広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

鳥取へ

2009-09-16 20:04:52 | 旅行記
※この旅行記の1つ前の記事はこちら
※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
鳥取県は人口59万人といちばん人口の少ない県、市の数は4市(鳥取、倉吉、米子、境港)しかない。
我が秋田県は人口110万人「も」いるように感じてしまうが、秋田県の面積は鳥取県の3倍もあるから、人口密度は秋田の方が低い。
鳥取も島根と同じく、県庁所在地が県の東寄りにあるのが珍しい。東部、中部、西部に分けられ、それぞれ鳥取、倉吉、米子の各市が中心都市になっていてJR山陰本線が結んでいる。

山陰本線は、今まで滞在した出雲市・松江から米子までは電化(電車が走れるように架線が張ってある)されているが、米子より東は(京都府の福知山駅【20日訂正】兵庫県の城崎温泉駅まで)電化されておらず、ディーゼルカーでないと走れない。
乗った列車はこちら
2両編成で、飾り気のないデザインのこの列車。種別(普通とか特急)は何だと思いますか?
実はこれ、
特急なんです
秋田では本線の普通列車は2~3両が通常、特急は6両が基本で短い「かもしか」でさえ3両だから、2両編成の特急とはびっくり。そして愛想のない先頭部分の形や真っ黄色で素っ気ない正面デザインなどからはとても特急とは思えない。
「キハ187系」というこの車両は、2001年に登場し、山陰地方各方面の特急で使われている。
※松江から米子に来た時もこの車両だったので、以下はその際に撮影した画像もあります。

グリーン車はなく全車普通車で1両が指定席、もう1両が自由席。トイレ、洗面所は2両に1か所、車内販売なしといたってシンプル。
松江・米子から鳥取へ向かう特急は「スーパーおき」か「スーパーまつかぜ」で2~3時間に1本程度。そこに2両編成だから、混雑するのではないかと思ったが、自由席はガラガラだった。もっとも秋田の「かもしか」同様キャパが限られているから、混む時と空いている時の変動が大きくて、たまたま空いていたのかもしれないけど(列車や時期によっては3両以上に増結する場合あり)。
車内
グレー系の座席、暖色系照明など、JR西日本の特急らしい内装。ただし、蛍光灯のカバーや荷物棚の構造などが安っぽい。
座席は北陸方面の特急電車のものと同一らしい。他の部品も別形式の車両と部品を共通化してコストダウンを図っている。
驚いたのは、座席の枕カバー。光を反射している
特急の座席といえば、洗濯した布(JR東日本盛岡支社などでは不織布)のカバーが頭の当たる部分に掛けられ、それが特急の証でもある(特急車両を普通列車として使う時はカバーを付けない)。
でもこの車両の枕カバーは厚手のビニール!!
これでは大阪周辺の「新快速」と同じだ。交換できる構造ではあるが、普段は付けっぱなしで拭くだけではないだろうか。

コストダウンを突き詰めてこのような外観、内装になったのだろう。沿線の人口減、高速バスや高速道路値下げ・無料化への対抗など、地方特急は厳しい状況にあるし、昔ほど特急のステイタスが高くなくなった(特急に乗ることへの抵抗が低くなった)こともあるだろう。でも、もうちょっと“特急の品格”がある車両にできないだろうか。車両を見た小さな子供が「カッコイイ」と思えるような特急であってほしい。
なんて言っておきながら、僕は周遊きっぷのフリーエリア内なので、タダで乗せてもらう(米子-鳥取の自由席特急料金は1150円)。
上り列車では、運転席後ろにデッキがなく、いきなり自由席の客席
だから、進行方向右側の席では“前面展望”を楽しめる。その席に座ってみた。
この車両、走行性能は優れていて、カーブで車体を傾斜させて高速で走行できる「振り子式」で、450馬力のエンジンを2機搭載するなど、JR北海道の特急車両に匹敵する高性能だ。現在は最高速度120km/hだが、改造すれば160km/hで走行できるように設計されている。

動き出すと、もちろんディーゼルエンジンの力強い音や振動は伝わるが、思ったほどでない。JR北海道の車両の方がうるさいような気がした。
そして、速い! ぐんぐん加速していく。さすが新型車両!
線路の路盤は高速対応の工事がされており、秋田新幹線「こまち」の秋田-盛岡間の在来線区間(最高速度130km/h)よりもコンスタンスに高速走行していて、スピード感はこちらの方がある。
 
振り子車両の特徴として、カーブでは大きく車体が傾く(着席していれば不快感は感じないが、立っているとバランスを崩しそう)。
直線区間の高低差が大きい感じがしたが、びゅんびゅん飛ばす。

松江から鳥取までは121.6キロで約1時間半、平均速度(表定速度)は80km/h台。ちなみに秋田-青森の「かもしか」は70km/h台前半。
米子から鳥取までだと、92.7キロを約1時間なので、平均で90km/h前後。速い!
車両デザインはともかく、性能は素晴らしく、気に入ってしまった。

米子の後の途中停車駅は倉吉だけ。倉吉は土蔵の街並みと「二十世紀梨記念館」があり、梨の収穫期が始まったことだし行ってみたかったのだけど、時間がなく通過。
車窓は時折日本海が見えるが、汽水湖が点在する。
 
(左)東郷湖。沿岸には東郷温泉とはわい(羽合)温泉がある。
(右)湖山池。「池」と名が付くものでは日本最大。鳥取市近郊の市民の憩いの場で、鳥取大学が沿岸にある。間もなく鳥取に到着。
鳥取駅は1978年に高架駅化された東西に長い駅舎で、北口がメイン。松江とよく似ている。
高架駅に架線がなく、ディーゼルカーが発着するのは不思議な感覚
左は普通列車。外見は特急とそんなに違わないでしょ?
改札口
上の傘は「因幡の傘踊り」という伝統行事をアレンジして8月に行われる「鳥取しゃんしゃん祭り」用の傘らしい。
 
横長の駅舎。バス乗り場は、北口を出て、駅舎沿いに左(西)へ100メートルくらい行った所にあり遠い。

鳥取市は人口20万弱の特例市(政令指定都市、中核市ほどではないが、県の事務権限の一部が委譲される制度)。
駅北口周辺はなかなか大きく、昔ながらのアーケード商店街が広がる。駅向かいに百貨店の大丸がある。
正面がメインストリート
しばらく進むと「若桜(わかさ)街道」という名前になる。沿道に市役所や日赤病院などがあり、駅から1.5キロほど直進すると、県庁や鳥取城趾に突き当たる。左折して数キロ行けば鳥取砂丘。

駅裏(秋田駅でいうと明田地下道辺り?)にはジャスコを核としたやや小型のショッピングセンターがある。郊外にも別にイオンSCがある。

今日の宿は鳥取駅のそば。
秋田駅でいえば脳研センター辺りの位置で、雰囲気は中通総合病院周辺っぽい所。そんな街中に、その名も「鳥取温泉」という温泉街があった。1904年開湯の無色透明の硫酸塩泉で松江しんじ湖温泉に似ていた。塩分の多い温泉では、夏に入ると汗だくになってしまうが、ここはそれほどでなく、気持ちよく入れる。周りはマンションや総合病院で風情はないけれど、街中に泊まって温泉に入れるのはうれしい。

鳥取といえば、砂丘、因幡の白兎、梨、ラッキョウかな?
市内にはウサギをモチーフにしたオブジェ類が多い。
 ピアノ型ベンチの上にもウサギ。やや手入れが悪かったけど

新型ポストだけど
通常は脚は黒い(前回の記事の境港駅前のも)が、これは旧型と同じく脚も赤い。

明日は半日しか時間がないが、この旅行の最後に鳥取砂丘など市内を観光しよう。
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松江を見習え

2009-09-15 23:08:08 | 秋田のいろいろ
旅行記を中断して(関連はありますが)、秋田のバスの話題です。
秋田県の公式サイト「美の国あきたネット」を見ていたら、10月と11月に1日ずつ、秋田市の渋滞緩和を目指した「ノーマイカーデー社会実験」を行うという。当日は公共交通での通勤を推進するため、一部路線のバスを増便するそうだが、その社会実験自体は今回は関係ないお話。【16日追記】社会実験を実施するのは県ではなく、国土交通省秋田河川国道事務所だった。

そのホームページ内に、(郊外からのバス通勤者のためと思われるが)お得な乗車券の紹介として、「1日乗り放題券(900円)もあります」とあった。
あれ? 900円? 一日乗りほうだい券って820円だったはず
バス会社による7月の運賃改定関連の告知文書類では、西部地区の「豊浜ふれあい号」で乗りほうだい券が使えなくなる旨の掲示はあったが、それ以外には乗りほうだい券に関する記述はなく、すなわち乗りほうだい券は値段据え置きととらえていたけれど…

バス会社の公式サイトにアクセスする。分かりにくい場所に乗りほうだい券の案内があるが、
大人900円
やっぱり値上げしたか!

値上げ自体はやむを得ないので、これを否定するつもりはまったくない。だが、たかが80円の値上げとはいえ、このバス会社は周知・告知をしない(できない?)のはなぜなのだろう。
今回の場合、通常運賃値上げの告知をバスターミナルや全車内に掲示したのだから、それに一文を加えれば済む話。公式サイトだって、トップページのトピックスに一行追加すればいい。

まあ、大手メーカーのヨーグルトの減量(=実質的値上げ)だってあまり大きく告知はされず、僕のように知らずに買った人もいるから、地方企業の、ましてこのバス会社は毎度のことなので仕方ない気もするが、本当に案内がヘタクソなバス会社だ。
時刻表検索の新屋支所関連の名称変更もまだ反映されていない(ドンキホーテ開店が変更のチャンスだが…)。
【24日追記】同社公式サイトがダイヤ改正予告など若干更新されており、乗りほうだい券の値段が「820円」になぜか戻っていた。おそらく更新時の作業ミスと思われるが、10月1日にダイヤ改正もあることだし、しばらく様子を見てみる。
【10月5日追記】10月1日時点では「820円」のままだったが、5日には「900円」に修正されていた。


ところで、先日旅行した島根県松江市は、かつての秋田市のように、中心部などを公営バス(松江市交通局)が、郊外路線を民間バス(一畑=いちばたバス)が担当しており、松江駅周辺など市街地では2者が競合する。
かつての秋田市の牛島・新国道・八橋~山王のような状態だ。秋田では回数券が相互で共通利用できたり、バス停のポールが1本に集約されたりはしたが、バス接近表示は市営バスだけだったし、ポールは共同でも貼られる時刻表は別々だった(別事業者なのだからそれで当然のことだと僕は思っていた)。

秋田のバス接近表示は、
秋田市営バスの接近表示(2002年、大町二丁目)
2つ前の停留所を通過するとオレンジのランプが点灯、最終便通過後(30分間?)は緑のランプが点灯していた。無線を利用したこのようなバスロケーションシステムは、秋田市交通局が世界ではじめて実用化したそうだが、交通局の廃止・民間移管時は引き継がれず、今はただの照明付き(照明すら切れている場所もある)バス停に成り下がってしまった。

松江では、
バス接近表示付き停留所(県民会館前)
このバス停は一方通行の関係で、両方向のバスが同じ停留所を通るらしい。各方向に5行ずつのLED文字表示枠があり、バスが3つ前の停留所を通過した時点から、矢印の点灯と、路線名と行き先のスクロール表示で知らせてくれる。

昼間は暗くてやや見にくいし、装置がかなり大型でお値段が高そう。市営バスだけかな? と思ったが、なんと市営、一畑両者が対応していた! そのため、路線名とともに事業者名(市営/一畑)も表示されていた。これなら次にどのバスがくるか非常に分かりやすい。※他の停留所で一畑バスが接近しても表示が出なかったような気もするので、バス停・車両・路線などによっては対応していないものがあるのかもしれません。

