たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

「あはれ花びらながれ おみなごに花びらながれ・・・・」

2023年04月02日 11時13分23秒 | 詩・エッセイ

当地、今日はまた、曇天に戻り、気温も急低下、
花冷え?、花曇り?
満開になっている桜も、そろそろ散り始めているが、
毎年、この時期になると、なんとなく思い浮かんでくる詩がある。
まるで、疎覚えではあるが、
「あはれ花びらながれ おみなごに花びらながれ・・・・」
新学期を迎え、桜吹雪の下を、うきうきと賑やかに通り過ぎる女の子達の情景を
勝手に連想している爺さんであるが・・・・、
今更になってネットで調べてみると、
その詩は、詩人、三好達治が、1930年(昭和5年)に刊行した、詩集「測量船」で発表した抒情詩「甃(いし)のうへ」だった。もしかしたら、中学だか、高校だかの国語の教科書の載っていたのかも知れない。

「甃のうへ」 
三好達治、詩集「測量船より」


            あはれ花びらながれ
            をみなごに花びらながれ
            をみなごしめやかに語らひあゆみ
            うららかの跫音(あしおと)空にながれ
            をりふしに瞳をあげて
            翳(かげ)りなきみ寺の春をすぎゆくなり
            み寺の甍(いらか)みどりにうるほひ
            廂(ひさし)々に
            風鐸(ふうたく)のすがたしづかなれば
            ひとりなる
            わが身の影をあゆまする甃(いし)のうへ

「甃(いし)」とは、石畳、敷き瓦(石畳のように敷き並べた平たい瓦)のこと。
標準漢和辞典に無かった「甃」、PCでは、「いしだたみ」で変換され、ビックリ・・・、
「わが身の影をあゆまする甃のうへ」
爺さんの勝手な連想とは違って、緑に囲まれたお寺の桜の散る下を、静かに語らい歩く娘達の情景を見ながら、甃を歩く青年の孤独な思いを表現した詩だった。


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