図書館から借りていた、藤沢周平著、「驟り雨(はしりあめ)」(新潮文庫)を、読み終えた。
大都市江戸の片隅で懸命に生きながら、抗い切れない運命に翻弄される人々を、陰翳深く描いた短編10編が収録されている。
武家武士物時代小説が多い藤沢周平作品の中にあって、この作品は、必ずしも幸福とは言えない 名も無き庶民の生き様、人間模様を描いている。
随所に、現代の大都市生活では廃れる一方の義理、人情、情緒が散りばめられており、ノスタルジーを感じてしまう。
▢目次・主な登場人物
「贈り物」・・作十、おうめ、六蔵、
「うしろ姿」・・・六助、おはま、ばあさん、
「ちきしょう!」・・・おしゅん、万次郎、
「驟り雨」・・・嘉吉、
「人殺し」・・・繁太、伊太蔵、源次、お澄、
「朝焼け」・・・新吉、お品、
「遅いしあわせ」・・・おもん、栄次、重吉、
「運の尽き」・・・参次郎、利右衛門、おつぎ、芳蔵、
「捨てた女」・・・信助、ふき、
「泣かない女」・・・道蔵、お才、お柳、
▢解説