もっとびっくりしたのが時刻表。
ここは1枚がタテ1メートルほどあり、14ポイントくらいの文字のカラー印刷
大きさはさておき(A4くらいの普通サイズの停留所もあったので)、その内容。
方面別に表が分けられ、表の中で青文字と赤文字がある
表の見出しにバス会社名が書いておらず、欄が多くて何だかゴチャゴチャ見にくいなと思ったが、よく見たら感動した!!
1行につきバス1本です
市営バスと一畑バスという競合会社どうしが1つの時刻表に収まって、来る順番に並んでいる!!!
青文字が市営、赤文字が一畑。例えば松江駅に行きたい人は、「松江駅方面」の時刻表1枚を見るだけで、すべてのバスダイヤが分かってしまう。接近表示もあるし、バスカード(回数券に相当)も共通だから、2つのバス事業者が競合していることをほとんど意識せずに、あたかも1つのバス会社のように利用できる。
すごい。とても便利だ。各社としては自社を利用してほしいのがホンネだろうし、作成や維持にお金や労力はかかっているだろうけれど、これこそ「乗客の立場に立った案内」であり、こういうことをできるのが真の「公共交通事業者」だろう。

秋田のバス会社は1社しかないのに、営業所や車両運用別に時刻表を分けて作っており、一部バス停では、同じ経路で秋田駅に行くバスを調べるのに、4枚もの時刻表を見比べなければ次の時刻が分からないのを記事にしたのだけど、この松江の素晴らしい時刻表を見てしまうと、秋田の時刻表が腹立たしくなる。松江を見習ってほしい。

松江市内に銀行の店舗移転により名前が変わったバス停があった。ここは市営と民間2社の3者共同バス停(秋田市でいえば羽後交通や秋北バスが停まるバス停みたいなもの)。
変更の告知が、3者連名になっている。
秋田では、1社単独なのに、バス停に告知すら貼らなかった(一部車内に掲示しただけ)。松江を見習ってほしい。

松江には全路線対象のフリー乗車券の制度はないのだが、もし、それがあって秋田のように値上げする状況になったとしたら、充分に告知をしてくれることだろう。
※後日談はこちら
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水木しげるロード

2009-09-14 20:19:59 | 旅行記
※この旅行記の1つ前の記事はこちら
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鳥取県境港市は人口3万5千、日本海側最大の水産都市だそうだが、今は漫画家 水木しげるの出身地として有名。
ところで、水木さんといえば「ゲゲゲの鬼太郎」だが、僕は原作(漫画)は読んだことがなく、アニメしか見ていない。僕は1985年から88年に放送され、戸田恵子が鬼太の声、吉幾三が主題歌を歌っていた第3シリーズの世代。それ以前の旧作の再放送や最近の作品もたまに見ていたから、キャラクター(妖怪)の名前程度はそれなりに知っているつもり。
ほかにも自伝を1991年にNHKがドラマ化した「のんのんばあとオレ」を見たし、「ゲゲゲ~」の元祖作品である「墓場鬼太郎」のアニメを旅行先で夜中に目が覚めて偶然見てしまったことがあった(フジテレビ系深夜番組だったが、秋田テレビではネットしなかった)。あとは昨年、NHKで水木さんのインタビューが放送され、戦争などで壮絶な経験をされながら、肩肘を張らない生き方をされているのを知った。
境港駅
駅を出てすぐにデスクで執筆する水木さんを鬼太郎のキャラクターが囲むブロンズ像「水木しげる先生 執筆中」。
水木先生と鬼太郎とねずみ男

離れた所から目玉おやじが注文を付けている
隣にはおなじみご当地ポスト
 鬼太親子がハガキに乗っている
向かいの境港警察署境港駅前交番は、
愛称「鬼太郎交番」。左の看板の照明が目玉おやじだ。
駅前からまっすぐ伸びる800メートルの通りが「水木しげるロード」。
駅前は飲食店が多い
一見、普通の地方都市といった風情ではあるが、分かりにくいが街灯が目玉おやじ型。歩道には妖怪のブロンズ像が並んでいて妖怪の世界に足を踏み入れていく。
水木さんの信条「なまけ者になりなさい」

少し進むと土産物屋などが増え、観光地っぽくなる
郵便局があり、建物は(瓦屋根で丸ポスト設置だったが)普通の特定郵便局だが、局名が「水木ロード郵便局」(愛称ではなく正式局名)。所在地名(境港)が入らない上に、個人名が入る(しげるは入らないけど)局名は珍しい。
周辺に「妖怪ポスト」(駅前のブロンズ像ポストではなく、漫画と同じ形のポスト)がいくつかあり、そこから投函すると絵入りの消印を押してくれるそうだ。

このロードの妖怪ブロンズ像は、最初は市が地元商店街活性化のために設置したらしく、1993年以降数を増やし、現在は120体。
年間観光客数は1993年に2万1千人だったが、2007年には100万人を突破、昨年8月には延べ1000万人(1993年起算)を突破し、鳥取砂丘をしのぐ一大観光地になっている。

数メートル間隔で両側に像が並ぶので、見落としてしまう恐れがあるから、ネットや案内所などでマップを入手した方がいい。スタンプラリーもある。
※この日は晴天だったため、建物の影や逆光により写りがよくないものもあります。
ねこ娘 ブロンズ像は思っていたより小ぶりでかわいらしい
松江駅前のギャートルズ像と同じ作家らしいが、同様によくできている。市内の企業が寄贈した像もあるようだ。
1つ1つに(おそらく妖怪名の)点字のシールが貼られており、触って楽しんでもらうことも考慮しているようだ。
こちらは本物。喫茶店の“看板黒ネコ”

ぬりかべ こなき爺

これは妖怪じゃない。作中でよく妖怪の被害に遭う人だ。「サラリーマン山田」さんだそう。
主役級キャラクターは、ポーズの異なるほぼ実物大の大きな像が複数ある。
 橋のたもとに

さらに進むとアーケード

 照明も、

時計の文字盤も妖怪の世界

ロードのいちばん奥が「本町アーケード」
このアーケードの中に2003年開館の「水木しげる記念館」があった。
 
入館料は700円だが、クラブオフ(クレジットカードや保険加入者、オリンパスユーザーなどが入れる優待サービス)会員は100円引き。他にも、周辺施設の入場券半券提示の割引制度や入場券をセットにした宿泊プランを提供するホテルがあった。

館内は水木さんの半生と妖怪に関する展示が中心。
暗い部屋で妖怪をリアルに展示した部屋に「ぬりかべ」がいたけど、なるほど、実際に出くわしたらこんな感じなんだろうなと、アニメとは違う存在感を感じた。
日本の妖怪は、人間の自然に対する畏れと「夜に出歩くと危ないよ」「掃除しないといけないよ」といった戒め的な教訓が合わさったものが多いようだ。
「ゲゲゲの鬼太郎」登場人物のプロフィールや本が読めるコーナーもあり、おもしろかった。一部アニメでのエンディング曲「カランコロンの歌」の「虫たちが鬼太郎をたたえる」という歌詞、最近のアニメ版の「目玉おやじがお茶やコーヒーの“茶碗風呂”に入る」といったのは、原作からの設定に基づいたエピソードであることが分かるなど、鬼太郎の世界は奥が深い。
僕は40分ほどかけて見たが、鬼太郎を知っている人なら見た方がいいと思うし、ここを見て妖怪の知識を仕入れてからブロンズ像を見ると違った楽しみ方ができると思う。

記念館前の公衆トイレのほか、一部店舗が“緊急用”としてトイレを開放していて、共通のピクトグラムがあった。
男性は鬼太郎、女性はねこ娘だが、よく見ると車いすは目玉おやじ、赤ちゃんはこなき爺だ。よく考えている。

水木しげるロードは、平日なのに観光客が常に歩いていて、不況だとか新型インフルエンザ流行を感じさせない。松江もそうだったが、団体客は少なく、個人のグループが多い。
ゲゲゲの鬼太郎は、11年周期でアニメがリメイクされ、今や中年から大学生まで馴染みのある国民的作品であるのが功を奏していると思うが、それにしても今時の地方都市でこれだけの人を集めているのはすごい。
地方都市の駅前商店街といえばシャッター通りなのが相場で、境港も以前はそうだったようだ。でも今は空き店舗が埋まっているそうで、実際、観光地化されて、昔ながらの商店街とは少し違うが、寂しい商店街のイメージはなかった。秋田の広小路の方が寂しい。
通りにブロンズ像を置くことで、車で来た人であっても、「必ず降りて歩かないと来た意味がない」わけで、それが人通りを増やしているのもあるだろう(駐車場は不足気味なようで、連休などは公共交通利用が無難)。やはり「車を使わず歩く町」は賑やかでいい。

鬼太郎や妖怪をモチーフにしたお菓子は、商店街の店だけで売るものもあるし、レトルトカレーやグッズは豊富にあり、駅の交流館や米子駅などに専門売店があるほど。経済効果は相当のものだろう。
2時間ほど境港に滞在して、再び「ねずみ男列車」で米子へ戻り、山陰本線で鳥取市へ向かう
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鬼太郎列車

2009-09-13 17:21:58 | 旅行記
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※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
米子駅は米子支社のお膝元とはいえ、周辺の駅同様、駅員が立つ昔懐かしい改札口。高架駅でも橋上駅でもなく、改札を入るとすぐホームで、昔の秋田駅を彷彿とさせる。
米子では山陰本線のほかに、岡山への伯備線、境港への境線が接続している。今回は境線の記事。なお、境線も今回使った「周遊きっぷ・山陰ゾーン」の対象エリアなので、乗り降り自由。

境線は海沿いの町へ向かう全長17.9キロの行き止まり路線(いわゆる“盲腸線”)で、秋田の男鹿線(追分起点で26.6キロ、秋田からだと39.6キロ)に似ている。
境線は山陰で最も古い鉄道路線であり、他路線の建設資材を船で境港へ運び、陸送するために作られたそうだ。

米子駅はホームの配置など構内の構造が秋田駅と似ていて、秋田駅の1番線と同じ行き止まり構造の0番線が駅舎側にあって境線用になっている。
普通は「ゼロ番線」というが、米子駅は「霊(レイ)番線」と呼ばれ、特急列車の車掌(の一部)も乗り換え案内で「境線はレイ番線から」と放送していた。その駅名標は、
米子(ねずみ男駅)
境線の各駅には、妖怪の名前の愛称が付けられ、イラスト入り駅名標が付いている。
 
鬼太郎や一反木綿などの妖怪がホームにいる。
終点、境港市は、今や「水木しげるの町」として有名で、そのアクセス路線である境線も盛り上がっている。

ホームに停まっている列車は、男鹿線、五能線の普通列車、そしてリゾートしらかみの改造前の姿でもある、国鉄末期製造の「キハ40系」気動車(ディーゼルカー)。
境線用の車両は、特別塗装の「鬼太郎列車」シリーズになっている。1993年から運行を開始し、2000年と2005年にデザインをリニューアルしている。現在は4両あり、それぞれ「ゲゲゲの鬼太郎」の特定のキャラクターをメインにしている。
秋田の車両と同じく、エンジン換装、冷房設置、ワンマン運転対応、ドア開閉ボタン設置などの改造がされているが、こちらは窓も改造されていた。
東日本土崎工場と西日本後藤工場の方針や技術の違いだろうが、それぞれ微妙に違っており、中でもドアボタンの操作のしやすさは秋田に軍配。寒くて雪が吹き込む秋田では必須装備だから。西日本式では、ボタンの距離が遠すぎて、閉めにくい。
 
この時は2両編成で前側は「ねずみ男列車」。
後ろ側の車は「ねこ娘列車」

 
アニメ版(特に2007~2009年放送の第5作)のねこ娘は、ネコ好きとしてはなかなかかわいく思っていたが、原作を元にしたこの列車のねこ娘は怖い。目玉おやじもねずみ男も汗をかいて怖がっている。

車内の座席配置は4人掛けのボックスシートを中心に、両端にロングシートが並ぶ原型タイプ。でも車内の塗装は、
 
天井にも、トイレの外壁にもキャラクターが描かれる。
ねこ娘列車の天井はピンク色。冷房化されても扇風機が残っている(秋田では撤去していたはず)
この時は撮影だけで乗らず、後で改めて境線に乗ることにした。
境線は全列車の3分の1ほどは別の新型車両で運転されるが、残りの便はすべて「鬼太郎列車」が走っているようだ。ということは、通勤・通学の時間帯にも使われているはず。観光客は楽しいけど、毎日乗っている人はどんな気分だろう?

