松江に旅行した時、銀行本店のビルの屋上が展望フロアとして開放されており、宍道湖の眺めを楽しんだように、最近は公共施設や官庁のビルの上層階を展望用に開放してくれている所が多い。街中にあるし、無料だから、僕は旅行先にそうした施設があるかチェックしてから出掛けている。
東北地方では、盛岡市の「マリオス」、福島市の「コラッセふくしま」、山形市の「霞城(かじょう)セントラル」のように、県庁所在地の“駅裏”に建った官民複合型のビルに展望スペースがあることが多い。
上記3つとも行ったことがあるが、複数の方向に窓があり、出入りする新幹線・街並み・山並みが見渡せ、休憩できるソファや自販機があり、市民の憩いの場や旅行者の時間調整などに使われていた。
さて、我が秋田市にも、それと同じコンセプトのビル「秋田拠点センター“アルヴェ”(ALVE、アルベ)」があり、最上階14階が「展望ロビー」になっている。
黒い高い建物とその左がアルヴェ。右は秋田駅東口
ただ、他の都市の展望スペースと違い、秋田市民として「ぜひ訪れてください」とはとても言えない代物。
なぜなら、まず、エレベーターの場所が分かりづらい。
アルヴェは低い建物と高くて薄っぺらな建物からなり、低い方は先日の種苗交換会の会場に使われるなど、秋田駅と通路で直結されてアクセスしやすい。
一方、高い方は、7階までの一部に医院や学習塾などテナントが入るが、大部分はビジネスホテル「東横イン」の客室。ホテル以外のテナントや展望ロビーを結ぶエレベーターはビルの奥まった所にあり、場所が分かりづらい。
このエレベーターは駅と直結した2階には止まらないのも行きづらい一因。
エレベーターのボタン
実は、駅とアルヴェを結ぶ通路のすぐそばをエレベーターが通っているのだが、2階の場合、そこはホテルの店内なので宿泊者しか立入できないためエレベーターホールがない(ホテル宿泊客用のエレベーターは別にある)。
ホテルの配置を少し工夫すれば2階にもエレベーターホールを設置できたはずで、そうすれば駅からとても行きやすいのに。おかしな設計だ。
14階へ到着
目の前に大きな窓があり、東側の風景が広がる
が、
展望スペースはこれだけ。
なんと東側にしか展望できる窓がないのだ。左側=北もガラス張りだが、
非常階段になっていて立入禁止
そのため、遠目にしか見えないし、手すりや窓枠が視界を妨げる。
さらに南、西側はテナントの飲食店になっていて、入店しないと景色を見られない。なんてケチな展望フロアなんだろう。鳥取県庁第二庁舎以下だ。
これでは太平山くらいしか見所がない。他の方角では鳥海山、秋田市街、男鹿半島、広大な秋田平野そしてここは位置的に千秋公園や秋田駅構内を間近に見られるのに…
その上、
飲食店が閉まっている
エレベーターのボタンの写真でも分かるとおり、飲食店は8日で閉店したそうだ。ドアが閉じられ、中から何やら工事する音が聞こえた。
現地とアルヴェのサイトに告知があった
「展望レストラン」と称している14階の飲食店は、2004年のアルヴェオープン以来、何度か店(経営者・店舗名・コンセプトとも)が変わっている。たしか、この店舗で3代目だったはず。イタリア料理とビアホール(経営は同じ県外資本のはず)だったが、昼も夜も980円のバイキングが目玉で、女子学生など若者に人気があり、評判は悪くなかったようだ。
なお、アルヴェの2階では、今も複数の飲食店が営業している。
こうも次々にテナントが入れ替わっていては、このビルの14階を飲食店にすること自体がそぐわないのではないだろうか。
車社会秋田では駐車場の問題もあるのかもしれないが、駅前なんだから旅行客などの需要はあるだろう。でも例えば、初めて秋田市に来た人には、ここにレストランがあること自体気付きにくいし、知っている人でもたどり着く時間や手間は容易でない。簡単に行かれる駅内や西口側に、手頃な店がたくさんあるのだから。
次も飲食店にするのなら、永続きできるためには思い切った発想が必要なように思う。
秋田駅東側の住宅地と太平山が見渡せる
こちら側は数十年前までは一面の田んぼだったが、今はすっかり住宅地化された。逆に言うと、田んぼも高いビルもなく、住宅しか見えず、つまらない。
右は隣接するNHK秋田放送局のアンテナ
今の時期だけは、街路樹のイチョウの黄葉と低山の紅葉が美しい。
色づく山は一つ森公園かな?
非常階段越しにはなかなか個性的な景色が見える。
千秋公園、男鹿半島など
千秋公園が街中にこんもりと島のように浮かぶ姿を間近で見下ろせる数少ない場所なのに、これしか見えないのは残念。
天徳寺・平和公園は杉の緑と紅葉がきれい
いっそ飲食店をやめるかかなり縮小して、他都市のように、全方位が見渡せる展望フロアに改装してしまえばいいんじゃない?
(実は、秋田駅西口の「アトリオン」12階も20年前のオープン当初は展望階だったが、徐々に縮小され、今はなくなったはず。夜間に中高生のたまり場になって問題視する声があったようだが、他都市を見ると何とかなるだろう)
【12月6日追記】4日に14階に行ってみると、引き続き工事が行われており、本記事アップ時と同じ状況。今後の予定等については掲示も報道もない。
【2010年3月24日追記】工事が終わったけれど…
東北地方では、盛岡市の「マリオス」、福島市の「コラッセふくしま」、山形市の「霞城(かじょう)セントラル」のように、県庁所在地の“駅裏”に建った官民複合型のビルに展望スペースがあることが多い。
上記3つとも行ったことがあるが、複数の方向に窓があり、出入りする新幹線・街並み・山並みが見渡せ、休憩できるソファや自販機があり、市民の憩いの場や旅行者の時間調整などに使われていた。
さて、我が秋田市にも、それと同じコンセプトのビル「秋田拠点センター“アルヴェ”(ALVE、アルベ)」があり、最上階14階が「展望ロビー」になっている。

