麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

桜と哲の400M~On your Mark

2012年04月05日 | 身辺雑記
今年の東京の桜の開花は
三月をこぼれるのでは、
とも言われていたけれど
ギリギリ間に合って(3/31)、
今日は20度とぽっかぽか
一気に巻き返した感じだ。

この追い込みから、
哲の走りを思い出した。

  

体育祭とは別に、陸上競技の記録会を
我が母校・柿生中学校は実施していた。
川崎市立の、つまりは公立校で、
まだ日教組が強かった頃だから
同じような経験を持つ人は
多いかも知れない。

短距離に中長距離のほか跳躍競技もあり
全校で取り組む行事だった。

我がバレー部のセッター
佐藤哲也は、天才的なトスで
時には味方まで翻弄する男。
普段は無口で大人しかった。
その哲が400を走った。

中学生にとってのその距離は
かなり過酷で、皆途中から失速した。
校庭が狭かったから
400のトラックは取れず、
約二周するコース設定だった。

そんな中、あろうことか、
哲はふざけているとしか思えない
だらだら走りを見せた。

体育の先生は激昂し、ちゃんと走れ!
と怒鳴ったが、哲は淡々とペースを守り、
みるみる半周近い差がついた。

が。
そう賢明な読者にはお分かりのように
ラスト100、他のランナーが
へろへろになる中、俄に速度を上げ、
まさに居眠りから覚めた兎が
亀を追い抜くように、
ぶっちぎりでゴールテープを切った。
哲の頭脳的な走りだった。

【つづく】
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする