燃え尽きて、白い灰になる・・・
* * * * * * * * * *
まだ記憶に新しい、1979年、イギリスで初の女性首相となった
マーガレット・サッチャーの半生を綴ります。
この作品は、とうに引退し老いたマーガレット86歳と、
若き日のマーガレットの政界進出から挫折までを交互に映し出していきます。
マーガレット・サッチャー役のメリル・ストリープは、今作でアカデミー賞主演女優賞を獲得しましたが、それも納得。
バリバリの首相時代もさることながら、頼りなげな一老女の姿があまりにもリアルで、目を奪われます。
実際街角で彼女があの姿で歩いていても、
周りの人はメリル・ストリープだとは気づかないでしょうね。
以前にもどこかで書いたかもしれないのですが、
老けメイクの技術がこんなにも進化していますが、若返りメイクはどうなのでしょう・・・?
どちらかと言うと、そういうメイクの技術の粋を見てみたい気がしますが・・・。
一瞬でもいいから20歳の頃の、あのみずみずしくハリのあるお肌を味わってみたい・・・。
お面かぶればって?・・・(T_T)
さてと、本筋とは関係ないことをくだくだ書いてしまったのですが、
つまりどうも私としてはこの作品、感動のツボがわからないのです・・・。
サッチャー氏は、女でも政治ができると男性に見せつけたくて政界に乗り出したわけではないですよね。
ただ自分の信念があって、それを貫き通した結果であっただけ。
もちろんこの映画でも“女ながらにすごいことを成し遂げた”みたいな描き方をしているわけではありません。
一時代前ならともかく、今時、「女だから」、「女なのに」・・・という視点はないだろうと。
(ただし、女であるがゆえの余計な苦労はあったようです。)
では、今作の肝は何なのか。
う~ん、そこのところがよくわからない。
例えば、彼女は結婚するときに夫となるデニスに「食器を洗って一生を終えるつもりはない」とはっきり言います。
デニスはそういうところもよく承知した上で、プロポーズしました。
この旦那様はとてもチャーミングです。
この人がいたから、仕事を続けられたのだ、という部分はとても説得力があります。
ところが86歳のマーガレットは、かなり記憶もあやふやになっており、
数年前にすでに亡くなった夫の幻影に話しかけるのです。
私はこのマーガレットの痴呆に近い状況というのは、
マーガレットの燃え尽きた結果なのではないかと思います。
あれですよ、あれ。
やりたいことを精一杯やり尽くして、燃え尽きて、真っ白い灰になるというやつ・・・。
この作品の若いころのシーンは彼女の残り火。
ここで思い出せる限りを思い出し、燃焼し尽くしている。
彼女の政治生命は、常に彼女を支える夫と共にあったのではないでしょうか。
彼女の思い出=残り火を燃やし尽くすことによって、
ようやく夫の死を受け入れられるようになったのではないかと・・・。
などと私の勝手な解釈を差し挟むくらいしか語るすべがなく、
どうもお粗末さまでした・・・!
ラストシーンでは、彼女はお茶碗を洗っていましたね。
彼女が捨てた生き方を、いま、新たに始めたのだと思われるそのラストは素敵だと思いました。
「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」
2011年/イギリス/105分
監督:フィリダ・ロイド
出演:メリル・ストリープ、ハリー・ロイド、ジム・ブロードベント、アンソニー・ヘッド
* * * * * * * * * *
まだ記憶に新しい、1979年、イギリスで初の女性首相となった
マーガレット・サッチャーの半生を綴ります。
この作品は、とうに引退し老いたマーガレット86歳と、
若き日のマーガレットの政界進出から挫折までを交互に映し出していきます。
マーガレット・サッチャー役のメリル・ストリープは、今作でアカデミー賞主演女優賞を獲得しましたが、それも納得。
バリバリの首相時代もさることながら、頼りなげな一老女の姿があまりにもリアルで、目を奪われます。
実際街角で彼女があの姿で歩いていても、
周りの人はメリル・ストリープだとは気づかないでしょうね。
以前にもどこかで書いたかもしれないのですが、
老けメイクの技術がこんなにも進化していますが、若返りメイクはどうなのでしょう・・・?
どちらかと言うと、そういうメイクの技術の粋を見てみたい気がしますが・・・。
一瞬でもいいから20歳の頃の、あのみずみずしくハリのあるお肌を味わってみたい・・・。
お面かぶればって?・・・(T_T)
さてと、本筋とは関係ないことをくだくだ書いてしまったのですが、
つまりどうも私としてはこの作品、感動のツボがわからないのです・・・。
サッチャー氏は、女でも政治ができると男性に見せつけたくて政界に乗り出したわけではないですよね。
ただ自分の信念があって、それを貫き通した結果であっただけ。
もちろんこの映画でも“女ながらにすごいことを成し遂げた”みたいな描き方をしているわけではありません。
一時代前ならともかく、今時、「女だから」、「女なのに」・・・という視点はないだろうと。
(ただし、女であるがゆえの余計な苦労はあったようです。)
では、今作の肝は何なのか。
う~ん、そこのところがよくわからない。
例えば、彼女は結婚するときに夫となるデニスに「食器を洗って一生を終えるつもりはない」とはっきり言います。
デニスはそういうところもよく承知した上で、プロポーズしました。
この旦那様はとてもチャーミングです。
この人がいたから、仕事を続けられたのだ、という部分はとても説得力があります。
ところが86歳のマーガレットは、かなり記憶もあやふやになっており、
数年前にすでに亡くなった夫の幻影に話しかけるのです。
私はこのマーガレットの痴呆に近い状況というのは、
マーガレットの燃え尽きた結果なのではないかと思います。
あれですよ、あれ。
やりたいことを精一杯やり尽くして、燃え尽きて、真っ白い灰になるというやつ・・・。
この作品の若いころのシーンは彼女の残り火。
ここで思い出せる限りを思い出し、燃焼し尽くしている。
彼女の政治生命は、常に彼女を支える夫と共にあったのではないでしょうか。
彼女の思い出=残り火を燃やし尽くすことによって、
ようやく夫の死を受け入れられるようになったのではないかと・・・。
などと私の勝手な解釈を差し挟むくらいしか語るすべがなく、
どうもお粗末さまでした・・・!
ラストシーンでは、彼女はお茶碗を洗っていましたね。
彼女が捨てた生き方を、いま、新たに始めたのだと思われるそのラストは素敵だと思いました。
「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」
2011年/イギリス/105分
監督:フィリダ・ロイド
出演:メリル・ストリープ、ハリー・ロイド、ジム・ブロードベント、アンソニー・ヘッド