後で僕が乗った列車は、「ねずみ男列車」だけの1両のワンマン運転。観光客が予想以上に多くて全席が埋まるほど。列車を撮影して、出発前から水木ワールドに浸っている。地元の人はわずか。
米子から境港までは45分ほど、駅の数が多く、かなり遅い。米子市内を抜けて、中海と日本海を隔てる細長い弓ヶ浜半島のちょうど真ん中を走るのだが、海が見えるでもなく単調な風景。やはり秋田の男鹿線と似た感じで、つまらない。
 
途中駅ですれ違った列車も1両。昼間は1両が多いようだ。
鬼太郎が大きく描かれるが、これは「目玉おやじ列車」。サクランボを持っているけど、おやじさんの好物なのだそう。
赤くて丸い尾灯(テールランプ)が、おやじさんの瞳になるようにデザインされていて、うまい!(ねずみ男もそうだったが、やはりおやじさんは別格。ねこ娘は特にランプを意識しないデザインだった)

これで3種類の「鬼太郎列車」を見たが、帰りに乗ったのもまたねずみ男だった。唯一見られなかったのが、主人公の「鬼太郎列車」。検査中だったのかもしれない。
楽しい列車で気に入ったけど、デザイン上、気になったのが、キャラクターの名前がドアにかかって表示されているため、ドアが開いた状態では、「娘列車」「男列車」「おやじ列車」となってしまうこと。
ドアが開けば「ねこ」が隠れて「娘列車」
娘やおやじしか乗れない列車みたいだし、せっかくの記念撮影はちゃんと名前が読める状態がいい。

途中駅は、片側だけにホームのある簡易な無人駅が多いが、すべてに妖怪の愛称がある。「コロボックル駅」などかわいらしい駅もあるけど、
「こなきじじい駅(余子駅)」
夜にこの駅にひとりで降りてこれを見たら、怖い…

終点 境港は「鬼太郎駅」
行き止まりのホームに降りる。駅舎本体は灯台を模した小さなものだが、

隣りに大きなフェリーターミナルや観光案内所、入浴施設が入った「みなとさかい交流館 」がある。
交流館のすぐ裏が、中海と日本海を結ぶ「境水道」。

対岸は松江市美保関地区で、鳥取・島根の県境でもある。ここに隠岐の島へ渡るフェリーが発着する。

あとはもう、妖怪の世界。
 
道案内の看板にまで鬼太郎(らしき人物)の顔が描かれるが、この著作権はどうなってるんだろう?
次の記事で水木しげるロードを紹介します
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安来

2009-09-12 21:55:04 | 旅行記
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※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
松江を後にして山陰本線の特急で東へ。
松江市街地を抜けると、大橋川と並走する。宍道湖から中海へ流れる川なので、松江市街地より下流になる。
 
(左)塩楯島という島にある手間天神社、(右)さらに進むと中海が見えた

松江から15分ほど、次の停車駅、安来(やすぎ)市の安来駅で下車してみた。島根県最東端、人口4万。駅裏に日立金属の大きな工場があった。
東隣はもう鳥取県の米子駅
駅舎は2008年春にできたばかりで新しい。内部は木材を多用し、天井が高い。観光案内所や地元産品販売所、休憩スペースがある。
 
コンセプトや施設の配置が、田沢湖線(秋田新幹線)の田沢湖駅と共通する点が多いと思った。駅の規模としても田沢湖と同じくらいだから、安来は人口の割には小さいかな。

今回の旅行はNHKの朝ドラの話が多いが、来年度前半は、水木しげる氏の半生をテーマにした「ゲゲゲの女房」。水木さんは安来とは中海の対岸の鳥取県境港市だが、安来出身の夫人の自伝をドラマにするようだ。
そして、園山さんの絵
そう! 安来といえばなんといってもどじょうすくいの安来節。駅舎の外にはどじょうすくいの看板が2枚。
 
像もあって、
「すくい愛」と看板にもなっていたキャラクター
キャラクターは「あらエッサくん」といい、安来市のマスコットキャラクターらしい。
そして、すくい愛とあらエッサくんの像は、向き合っている。
同じどじょうすくいをしているのに、この差は一体…
あらエッサくんの奥の方にも、ドジョウの像が並んでいる。

駅前を国道9号線(山陰道)が走り、市中心部からは離れているようだ。秋田の奥羽本線八郎潟駅にどことなく似ている感じ。
歩道のタイルの一部がドジョウ マンホールは安来節
国道を渡ると100メートルほどで、中海の入り江のような所へ出た。地図では「安来港」となっている入り江の奥。
ここでも水の色がきれいだ。風も心地いい

うろうろしていると、古い街並みが目に付く
江戸時代から水運で栄えた町だったようだ。
周辺には日本画を多く展示した「足立美術館(駅から無料バスあり)」や「清水寺(きよみずでら)」などがあるが、時間もないので、このまま駅へ戻り先に進む。
 
駅の待合スペースをよく見ると、あらエッサくん型のテーブルがあったり水槽でドジョウが飼われていたり。ずいぶんときれいなドジョウだ。
市内ではドジョウの養殖が行われ、年間約3トンを出荷しているとのこと。
名物は「清水寺ようかん」で、複数の地元のお菓子屋さんが作っており安来駅ではもちろん、たしか松江や鳥取駅の売店でも一部発売されており、山陰では有名なお菓子のようだ。「ようかんアイス」なるものもあったので、後で紹介したい。

安来からわずか7分、松江から30分弱、あっさりと県境を越えて、鳥取県米子市に到着。米子市は人口15万弱で鳥取市より5万人ほど少ないだけ。
駅前はあまり賑やかではないが、大きな街
駅近くにサティやコンベンション施設があった。
“海に湯が湧く”皆生(かいけ)温泉、古い街並み、日野橋という古いトラス橋など見たい所だたくさんあるけど、時間がないので素通りする。
秋田市民の中には、米子といえばあることを思い浮かべる方がいると思う。
米子には「がいな祭り(“がいな”は方言で“大きい”の意味)」という総合的な夏祭りがあるのだが、その1つに「がいな万灯」というのがある。
これは、20年ほど前に、秋田の竿燈まつりをはっきり言って“パクった”もの。秋田と米子に駐屯地のある自衛隊が勝手に伝えたもので、今は円満に話がついた形になっているようだが、秋田市民としては気になる。秋田では「置き竿燈」や街灯、ロゴマーク、お菓子などのモチーフになっていて、祭り期間外でも一年中、“竿燈の街”であることが分かるが、僕が米子駅周辺を見た限りでは万灯をイメージさせるものは一切なかった。機会があれば、どんな扱いをされているのか、じっくり観察(偵察)してみたい。
JR米子駅舎
米子駅は5階建てでとても大きな駅だが、駅ビルではなく、JR西日本米子支社のオフィスが大部分。秋田駅南側に連なる秋田支社の建物の機能に当たるもの。
JR東日本秋田支社が、青森・山形両県の一部も管轄していて、青森支社が存在しないように、JR西日本には鳥取支社や松江支社はなく、米子支社が両県と広島の一部を管轄している。
また、秋田駅の南に車両基地の「秋田車両センター(旧南秋田運転所)」、隣の土崎駅に車両の保守を行う「秋田総合車両センター(旧土崎工場)」があるように、米子にもほぼ同機能の「後藤総合車両所」が置かれていて、秋田と同じく鉄道の要衝だ。

さて、このまま鳥取市へ行く前に、寄り道をする
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バスまつり・ドンキ

2009-09-12 19:34:53 | 秋田のいろいろ
9月20日は日本で最初にバスが走った日を記念した「バスの日」。(ちなみに空の日も同日)
各地で記念イベントが行われ、例年秋田でも、県内バス会社が加盟する秋田県バス協会主催の「秋田バスまつり」が土曜日に秋田駅前で行われている。
今年は今日の10時から15時まで開催された。今まで僕は行く機会がなかったが、初めて覗いてみた。
会場は、秋田西武隣りの屋外イベントスペース「アゴラ広場」。「アゴラ」はギリシア語で「広場」の意味だから、ダブっているが、30年近くそういう名前なんだからしょうがない。

行った時はステージで「秋田シティブラスバンド」により、なぜか「浪花節だよ人生は」の演奏中。秋田は吹奏楽が盛んだから、こういうイベントでは企業や学校の吹奏楽団がよく登場する。
右が西武、左で演奏中。奥が駅につながる「ぽぽろーど」の屋根
物販などのテントがあり、県内の路線バス事業者3社の車両が縦列駐車で展示されていた。
以前は、メーカーから借りたバリアフリーバスの展示や高速バスの試乗があった年もあったと記憶しているが、それと比べるとちょっと寂しい。
でも、ブラバンの演奏を聴く人、バスを見る人など、思いのほか人出が多くて賑やか。回数券を買えばババヘラアイスや横手焼きそばの屋台の引換券がもらえたらしいが、人が多くてどこでやっているのか分からないから、ざっと見るだけにする。まずは展示車両。
秋田中央交通から日野の中型車
そんなに新しい車両でもなさそうで、なぜこの車を選んだのかよく分からない。「三平バス」でも持ってくればいいのに。ただ、車高をいちばん低い状態にしているようで、バリアフリーのPRはできたかもしれない。
内陸南部横手市の羽後交通からも日野の中型車
これはかなり新しい車両だと思う。中央交通のバスと同じメーカー製なのにだいぶデザインが違うが、「いすゞと日野の合弁会社が製造し、日野が発売している」もの。中央交通の方は「レインボー」という日野オリジナル車種だが、こちらは「レインボー2」という車種で、いすゞの「エルガ・ミオ」とヘッドライト以外は同一。秋田では珍しい車だが、青森の弘南バスは好んで買っているし、静岡のしずてつジャストラインでもこれの大型版の「ブルーリボン2」を一部で導入していた。扱いやすさや車種統一の狙いがあるのだろう。
そして、北部大館市の秋北(しゅうほく)バスからは、
いすゞ製旧塗装の中型車
「上羽立経由 弥助」という、秋田市民には分からない行き先表示。
そもそも、高速や貸切以外で(つまり一般路線用の)秋北バスの車両を秋田市で見ること自体、非常にまれ。この車も国道285号線をはるばるやって来てくれたのだろう。
しかも秋北バスは、国際興業グループに所属しているため、最近はグループ共通デザインの緑色の車体塗装への変更が行われていて、キャラメル色みたいなオリジナル塗装の車両は減っている(惜しむ声もあり、当分旧塗装を残す方針ではあるようだ)。

これらの車内では、運転席で記念撮影できるほか、客席は休憩所となっているようだった。
事前告知では「落書きバス」があることになっている。バスや鉄道のイベントでたまに行われるが、多くは廃車になる車両を白く塗って、落書きさせるもの。品が良くなく思えて、哀しい気分になりそうで僕は好きじゃない。
でも、今日の会場には展示用の3台以外にバスはいない。
よく見ると、その3台のバスのドア側のボディの一部を白く(塗ったのか紙を貼ったのかは不明)して、落書きスペースにしていた。
羽後交通の新車にも落書き
学校名が書かれていたので、あらかじめ落書きをして会場に持ってきたのだろう。それに会場で書き足せるということか?
現役のバスだから、明日以降、路線に復帰するわけだが、落書きのまま走るのだろうか。いずれにせよ、現役車に落書きというのは意外だったが、廃車になってしまう寂しさはなく好感が持てた。

テントでは、バスグッズのチャリティバザー。かつての秋田市営バス関連のものやネコ(トラ?)の「とまります」ボタンがあれば僕も買おうかと思ったが、なかった。
あったのは、車内放送テープ、デジタル式運賃表示器3000円、整理券発行機1500円(家庭で動かせるのか?)、羽後交通のバス停名部分の看板1500円など。思い入れのある人には安いだろう。市営バスのものがその値段だったら僕も買ったかも。
羽後交通のバス停。楷書体の新しいものだ。昔は隷書体でもっと味があった。

秋田駅からバスに乗る。車内で秋田のバスも捨てたもんじゃないなというシーンに出くわした。
おばさん2人組が乗っており、「すぐのバス停で降りるから、運賃をまとめて私が払う」「いや私が」と回数券を切り離しながら賑やかに譲り合っている。
そうするうち、バスはおばさん達の降りる停留所に近づいたが、2人ともそれに気づかない。すると運転士が、(以下、秋田弁の会話は実際とは少し異なるかもしれません)
 「母さん方、降りるぁんでねぇすか?  過ぎてしまうよ!(奥様方、降りるのではないのですか? 通過してしまいますよ)」 とミラー越しに話しかけた。
東北弁は時として乱暴に聞こえてしまうことがあるが、この運転士さん、とても穏やかな秋田弁で、ぶっきらぼうな感じがしない。
 「あや! んだった。悪りぃすな(あら! そうだった。すみません)」 とおばさん達は降り、
 「なんもなんも(どういたしまして)。ありがとうございました(ここだけ共通語)」 と運転士が答えた。
松江のバスで気持ちよく乗車できたことを書いたが、秋田にだって気持ちいい対応をしてくれる運転士がいた!(他にも何度か経験がある)
ただ松江はバス事業者がしっかり社員教育をして接遇に気を配っているのに対し、秋田(に限ったことでないかもしれないが)では(教育はしているようだが)運転士個々に浸透していない。だから、今回のような運転士もいれば、無愛想や乱暴な運転士もいる。そして、このブログで何度も書いているように、バス会社自体の案内方法にも問題があるから、利用しにくいバスになってしまっていると思う。

さて、ドン・キホーテへ改装中の旧長崎屋秋田店(前回の記事)。先日通ったら、
表示設置中
秋田の看板屋さんが作業していたのが意外。ドンキホーテの仕事なんて初めてだろうけれど、さすがプロだ。
玄関には「驚安営業中」と、もうやっているかのような雰囲気
今日通ると、屋上の大看板など、ほとんど準備できていた。
信号機が取り付けられたゲートも赤くなった
看板は「ドン・キ~」と中黒ではなく「ドン.キ~」とピリオドなんだ。

ところどころ長崎屋マークがまだ残っている。
やけに天井の高い電話ボックス
例の表示、見る度に崩壊が進み、
今度は「中」が危ない!
ドン・キホーテ公式サイトには、「2009 年 9 月 18 日、秋田県内初! 激安の殿堂「ドン・キホーテ秋田店」オープン」というPDFファイルが掲載され、来週金曜日の朝9時にオープンすると告知されている。直営部分は深夜2時までの営業。
テナントの一覧も載っており、ミスドなど飲食店、100円均一「セリア」など長崎屋時代とほとんど同じようだ。
【13日追記】一覧には長崎屋時代2階にあった、地元の「加賀屋書店」がなくなっているのに気づいた。本が買えなくなるとすれば、少し不便。
文書内には交通手段も記載され、「「秋田」駅西口より「秋田中央交通バス」10 番乗場より「長崎屋バスターミナル」行き 終点下車」となっている。でも、下線部分は間違っていて、正しくは「長崎屋バスターミナル経由車庫」行き「長崎屋バスターミナル」下車です。終点だと車庫まで行っちゃうよ。 っていうか、「長崎屋バスターミナル」の名前はどうなるの??
※開店後の様子はこちら
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松江城周辺

2009-09-11 20:00:03 | 旅行記
※この旅行記の1つ前の記事はこちら
※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
松江の最後に、定番観光地である松江城周辺を訪れた。
大橋川北岸のしんじ湖温泉周辺の宿からはそう遠くないし、街の様子を見ながら歩いて行ってみる。
JR松江駅からだとバスを利用した方がよさそう。交通局の観光循環バス「ぐるっと松江レイクライン」では200円だが、あちこち回るなら500円の一日乗車券がおトク。
お城周辺への単純な往復だけなら、交通局や一畑バスの一般路線バスの方が、本数が多いし、わずかに安い(県庁前まで170円。ただし市営の北循環線は200円)。

松江は大阪や広島とともに「水の都」と言われるが、宍道湖・中海のほかに、お城周辺に人工の川「堀川」がある。現在は屋形船の遊覧船「ぐるっと松江堀川めぐり」がある。「だんだん」では主人公の祖母(吉田栄作の母、三林京子)がその船頭という設定だった。

城の南側では、大橋川の北150メートル付近を並行して流れており、そこにメインの発着場がある。1周50分、15分間隔の運航で1200円(当日に限り乗り降り自由?)とのことだが、1人で乗るのはちょっと恥ずかしいのと時間の関係でパス。
堀川からお城の間には日赤病院、県庁などがあり、商店街もある。
狭い一方通行で商店が並び、秋田市の仲小路に似た感じ
車がスピードを出せないよう、車道部分にだけ意図的なカーブが作られているが、バス路線になっていて、大型バスがくねくねと走る。

松江は古い建物が多く残る。この周辺では
旧日本銀行松江支店(1938年築)
現在は「カラコロ工房」という、工芸体験や飲食店の入る観光施設になっている。
旧山陰合同銀行北支店(1926築、元八束銀行本店)
こちらは今年7月まで現役の銀行だったもの。観光施設として活用しようという動きが出ているようなので、今後に期待。
銀行旧店舗の観光施設といえば、僕には秋田市の赤れんが郷土館(旧秋田銀行)、弘前市の青森銀行記念館がなじみ深いが、そんな感じになるのかな。

大橋川の対岸(駅側)になるが、商店街には
 出雲ビル(1928築)
現役のようだ。上の方に「ルビづい」とある。「いづも」でなく「いづ」になってる?

お城のすぐ下が島根県庁。右に天守閣が見える

お堀にはアオサギ
どの街でも人をおそれない鳥だ。これは今年生まれの鳥かもしれない。
石垣のある内堀を抜ければすぐ天守閣。秋田の久保田城跡、弘前城趾よりアクセスはずっと楽。
天守閣の隣に「興雲閣」があった
1903年に明治天皇を迎えるため(実現せず、後に大正天皇が泊まった)に建てられた迎賓館。現在は「松江郷土館」として公開されているが、この日は展示替えのため臨時休館で残念。


1611年築城の松江城は、全国に12ある現存天守の1つ
僕は歴史には詳しくなくあまり興味がないけど、江戸時代そのままのお城となれば話は別。今までに弘前、松本、姫路、松山、高知を見たことがあるが、どれも素晴らしかった。
2割引になるので、周辺の3施設の共通券を購入して入る(レイクラインの一日券提示では単独入館でも割引になるが割引率は同じはず)。
 
どこのお城でもそうだが、靴を脱いで、5層6階分の狭くて急な階段を上る。でも日御碕の灯台の螺旋階段よりは楽だし、姫路城、松本城よりも楽かも。
途中階は他の城より明るい気がした。今までは必ずブレていた状況なのに、カメラの性能もあるけど、ブレずに撮れる。
てっぺんに到着
やはりお城は高い。
宍道湖(今となってはごうぎん本店ビルからの方がよく見えるけど)

堀川を遊覧船が行く
右下で建築中なのは来年秋開館予定の「松江市歴史資料館(仮称)」。
【12日追記】松江藩は外様の堀尾家→京極家が24万石で治めた後、1638年から幕末までは親藩松平家の18万6千石だった。日本史は苦手で知識がないけど、珍しいケースではないだろうか。
秋田なんか、ずっと佐竹家で、現県知事まで佐竹(分家の末裔)さんなのに。

城内は広いけど、起伏が少なく、わりと歩きやすかった。今度は北側へ抜ける。

ここは「塩見縄手」といって堀川沿いに武家屋敷が建ち並び、今は観光施設が並ぶ。
いちばん端が「小泉八雲記念館」
建物自体は新しいようだが、八雲に関する資料が展示されている。
八雲は1年3か月しか松江にいなかった(寒いのが苦手だったようで、次に転居した熊本時代の方が長い)が、結婚し、日本文化に触れて怪談などを執筆した松江滞在が重要な経験だったようだ。
隣が「小泉八雲旧居(別名ヘルン旧居)」
記念館と紛らわしいが、こちらは、元武家屋敷で、実際に八雲夫妻が半年間暮らした家。
記念館は、天守閣などと共に松江市が管理(実際には指定管理者がいる)していて共通入場券があるが、こちらは民間(おそらく所有者が管理)施設。「共通券は使えません」と掲示があった。
ところで「クラブオフ」という一部クレジットカードや保険の加入者が入れる優待サービスがある。珍しいことに、オリンパスの製品ユーザー登録者も加入できるので、僕も加入していた。この旧居は、クラブオフ会員は入場料が350円から50円引きになるとのことなので、利用させてもらった(サイトに接続しクーポンを印刷する必要あり)。

3方に庭のある屋敷で、視力の悪かった八雲に合わせて特注の高い机が置かれている。机の上にはほら貝が置かれていたが、夫人や女中を呼ぶ時に好んで吹いていたとか。
数件置いた隣が「武家屋敷」
こちらは共通券の対象。屋内に上がっての見学はできなかったが、竹林があったりして、秋田の角館の武家屋敷とは少し違う。
 
これで一通り見た。

大橋川の橋から伯耆(ほうき)富士、出雲富士とも呼ばれる大山(だいせん)が見えた。滞在中は曇りがちでほとんど見られなかったが、立派な山のようだ。

もっと時間があれば、お城の西側や市民の生活の場をじっくり見たかったけど、初めての松江はなかなかいい街だと思った。また来たい。
松江については、駅弁お土産バス、信号機(その1その2)、選挙ポスター掲示場など後日記事にするつもりですが、次回旅行記としては鳥取県へ向かいます
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1年経過

2009-09-11 19:20:58 | デジカメ
おかげさまでこのブログもまもなく1年だけど、今月初めで一眼レフデジカメ、オリンパスE-520を買って1年が過ぎた。買って良かったと大変満足している。

ほとんどの一眼レフデジカメには、製造後何回シャッターを切ったかなどが分かる隠しコマンドがあり(興味のある方は検索してみてください。公式なものではないので、信憑性は不明ですし、自己責任でお願いします)、オリンパスのカメラにもある。
それによれば、21621回で、1日当たり60枚も撮っている。たしかに何でもパシャパシャ撮ったからな…
シャッターには寿命があり、3万回とか5万回と言われている。もうちょっと慎重に撮るべきか?
ちなみにフラッシュの発光回数も分かり、わずか110回。これはそんなもんだろう。

さて、オリンパスでは「フォトパス」というユーザー向けサイトがあり、たまに懸賞をやっているので、応募している。
先日、「ご当選のお知らせ」というメールが届いて、「オリンパス創立90周年「オリンパス・スペース・プロジェクト」記念グッズ プレゼントキャンペーン」に当選したから、登録した住所を確認してね、のこと。そういえば応募した記憶はあるが、何が当たるんだっけ?

今日、荷物が届いた。突然届いて当選を知るのはうれしいけど、今回はメールの予告があったから、「来たか」といった程度。でも中味はなんだろう?
 
送り状にも「記念グッズ」とあるだけで、何だか分からないので高級そうな箱を開けてみる。
一瞬、何だか理解できなかった。
上段の長いものはオリンパス創立90周年記念のストラップ。では下段は?

