映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

フライト・ゲーム

2014年09月15日 | 映画(は行)
意外な展開で、思わず息を呑む



* * * * * * * * * *

絶海の孤島、雪の山荘・・・、
限定的な場所で起こる殺人事件を題材とするミステリは大好きですが、
考えてみると航空機の中というのがまた、究極の限定空間ですね。
誰も逃げも隠れもできない。
犯人は必ずこの中にいて、そして死者もこの中から出る。
そしてその上、なにか起こればその「限定空間」自体が壊滅。
全員の命が危険にさらされる・・・。



本作はそういったシチュエーションをフルに踏まえた、
全くドキドキさせられる作品です。



航空保安官であるビル・マークス(リーアム・ニーソン)は
ロンドン行きの旅客機に乗り込みますが、
彼のケータイに謎の脅迫メールが届きます。

「1億5000万ドル送金しなければ、20分ごとに一人を殺す。」

このことを阻止するために彼は立ち上がるが・・・!!
まず度肝を抜かれたのは、
なんと一番初めの殺人は実に意外な人物が犯してしまうというところなのです。
まんまと犯人の罠にはめられたということなのですが、
しかし、こんなことってあるでしょうか。
このあり得ない展開で、私は一段とストーリーにのめり込んでしまいました。



そしてまた、驚いたことに犯人が指定した振込口座は、ビル自身のものだった・・・!!



一体どんな周到な犯人なんだろう、もう目が話せません。
それにしても、周りの誰も彼もが疑わしいのです。
キャビンアテンダント、
隣の席の女性(ジュリアン・ムーア)、
アラブ人男性、
挑発的な黒人、
NY市警警官・・・。
そしてなによりも、訳ありそうなこの航空保安官・ビル自身すらも怪しい。
実際、彼が犯人と疑われることで、一層犯人探しが困難になったりもするのです。
でも、何が何でも諦めないおやっさん、
それがリーアム・ニーソンですもんね。



146人の乗客・乗員の中から、どのように犯人を特定しようとするのか・・・
もう、目がはなせません。
そしてラストへ向けての盛り上がり・・・

こ、怖い。
旅客機が舞台であることをフルに活かした、スピーディな展開。
全く侮れない作品です。

「フライト・ゲーム」
2014年/アメリカ/107分
監督:ジャウム・コレットニセラ
出演:リーアム・ニーソン、ジュリアン・ムーア、スクート・マクネイリー、ミシェル・ドッカリー、ネイト・パーカー

ドキドキ・ハラハラ度★★★★★
展開の意外性★★★★☆
満足度★★★★☆