麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

櫻と父のコードシェア(4)

2015年05月04日 | 制作公演関連
チェーホフの『桜の園』は、
富豪のラネフスカヤ夫人が没落し、
その象徴だった桜の大庭園のある
屋敷をついには失うお話でございます。

菊池寛の『父帰る』は失踪していた
家長が帰ってきたことに反発する兄ら
残された家族たちの悲喜こもごも。

つまりは、ある意味で共通項を持つ
国内外の名作をベースにしていて、
かつ、それを現代日本に移した
潤色作品という同じスタイルで
舞台に上げる二本立て公演。

J-Theater+東京ハイビーム
共同企画として日夜稽古中。

一週間通った中野の稽古場BOX-1に
今日で別れを告げて、明日からは
下北沢の本多スタジオにセットも組み、
いよいよ総仕上げ!!

さて。
稽古は二チームとも、良い意味での
緊迫感に包まれているけれども、
世の中は黄金週間真っ只中\(^-^)/

やはり家族連れが目立つのであります。

中学生か?高校生に見えなくもない
お姉ちゃんがお父さんにピタッと寄り添い、
小学生の弟とお母さんも、
体内に磁石でもある?と思うくらい
密着した仲良し家族を電車で見た。

まるで朝の通勤ラッシュでドア際に
押し付けられているようにも。
実際は混雑していないのだけれど、
その一塊な立ち姿は、広い草原の片隅の
灌木に身を寄せる草食動物の家族
と重なりさえするのでした。

スーパーではパパの持つポリ袋の、
片方の持ち手を掴んで「僕も買物の一員」
と自慢げな顔をした、幼いお兄ちゃん、
ベビーカーを押すママと、
その中でスヤスヤ眠る赤ちゃん。

「現実」の微笑ましいファミリーは、
ニュースで目にする凄惨な事件を
忘れさせてくれる……と同時に、
我々は演劇を通して、そんな善い家族が
もっともっと増える一助になりたいとも。

少々真面目な文章になっちゃったけど、
二作品とも「喜劇」です。
ゴールデンウィーク明けの週末、
行楽疲れ(?)や、昨今の社会情勢など
いろんなものを笑いで吹き飛ばす、
そんな狙いもなくはないのであります。

コメント
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