ただ、他の都市の展望スペースと違い、秋田市民として「ぜひ訪れてください」とはとても言えない代物。
なぜなら、まず、エレベーターの場所が分かりづらい。
アルヴェは低い建物と高くて薄っぺらな建物からなり、低い方は先日の種苗交換会の会場に使われるなど、秋田駅と通路で直結されてアクセスしやすい。
一方、高い方は、7階までの一部に医院や学習塾などテナントが入るが、大部分はビジネスホテル「東横イン」の客室。ホテル以外のテナントや展望ロビーを結ぶエレベーターはビルの奥まった所にあり、場所が分かりづらい。
このエレベーターは駅と直結した2階には止まらないのも行きづらい一因。

実は、駅とアルヴェを結ぶ通路のすぐそばをエレベーターが通っているのだが、2階の場合、そこはホテルの店内なので宿泊者しか立入できないためエレベーターホールがない(ホテル宿泊客用のエレベーターは別にある)。
ホテルの配置を少し工夫すれば2階にもエレベーターホールを設置できたはずで、そうすれば駅からとても行きやすいのに。おかしな設計だ。
14階へ到着

が、

なんと東側にしか展望できる窓がないのだ。左側=北もガラス張りだが、

そのため、遠目にしか見えないし、手すりや窓枠が視界を妨げる。
さらに南、西側はテナントの飲食店になっていて、入店しないと景色を見られない。なんてケチな展望フロアなんだろう。鳥取県庁第二庁舎以下だ。
これでは太平山くらいしか見所がない。他の方角では鳥海山、秋田市街、男鹿半島、広大な秋田平野そしてここは位置的に千秋公園や秋田駅構内を間近に見られるのに…
その上、

エレベーターのボタンの写真でも分かるとおり、飲食店は8日で閉店したそうだ。ドアが閉じられ、中から何やら工事する音が聞こえた。

「展望レストラン」と称している14階の飲食店は、2004年のアルヴェオープン以来、何度か店(経営者・店舗名・コンセプトとも)が変わっている。たしか、この店舗で3代目だったはず。イタリア料理とビアホール(経営は同じ県外資本のはず)だったが、昼も夜も980円のバイキングが目玉で、女子学生など若者に人気があり、評判は悪くなかったようだ。
なお、アルヴェの2階では、今も複数の飲食店が営業している。
こうも次々にテナントが入れ替わっていては、このビルの14階を飲食店にすること自体がそぐわないのではないだろうか。
車社会秋田では駐車場の問題もあるのかもしれないが、駅前なんだから旅行客などの需要はあるだろう。でも例えば、初めて秋田市に来た人には、ここにレストランがあること自体気付きにくいし、知っている人でもたどり着く時間や手間は容易でない。簡単に行かれる駅内や西口側に、手頃な店がたくさんあるのだから。
次も飲食店にするのなら、永続きできるためには思い切った発想が必要なように思う。

こちら側は数十年前までは一面の田んぼだったが、今はすっかり住宅地化された。逆に言うと、田んぼも高いビルもなく、住宅しか見えず、つまらない。

今の時期だけは、街路樹のイチョウの黄葉と低山の紅葉が美しい。

非常階段越しにはなかなか個性的な景色が見える。

千秋公園が街中にこんもりと島のように浮かぶ姿を間近で見下ろせる数少ない場所なのに、これしか見えないのは残念。

いっそ飲食店をやめるかかなり縮小して、他都市のように、全方位が見渡せる展望フロアに改装してしまえばいいんじゃない?
(実は、秋田駅西口の「アトリオン」12階も20年前のオープン当初は展望階だったが、徐々に縮小され、今はなくなったはず。夜間に中高生のたまり場になって問題視する声があったようだが、他都市を見ると何とかなるだろう)
【12月6日追記】4日に14階に行ってみると、引き続き工事が行われており、本記事アップ時と同じ状況。今後の予定等については掲示も報道もない。
【2010年3月24日追記】工事が終わったけれど…