古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

怪しい来客簿     色川武大

2016-10-17 10:29:38 | 小説の紹介
№177



文春文庫。


読むほどに色川氏は本当の意味の平和主義者


であり、人間に価値を見出した人なのだ、と


感じる。無名の婆さんからボクサーまで、こ



こで取り上げられる人たちはどこか影があり、



ひと癖ある人たちばかりである。いわゆる人



間臭く、泥臭いひとたち。そこに人間の価値


を見る色川氏は人間というものに優しい人で


あると思える。ナルコレプシーという病いな


どで心身はボロボロになりながら、描き切っ


た世界は、どこよりも魅惑的で、ドキドキす


る場所であるようだ。


(2016  10・9㈰ 1:49)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽文カフェ風景!

2016-10-16 15:52:32 | カフェ、ギャラリー
楽文カフェの風景です。みなさんで創り上げていく



議論の場なので、今、これからどういう風にしてヲ




シテ文字を学習していこうか、考えているところで



す。



今日は、旧暦について、メンバーの方から教えてい



ただき、池田満先生のCDを聴きました。




知識を共有することこそ、コミュニケーション



することだと思いますが、どうでしょう。



第一日曜日と第三日曜日に集まっています。ぜひ



どなたでも参加可能なので、ヲシテ文字に興味の




ある方はどうぞ。みなさん、優しくて教養豊かな




方ばかりですよ。


場所:古民家ギャラリーうした


参加費用   1000円(コーヒー付)


時間  13:30~



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壁 S・カルマ氏の犯罪    安倍公房  

2016-10-16 11:57:47 | 小説の紹介
№176


第二十五回昭和26年上半期



名前を失くしたS・カルマ氏の寓話である。安倍作品は



一作一作作り込まれた世界観の美しさがある。文章も巧



みだし、その世界を語るだけのテクニックがある。


ボクは安倍作品の中で一番好きなのは、方舟さくら丸な



のだけれど、短編も秀でたのがたくさんあるし、この作



品も読みごたえがある。果たして、広がる壁と、自分の



部屋は世界の果て、とはどういう意味なのか、ゆっくりと




考えたいと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

食い意地クン     久住昌之

2016-10-15 14:01:38 | 本の紹介
№175


新潮文庫


孤独のグルメはずっと好きで見ていたが


、この本も楽しい。それぞれ、焼き肉、


ラーメンからキャベツまでいろいろな


料理について店紹介も交えながら、熱く



語っている。それも読んでいて、全然楽


しくて、思わず食べたくなってきちゃう


のだから、文章の力があるということな



のだろう。食への愛が誰よりも深いとい



うことだと思う。あまりお上品すぎない


ところも気取ってなくていい。


(2016   9・30㈮ 22:05)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東山魁夷展

2016-10-15 09:34:14 | 日記
広島県立美術館で行われている東山魁夷展


に行ってきた。三万人が来場したという。



代表作「道」をはじめ、唐招提寺御影堂障



壁画三部作。台風が来る前のような静けさ



の中で木が風に凪いでいる姿は胸をざわつ



かせる。そして、その墨の色のすばらしさ。



普通の墨では出せないような、優しいよう



でいて深い味わい。海岸線の深くたおやか



な、青。圧倒的スケールで迫りくる躍動感。




ひとりの人間がこんなに自然を大きなスケ



ールで真正面からとらえ描くことができる



なんて、東山魁夷という人間の奥深さに驚



愕するのみだ。




家でメシを食った後に、歩いて行ったのだが、




その住んでいる環境にもこの度は感謝した。広



島という街の持っている機動性に驚くのみで



あった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

砧をうつ女   李恢成

2016-10-15 05:10:20 | 小説の紹介
№174


第九巻  第66回昭和46年下半期


朝鮮人の母のことが描かれている。母は



志を持った人だったが、身ごもって、出



産の際に死んでしまった。ちょっと作り



話クサいのが気にはなったが。キレイに



整い過ぎている感はあったかな。もっと



混沌とした文章の方がいいが、この先生は



こういう作風なのだろうねえ。父は暴力を



ふるって……という感じなので。



でも読みやすい点では評価できるのでは。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京日記 卵一個ぶんのお祝い。  川上弘美 絵・門馬則雄

2016-10-13 15:12:03 | 本の紹介
№173


絵・門馬則雄


ついでと言っちゃあなんだけど、古本屋で


買って帰り、ちょっと読んでみたらハマっ


てそのまま最後まで読んでしまった。


川上さんの五分四ホントのことという日記


である。日々の面白い人たち、大福おじさ


んとか、サルが現れた時の対処法を教えて


くれる親切な友達とか。めかぶを料理した


くてたまらなくなったり、ちょっと不思議


な川上作品の原点、源泉、を見るような気


持ちだ。目の付け所が奇抜で、扱い方も奇


妙で、笑ってしまうこと必至であった。


(2016  10・3㈪ 15:19)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽文カフェのお知らせ!

2016-10-13 04:34:55 | 教室
今週16日、第三週の日曜日なので、




楽文カフェがあります。





1日は、三人しか集まらなかったので




今回は頑張りたいです。




ヲシテ文字の勉強会です。今回は池田




満先生のCDを用意して、資料と合わせ




て勉強していきたいと思っています。




自由な議論の場としても、活用してくださ




い。どなたでも参加できます。




参加費用   1000円(コーヒー付)



時間 古民家ギャラリーうしたにて、13:30~


℡ 082・221・5401  まで
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界ケンカ旅   大山倍達

2016-10-12 17:58:28 | 本の紹介
№172


徳間文庫。


極真空手の師匠、大山倍達(ますたつ)が世界中で


暴れまわる。ニューヨークではギャングと対峙し、


シカゴでは猛牛を倒し、ブラジルでは短剣使いに


絡まれ、香港では陳老人に”半月殺法”を教えてもら


い、東南アジアではキックボクシングのブラックコ


ブラと相対し、勝利し、イランでは棒術師に組み、


フランスではサバットと出会い、三段蹴りを完成


させる。まるで武術映画か、劇画を読んでいるよ


うに次から次に敵が現れ、気持ちよく倒してゆく


。武術ファンだけでなく、娯楽小説としても通用


して面白いと思って読んだ。


(2016  9・27 18:30  希木崎完)            
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暢気眼鏡(のんきめがね)   尾崎一雄

2016-10-10 20:18:21 | 小説の紹介
№171


第五回昭和12年上半期。



他9編の短編から成る。所謂貧乏小説だが、そこは



やはりつい夢中になって読んでしまうほどに魅力に




あふれている。ジメジメとしていないので、貧乏も




笑い飛ばせてしまう。こういう力強い身辺小説とい




うか私小説を読むと、なぜか元気が出てくる。猫と




いう短編が良かった。夢をはさんでくるところなん




か乙である。また妻のキャラが非常に立っていて、




この小説を際立たせている。また歴史的一本を読



んでしまった、とニヤニヤしている自分がいた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする