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諸田玲子著 「幽霊の涙」

2018年10月26日 13時29分51秒 | 読書記

図書館から借りていた 諸田玲子著 お鳥見女房シリーズ第6弾 「幽霊の涙」(新潮社)を 読み終えた。

諸田玲子著 「幽霊の涙」

第1話 幽霊の涙、
第2話 春いちばん、
第3話 ボタモチと恋、
第4話 鷹は知っている、
第5話 福寿草、
第6話 白暁、
第7話 海辺の朝、

代々 幕府の御鳥見役を務める矢島家の家付き女房珠世(たまよ)を主人公とする「お鳥見女房シリーズの第6弾目の作品だ。
珠世は、ころころとよく笑い、両頬にえくぼが出来る、明るい真っ直ぐな性格の女性、家族や関わりの有る人達に、次々巻き起こる問題、事件、危機に対しても、持ち前の明るさと機転、人情で対処し、乗り越えていく物語である。
前作「巣立ち」は 実の父親矢島久兵衛門が没するところで終わっているが、今作では 御鳥見役として出所する長男久太郎や、大番組与力永坂家の婿養子になった次男久之助、嫁いでいる長女幸枝、君江、石塚源太夫の子供達等 それぞれ成長した次世代の問題、事件、危機を中心に描かれている。
そんな彼らに対しても 決して表には出ず、少し離れた所から温かく見守りながら 手を打つところには手際良く手を打ち 大胆に行動する珠世である。
第1話から第7話まで 物語の展開は小気味好く 一気に読んでしまえるが 今作の最も大きな流れは 御鳥見役の裏の任務、密偵で相模に出掛け、殺されそうになり 一命をとり止め 無事生還する 長男久太郎の物語だ。
老中首座をめぐる 青山下野守と阿部伊勢守の不和陰謀に巻き込まれてしまった久太郎。
崖から転落させられ意識不明の状態の久太郎を助けた猟師彦三とその孫娘波矢と 約半年間過した久太郎。
その間は 行方不明の状態で 懸命に捜索が続けられるが それを案ずる矢島家の家族、夫伴之助、珠世、久太郎の妻恵以は 次第に焦りが。石塚家の次男源次郎、恵以が 相模へ捜索に向かう。
骨折も癒え、一刻の猶予ままならない事態となり 久太郎は 思いをよせていた波矢を裏切り 黙って彦三、波矢の家を去り 江戸に生還したが 以後 済まない気持ちが久太郎を苦しめる。
久太郎を追って江戸まで現れ 秘密を探っていた波矢は 事故か?殺害か? 若い命を落としてしまう。久太郎との関わりがなければ 落とさなくても良かった命である。
かって 父親久兵衛門、夫伴之助も 同じ苦しみを抱えていたことを知る珠世は 責任感の強い久太郎の気持ちを思いやる。江戸から外に出たことのない珠世が、辰吉親分付き添いで、彦三に詫びを入れるために、相模まで出掛ける。波矢の墓の前に 彦三と珠世が並び合掌、珠世は 彦三に何も話していなかったが 彦三には 珠世が何故訪ねてきたかがわかっていたようで いかめしい老人の横顔がおだやかだった。
珠世が 雑司が谷から三浦半島?付近まで 1泊2日で 歩いて行く???、
ちょっと 考えられないが そこが小説の面白いところ、
出来過ぎの妻で有り、母で有り、姑で有る珠世、こんな魅力的な女性は居るはず無いと思いながらも、憧れてしまう。
「来春まで」に つづく。


裾濡らす 露踏む小径 清し朝

2018年10月26日 08時18分50秒 | 散歩・ウオーキング

当地 今朝は 曇天ですが 爽快でした。
舗装していない遊歩道を歩いて帰ると ズボンの裾が 露で濡れる今日この頃、
秋の深まりを感じます。

「裾(すそ)濡らす 露踏む小径 清し(すがし)朝」

コキア
和名 ホウキギ、イソボウキ、ホウキグサ、
ヒユ科、バッシア属、春蒔き1年草、
原産地 西アジア、中央アジア、
開花期 9月頃、花は淡黄緑色で小さく目立たない、雌花雄花が有る、
秋 整った形のまま、長期間真っ赤に紅葉するため、観賞用に植えられることが多いが、
刈り取って陰干しし、草箒(クサボウキ)を作るのにも利用される。

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