両端の丸いのは透明なレンズキャップ、真ん中はその解説書。
会社創立90周年の「オリンパス・スペース・プロジェクト」は、若田さんに一眼レフのE-3を持って宇宙に行って撮影してきてもらうもの。このレンズキャップは「宇宙ステーションで使用するために特別に開発した「スペース用キャップ」のレプリカです」」とのこと。
何で透明なんだろう? 色が付いていた方が有害な光線をシャットアウトできそうだけど。
左はいつものレンズキャップ
2つのスペース用キャップのフィルター径は67ミリと72ミリ。僕の持っている安いレンズは58ミリだから大きすぎて使えない。もったいないから使うつもりはないけど。
1000名に当選したようだが、運がいいと思っていいかな。


ところで、E-520にはカメラに付いてきた布製ストラップを付けて使っている。夏にTシャツを着てストラップを首からかけると、撮っているうちに肌にストラップが直に当たって汗を吸ってしまい、汗臭くなってしまった。消臭スプレーでごまかしていたけど、数千円だから買い換えようかと思っていたところ。
やっぱり90周年のものを使うわけにはいかないから、いずれ買おう。
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松江の朝

2009-09-10 22:45:58 | 旅行記
※この旅行記の1つ前の記事はこちら
※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
「宍道湖といえばシジミ」昨年までの僕はそう言えばそうなのかな…程度にしか思っていなかった。我が国のシジミシェアの4割を宍道湖産が占めるそうだが、東北では、宍道湖に次ぐ産地である青森県の十三湖・小川原湖のイメージが強いからかもしれない。

そんな僕が宍道湖とシジミを強く結びつけさせられたのが、昨年度後半のNHKの朝ドラ「だんだん」。熱心に見たわけではないが、主人公の父親(吉田栄作)が宍道湖のシジミ漁師で、その作業をするシーンが幾度もあって印象に残った。

島根県水産技術センターのサイトによれば、「宍道湖には約300名のシジミ漁業者がおり」「シジミを採って良い曜日・時間も制限されています」とのこと。調べてみると、月火木金曜日の朝に漁が行われ、松江市街地から見ることができるという。僕の泊まった4階の部屋からは、宍道湖と大橋川の境目の宍道湖大橋付近が見えた。明日は漁のある曜日。見られるかも?
橋より右側が宍道湖と考えていいだろう
まだ薄暗い5時過ぎに目が覚めてしまった。この日の松江の日の出は5時40分。秋田では5時7分だから、30分以上遅い。

日の出時刻を過ぎた頃、宍道湖に向かって大橋川を続々と小さな船がやってきた。
川のずーっと奥の方にも点々と船が見える

先を競うように
のんびり走る船もあれば、急いでいる船もある。
僕の部屋からは宍道湖側は見えず、漁をするシーンは見られないなと残念に思っていたが、
右下に注目

橋の下で漁をしてくれた!


長ーい棒の先にかごが付いた「じょれん」という道具だけで獲っている。吉田栄作もこんなことをやっていた。実際に見られて感動!
それにしても上の橋ではジョギングや散歩、通勤通学という普通の都市生活が行われ、その下では珍しいシジミ漁が行われるとは不思議な光景。

朝食は9階のレストラン。宍道湖が一望とのことなのでカメラを持って行く。
おお! いっぱい船が浮かんでる!
300人全員ではなさそうだが。
嫁ヶ島付近でも

水中に入ってる。そんなに深くないんだ。

朝食のバイキングにはシジミの味噌汁や山椒の入ったシジミの炊き込みご飯があった。
かまぼこみたいなのはトビウオが原料の名物「あごちくわ」


チェックアウト後、湖岸の道路(レストランから見えた場所)へ行くと、ほんとに間近で漁が行われていた。対岸が県立美術館、後ろには市役所がある。

その後、9時半過ぎに大橋川の橋を渡っていると、漁を終えたらしく宍道湖から船が戻って来た。
右の船の漁師さんは立って乗ってる! カッコイイ!
なんか漁師がみんな吉田栄作に見えた…(年配の漁師が多いが、若い後継者も育っているとのこと)

最後に松江城周辺を見て、松江を離れよう。
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松江市2

2009-09-09 19:50:53 | 旅行記
※この旅行記の1つ前の記事はこちら
※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
話が戻るけれど、松江に着いて最初に見たものからご紹介。駅前のバス乗り場にこんな旗が揺れていた。
お殿様!
松江城築城と城下町整備が行われた5年間から400年経つのを記念した「松江開府400年祭」のキャラクター“あっぱれくん”だそうだ。公式サイトのプロフィールhttp://www.matsue400.jp/?appare
旗は英語版しかなかったようだが、ネットでおなじみの「domain(ドメイン)」って「領地、領域」という意味があるのか。ここでは「藩」かな。
あっぱれくんはほかでは見かけなかったが、
400年祭のラッピングバス(松江市営バス)もあった
ドアのある反対側は夜景の青っぽいデザインだったが、運転席側は青空の松江城と宍道湖の夕日という松江らしいデザイン。
*           *           *
松江駅北口を出てすぐ、駅の隣といっていい一等地に「松江テルサ(勤労者総合福祉センター)」があった。秋田テルサは市街地から遠く離れた御所野地区にあるが、全国的には中心部にあることが多いようだ。松江テルサは7階建ての大きなビルで、超大画面テレビがあってバス待ちなどに休憩できるロビーがあったり、バスのプリペイドカード券売機(カードもバス車体と同じような開府400年デザインだった)があったり、市民に親しまれているようだった。
左後ろが駅舎
テルサの玄関前に何やらある?
漫画「ギャートルズ」のゴン少年!

イノシシに乗ったものとマンモスを追うものがある

 
小さなブロンズ像(高さ25~40センチ)だが、精巧。水木しげるロード(後で紹介します)の妖怪像も手がけた作家の作品で、今年5月に地元ライオンズクラブが設置したそうだ。

なぜ松江にギャートルズかといえば、作者の園山俊二氏(1935-1993)が松江市出身だから。
「ギャートルズ」(一部作品では「はじめ人間ゴン」「はじめ人間ギャートルズ」)は1965年から連載された作品で、1975年前後には民放のテレビアニメにもなったそうだが、僕はまったく知らない。10年ほど前にNHKで放送されたアニメ「はじめ人間ゴン」で初めて内容を知った次第。わりと好きだった。
*           *           *
話を戻して、宍道湖の夕日を見に行く。松江市には「ぐるっと松江レイクライン」という観光地循環バス(1乗車200円均一、1日券は500円)があり、夕方の数本は一部コースを変えて宍道湖岸の「夕日スポット」を運行し、夕日見物の便を図ってくれている。

松江のバスは、市内を細かく運行する公営事業者(松江市交通局)、郊外路線の民間事業者(一畑バス)、中距離路線の民間事業者(日ノ丸バス)の3本立てで、かつての秋田市(秋田市交通局-秋田中央交通-羽後交通)に酷似している。
秋田市を始め公営交通事業を廃止・縮小する都市が多い中、市営バスを存続している松江市には興味があっていろいろ見たので、別の記事でも紹介したい。

ぐるっと松江レイクラインは、松江市交通局が専用車両で運行している。
派手!
日野自動車製の中型バスを改造した、レトロ調(?)車両。僕はこの手のデザインのバスは苦手。乗るのが恥ずかしくて…
平日の夕方とはいえ、ちゃんと観光客が乗り降りしている。僕は今からでは元を取れないので現金払いだが、他の皆さんは一日乗車券を使っていた。
後部がデッキ風になっている(窓ガラスはある)
※いすゞ製でデッキがない車両もあるようです。
液晶ディスプレイに中国語と韓国語でも案内が表示され、「まもなく右手に…」などと絶妙のタイミングで詳しい観光案内が音声合成の自動放送で流れる。「ワンマン運転の観光バス」といった感じ。
でもこの放送のアナウンサー、JR東日本秋田支社のワンマン電車の放送と同じ人(制作会社が同じなのだろう。旅行しているとたまに経験する)。「まもなく土崎です」とか言われそうな錯覚がした。

バスは市街地をぐるりと周り、大橋川を渡って、車線数の多く夕方のラッシュの宍道湖岸の国道9号線を走る。この辺りの県立美術館から嫁ヶ島辺りが夕日スポット。
9号線は「出雲往来」と呼ばれているようだ、東北では「男鹿街道」「酒田街道」とか「○○街道」と呼ぶことはあるが、「○○往来」は初耳。地域差だろうか。
夕日のアクセントになる嫁ヶ島(車窓から撮影)
肝心の夕日は、山際に雲があって、沈む前に見えなくなってしまった。下車しようかと思ったが、やめて、(このバスは方向転換して松江駅まで行くので)このまま駅へ戻ろう。
方向転換後の方が、湖沿いの車線なのでよく見える。
見物客が多い
途中、「ホテル宍道湖」という9号線沿いの地方公務員共済のホテルを通った。楽天トラベルで予約できて安かったので泊まろうかと思ったが、市街地から離れていそうなのでやめたのだった。でもこの距離(バス代200円)だし、夕日がすぐ見られるし、建物もきれいだったから泊まってもよかったな。

この「レイクライン」、大きな国道経由でダイナミックな運転だったためか、特別装備の改造車両のためか、僕が後部に座ったためか、珍しく酔いそうになってしまった。

また時間が飛びますが、実は翌日も松江市に宿泊し、この日も天気が良かったので、また夕日を見に行った。
昨日のレイクラインの乗り心地と遠回りで時間がかかったのを踏まえ、松江の地理も多少把握したので、一般路線バスで行ってみる。
松江市交通局の一般路線は初乗り150円で距離に応じて上がっていくが、「循環線」という路線は200円均一。観光客向けのレイクラインに対して、市民向けの循環バスというところだろうか。駅を中心に北側と南側に2路線あり、それぞれ内回りと外回りがある。
なお、駅から県庁や松江城に行く場合は、一般路線では200円以下の区間なので、循環バスよりも数十円安くつく。

「南循環内回り」に乗る。段差のないノンステップの新しい大型車という秋田では見られない都会的なバス。乗るのが恥ずかしい特別車よりこっちが好き。
でもお客さんは昨日のレイクラインの方が多く、こちらは4人ほど。
この路線は、湖岸の国道でなく、1本内陸の道(旧国道?)を通るので、降りるバス停がよく分からないが、見当をつけて「袖師町西」というバス停で降車。地元民ぶってバスカード(1000円で1100円分乗れる)で支払う。
松江市営バスの運転士さんは総じて感じがいい。乗車、発進、バス停通過の確認など、マイクで丁寧に案内していて気持ちがよかった。僕が降りる時も「ありがとうございました。お気を付けて」と送り出してくれた。
矢印はお日様?
湖岸に渡れる横断歩道にすぐ出たが、嫁ヶ島との位置関係ではもう少し手前で降りてもよかったかも。それ以前に、既に日が沈んだ直後だったようだ。水平線、地平線に沈むのでなく、山があるから、思ったより早く沈んでしまった。残念。
だけど暮れていく空も美しい
今日も観光客が多い。松江は「観光文化都市」というだけのことはあるようだ。
 
湖岸をのんびり歩いて、国交省の“とるぱ”こと「写真を撮るパーキング」に指定されている場所を過ぎて、県立美術館まで来た。美術館の宍道湖岸は芝生になっていて景色を眺められるほか、日の入りに合わせて閉館時間をずらしている。レイクラインも玄関まで乗り入れる。
*           *           *
昨日のレイクラインのアナウンスで存在を教えてくれたのだが、夕暮れの宍道湖にたたずむのは…

こちらも園山俊二作品のキャラクター。朝日新聞連載の4コマ漫画「ペエスケ」の息子・平野平太と飼い犬ガタピシ。僕にはギャートルズよりも馴染みがある。
 
こちらは大きな石像で、「平太とガタピシのなが~い一日」というタイトル。
意図やシチュエーションは不明だが、釣りの格好の2人が宍道湖を眺めている。

像は駅前と湖岸だけだが、ほかにも園山氏のイラストは何か所かで見ることができた。秋田でいう矢口高雄、倉田よしみ両氏のような存在だ。
*           *           *
ところで像の後ろの建物は、日テレ系列「日本海テレビ」の松江支社。同局の本社は鳥取市にある。
3大都市圏では都府県をまたぐ広域放送が行われるが、他地域ではその道県内だけの県域放送が通常。しかし、島根・鳥取両県の民放テレビ局はすべて、2県にまたがって放送している。他にはTBS系列山陰放送が鳥取県米子市、フジ系列山陰中央テレビが松江に本社を置く。当然ながら3局とも県名を使わない放送局名になっている。
経済基盤や地形などの要素からこうなったのだろうが、秋田と青森のTBS系とフジ系でもやればいいのに…(簡単にはいかないだろうけど)

