ふみ女史の父上檀一雄氏との思い出を綴りつつ、家、
住宅について語った本。
檀一雄氏といえば、あの太宰治とかの地でカニを買い、
バリバリと歩きながら食ったツレ感がぼくのなかでは大
きいのである。あと、檀流クッキングのひとね。
ふみ女史の家は雨漏りするらしいが、ぼくも今まで
四か所、か所を変えて暮らしてきたが、どこも雨漏りは
しなかった。だから、雨漏りするなんてひどいところに
住んでいるなあ、と思うが、世間ではフツー雨漏りしない
でしょ、やっぱり。
檀氏は原稿用紙に「奇泡亭」と印刷されていたという。それ
は逗留していたスペインの、「ドン・キホーテ」ならぬ、「
ダン・キホーテ―」なのだと語る。檀氏はよく夜中に料理を
していたらしい。ふみ女史の役目は三等兵なので、すり鉢の
ささえ役らしかった。それがぜーんぜんおもしろくなかった、
と語る。一度だけ竹馬を作ってくれたことがあって、それを
日がな一日やっていて、その写真もあるが、竹馬はずっと直ら
ず放っておかれたという。
「火宅の人」檀氏、おとこなら、一度は憧れる生き方をした人
である。……合掌。
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