「別冊文春」60年9月
インドものであり、周作氏にインドものといえば、
深い河という名作があると思うのだが、これはひ
とつのお仕事小説じゃないかと思う。
あんまり怪奇な感じはなく、とつとつとインド批判
が続き、なんてことのない小説だ。
ラストがとってつけたように、人食い虎と関連付けて、
終わっているが、そのほかは特に変わったところのない
変哲のない小説であり、ぼくはこれは正直すぎる意見
かもしれないが、おもしろくなかった。
といっても、ぼくはインドもの大好きのひとであり、
インドのことが描いてあればオーケイというひとなので
御多分に漏れず、この小説もじっくりと拝読いたした。
でも、ということだろう。文章はとてつもなく巧かった。
それがこの短編を支えていた。
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