった感じの小さな木
元からあった木が枯れてしまい、植え替えたのだろう。マイナー品種となってしまった理由の1つには、日本の気候に適さないというのもあるだろうから、主力品種よりも栽培が難しいのかもしれない。
名札は「旭」。昨年と同じ手書き札だ
昨年紹介した通り、旭はカナダから輸入された品種で、英語名を「McIntosh」という。アップルコンピュータの開発者の1人がこの品種が好きだったため、同社のパソコンが「Macintosh」になった由来の品種。
それにしてもこのやっつけ仕事的な手書きの名札、なんとかならんもんでしょうか…
ほかにも「印度」は盆栽用の小さな名札が下がるだけ。たしか弘前市内の東奥義塾高校に来た外国人教師が広め一時期は主力品種となり、陸奥や王林などの親品種でもあり、津軽と関わりが深く、青森県いや日本のリンゴ史に欠かせない品種のはずだから、ちゃんと説明して多くの人に知ってもらうべきなのに。
輸入新種の「スターキングデリシャス」
こちらも小さな木だが、がんばって1つだけ黄色い実を付けていた。
これは正規の表示板だが、「ス」が消えている。

公園内の通路沿いに直径30センチほどの鉢が置かれている。
盆栽のように仕立てたリンゴ
せいぜい1株5~6個だが、ちゃんと実を着けている。やや小さいけど「ふじ」だろうか。観光施設やイベント会場などに設置・貸出しているはず。
鉢植えリンゴを作ってしまうのも津軽のリンゴ栽培技術の高さを示している。
コメント (4)
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