服を買いまくる女とその夫

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え~と本作も西島秀俊カテゴリ?
西島さんは「語り手」だけで、映像には表れません!!
残念・・・。
だけど、西島さんの魅力はこのチョッピリ甘い「声」でもあるので、いいですよ~。
作品自体が淡々と進んでいくので、それにマッチした穏やかながら淡々とつぶやくような語り。
これもいいものです。
またその語りの合間にときどき、役者さんが自分でつぶやくところが良かったな。
さて、本作はまた、なかなかユニークじゃないですか。
原作が村上春樹なんだね。
そうそう、まあそれで、この不思議に静かな世界観は納得です。
主人公はトニー滝谷(イッセー尾形)というイラストレーター。
父親はジャズトランペットを生業とし、いつも家におらず、
母は早くに亡くなっていて、子供の頃から孤独を抱えていた。
彼はそれがあたりまえだと思っていたのに、ある時英子(宮沢りえ)に恋をするんだね。
そうして初めて彼は「孤独」の意味に気づく。
自分の目の前から彼女が消えてしまったとしたら・・・
自分は耐えられないだろう。
もう孤独には戻れない・・・
思いは叶って二人は結婚するけれど、幸せな日々はほんの一瞬で崩れ去ってしまう・・・
英子は家事も完璧にこなす素晴らしい女性だったけれど、
トニーには気になることがあった。
それは英子が異常に服を欲しがること。
つまりそれって買い物依存症というやつなんだろうね。
ブティックで服を見るともうそれを買わずにいられない。
もともとトニーは彼女を「服を着るために生まれてきたような」女性だと思い
一目惚れをするわけだから・・・。
確かに宮沢りえさん、ステキだものねえ・・・。
何を着てもカッコイイというか、服をどっさり買う甲斐もあるよねえ・・・。
トニーは結構稼げるイラストレーターだったんだね。
あんなに服を買ってもまだ困ってはいなかったようで・・・。
はー、私もあんなふうにおもいっきり服を買いまくりたい・・・
しかし問題は、せっかくいい服を買ってもさほど着映えがしないってことだよね。
ちっ、それを言ったらおしまいじゃん。
しかし、ある日突然、その服の持ち主がいなくなってしまうわけだ。
クローゼットでは収納しきれず、衣装部屋と化した一室。
それはトニーに亡き妻を偲ぶためのものとなりうるのか、それとも・・・。
ずっと恋なんかしなければ、同じ状態でも平気だったはずなのにね。
喪失による深い孤独。
でもそれはいつかは誰もが体験することなのかもしれない。
色調も明度も極端に抑えた演出。じっくりと見入ってしまう作品。
村上春樹ファンならば、きっと気にいると思います。
「トニー滝谷」
2004年/日本/76分
監督・脚本:市川準
出演:イッセー尾形、宮沢りえ
(語り)西島秀俊
村上春樹の世界観★★★★☆
西島秀俊の魅力度★★★☆☆
満足度★★★★☆

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作品自体が淡々と進んでいくので、それにマッチした穏やかながら淡々とつぶやくような語り。
これもいいものです。
またその語りの合間にときどき、役者さんが自分でつぶやくところが良かったな。

原作が村上春樹なんだね。


父親はジャズトランペットを生業とし、いつも家におらず、
母は早くに亡くなっていて、子供の頃から孤独を抱えていた。

そうして初めて彼は「孤独」の意味に気づく。

自分は耐えられないだろう。
もう孤独には戻れない・・・
思いは叶って二人は結婚するけれど、幸せな日々はほんの一瞬で崩れ去ってしまう・・・

トニーには気になることがあった。
それは英子が異常に服を欲しがること。

ブティックで服を見るともうそれを買わずにいられない。

一目惚れをするわけだから・・・。

何を着てもカッコイイというか、服をどっさり買う甲斐もあるよねえ・・・。

あんなに服を買ってもまだ困ってはいなかったようで・・・。




クローゼットでは収納しきれず、衣装部屋と化した一室。






![]() | トニー滝谷 スタンダード・エディション [DVD] |
イッセー尾形,宮沢りえ | |
ジェネオン エンタテインメント |
「トニー滝谷」
2004年/日本/76分
監督・脚本:市川準
出演:イッセー尾形、宮沢りえ
(語り)西島秀俊
村上春樹の世界観★★★★☆
西島秀俊の魅力度★★★☆☆
満足度★★★★☆