飯島淳秀・訳 角川文庫 1922年
フィッツジェラルド、26歳のときの作。
早熟な作家といえるだろう。フィッツジェ
ラルドの短編は160篇ぐらいらしいが、
邦訳されたのは昭和55年時点で、15,6
篇だったらしい。その後、村上春樹氏によって
けっこう発掘された感はある。アーネスト・
ヘミングウェイ氏に言わせると、フィッツジェ
ラルドの短編の書き方は、売春行為だそうだ。
褒めているのか、いや、褒めてはいないか。で
も、そういうことを言っていたそうだ。
この短編だが、デクスターという少年がキャディ
をやっているところから始まり、恋をし、激しく
燃え上がるが、うまくいかず、その相手というのが
浮気性の女で、チャーミングらしいが、デクスタ
ーは他の女と婚約する、そのあと、また、ジュディ
が現れて、結婚するも、一か月で破綻。その
7年後、因果応報でジュディは、ダンナにえらい目に
あわされ、若さと美貌を失っていることを知る。
ある種の喪失感が重大なテーマになっていると
思われる。
(読了日 2024年2・13(火)17:08)
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