麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

太宰とMとN

2015年12月23日 | 制作公演関連
小学生の頃、少し背伸びをして
大人の小説なぞ読み始めると、
読めない漢字を一所懸命調べたことと
登場人物のアルファベット表記に
違和感を覚えた幼き自分を
強く記憶している。

日本語の文体に合わないよな~とか、
具体性を出したくないのは判るけど
ほかに工夫はなかったのかな~と、
盛り上がり始めた喉仏をさすりながら
生意気なことを考えていた。

そう書いておいての『太宰とMとN』(><)

J-Theaterの2015年最後の舞台は
ラストにふさわしくオールスターキャスト。
春夏秋冬、実に11作品を上演・・・
例えば八月は『祈り三部作』、
『近代戯曲コレクション』、
『近代能リーディング』という具合に
ひとつの公演で2~5作品を届けるのが
J-Theaterのスタイルだ。

さらにいえば三部作と銘打つわけで
『祈り~』は三篇からなり、
コレクションと言うからには近代戯曲三篇
と複数短編によるプログラムも多い。
延べ出演者数は二百人をゆうに超している。

そこからの選抜キャストで幕を開け
本日千秋楽の、語り芝居『太宰治特集』である。

Mはそんな2015シーズンにおいて
最も働いた一人と言えるだろう。

春には演出助手を兼ねて舞台に立ち、
夏には演出デビューを果たした。
秋は、売り出し中の「劇団チョコレートケーキ」
日澤雄介の演出を受け、
そして冬……タイトルロールの太宰を演じる。
(クロスのダブルキャストにつき、
21、22日は編集者役。本日昼夜が太宰)

社会人を経て、この世界に飛び込んだMは
他の面々より一際年嵩であるから、
若い衆と同じテンポで歩んでいる余裕はない。
そんな状況下、365日を3~5年分の
経験に充てられたように見える。

もっともそれでもまだ足りないから
来年以降も努力を惜しまず励んで欲しい。

続いてN。
主宰の小林拓生が必ず演出に立つが
前述のように外部からの演出家も必ずいる。

アニメーションからオペラ、映画と
幅広いフィールドで才能を発揮する
宇井孝司のチームで頭角を現した男は
稽古場でのいじられ役を経て、
前説に二回続けて抜擢(?)され、
秋にはイレイザーヘッドの主要な役を得た。

そして今回、小林演出作品でも
『貨幣』の大尉という大きな配役を勝ち得た。

見た目と裏腹に実はJ-Theater常連の中でも
下から数えたほうが早い。

のびしろは充分だ。
ただ最大の弱点は「客」を持っていないこと。


写真は昨昼のアフターイベント
「太宰サミット特別篇in世田谷」。

長くなった。
詳しくは明日書こう。
コメント
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