つまり、この地域にはテレ朝系列局がない。でもケーブルテレビに加入すれば、大阪の朝日放送や岡山のテレ東系列テレビせとうちなどを視聴でき(区域外再送信)、ホテルの部屋もそうだった。
ホテルで視聴できるチャンネル
ただし、秋田ケーブルテレビのTBS系列局同様、区域外再送信チャンネルのデジタル化の予定は立っていないようだった。秋田では交渉中だというがどうなるんだろう? 地デジってめんどくさい。
右端が山陰合同銀行本店
草むらではスズムシが鳴いている。山陰も秋の気配だ。
あれ? 秋田では8月上旬から秋の虫が鳴いていたが、コオロギやウマオイばかりで、スズムシの声はしなかった(旅行から帰ったらスズムシも加わっていた)。一方、山陰はスズムシだけの独唱だ。
昼間も秋田市街に多いアブラゼミでなく、松江市街ではミンミンゼミだった。
お店、交通、テレビ、生き物、いろんな面から地域差を感じるのも旅行の楽しみ。

松江はいい街で気に入ったが、朝の風景もまたよかった。
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松江市

2009-09-08 20:23:54 | 旅行記
※この旅行記の1つ前の記事はこちら
※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
出雲市から松江へは、宍道湖南岸沿いのJR山陰本線を走る特急で25分。対岸を走る一畑電車もあるが1時間ほどかかる。
昼間のこの区間のJRの特急は今朝乗ったサンライズ出雲のルートと同じ、米子から伯備線経由で岡山で新幹線に接続する「やくも」が毎時1本。ほかに山口や鳥取と結ぶ特急「スーパーおき」「スーパーまつかぜ」もある。
出雲市始発の「やくも」。ピカピカで塗装されたばかりのようだ
国鉄末期に造られた381系という車両。秋田では「かもしか」や「いなほ」でおなじみの485系電車とよく似たデザインで、国鉄時代は塗装も同じだった。こちらは「振り子式」といって、カーブで車体を傾斜させて高速で走行できる。

JR各社で国鉄時代の車両をリニューアルしているが、JR東日本では白っぽい塗装が多く、JR西日本ではグレー系の地味な塗装が多かった。
こちらは1つ前の塗装の「やくも」
「やくも」は現在、最初の写真の塗装への変更工事が進んでいて(来年度完了予定)新旧混在。
新しい塗装の「やくも」は、明るいグレーにえんじ色で、JR西日本にしては明るめ。品があって、なかなかよく似合っていると思う。「かもしか」の塗装よりいいかも。

新塗装の車両には、「ゆったりやくも」という愛称が付いている。
キャラクターもいた
右の緑の服が「やっくん」、左のピンクが「もっくん」ではなく「ももちゃん」(岡山の桃とかけてるのか?)だそうです。なぜ「ゆったり」かは車内を見れば分かる。
普通車車内
30年前の車両とは思えないほどきれいに大掛かりにリニューアルされている。座席が普通車にしてはまさに「ゆったり」。
大規模リニューアルは東日本の「いなほ」などでも行われているが、僕は「やくも」の方が座り心地がいいし、落ち着いた雰囲気で気に入った。ダウンライトの照明が薄暗い感じがしたのと、座席間隔を広くしたため、窓と座席の配置が一致していない(最悪、壁を眺めることになる)のだけは気になった。
後日、リニューアル前の「やくも」にも乗ったが、懐かしいと思ってしまうような、「かもしか」以下の内装や座席だった。

ところでこの車両、こんな風に窓側の席(A・D席)がなく、1人掛けがぽつんとある席がある。
車椅子対応席みたいに見えるが、そうではなく、壁が出っ張っていて、座席を置けないから。振り子式のこの車両は、重心の関係で冷房装置が床下にある(通常は屋根上)ので、この出っ張りの中を通って吹出口のある天井までダクトが伸びている。当時の国鉄の設計の苦労が偲ばれるが、宙ぶらりんな席だ。

松江や米子から乗る人が多いらしく、6両中2両ある自由席は出雲市出発時点ではガラガラ。
線路状態がいいのか、振り子式車両だからか、ローカル線特急にしては快調に飛ばす。少なくとも「かもしか」よりは速い。この旧式の振り子車両は、カーブと車体の傾斜が一致しないので、酔う人もいるそうだが、僕は鈍感だから大丈夫(最新の振り子車両ではコンピュータで制御して乗り心地を改善している)。
 
今朝は反対側の個室のため見られなかった宍道湖にさしかかる。いい眺め。
やがて対岸に街並みが見えてきて松江到着。
 
松江駅舎は1977年にできた、ホームが2階にある高架駅。山陰本線だけで接続路線がなく、ホームは4番線までだが、新幹線の駅を小さくしたような「昭和50年代の国鉄の駅」らしい駅。
改札はやはり自動化されておらず、常時駅員が立っている、懐かしい光景。高架駅なので、簡単に線路の反対側(北口と南口)へ行き来できるのは便利。高架は建設費が高くなるから、最近は「橋上駅」が流行っているけど。

今日の宿のある松江の市街地は駅から少し離れているらしいが、そう遠くはなさそうだから、歩いてみる。この初めての街をうろつく時間が楽しい。
僕は地理好き、旅行好きだけど、地方の県庁所在地には特に興味がある。お城・店・交通などが充実しその地域の特徴が分かりやすいし、住んでいる秋田市と比較しやすいからだろうか。

松江市は人口19万で、県庁所在地としては山口に次いで少ない。県の真ん中でなく、東端(鳥取県境港市と隣接)に県庁所在地があるというのは珍しい。
僕は今まで宍道湖と小泉八雲しかイメージがなかったが、昨年度後期のNHK連続テレビ小説「だんだん」の舞台になったこともあり、興味が出てきた。

駅は北口がメイン。北口を出て右に一畑百貨店。南口の東側にサティがあったほかは中心部に大型店はないようだ。
そういえば、山陰にはイトーヨーカドーがない。僕は旅行中は、ゆうちょ銀行とセブン銀行のATMにお世話になるのだが、今回の旅行ではセブン銀行のATMは(松江や鳥取にはセブンイレブンもないので)野村証券の支店にしかなくて、使えなかった。(秋田はセブンイレブンがない上、ヨーカドーが1店しかなくて似たようなもんだけど)

駅北口の西側には商店街や寺町があり、1キロほどで宍道湖に突き当たる。北側200~300メートルには大橋川が流れており、その対岸が松江城などのある市街地。
大橋川
山からではなく、宍道湖から中海(なかうみ)へ向かって流れる汽水湖どうしを結ぶ川。幅は100メートル以上ある
松江大橋
数本の橋が架かり、駅前と市街地を結んでいるが、宍道湖から2本目の「松江大橋」がいちばん古い。初代は江戸時代に架けられ、現在の橋は17代目。狭い橋だが路線バスはこの橋を通る。「だんだん」で出会いの舞台にもなったが、テレビで見たより小さく狭く感じた。

この高いビルは「山陰合同銀行本店」。「ごうぎん」の略称で島根・鳥取両県が地盤の地方銀行。1997年竣工、高さ75メートル、14階で島根県でいちばん高い建物(秋田でいちばん高いマンションは95.33メートル、29階)。
手前はシジミ漁の船みたいだ。

銀行本店の最上階が、展望フロアとして一般開放されている。役所や公共ビルではよくあるが、一般企業しかも金融機関の建物を開放するとは珍しい。入ってみる。
店舗や銀行のオフィスとは別に、展望フロア専用の出入口とエレベーターを設置して区別することで、保安対策をしているようだ。「1」と「14」しかボタンのないエレベーターで14階に付くと、お客は誰もいなかったが、警備員が丁重に迎えてくれた。

こういう施設は、いざ上ってみると一部方向しか見えなくてがっかりさせられることがある(東側しか見えない秋田のアルヴェなんかがそうだ)が、ここは本格的。ほぼ全方位に窓があり、絵画がかかっていたりソファがある。飲み物の自販機があれば休憩に良さそうだけど、一企業のオフィスでは制約もあるかな。
東側
右のビルのある辺りが松江駅、中央は寺町でお寺が並ぶ。左奥の緑のさらに奥が中海
宍道湖側は逆光になってしまったので、午前中の方がよさそう。
宍道湖を眺めるソファ

南西側
左の銀色の平べったいのが島根県立美術館、右は「嫁ヶ島」。この辺りから眺める夕日が美しいのだそう。

なぜか北側だけが、箱メガネを逆にしたようなヘンな窓で、覗き込むと松江城が見えた。
手前は大橋川

橋を渡った所に予約したホテルがあった。そばには松江市役所や「松江しんじ湖温泉」(1971年開湯、硫酸塩泉)がある。幹線道路や市街地に混ざって温泉旅館がいくつかあり、僕が泊まるホテルにも温泉が引かれていた。透明・無臭だけど肌ざわりのいいお湯だった。
松江市役所
秋田市役所並みの古さだが、小さい。この左にある大きな道路を渡るとすぐ宍道湖岸。

一畑電車 松江しんじ湖温泉駅。横に足湯がある
今まで何度か出て来た、松江と出雲を結ぶ私鉄。出雲側はJRと同じ場所に駅があるが、松江側はJRとは別にここにある。弘前の弘南鉄道大鰐線中央弘前駅的な存在だ。
2001年竣工の新しい駅舎。ガラス張りで秋田の田沢湖線田沢湖駅を連想した
電車は1時間に1本程度だが、夕方の仕事帰りの人が思いのほか多く利用しているようだ。
さらにこの先に遊覧船が通る堀川、県庁や松江城がある。ここは松江駅から約2キロだから、秋田駅から山王十字路、弘前駅から弘前市役所に相当する距離だ。歩くにはややきついので、今度はバスを使うことにしよう。松江駅からしんじ湖温泉駅行き、県庁方面行きのバスはたくさん運行されている。

松江市は人口では秋田市よりずっと少なく、弘前市より少し多い程度だが、街は思ったより大きい。車も人もバスも多く、秋田市より活気(=人の動き)があるように見えた。賑やかな店などはないが、空洞化してどうしようもない秋田市広小路のような商店街などはなさそうに見えた。
天気がいいので、夕日が見られるかも。次は宍道湖の夕日スポットに行ってみよう。
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日御碕

2009-09-08 20:23:28 | 旅行記
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島根県出雲市にある日御碕(ひのみさき)の大きな見所は2つ。日御碕神社と日御碕灯台。
バス停のすぐそばに鳥居があり、そこが神社。
スサノオノミコトとアマテラスオオミカミを祀り、出雲大社同様、由緒ある神社だ。
境内の建物は赤く塗られており、出雲大社と対照的。

趣のある神社だった。


神社のすぐそばが海で民家があり、ダイビング教室(?)や干物など土産物屋の並ぶアップダウンのある道を歩く。
気温は出雲市のアメダスデータによれば26度台だったが、日差しが強く、歩いていると暑い。でも立ち止まると風が心地よい。
途中の島
「経島(ふみしま)」といい、かつては日御碕神社があったようだが、ウミネコの繁殖地として有名らしい。八戸の蕪島みたいな島だ。今は繁殖期でなく、1羽もいなかった。
10分ほど歩いただろうか。灯台が見えた。
 
あれ? ウミネコ?
いいえ。ほぼ実物大の作り物でした。
 海上保安庁 出雲日御碕灯台
1903(明治36)年にできた高さ43.65メートルの灯台。犬吠埼、室戸岬など、日本に6つしかない、いちばん大きなレンズを使用した「第1等灯台」。光到達距離は39キロ。
世界灯台100選(日本からは5か所選ばれている)、日本灯台50選に選定され、歴史的価値が高いとして海上保安庁が「保存灯台」に指定している。
ちなみに秋田の男鹿半島にあるシマシマの入道埼(にゅうどうざき)灯台は50選選定、1898年、高さ27.92メートル、第3等灯台、光到達距離37キロとのこと。

一般公開され、150円で中に入って上へ登れる。(入道埼は200円)
靴を脱いで150円を払うと、受付のおばちゃんが、上は風が強いので、荷物、帽子、メガネなど飛ばされないようにとのこと。
急で狭い螺旋階段をひたすら上る
何周したのか分からなくなった頃、ひときわ急なはしごのような階段を上ると、ランプの真下へ到着。
外には絶景が
おばちゃんの注意の通り、ものすごく風が強い。手すりが頑丈なのと、真下が見えにくいため高所にいる恐怖はあまり感じなかったが、歩くのもままならない。でも気持ちいい。
一面の海


2時間ドラマ終盤にフナコシさんかカタヒラさんが登場しそうな崖がある。実際ロケが行われるらしい。
秋田の海ってこんな色になるっけ?

