映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

イン・ザ・ヒーロー

2014年09月11日 | 映画(あ行)
あきらめない男のカッコ悪さ&カッコよさ



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ブルース・リーに憧れながら、25年間スーツアクターとして
作品に顔も名前も出ない裏方に徹してきた本城渉(唐沢寿明)。
しかしある日、ハリウッド映画のアクション大作からのオファーがあるのです。
それは8.5メートルから落下し、炎の中で100人の忍者を切り倒すという
命を落としかねない危険なスタント。
しかし、きちんと顔を出すことができる。
果たして彼は、命をかけてこの役を引き受けるのか・・・?



唐沢寿明さんは実際に仮面ライダーやスーパー戦隊シリーズに
スーツアクターとして出演していたのですね。
そうした背景があるからこそ、もちろんアクションもたっぷりの本作で、
素晴らしく光っていました。
ハートは武士道。
ちょっと年はとってるけど、ベテランの持ち味で勝負。

ずっと追いかけてきた夢。
夢はあきらめたらそこで終わり。
決してあきらめるな!!

そのように強く私達に訴えます。
ユーモアをたっぷり絡ませながら、見せ所もありアクションもあり。
たっぷり楽しませていただきました!!



本城のチームは「ドラゴンフォー」というTVドラマのスーツアクターを受け持っていますが、
何故か女性役を寺島進さんが務めていたり(他に女性がいるのに!!)する。
松方弘樹さんが本人役で登場したり、
はたまた及川光博さんがいや~なオトコ役で登場したり、
楽しいですよ~。

そしてまた若干お目当て(ミーハー!)でもあった福士蒼汰くんがカッコイイ。
彼は一の瀬リョウというアイドル路線売り出し中の青年役ですが、
始めは苦労知らずの生意気な若造。
けれど実は意外な苦労をしていて・・・というところが見えてきて、
なかなか良かったんですよ。
予告編で見ただけですがあのチンケな青春ロマコメ作品よりも
こっちのほうがずっと良かったのではないかしらん。
でも最後の最後、アメリカの地に立った彼に
残念ながら全然オーラが無い。
リアリティが崩れた・・・。
そこはやっぱり実際にもっと経験を積まなければね・・・。



それにしてもあの映画監督は、クレイジーに過ぎるではありませぬか。
無茶言わないでCGとワイヤーを使いましょうよ・・・。
メインで白忍者があんなに活躍して目立ってしまって、
主役のはずの一の瀬リョウくんは、一体どんな役だったのだろう・・・???



本城の娘・歩役は杉咲花さん。
あれ?最近絶対にどこかで見たんだけど・・・と、思ったら、
「MOZU」で、香川照之さんの娘役だったですね!? 
離婚したお母さんの方と一緒に住んでいて、
時々父親と会って一緒に食事をしたりする。
仕事は熱心だけど、父親としてはまるで駄目なパパ・・・  
あら~、全くシチュエーションが同じだワ・・・。
しかしまあ、ちょっとちゃっかりしていてかわいいこの娘役、
とても彼女に似合っています。

「イン・ザ・ヒーロー」
2014年/日本/124分
監督:武正晴
出演:唐沢寿明、福士蒼汰、黒谷友香、寺島進、和久井映見、杉咲花

あきらめない男のカッコ悪さ&カッコよさ★★★★☆
アクション度★★★★☆
満足度★★★★☆