灯台のてっぺん


灯台を下りて少し先まで海沿いの遊歩道を歩く。
 
島状の岩が点在し、「出雲松島」と言われるそうだ。

予想以上にきれいな山陰の海が見られた。日御碕には1時間ほど滞在し、神社まで戻って出雲大社経由のバスに乗り出雲市駅へ。
今日の宿泊地は松江市なので出雲市駅から特急に乗る。自由席は周遊きっぷでフリーパス。秋田同様、近距離といえども普通列車だけで移動するのは難しい路線なので、本当にありがたい。
続きはこちら
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出雲大社

2009-09-07 19:46:55 | 旅行記
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出雲市駅前(北口)
出雲市は人口14万、島根県第2の都市。駅前はごく普通の地方都市。右側に地元電鉄系の「一畑(いちばた)百貨店」がある。
駅舎(北口)全景
ホームが2階にある「高架駅」(1998年築)。自動改札化はされていない。
 
駅舎北側中央に神社風の屋根が付いており、神話のイラストが描かれている。この屋根、駅舎の前に別に造ったといった感じで、
駅舎本体とは微妙なすき間が
出雲市で見たい所は3つある。1つは「出雲文化伝承館」という出雲地方の農家などを移築した展示施設。地理マニアの僕は木曽三川の「輪中」とか、こういう系統の施設が好き。「築地松(ついじまつ)」という、独特の形に刈り込んだ防風林や出雲そば屋もあるそうで、アクセスは悪そうなものの、行ってみたかったが、この日はあいにく定休日。JRの移動は周遊きっぷでフリーだから、一度出雲市を離れて明日以降に出直すこともできるから、今日はパス。
もう1つはおなじみ「出雲大社」。本殿の新築中だそうだが、来たからには行くべきだろう。最後は「日御碕(ひのみさき)」。出雲大社の近く、横長な島根半島の西端。東洋一の灯台があり、きれいな場所らしい。今日は快晴だが、明日以降は曇りがちの予報。岬や海は晴天の日に見た方がきれいだろうと思い、最初の目的地は日御碕にした。

日御碕へは、出雲市駅からバスが出ている。出雲大社を経由して岬までいく路線がほぼ毎時1本で、周遊きっぷで乗車可能。温泉から出ると、岬行きのバスは行ったばかり、次は出雲大社止まりのバスがあったので、出雲大社まで先に進もう。というわけで、出雲大社経由日御碕に変更。こういうことができるのも、乗り降り自由の周遊きっぷのおかげ。

出雲大社へのアクセスは、私鉄の電車か路線バス。どちらも周遊きっぷで乗車可能。
電車は「一畑(いちばた)電車」。NHKの朝ドラマ「だんだん」のオープニングCGに少し写っていた黄色と青の電車。JRと宍道湖を挟んで対岸(北岸)を走る路線もあり、松江市から出雲大社へこの電車で行くこともできる。
JR出雲市駅隣の電鉄出雲市駅からは1時間に1本運行されており、20分強で出雲大社前駅に着く(途中駅で乗り換えが必要な場合が多い)。駅からは長い参道を歩いて大社へ行く。運賃480円。

路線バスは、出雲市駅前から「一畑バス」。鉄道とバスは別会社だが、持ち株会社「一畑電気鉄道」傘下のグループ会社同士なので、青森の弘南バスと弘南鉄道のような疎遠な間柄ではなさそう。実際、バス車内に電車の時刻表が掲示されたりしていた。
出雲大社行きバスは1時間に2本。経由が2通りあるが、大社へ行くのならどちらでもよく、「出雲大社」と大きく表示があるから分かりやすい。上記の通り、1時間に1本は大社の先の日御碕まで運行する。電車の駅前(一部のみ)や参道入口も通るが、神社本殿のすぐそばにバスターミナルがあり、そこで降りると、すぐ(徒歩1分と書いていた)神社。時間は25分程度、運賃は510円。

出雲市駅のバス乗り場が大行列でびっくりしたが、空港行きか高速バスの乗客だった。
出雲大社行きのバス
出雲大社行きも地元の人と参拝客で昼間の地方都市の路線バスとしてはなかなかの賑わい。病院や住宅地、出雲ドーム、島根ワイナリーを過ぎると、大きな日の丸が見え、鳥居の前を過ぎて終点のバスターミナル着。出雲大社の所在地が出雲市なのは当然という気がするが、それはここ数年の話。かつては大社町で2005年に合併して出雲市になった。
ターミナルの職員が「出雲大社はこちらです。お帰りのバスは00分と30分発です」と声をかけてくれる。
観光センターの裏がバス乗り場。大社はすぐそば
職員が教えてくれたのは建物の間の細い路地。そこを抜けると土産物屋やロッカーのある観光センターがあり、いきなり大きな神社の脇へ出た。
最初に見えたのは「神楽殿」。1981年築の新しい建物。
そして巨大な日の丸! バスから見えたのはこれだった。NHKの放送終了時に映る日の丸はこれらしい。

さらに進むと神楽殿の隣に鳥居があり、その先が本殿。正面の参道でなく脇から入る形になってしまったためか、「あの出雲大社に来た!」という実感があまりない。それに正直、もっと神秘的な場所かと思っていたのに、失礼ながら少し立派な普通の神社という感じ。愛知県の豊川稲荷の方が雰囲気はあるなぁ…
奥の本殿が改築(平成の大遷宮)中のため、囲いがかかっている。神様は手前の元々拝殿だった建物に祀られ、「御仮殿」となっている。総事業費80億円で平成25年にできるらしい。
右奥の体育館みたいなのが工事中の本殿
「一拝祈念二礼四拍手一拝」という独特の作法に戸惑いながら参拝。境内は団体客よりも個人客が多い。
松が植わる長い参道
この先に、一畑電車の駅と、1990年に廃止された旧JR大社駅(保存されている)があるが、どちらも個性的で歴史を感じる建築だそうで興味がある。今は暑いし、日御碕に行くのが優先なので、文化伝承館とともに明日でも改めてじっくり訪れようとこの時は思っていたが、結局時間が作れず残念。帰りにバスの窓から両駅をちらりと眺めることはできた。
いずれ駅舎、伝承館、出雲そばと、出雲大社をじっくり参拝するためにまた来たい。

バスターミナルに戻る途中で「ヒノミサキっていう所がいいんだって。これから行ってみない?」とのおばさま方の会話を耳にし、期待が高まる。
駅からのバスが到着。大勢の参拝客が降りたが、降りずに岬へ向かう人も数組いた。
なんとなく出雲大社は内陸部にあるイメージがあったが、バスは1キロも走らないうちに海に突き当たり右折。急に険しい上り坂になるが、そこからが絶景。
磯と広い海を見下ろす
秋田とつながっている日本海だけど、秋田のそれとは違う。水の色が濃い青やエメラルドグリーンで透き通ってきれい。
山本コウタローとウイークエンドの「岬めぐり」にぴったりの光景だ。
カーブの連続
秋田の男鹿半島よりもきついかも。
右中央の広場が日御碕停留所
間もなく集落が見え、日御碕の発着場で下車。出雲大社から約20分。かつてはここも大社町だった。バスはこの後、近くの宇竜という集落へ向かった。
出雲大社からの運賃は490円、出雲市駅からだと840円。これが周遊きっぷで乗り放題になるのだから、たいへんトクだ。
後ろの公衆トイレまで赤い瓦屋根。山陰らしい。
【2015年1月22日追記】中国・山陰地方はどこでも赤い屋根瓦かと思い込んでいたがそうでもなく、出雲大社周辺では黒い瓦が主流のようだ。訪れた時は気付かなかった。

ヒノみさき行きのバスが日野自動車製のバスだったらおもしろいけど、いすゞ自動車製でした。
一畑バスはすべていすゞ製の車両のようだ。出雲地区では写真のタイプ、秋田でもおなじみの1世代前の中型車が多かったが、出雲大社止まりの便には大型車も使われていた。

なかなか話が進まず恐縮ですが、次回へ続きます
*           *           *
ところで、Mac OSの漢字変換“ことえり”で「ひのみさき」を変換しようとすると、「日御碕」が単語として登録されているにも関わらず、何度も「日野/美咲(誰だ?)」と変換する。「日御碕への」を出したいのに「日野/美咲への」→「日御碕/屁の」とか、「急に」を出したいのに「旧に」なんて普通使わない言葉に変換もする。もううんざり。明日、「ATOK for Mac定額制」が発売されるので、早めに買おう。
旅行と発売開始が重なったが、新OS「Snow Leopald」も注文したので、旅行記を中断して記事にするかもしれません。
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秋田から出雲へ

2009-09-06 18:14:02 | 旅行記
※この旅行記の1つ前の記事(計画編)はこちら
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今回も昨年の広島旅行同様、「周遊きっぷ」を使った。往復の運賃は2割引、ゾーン内では特急の自由席が乗り放題。
今回は「山陰ゾーン(5300円)」で、特急を使わなければ移動しにくい島根県出雲市から鳥取までの山陰本線を軸に、出雲大社や鳥取砂丘などへの私鉄・バスも利用できてしまうので、コストパフォーマンスはいい。小銭の準備がいらないのも楽。今回もややマニアックな経路だったので、若干手間取って発券してもらった。

初日は秋田を15時半に出て「こまち」のルートで東京まで行って、寝台列車に乗る。周遊きっぷでは往復の特急料金等は割引にならないので、いかに安く乗るかよく検討した。
「えきねっと割引(JR東日本の会員制予約サービス)」や「東京でなく上野で降りて節約」などいろいろワザはあるが、今回は、
秋田から大曲まで普通列車に乗車し、

大曲から「こまち」に乗車した。
これで400円ほど安くなる。大曲駅での接続も悪くなく、今回は秋田駅を30分早く出発して、大曲で10分弱待てばこまちが来る。混雑時や急ぐ場合などは別として、なかなか有効な節約手段だと個人的には思う。

秋田から乗った普通電車、いつもの「701系電車」だが、今日の車両は発車・加速する時の音が違う。
通常は床下にあるモーターを制御する「インバータ」から「う~ん う~ん う~~ん」という音がするのだが、これは「しゅるるる~」と静かで、山手線などの新しい車両に似た音。
秋田地区の車両は製造から15年ほど経ちインバータが老朽化したため、更新が行われているようだ。15年間で技術革新が進み、あまり音が出ないインバータができて、それに替わったわけだ。
よく見たら、正面ガラスの編成番号表記が「N33.」とピリオドが付いている。ピリオド付きが更新済みの目印なのかもしれない。

こまちは盛岡で下車。駅弁を買って、盛岡始発の「やまびこ」の自由席に乗る。時間はかかるがこれで数百円は安くなるし、東京到着時刻がちょうど良くなる。
「はやて」の車両だけど「やまびこ」です
このやまびこでは車内販売で一ノ関駅の駅弁も積み込むそうだ(確か前沢牛めしとかにめしと言っていた)。一ノ関は地元業者2社が豊富な駅弁を出しているけど、なかなか買う機会がない。でも車内販売ではどうせ盛岡か仙台の駅弁しかないだろうと、盛岡駅で買ったのだが、失敗。
さらになぜか「こまち号でご好評の秋田の伝統和菓子、『金萬(きんまん)』を数量限定で販売いたしております」そうだ。きっとこまちの車内販売での売れ残り(といっても脱酸素包装なので期限に余裕はあると思うけど)処分だ。金萬は白あんが入っているが皮はカステラ風、そして戦後創業だから、それを指して「伝統和菓子」というのには笑ってしまった。仙台発車後も案内したが、売れただろうか?

台風が関東へ接近している。福島付近から雨が降ってきた。寝台が運休にならないか心配。
東京駅に着く
日曜の21時過ぎなのにたくさん人がいる。雨が強いが、どうやら運休ではないらしい。

発車までの間に、念願の電子マネー「Suica」を購入。秋田では使える店はあるが、カード自体は購入できない(電車にも乗れない)。僕が使っているJR東日本のクレジットカードからスイカにチャージすると、ポイントが多く付くことが分かり、欲しかったのだ。
明日の朝食を買いたいが、さすがにこの時間では構内のお店はコンビニ以外閉まっている。寝台が発車する9番線にはコンビニが1つしかないが、パン類など朝食向けのものはたくさん仕入れてくれていた。そこでサンドイッチを買ってSuica支払い初体験。便利だけど、簡単すぎて“お金を払った(使った)”気分にならないのが怖い。

電車は発車10分少し前に入線。これから乗る「サンライズ出雲」は個室主体の寝台電車で、客車を使ったブルートレインではない。「サンライズ出雲」としては7両編成だが、途中の岡山までは同じ7両編成の高松行き「サンライズ瀬戸」と一緒に走るので、堂々の14両編成。
僕が利用するのは、いちばん室数の多い「B寝台“シングル”」で4度目の乗車。

さて、皆さんは寝台車で眠れるだろうか? 音や振動が苦手な方は多いと思う。
僕としては、機関車が客車を引っ張るブルートレインでは、発車時のガックンという衝撃(運転士の技術もあるが、連結器の構造上避けられない)で目が覚めがちだし、カーテン1枚しか隔てるものがないのも心細いし、古い車両だからあまり乗りたくない。
秋田を通る「あけぼの」には個室の「B寝台“ソロ”」があり、1度乗ったけれど、“窓付きの押し入れ”のようで、着替えに苦労するほど狭く、どこかがカタカタうるさくてほとんど寝られなかった経験がある。

でも、このサンライズは、電車なので連結器が違うからあのガックンはないし、1998年製造で新しい。狭いソロも1両だけあるが、シングルは約1000円高いものの、室内で立てるほど広くて快適。だから僕はサンライズに限っては安眠できていた。
 
これはシングル主体の車両の外観と車内。2階建てで車内の通路は整然とドアが並ぶ。僕が今まで乗ったシングルもこのタイプの車両だった。
でも今回僕が指定された車両は…
違う!
奥の方は窓が小さい。これは「ノビノビ座席」といって、寝台料金不要(指定席特急料金のみ)でウナギの寝床状態で横になれるもの。窓が上下になっているが、2階建てでなく、床は1層で巨大な2段ベッド状になっている。
で、手前に大きな窓があるが、これが僕に割り当てられた部屋。窓の大きさではちょっと優越感、というか7000円多く払ってるんだからね。
その車内
右が僕の部屋。向かいにも同じシングルがある。つまりこの車両は平屋構造で2部屋だけシングルがある。ノビノビ座席側からの通路がカーブしていて直接見えない奥まったような場所で、なんというか隠れ家的な部屋だ。
通路のドアの先は、デッキはなく、いきなり連結部の蛇腹(さらに先はトイレ)。そしてこの車両にはモーターが付いている(他のシングルのある車両にはモーターがない)。嫌な予感…
 
ともかく入室すると、部屋の広さは他の車両のシングルと同じだった。
窓と平行に寝る構造で、荷物や靴を置く場所もある(大型キャリーケースは無理かも)。
室内には鏡、広いテーブル(窓枠にも物を置ける)、NHKFMラジオ、目覚まし時計、コンセント(カミソリ用と表示があるが、携帯やデジカメの充電には使えた。電圧変化等があるかもしれないので自己責任で)、ハンガー、ゴミ袋、プラスチックコップなどがある。もちろん鍵がかかる(外出時は暗証番号を設定する)。300円で使えるシャワー室もある(人数制限あり)。
ベッドの幅は従来の個室でないB寝台と同じ70センチだそうだが、充分だし、転落する危険も低いし、寝たまま大きな窓を独り占めできる。
車内は明るい木目調。「M-Wood1」というミサワホームの木とプラスチックのハイブリッド素材を採用し、デザインも同社が手がけたらしい。従来の寝台車とは違う暖かみのある雰囲気。

22時ちょうどに発車。車掌は出雲・瀬戸に2人ずつ乗務しているが、「個室が多いため、検札に伺うのに時間がかかります」との放送だったもののすぐに来てくれ、着替えて寝る。浴衣というより、ガウン風の寝間着だった。
寝るとこんな感じ
他の車両の2階建ての部屋でも充分な高さだが、この部屋は平屋だけあって天井がとても高い(気がした)。“ソロ”のような“押し入れ感”はない。

さっきの嫌な予感というのは、音と揺れ。走行中はモーターが動いているわけだし、一般的に車両の端では揺れが大きくなる。
寝て落ち着いてみると、案の定。モーターの音は僕には気にならないが、連結部がキュコキュコこすれる音がするし、ふわふわと揺れる。製造時期が近いせいか、今日最初に乗った秋田の普通電車に似た揺れで、横になって寝ると気になってしまう。東海道本線は線路状態がいいから、快適かと思ったが、その分スピードを出す(常時100~120km/h出ているはず)ので結局は変わらないようだ。多くの部屋では感じないが、モーター付き車両の端という特殊環境では、ボロが出てしまったということのようだ。
(全体的に考えれば居住性、速達性ではとてもいい列車だが、)この部屋は「ハズレ」ですな。
利点は隠れ家感、段差なしで入室できること(別に車椅子対応個室はある)、天井の高さ、トイレの近さだけ。初めて寝台やサンライズに乗った人がこの部屋に当たったら、「もう乗らない」と思ってしまうかもしれない(個人差や疲労度にもよるけれど)。
大船?
でも「あけぼの」のソロのカタカタ音よりはマシなので、寝られそうだ。
部屋を真っ暗にして外を眺めるのは不思議な感じ。カーテンを上げてしばし眺める。
横浜と熱海の間くらい、23時前に最後の放送が流れた。沼津辺りまで記憶があったが、次に気づいた時は煌々と灯りが灯る大きな駅に、電車にしてはかなりゆっくりと静かに停車する所。気を遣って運転してくれているようだ。
大きな駅
「太閤通口」「名鉄線」といった表示、ホームに「名代きしめん」があるから名古屋駅だ。時刻は2時20分過ぎ。
時刻表上は1時10分の浜松の次は5時24分の姫路まで停まらないが、途中で運転士の交代や信号の関係でドアを開けずに停車(運転停車)する。他の夜行列車では何十分も停まることがあるが、サンライズは短いようだ。名古屋も数分で発車。

また記憶がなくなるが、掛け布団は毛布だから暑く、室内の冷房(自家用車みたいな風向、オンオフを変えられる吹出口がある)はやや強く、暑かったり寒かったり微妙でたまに起きて調節。
次にはっきりと意識があるのが、やはり運転停車の大阪。4時半頃だったと思うが、もう寝られなさそうな感じ。ぼーっとしていると、徐々に明るくなり、静まり返った神戸市街や明石海峡大橋を通過。
 
6時少し前、兵庫・岡山県境付近だろうか、田園地帯で日の出。まもなく「おはようございます。列車は時刻通りに運行しております。あと20分で岡山到着です」と最初の放送。
お待たせしました。「サンライズエクスプレス」のお顔です
岡山で高松行きと分かれ、この出雲市行きは倉敷から「伯備(はくび)線」に入る。岡山から車内のラウンジで弁当やコーヒーの販売があるが、すぐ売り切れるという情報(実際は分かりません)だし、朝から弁当は重そうで、サンドイッチを買っていた。今まで僕が乗った下りのサンライズは東京に7時に着いてしまい、朝ゆっくりできなかったが、上りは終点までまだ3時間半もあるから、のんびりできる。

伯備線はカーブが多く、スピードが落ちた。ローカル線として造られ新幹線接続のために特急が走るようになったという経緯もあり、秋田の田沢湖線みたいだ。

でも、田沢湖線ほど山深くはなく、高梁(たかはし)川に沿って走り、なかなかいい眺め。山の高さや距離感がどことなく東北とは違ったり、赤い屋根瓦の家が多かったりして、遠くへ来ているんだなと感じた。青空が気持ちよく、ちょっとうとうとしてしまったり。
途中の備中高梁は、古い町並みが残り、「男はつらいよ」の寅さんの妹・さくらの夫・博の出身地という設定で2度、舞台になった場所。いつか降りてみたい。
県境を越えついに鳥取県へ。米子から山陰本線に入り、さらに島根県へ。主要都市や宍道湖を通ると、車掌が観光案内の放送をしてくれる。通常の定期列車では珍しいサービスだが、僕の部屋はあいにく大山(だいせん)も宍道湖も見えない側。

熟睡とは言えなかったが、活動に支障ない程度に寝られたと思う。12時間の乗車を終え、出雲市到着。今回の旅行で訪れる最西端だ。
島根県出雲市の駅は「出雲」と駅名に“市”が付く。地域名としての「出雲」と区別するためだと思うが、たまにある例。
まずは出雲市駅前に日帰り温泉入浴施設があるとのことなので、直行。2004年にできた「出雲駅前温泉らんぷの湯」で600円。茶色く濁った「含鉄-カルシウム・ナトリウム-塩化物泉」でいいお湯だった。木をふんだんに使った広い浴室も気分がよくてさっぱりした。(大きな鍵付きロッカーはないようなので、駅のコインロッカーを使用した方がよさそう)
玄関横の足湯。かなり濃く濁っている
さて、出雲市で見たい所は3か所。出雲文化伝承館、日御碕、そして出雲大社なのだけど、次回へ続きます
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だだちゃ豆

2009-09-05 11:33:39 | 動物・植物
無事帰ってきました。旅行記をまとめるまでの時間つなぎに家庭菜園の記事を…
天候の悪い夏だったが、我が家の家庭菜園はまあまあ。

伏見甘長トウガラシは低温や低日照が続くとまったく実が着かず、夏らしい天気が続くとまとまって獲れる。虫は付かないし育てやすく、2株で充分な量が収穫できる。
インゲンマメ「サクサク王子」もなかなか。どんな野菜もそうだけど、豆類の穫れたては特においしい。

今年から育て始めた豆。
開いていないが、こんな小さな花

 紫のかわいい花

小さくて毛深い豆ができて(カタツムリの子供がいる)

エダマメになりました
これは、山形県庄内地方で幻の豆といわれ、最近人気の在来品種のエダマメ「だだちゃ豆」。ネットや秋田市内のホームセンターで種を買える。環境によっては育てにくいと聞いたが、良く育った。
農家では、株ごと刈り取って収穫するが、家庭菜園規模では、豆をもぎ取って収穫した方が、また花が咲いて豆ができるのでいいかもしれない。
収穫
5株ほどで1度にこれくらい。もっと獲れればいいのだけど。

さやに茶色の毛が生えていて、豆は扁平で小振り。(本場産地でプロが育てた本物とは違うと思います)

茹でて食べると、とってもおいしい。穫れたてのせいもあるだろうけど、そこらのエダマメとは味が違う。甘くて味が濃い! ビールのおつまみでパクパク食べてはもったいないような味。これがだだちゃ豆の味なのか。
こちらもほとんど手がかからなかったし(バナナ虫の幼虫に人気らしく、枝に行列している程度)、来年も育ててみよう。
コメント (4)
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